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【連載】『小粋な手紙箱』 #99・おすすめの本や映画などについて手紙で伝えよう

田丸有子

(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタントの田丸有子さんは、子どもの頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの手紙好き。コンサルタントとして手紙文化を広めるために活動している田丸さんに、手紙の書き方のコツや手紙に関するトピックなどを毎月紹介してもらいます。

手紙で気持ちを伝えよう!

6月とは思えない暑さが続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。

手紙を書くとき、何を書いたら良いのかわからず難しさを感じていらっしゃる方も多いと思います。そんなときは、最近出会ったものの中で良かったものを相手に勧めるところからはじめてみてはいかがでしょう。美味しかったものの話、雰囲気の良いお店に行った話、面白かった本や映画、感動した美術展、印象深い経験について感想を交えながら綴るのです。

例えば映画の感想を手紙に書くとしましょう。
「夕べ、すてきな映画を観ました。」とはじめて、どのようにすてきだったのか、それをなぜすてきだと思ったのかを書いていきます。感情移入したポイント、心を動かされた登場人物のセリフや行為、映像の美しさなど思いついたことをどんどん書いていきます。

「主人公は悩むけれど、悩んでいる間もつねに動いているのよ。動いているうちに悩みから脱出するきっかけが見つかって前に進んでいくの。グズグズしがちな私もこの主人公のようでありたいと思ったわ」こんな風に映画について書きながら、そこに自分の心情を乗せていくと読み手に伝わりやすくなります。

それから、「そうそう、この映画に出てくる街に行ったことがあってね、そこで食べたスイーツが美味しくて忘れられないの。どんなスイーツかというと…」のように、映画をきっかけに思い出したエピソードなどもあれば続けて書くと話題が広がっていきます。

コツとしては、文章が多少変な感じになっても気にせず書き続けることです。筆が乗ってきたら細かいことは気にせずとにかく書き進めましょう。あとで読み直してちょこちょこ修正することもできますし、全体的に治したくなったら新しい便箋に書き直せば良いのです。完璧な手紙も素晴らしいですが、カジュアルな手紙であれば、この推敲の跡が見えるのも書き手の想いが伝わる手紙の味わいであり彩りなのです。

手紙文に一番大切なのは、上手な文章ではなく、書き手が伝えたい想いなので、感想文は昔から苦手だったと諦めず、エッセイストにでもなった気分で書いてみてくださいね。

手紙トピック

令和7年7月7日がもうすぐやってきます。消印に7が3つ並ぶおめでたい日です。滅多に押印できない数字並びの消印をもらうために、コレクション作品やマキシマムカード、通常のおたよりにいたるまで、郵趣界隈のみなさんはどのように工夫するのか考えをめぐらせていることでしょう。

七夕なので生成AIを使い天の川と7を組み合わせたオリジナルのポストカードを作ってマキシマムカードにしても面白そうです。

さらにこの日は新しい切手「海の生き物シリーズ 第9集」の発売日でもあります。海の中を自由に泳ぎ回るアザラシを描いた切手は夏のおたよりにピッタリですし、初日印はスリーセブンを意識したにくいデザインになっています。

そんなわけで今年の7月7日の郵便局は今までになく盛り上がりそうです。

今月のマキシマムカード

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ポストカード: ソール・ライター
切手:左・ 特殊切手「グリーティング(ライフ・花)」2023
右・ 普通切手
風景印:銀座通郵便局(東京)

お知らせ

★手紙やメールの書き方の基本について通信講座があります。
忙しい人でも自分のペースで学べます。
楽しく学んで手紙上手になりましょう!

入門講座 /通信講座「手紙の書き方講座」
ビジネスメール講座 /通信講座「仕事で差がつく!メール・文章の書き方講座」
美文字講座 /通信講座「仕事で差がつく!実用美字・美手紙講座」

プロフィール

田丸有子(たまるゆうこ)

(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタント

子供の頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの文通好き。でも手紙の何がそこまで自分を魅了するのか、深く考えたことはありませんでした。講座を受けて一番良かったことは、手紙が私の憧れを実現する手段であると気付いたことです。自分を表現することで人に喜んでもらいたい。叶えるために出来ることは何かずっと探してきました。その表現方法こそ私にとっての手紙であり、魅かれる理由なのだと気付いた瞬間、「やっと見つけた!」そんな気持ちになりました。

また、郵趣のコミュニティに参加したことで、手紙にも色々な楽しみ方が有ることを知りました。私が今夢中になっているのは、葉書と切手、消印をコーディネートするマキシマムカード。いかにセンス良く仕上げて個性を出すか、考えるだけでワクワクします。

奥深い手紙文化を通して自分の世界が広がっていく面白さを沢山の人たちと共有し、心を豊かにしていきたいです。

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