- 連載企画
- 【連載】月刊ブング・ジャム Vol.97 新学期におすすめの文房具 その1

【連載】月刊ブング・ジャム Vol.97 新学期におすすめの文房具 その1
本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は、新学期におすすめの文房具を紹介してもらいました。
第1回目はきだてさんおすすめの「プニュスパイラル」です。
(写真左からきだてさん、高畑編集長、他故さん)*2024年11月9日撮影
*鼎談は2025年3月24日にリモートで行われました。
巻きつけるだけで使える!
「プニュスパイラル」(クツワ) *関連記事
――新年度がスタートしましたので、新学期におすすめの文具を紹介してもらいます。まずはきだてさんからでお願いします。きだてさんは「プニュスパイラル」ですね。
【高畑】きだてさんが紹介しなかったら俺がやるけど、でもこれはきだてさんに譲らねばっていう感じがすごいした。
【他故】これはやってもらわないと。
【きだて】まぁ、3人の中で一番メリットを享受してるのは俺だろうし。
――きだてさんは手汗をかくので。
【高畑】ペンのグリップに関しては、やっぱりね、きだてさんの意見を聞かざるを得ないっていうのはあるよ。
【他故】まあそうだね。第一人者だからね。
【きだて】こういうのも第一人者って言うのかな。
【高畑】一番リアルに困ってもいるし、そこに対していろんなアプローチでなんとかしようとしてきている人なので。
【きだて】そうだね。
【他故】蓄積が違うよ。
――じゃあ、改めてご紹介お願いします。
【きだて】これまでも、元になっている「プニュグリップ」の方をボールペンに装着して使っていたわけですよ。メリットとしてグリップ力と適度な太さとフィット感とか色々とあるんだけど、やっぱり一番いいのは手汗を多少かいても全然崩れることのないシリコンならではのフィット感。
【高畑】何なのかよく分かんないけど、この素材感が独特だよね。
【きだて】結構引き伸ばしたりとかしても、グリップがそんな変わんないのが、また面白くて。
【高畑】ペンに最初から付いてるタイプのグリップで、それと同じ手触りってないじゃん。
【きだて】ないね。「アルファゲル」なんかともまた別物で。
【高畑】使ってるとだんだん傷んでくるので、使い切りというところは多分あるんだろうけど。でも、それゆえにというか、他のグリップでほぼ見ない感じの、圧倒的なグリップ感というか。
【きだて】ただ、やっぱりしばらく放置してると例の汁は出るんだけどね。ドクグリとかでお馴染みの加水分解汁。
【高畑】やっぱ汁が出てくるのか。
【きだて】出る出る。なのでやっぱり使い切りではある。あと、そもそも「プニュグリップ」は鉛筆専用として発売されてるわけじゃない。
【他故】元々はね。
【きだて】内径が8㎜ってことで、鉛筆に着けるのが大前提でしょ。それを無理やりボールペンに着けるためには、うーんって引っ張って無理やりめくり上げて入れる必要があるんだけど、そこにコツが要るというか。他の人に気軽に「ボールペンに『プニュグリップ』をはめたらいいですよ」って教えづらい難易度があったわけ。
【他故】まあね、やりづらいよね。
【きだて】いっぺんコツを掴んじゃえばできるんだけど、なかなかそうもいかないし。あとは、着け外しができない。
【他故】ああ、はいはい。
【高畑】一度着けるとね。
【きだて】着け外しが必要な場合って、例えばApple Pencilの第2世代。マグネットでペタッとiPad自体にくっつけて充電するというやつ。
【高畑】着けてると充電できないんだよね。
【きだて】そう。とはいえ、絵を描く人でApple Pencilを使ってる人って、結構「プニュグリップ」を使ってる人多くて。
【他故】いるね。いるいる。
【きだて】「プニュグリップ」を縦に割いて、着け外ししやすいようにしてるとか。
【他故】あーなるほどー。
【きだて】そういう、わりと力業でなんとかしてる人もいたんだ。だから、昔から「ボールペンにも着けられるプニュグリップが欲しいよ」っていうのはずっとクツワさんにも言い続けてて。それを聞いてくれたのかどうなのかは分かんないけれども、ようやく待望のヤツが出ました、という感じ。
【高畑】そうだね。
【きだて】とはいえ、「ボールペンにも着けられるプニュグリップ」っていうのが、こういう……細い帯を巻き付けるかたちになるとはちょっと想像してなくて、「あ、そうか。これで良かったんだ」っていう。変な工夫とかいらなくて、この素材自体に摩擦が超絶強いので、巻き付けて先端と後端を巻き込むだけで、それで全然グリップになるんだね。
【高畑】端っこはちょっと内側に入れるんだよね。
【きだて】そうそう。薄くなっていて巻き込みやすくなってる。そういう工夫も含めて、これはよく作ったなという感じ。
【他故】これよくできてるよね。
【きだて】実際に、今手元にあるペンに片っ端からこれを着けてるんですけども。
【高畑】相変わらずだな(笑)。
【きだて】「ユニボール ゼント」のフローモデルもこれならバッチリっていうね。
【他故】ああ、あのめっちゃツルツルなペンで(笑)。
【きだて】グリップゼロの金属グリップでも、これならいけるっていう(笑)。
【他故】分かる分かる。私も「ユニボール ワンP」に着けておりますので(笑)。
【きだて】この巻き付ける方式が素晴らしいのは、ペンの軸径がどうのではなくて、ペン先側の口金部分からでも自由に巻けるというところ。
【高畑】うん。
【きだて】径が途中から太くなろうとも問題ないし、傾斜面にも巻ける。俺みたいに口金の辺りから握りたい先持ち派には最高ですよ。
【他故】これだと先端までラバーが行くものね。
【きだて】そうそう。だから、どんなところからでも巻けるっていうスパイラル式は良かった。他にも、この螺旋の部分が指の形にもフィットするとか、スパイラル式のメリットはいろいろあるんだけれども、とりあえず今のところ満点でケチの付けようがないね。もしかしたら、このまま 10 年ぐらい使った後で、ちょっと文句のひとつも出るかもだけど。
【他故】10年ぐらい(笑)。
【高畑】ケチが出てくるというよりは、むしろ愛着ができてくるんじゃないの。
【きだて】多分これもね、汁は出てくると思うんだよ。
【高畑】まあ、多分素材は同じなんだろうね。
【きだて】そうなっても、「じゃあ新しく巻き直せばいいや」ぐらいの感じになるわけじゃない。
【他故】そうだろうね。
【高畑】汁が出てくるとか、埃がついたりとか、色々と汚れる要素は当然あるんだけど。でも、外して洗うのも簡単だし、「もういいや」って思って新しいのに取り替えても、まあそんなにめちゃめちゃ高いものでもないし。
【きだて】うーん。とはいえ安くはないんだわ。
【高畑】微妙なとこではあるか。
【きだて】「プニュグリップ」は3つで100円とかじゃない。この「プニュスパイラル」3本セットで480円+税だから、1本で 180円近いでしょ。
【高畑】そう考えると、前のに比べたらちょっと割高だよね。それが技術的な問題なのか、それとも本当は前のやつも値段上げたいけどもなのか分かんないけどね。どういう型で作ってるのか分かんないし、このスパイラルをはがしていくのが手間かかるっていうのもあるかもしれないけど、全体的に加工の材料費とか工賃とかいろんなものが上がってることを考えてると、新商品としては最初からそれなりの値段を付けておきたいというところかな。
【きだて】実際それでいいと思う。「プニュグリップ」は学童用だから、ちょっと上げづらいっていうのもあっただろうしね。
【他故】うん、まあそうだね。
【高畑】鉛筆専用じゃないから。500円とか1,000円とかするボールペンに、150円のやつを巻いて快適に使うって考えたら、まあなくはないなと思うし。150円だからね。ベタベタになってきたなと思ったら交換するのもまあなしではないなって感じはする。
【きだて】多分、これ使うのは大人だと思うしね。子どもは多分これを使わないだろう。
【他故】でもどうかな?
【高畑】子どもとかでも今シャーペンとか結構使うじゃない。鉛筆を使ってるのって、小学校の低学年だけじゃない?
【きだて】そうか。
【他故】あと「プニュグリップ」だって、鉛筆から外さないと削れないじゃん。あれが嫌だっていう人がいるはずだから、
【高畑】巻きやすいっていうのがあるかもね。
【きだて】そうか、鉛筆を削るときに着脱が楽か。なるほどな。
【他故】だと思うよ。親が嫌がるんじゃないかな。削ろうと思ったら「あっ抜けない」みたいなのがあるだろうし。
【高畑】あとさ、新入学で使うペンケースだとさ、鉛筆ホルダーが付いているけど、そこにはめられないよね。
【他故】ああ、そうだね。着けてたら無理だね。
【高畑】そういう問題はなんかありそうではあるけどね。シャーペンでも使えるけど、木軸シャープを買ってこれを巻いたら意味ねえじゃんって気はするけどね。
【他故】ははは(笑)。
【きだて】木の手触りを楽しめよっていう話だよな(笑)。
【高畑】そうそう、そこ巻いたら意味ねえじゃんって気がするので。
【きだて】使うシーンは色々あるんだろうけどさ、それは人それぞれで。
【高畑】さっきのApple Pencilもそうだし、デザインナイフに巻くとか、漫画描いたりするつけペンの軸に巻くとかができちゃうよね。
【きだて】実際に漫画家さんのプニュグリップ率が異常に高いらしくて。奥さん調べですけど(笑)、使ってる人はとても多い。うちの奥さんもアナログ時代はペンに巻いてたし、今もApple Pencilに巻いてるし。僕があげたのでスパイラルに巻き替えましたけども(笑)。
【高畑】僕らが子どもの頃でも、何かを巻くっていうのはやってたからね。今は「プニュグリップ」でいけるのは楽でいいよね。
【きだて】そうそう。ゼブラのグリップ巻くやつ、「マイティグリップ」だっけ? ちょっとね、あれを思い出したんですけど(*関連記事)。
【他故】「マイティグリップ」あったね。
【きだて】あれはあれで手汗を吸収してくれる良さがあったんだけどね。
【他故】そうだね。
【高畑】ドライタイプとウェットタイプがあるっていうのがなかなかでしたけど。だからこれ、テープなくなったら、ここに「プニュスパイラル」を巻いても全然いけますよね。
【きだて】太さがね、上手いこといくんじゃないかなと思って。
【高畑】いけそうだね。
【きだて】巻くところが凹んでるから。
【高畑】これはテニスのラケットのグリップを巻くやつから思いついたんだよね。
【きだて】そうそう、グリップテープだったんだけれども。昔は、革のベルト巻いたりとかさ、色々と自分なりにグリップのカスタムってみんなしてたじゃない。
【高畑】俺は「おゆまる」みたいなやつを巻いてた。お湯に入れると溶けるプラで、自分の持ちやすいかたちにしてた。
【きだて】そう、やったやった。指のかたちに沿わせてとかね。
【他故】ちょうど僕が小学校の高学年の時が、オートが「グリッパーシャープ」を出した時で。
【きだて】はいはい。
【他故】それで、グリッパーを別売りしてたんだよね。消耗品として。だから、あれを鉛筆に巻いたりしてた子はすごいたくさんいたよ。
【高畑】あれ入りにくいから「入りにくい場合は唾をつけてください」って、パッケージに書いてあったんだよ。それに比べたら本当に巻きやすいし、段違いだよね。
【他故】色々使えそうだよ。
【きだて】それで、先端の薄くなった部分の角度とかを合わせていくと、ちゃんと巻きやすい。巻き方向で巻けるようにできてるし、特に考えもせずに巻いても上手くいくみたいな感じがあって。その辺もね、すごくよくできてる。クツワはとてもいいもの作ったなという感じなんだけどね。
【他故】これはいいよね。
――グリップ力は、普通の「プニュグリップ」と比べてどうなんですか?
【きだて】フィット感でいうと、俺としては「プニュグリップ」の真ん中がちょっと膨らんでるタイプがベストなんだけど、それとは別にスパイラル型のやつもあったでしょ。
――ああ、大人向けのやつですよね。
【きだて】そうそう。あれとほぼほぼ一緒ぐらい。あっちの方が若干厚みがあって、プニプニしてるかなぐらいで。
――なるほど。
【きだて】「何に巻けば楽しいかな?」っていうのを色々と試してたんだけど。文具王がさっきデザインナイフにって言ってたじゃない。これね。デザイナイフがダメだった。
【高畑】本当?
【きだて】あのね、精密に切り抜こうとすると、このプニプニした弾力が若干不安。
【高畑】なるほどね。
【きだて】もうちょっとカチッと握って、カチッと刃を入れたいというか。若干指先がふわふわするのがね。逆に、普通のA型のカッターナイフとかああいう四角いやつに巻くと、「ぎゅっ」て緊張するようにカッターを握っちゃうタイプの人にはすごくいい。カッターナイフを使うときに、すごく強く握りしめちゃう人っていて。ああいう人には、これを巻いてあげると多分いいかなという感じ。
【他故】ふむ。
【きだて】試してみて、俺の中では精密ドライバーに巻くのが1 番気に入った。先端回すのがすごく楽。
【高畑】ああ、そう。
【きだて】無理にトルクをかけ過ぎちゃう気がして、ちょっと手加減しないといけないぐらいに回しやすい。
【他故】へえ~。
【きだて】今はね、巻いては外し、巻いては外しでいろんなものに試してるんだけど、ドライバーはもうこれで1つ確定で、巻きっぱなしでいいかなというぐらい。これはめちゃめちゃいい。メガネのネジ締めとかすごい楽。
【高畑】この間京都で会った人は、ドラムスティックに巻いてるって言ってた。
【きだて】ああ、はいはい。
【高畑】ドラムのスティックに巻いておくとすっぽ抜けないで、すごくちゃんと持てるらしくて、「スティックに巻いて使うとすごい良い」って言ってた。
【きだて】それはいけそうだね。
【他故】なるほどね。
【高畑】いろんな使い方がありそうだね。
【きだて】これさ、足りないなと思ったら継ぎ足しもできるのよね。スパイラル自体は。
【高畑】2 本使う。
【きだて】そうそう。ドラムスティックみたいなちょっと太めのものにしっかり巻こうとすると、継ぎ足して2本巻いたりとかもありだろうね。
【高畑】それはありかもしれないね。
【他故】面白いな。
――他故さんは「ユニボール ワンP」に巻いてるんですか?
【他故】私はワンPですね。この間の透明カラーのやつに巻いていて。
【きだて】ああ、いいね。色を合わせて。
【他故】まるでこういう製品であるかのようなツラをして使ってますけど(笑)、めちゃめちゃいいですよ。
――きだてさんは前回の鼎談で、「ユニボール ゼント」のリフィルをワンPは手に合わないようなこと言ってたじゃないですか。
【きだて】ああ、そうそう。うーん、やっぱりゼントの書き味とワンPのボディバランスが合わないので、グリップ変えてもそんなには。
――関係ないですか?
【きだて】うん、関係はなかった。
――一応試したんですね。
【高畑】「ユニボール ワンF」のボディとかだったら前までグリップにできるから、ワンFを使うときとかにはいいかもしれないね。
【きだて】そうそう、ワンFと「ユニボールシグノRT1」は、もう速攻でスパイラル巻きましたっていうね。
【高畑】RT1は元々グリップ付いてるけど、それでも巻いた方が全然いいってこと?
【きだて】巻いた方がいい。
――そもそも、この鼎談で最初に「プニュグリップ」を紹介してもらった時に、RT1に着けてましたよね。
【きだて】そうそう。RT1は俺のベストボールペンなので、当然のように「プニュグリップ」を着けてました。スパイラルに替えたら着脱が楽なので、汚れたときにキレイにできるとか。色々とメリットはあるよね。
【他故】なるほど。
【きだて】文具王は何か試した?
【高畑】今は常時着けてるものがあるわけじゃないんだけど、普通に手元にあるものにあっちこっち着けたり外したりしてみてって感じではあるな。キャップ式だとどうしても外して戻してがあって、キャップ式には向いてないので、やっぱノックだね。
【他故】うん。
【高畑】着けたやつで。まあまあまあ良かったのは、ストレートな軸のペンが向いてるので、「カペコスペシャル」に着けたりとか、「モノグラフファイン」とかね。グリップが滑るので、これとかはあった方がいいなって感じ。あと僕はインク伸ばしたりとかするのに使うヘラみたいなのを自分で自作してるんだけど、こういうやつには向いてる。漫画の人のペンみたいな感じだよ。普通に書くペンはオリジナルでまあまあ使えちゃう派な人なんだけど、どっちかというとさっきのドライバーみたいなのに着けるのが僕的には向いてるかなっていう感じだね。道具の場合は置いとくからいいけど、ペンケースに入れたりとかしようと思うと、やっぱグリップが着いてる分だけちょっとジャマなんだよね。なので、僕的には家でずっと使う道具に巻いておくのが一番いいかな。
【きだて】そういう道具だと、俺はスクレーパーにも巻いてて。スクレーパーの柄のところに。宛名シールとかをはがすときにスクレーパーでガリガリってするんだけど、そういうのもグリップある方が力入っていいよね。
【他故】そうだね。
【きだて】とにかく、今は目についたもの全部に一旦巻いてみるみたいな生活だよ。
【他故】ははは(笑)。
――一体いくつ買ったんですか?
【きだて】6パックを最初に買って、それで2パック買い足したから24 本だね。
【他故】あるねー。
【高畑】僕はまだ、「ここ」っていう定着していてずっと着けっぱなしっていうのがなくて、着けたり外したりしてるかな。
【きだて】消しゴムのスリーブに巻いてみたりとかね。丸軸に限らないっていうのが面白くて。
【他故】ああそうだね。
――消しゴムはいいかもしれないですね。
【高畑】巻けるように作られてないものに巻けるのがいいんだよね。なので、こういう道具系が俺は割と好きで、元々巻くつもりで作られてないから、そういうのがないんだよね。
【きだて】そうそう。
【高畑】今は使ってないけど、僕はデザインナイフとかを割とギュって握っちゃう方なので、そういうのには巻きたくなっちゃうからね。キレイに巻きたくなるんだけど、適当に巻いても大体いけるっていうところがいいよね。
【きだて】今はね、巻くときの力加減で太さの微調整をするのに凝ってます。
【他故】おっ、上級者になってる(笑)。
【きだて】グリップに厚みを出したいときは、ほんの少しだけゆるく巻いて。シャープにしたいときはしっかり引っ張りながら強く巻いたりね。そういう小細工をして楽しむようになってます。
【他故】へぇ。
【きだて】まだまだ遊べそうなので。下手するともうちょっと買い足すかなぐらいの感じ。
【高畑】ペン専用とかじゃなくて、何にでも巻けるところがいいよね。
【他故】棒状じゃなくてもいいっていうのは、確かにそうだな。
【きだて】普段からね、「手が滑る」「指が滑る」っていうのを気にし続けてる人間としては、もう本当に目の前にある全ての握るものをこれに一旦置き換えてみるぐらいの勢いなので。
【高畑】全てを置き換えていくところがすごいよな。でも、確かにそんな感じなんだね。僕は、今は使ってないんだけど、年に1回ぐらい塗料を付けた筆とかを使わなきゃいけないシーズンがあったりするわけですよ。そういう時にもいいのかもしれないななんて思ったりして。使ったあと外せるからね。だから絵筆なんかでも、巻いた方がいい場合もあるかもしれないな。
【きだて】うん。
【高畑】何に巻いたら面白いかな。普通にね。はさみのグリップとかにも巻き付けられるっちゃられるから。どこか滑りたくないところがあるんだったら、そういうところに巻いてもいいかもしれないね。
【きだて】はさみだと、ひょっとすると外側に巻くと、指当たりが楽かもしれないね。いいっていうのが、
【高畑】そうそう。そういうのが嫌な人にはいいのかもね。だから、まだまだいけそうな気がする。
【他故】まだいけそうだね。
【きだて】まだ俺たちが見つけてないけど、巻くといいものがきっとある。
【他故】きっとあるよね。何だろうな、何がいいんだろう?
【きだて】あ、そうだ。ホビーソーには巻いたよ。プラ切る用のプラノコ。
【高畑】そういうやつね。
【きだて】あれはトルクかかった方がいいから、握りが強い方がいいね。
【高畑】案外、縦方向に力をかけてもあんまりよれないので。
【きだて】そうなのよ。
【高畑】だから、デザインナイフとか彫刻刀とかみたいなのに巻いてもまあまあいけるんですよ。そこがいいなとは思うね。
【他故】滑り止めとかいいな。ちょっと考えてみようかな。
【きだて】ドライバーに関しては、回す方向と逆側に巻いた方がいい場合もある。ギツギツに巻けば大丈夫なんだけど、ちょっと緩めに巻いた場合、回す方向によっては先端がよれてくるのよ。
【高畑】そうだね。
【きだて】だからね。無理をしてでも逆巻きをしたりとかね、そういう工夫もしてる。とりあえず今のところ色々と試してるよ。
【高畑】本当に、何にでも巻けるようになってくれたのはとてもありがたいというか。
【他故】面白い。
【きだて】みんなが巻いてるものも教えてくれよなって感じ。
――紹介してくれる人がいたら、こちらまでご一報ください。*次回は「NOLTYスコラ手帳シリーズ」です
関連記事
プロフィール
高畑 正幸(たかばたけ まさゆき)
文具のとびら編集長。学生時代に「究極の文房具カタログ」を自費出版。「TVチャンピオン」(テレビ東京系列)の「文房具通選手権」では、3連覇を達成した。サンスター文具に入社し商品企画を担当。現在は同社とプロ契約を結び、個人活動も開始。弊社が運営する文房具のWebマガジン「文具のとびら」の編集長も務めている。著書は『究極の文房具カタログ―マストアイテム編―』(ロコモーションパブリッシング)、『究極の文房具ハック』(河出書房新社)、『そこまでやるか! 文具王高畑正幸の最強アイテム完全批評』(日経BP社)、『文具王 高畑正幸セレクション 一度は訪れたい文具店&イチ押し文具』(監修/玄光社)、『究極の文房具カタログ』(河出書房新社)、『文房具語辞典』(誠文堂新光社)と、翻訳を手がけた絵本『えんぴつとケシゴム』(KADOKAWA)。新著は『人生が確実に幸せになる文房具100』(主婦と生活社)。
https://bungu-o.com/
きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/
他故 壁氏(たこ かべうじ)
小学生のころから文房具が好きで、それが高じて文具メーカーに就職。ただし発言は勤務先とは無関係で、個人の見解・感想である。好きなジャンルは書くものと書かれるもの、立つ文房具と薄いペンケース。30分間文房具のことしか語らないトーク番組・775ライブリーFM「他故となおみのブンボーグ大作戦!」パーソナリティ。たこなお文具情報室所属。
「他故となおみのブンボーグ大作戦!」番組ホームページ https://daisakusen.net/
https://buntobi.stores.jp/items/676b8e121008560336e05fac
【文具のとびら】が気に入ったらいいね!しよう