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【連載】月刊ブング・ジャム Vol.96 注目筆記具をブング・ジャムが徹底解剖! その3
本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は、今注目の筆記具を取り上げました。
第3回目は「uniball ZENTO(ユニボール ゼント)」です。
(写真左からきだてさん、高畑編集長、他故さん)*2024年11月9日撮影
*鼎談は2025年2月25日にリモートで行われました。
21世紀の水性ボールペン

――続けて「ユニボール ゼント」ですね。
【他故】どこにもないゼント(笑)。
【きだて】シグニチャー売れてるね。
【高畑】手に入れるのに、本当にめっちゃ苦労した。
【他故】最初期にシグニチャーが手に入ったのは、本当にラッキーだとしか言いようがない。
【高畑】他故さんは足を使ってお店に行くっていうのができてるけど、俺は発売日めっちゃ普通に仕事があって、仕事終わってからお店に行ったら、什器の上2段だけ空っぽっていうさ(苦笑)。
【他故】高いやつからなくなるってやつ。
【きだて】俺だって、発売日の午前中に文房具屋さんに行ったもんね。
【高畑】いや、だからそれができないとさ。何か、昔の俺がiPhoneを発売日に買ってた時みたいなさ。
【きだて】君は、何のためのフリーランスだよ(笑)。
【高畑】フリーランスでもさ、その日に打ち合わせ入ってたらどうしようもないじゃん。
【他故】仕事があるのはしょうがないよね。
【高畑】もう本当にね、お店に行ったら物の見事に上半分が何にもなくって。
【きだて】面白いのがさ、安い方のベーシックとスタンダードが「ユニボール ワンF」と同じような形状で、フローモデルは「ユニボール ワン」とそっくりなんだよね。ワンとゼントで、高いのと安いのが入れ替わってるんだよ。
【高畑】ベーシックとスタンダードが「ユニボール ワンF」に似てるってことだね?
【きだて】そうそう。要は、先端の方までみっちりグリップがあるタイプ。それで、フローとワンはコーンのところで段差があるタイプ。
【高畑】ああ、先端の段差ってことね。形状的には、メタルっていうよりはこの先端の形状がね。
【きだて】そうそう。その見た目の入れ替わりが「なんで?」ってところで、まずちょっと気になったというか、面白かったんだけど。
【高畑】それもそうだけど、発売当初から3グレード出すっていうのが珍しくない?
【他故】珍しい。
【高畑】全く新しいリフィルが発売されるときに、3種類もボディがいっぺんに出る。多分、昔だったら後から出るモデルなんだよね。
シグニチャーモデル
フローモデル
スタンダードモデル(左の8本)とベーシックモデル(右の3本)
【他故】特にシグニチャーはね。
【きだて】1年か半年後ぐらいに出るモデルだよ。
【高畑】でも、それが最初から3種類出たっていうのはなかなかだよね。
【きだて】それはいいんだけど、でも紹介するときに「3価格帯4モデル」っていうのがすごい紹介しづらい。
【高畑】しづらい!
【きだて】スタンダードとベーシックはもう混ぜてくれよっていう(笑)。
【高畑】しかも、「水性なのにノック式」とか言おうと思ったら、キャップ式も出てるみたいな(笑)。
【他故】特徴がバラバラ(笑)。
【きだて】紹介するときにカッコ書きが要るので、面倒くさいんだよ。
【高畑】そういう意味では、色々遊べる面白さはあるよね。だから、あれもこれも買わされちゃったんだけど。
【きだて】まあ、俺の中でフローモデルはなかったことになってるので、いいんですけども。
【高畑】それは、きだてさんがグリップ効かないからだろ?
【きだて】そう、あのツルツルは無理。書けない。
【他故】僕も、フローモデルは店頭で触ってみて全く使えなかったので、買ってないよ。
【高畑】俺は、一応買ったけどさ。
【他故】だって、握れないペンを買ったってしょうがないじゃん(苦笑)。
――他故さんでもそうなっちゃうんですか。
【他故】いや、あれはダメでしたね。
【きだて】とはいえ記事化するには試さなきゃなので、俺も買ったんですけども。
【高畑】ミッドモデルとしてフローを出してるんだけれども、でも性能的に考えると、スタンダードとベーシックのラバーグリップの性能がすごくいい。この前半分でいったら、きだてさんの大好きな「ユニボールRT1」と同じ感じじゃない?
【他故】先端までラバーがギッシリだからね。
【高畑】結構書きやすいんだよ。ボディでいくと、この1番安いモデルは案外よくできてるんだよね。
【きだて】そうなんですよ。軸としてはとても優秀。
【他故】めっちゃいい。
【きだて】ゼントインクを楽しむっていう意味では、もうベーシックかスタンダードを買っときゃまず間違いないんですよ。
【高畑】俺はね、水性だと思ってたから。
【きだて】何かすごいこと言ったな。「水性だと思ってた」って、水性だろ(笑)。
【高畑】いやいや。だから、水性の書き心地とか気持ちよさを期待してたけど、要は書き心地的には俺はほぼ一択でシグニチャーの 0.5なんだよね。これが俺的には唯一の正解みたいな感じだったんだよ、最初は。
【きだて】そうなの?
【高畑】逆に、0.38だったら、こっちのベーシックとかスタンダードのモデルがいいなと今は思っていて。でも、0.38を入れたときのこの安いモデルってさ、もはや書き心地がゲルと区別がつかないんだけど(苦笑)。
【他故】ははは(笑)。
【きだて】とはいえ、界面活性剤のすべりで水性インクらしいウェットさは出せてるんじゃないかな。ゲルっぽいと言うのはもちろんすごく分かるんだけど、水性エミュレーターとしてはわりと上手くやってるなという印象だよ。
【高畑】エミュレーターというか、今回ばっかりは狙いどころがまだ腹に落ちてないんだよね。俺はね。
【きだて】三菱としては、ワンと書き比べてどうよ?ってことなんじゃないかな。その点で言えば、やっぱりちゃんと水性してるよ。
【高畑】ワンと比べるとそうなんだけど、ノック式のリフィルにしちゃったから、要はゲルのリフィルに入れてるじゃない。フロー的には「Vコーンノック」と一緒でさ。「Vコーンノック」と「Vコーン」って全然書き心地は違うし。
【きだて】別ものだね。
【高畑】だから、「ユニーボールアイ」が水性っていうところだとすると、それよりは「ユニボール ワン」 の方にかなり寄ってる感じ。
【きだて】それは分かる。
【高畑】ちょっと滑らかっていうか、「ユニボール ワン」のちょっともったりした感じっていうか、濃くはっきり、ペットリと出るからこそのちょっともったり感があって。あと中割れしやすい「ユニボール ワン」のインクっていうのがあるんだけど、それに対して言うと、水性ぽいっていうか、中割れしない真っ黒な線が引ける。
【きだて】そうだね。
【高畑】まあ確かにそうなんだけど、それを言うんだったら「シグノ307」とかの方がよっぽど水性っぽいよみたいに思っちゃって。
【きだて】別メーカーだけど、油性の「フローチューン」の方がむしろ水性っぽいぐらいだからな。
【高畑】「ビクーニャ」とか「フローチューン」とかぺんてるの作る低粘度油性は、裏抜けも含めて水性より水性じゃん。
【きだて】挙動が完全に水性なんだよ。
【高畑】俺のイメージしている「水性ノック出た」っていう感じからすると、「いや、もう全然ゲルですけど」って感じ。だって、中割れしないっていうのは、ゲルだってそこそこ緩いやつだったらちゃんとそうなってるから。別に他のゲルでシグノとかだってちゃんと真っ黒だし。
【きだて】あくまでも推測なんだけど、いま新しい水性ボールペンを出すに当たって、三菱は水性インクのネガティブ要素をだいぶ気にしてたんじゃないかな。インクをダクダクにすることでなめらかさを出すと、どうしたって裏抜けやにじみは発生するし。そこらを解消しようと考えた結果としてゲル寄りになっちゃったという印象。
【高畑】そうなのかな。
【きだて】だから、ダクダクに出せない代わりに界面活性剤でサラッとしたなめらかさをエミュレートしてみたとか、そういうところな気はする。
【高畑】ほら、広がらないように何か入れてるよね。
【きだて】謎の“引き寄せ粒子”な。どういう仕組みなんだ、あれ?
【高畑】引き寄せの何とかって、ちょっとスピリチュアルっぽい。
【きだて】引き寄せの法則みたいな。いやほんと、何が入ったらこうなんの?っていうので全然分かんないんだけど、確かににじまないんだよ。紙ナプキンに書いても、にじまずに普通に書けるのはすごいよ。
【高畑】だからそういう系のときにはすごくいい。
【きだて】何か、そういうのを気にし過ぎたのかなという。
【高畑】それで行くと、0.38の細いやつで手帳とかに書いているときに、黒くはっきりと書けて、「ユニボール ワン」みたいなのに比べると、心持ち軽く書けるんだよね。それはすごくいいんだけれども、ちょっとインクが赤くない? 俺には赤茶色に見えるんだけど。茶色いというか黄色くない?
【きだて】書いた瞬間は黒いんだけど、吸われて乾くと明らかに色が浅くなるんだよ。それがちょっと黄色っぽいと感じてるのかもしれないけど。
【高畑】光の当たり具合で赤茶色に見える。
【きだて】うーん、そうかな。
【他故】俺は分かんない。
【高畑】茶色く見える。シャツのポケットに入れてシミを作った人が、シャツを洗ったら茶色になったって言ってたよ。だから、インクのベースになってる色がちょっと違うっぽい。三菱は元々赤っぽい黒ではあるんだけど、それとは全然違ってて、もうちょっと黄色い気がする。
【きだて】俺はむしろ、乾いたときに若干グレーぽくなるとすら思ったぐらいで。
【高畑】ああそう。でもニュートラルのグレーじゃなくて。
【きだて】やや赤みのあるグレー。
【高畑】カレーとハヤシライスみたいな感じで、ジェットストリームがハヤシライスで、こっちがカレーなんだよ。
【きだて】また分からんこと言い出したな(笑)。
【高畑】シャツについたときに洗ったら、赤いシミが残るか黄色いシミが残るかなんだよ。
【きだて】そういうことか。分かりづらいな(苦笑)。
【高畑】いやいや、色が「ユニボール ワン」とかそれこそぺんてるの黒さとはまた違うなっていう。今回は滑らかさに寄せて、何か色々とやった結果、黒さは他のにちょっと1歩譲るかなと。
【きだて】とはいえ水性インクって、その辺のくっきりとした濃さをどうしても期待しちゃうじゃない。お前の取り柄はそこだろうという。
【高畑】そうそう。
【きだて】そこが打ち出せなかったのは、ちょっと勿体なかったかな。
【高畑】そうなんだよね。ベンチマークが、水性って言われた瞬間に「ユニボールアイ」とか「Vコーン」とかが比較対象になっちゃうんだけど。もちろん、あっちは直液で使いきりだから一緒にはできないんだけどね。
【きだて】とはいえ、なんでそれができなかったのかというのは気になってて。それこそ界面活性剤なり、引き寄せ粒子なりの配合成分のせいで発色しづらい都合があったりするのかな。
【他故】どうなんだろうね。
【高畑】そこら辺は深すぎて、素人には分からんけど。でも、そういうのもあるかもよ。
【きだて】う~ん。
【高畑】軽くてグリップしてくれて書きやすいっていうこのボディと、シグニチャーのこれはこれでまた別物の重さがあって、重さで書くから水性の良さが出るんだよね。自重である程度書いてくれるから。
【他故】うん、分かる分かる。
【高畑】ノック式にしたことによるちょっと渋さみたいなところを、このボディの重さがあるから、気にならなくしてくれるというか。こういう効果がある気がするので、これで 0.5を入れるとすごい気持ちよく書けるので、これすごい良いなと思うんだけど。そこへいくと、真ん中のフローがさちょっとね。
【きだて】軽いんだよ、本当に。金属軸らしさがない。
【高畑】先端部分はまたプラスチックに戻っちゃってるし、何かね。そこへいくと「ユニボール ワンF」の方がバランス的にはすごくよくできてる。ただ、これにしちゃうと全然区別がつかなくなっちゃうから。このフローっていうのが、メタルが見た目にしかないっていうか、機能的にはきだてさんの言う通り滑るし、重心位置もちょっと中途半端だし、重さもそうでもないしっていうところがちょっと気になって。だったらこのボディに入れた方がいいよ。すごいバランスがいいんだよ。
――「ユニボール ワンF」に入れてるんですか?
【高畑】Fにゼントの芯を入れるとめっちゃバランスが良くなるんですよ。これもどうしたもんかという。
――「ユニボール ワン」と互換性があるんですね。
【他故】私も今「ユニボール ワンP」に入れてますから。
【きだて】俺もワンPに入れてみたんだけど、ダメだな。ワンPゼントは俺には書きづらい。
【高畑】俺は全然あり。
【他故】俺も全然あり。
【きだて】そうなの? 俺はね、「バランスがこれじゃねえんだよ」ってなっちゃって。
――書きグセとか持ち方とか色々とあるんですかね?
【きだて】ゼントがすごい書きやすいのは分かるんだけど、ワンPに入れた瞬間に全然ダメになっちゃった。
【高畑】まあ、逆に言うと、三菱はいろんな軸があるから、入れ替えて遊べばいいんじゃない。あ、でもワンFっていくらだっけ?
【他故】300円でしょ。
【高畑】だから、このフローが1,000円っていうのを考えたら、ワンFでいいじゃんってなっちゃう。
【きだて】全然なるよ。
【高畑】これはね、諸般の事情からすると値段上げたかったっていうのはすごい分かるんだけど、ワンFが安過ぎたんだよ。だから、ワンFにゼントのリフィルだけ買ってきて入れたっていいからさってなったら。
【きだて】全然いいんだよ。
【高畑】となると、ちょっとこれ立ち位置が微妙じゃないっていう気がしてしまう。
【きだて】ゼントはさ、ベーシックとスタンダードが、そもそも「ユニボール ワン」よりも高いわけじゃん。倍ぐらいに。
【他故】250円だからね。
【きだて】だから、その上のクラスで1,000円を作るなら金属軸ぐらいしかないよ、って思いは三菱にあったんじゃないかな。うーん、難しいのは分かるけど。
【高畑】ワンFが安過ぎるんだよ。300円だからね。これとリフィル買ったら1,000円でおつりが来ちゃうじゃない。
【きだて】そう、きちゃうんですよ。
【高畑】そうなってくると、こっちの2つは正解な気がするんだけど、フローがちょっとなんかね。シグネチャーはありなんだけど、ちょっと流通量が少なすぎて、俺も黒が欲しかったんだけど、「黒はもうない」って言われたから。
【きだて】さっき文具王がシグニチャーは0.5って言ってたじゃん。俺ね、シグニチャーは圧倒的に0.38なんですよ。
【高畑】何で?
【きだて】この重みを使って書ける0.38って「あれ、そういえばあんまないな」というのと、このゼントインクの滑らかさとシグニチャーの真ん中重心気味なやつがすごい合うのよね。0.5は逆にシグニチャーだとちょっと滑り過ぎる。
【高畑】いやだから、そこだよ。きだてさんが「フローチューン」の筆圧かけて止めるのが好きっていうのと、同じ感じのフィールが出てきてるんじゃないかな。だから0.38をきだてさんが好きってのはすごい分かる。だから止まる側でいくときだてさんのチョイスで、滑る側でいくと僕のチョイスなんだよね。水性らしい滑りの気持ち良さでいくんだったら0.5かなみたいな感じになる。シグニチャーだとどっちも遊べるよね、そういう意味でね。
【きだて】遊べる。非常に面白い。
【他故】どっちでもいける。
【高畑】シグニチャーのいいところはここが太くならないのがいいよね。キャップが太くなるのが俺は嫌いなんだけど、これはポストしてちょうどいいよね。
【他故】ツラが合うからね。
【高畑】どっちかっていうと、「ケリー」に近い。ああいうのを使ってる感覚に近い。「クルトガダイブ」と言う人が多いけど、どっちかっていうとイメージは「ケリー」かな。
【他故】感じとしてはそうだね。キャップ的には。
【きだて】それは分かる。
【高畑】ダイブは長くてちょっと別物って思うんだけど、シグニチャーはケリーを使ってるような気持ちよさがあるので、僕は大好きなんですけど。
――それはキャップを後ろに挿すとちょうどいい長さになるんですよね。
【きだて】長さはそうだし、一応ね重さもね、キャップに結構重量があるんですよ。付けないとね、むしろ物足りない。
【高畑】それで、キャップとボディの継ぎ目が引っかからないのが、すごくちょうどいいんですよね。
――キャップに段差がないから。
【高畑】そう。だから、閉めたときには軸の後ろは細いんだけ、使うときにちょうどいいなというので、この形はすごく好き。だから、ケリーを持ってるときとかと全然同じような感じでいいなというところなんで、バランスがすごい良い。ちょっと短いのも案外いい。最近ちっちゃい手帳を持ってるのと、あとポケットに放り込みやすくなったので。胸ポケットに立てて挿すんじゃなくて、サイドのポケットとかズボンのポケットとかにポイって放り込んだりとかしたときに収まりがいいので、案外好き。これはなかなかいい感じではある。でもあれだね、シグニチャー以外のモデルの形が他のペンと似すぎてる問題はちょっとあるな。
【他故】みんなほぼ同じルックになっちゃったからね。
【きだて】だって、パッと取り出すときに、ワンとゼントが本当に区別つかないんだもん。
【高畑】ちょっと似ちゃったね。
【きだて】結構ね、困るんですよ。
――確かに、両方ペン立てに入ってると間違えちゃいそうですよね(笑)。
【きだて】一応ね、天冠の部分が盛り上がってるかフラットかとかね、上から見てもそういう微妙な違いもあるんですよ。とはいえだよ。
【高畑】「う~ん」って感じだよね。
【きだて】バージョン違いじゃねえかぐらいの感じで。
【高畑】軸の前半分だけをこうやって見てたら、ここら辺にRT1とか入れちゃったらもう本当に分かんないもんね。
【きだて】分かんないよね。間違い探しだよ。
【他故】ははは(笑)。
【きだて】もちろん、メーカーとしても「ワン」と「ゼント」で姉妹品みたいな関係性で作ってはいると思うんだけど。ユーザー側には見た目の姉妹関係にメリットがあまりない。
【高畑】ワンが出てワンFが出てワンPが出てというあたりは、ちゃんとモデルの差異が機能してた感じがして面白かったんだけど、今回は3種類同時に出たのが販売価格戦略的に、250円、1,000円、3,000円と違いを出しているのはよく分かるんだけど、ただ価格帯ありきでデザインしちゃった感じがする。
【きだて】そのニオイは俺も感じる。
【高畑】ベーシックとスタンダードは「こうなるよね」っていう感じだし、シグニチャーは「特別に作りたいです」というのは最初からあったんだろうと思うけど、間の1,000円を作りたかったかっていうのは、価格上げたいっていうのはあったのかもしれないなとは思うんだけど、なんかちょっと納得感というか、どうもね。
【きだて】今のところ紹介記事を3本書いたけど、フローモデルは意図的に無視してるものね。個人的に褒めづらいから。
【高畑】きだてさんはしょうがないよね、この軸は。だから、もうちょっと形を変えてもよかったのかなという気がするけどね。
【他故】ねえ。
【高畑】もしくは、もうここも形を一緒にしちゃったらよかったんだけどね。
【他故】先端までね。
【高畑】パイロットがやるみたいに「S5」「S10」「S20」みたいな、そういう流れでやるんだったら同じ形にしてもいいと思うけど、これはこの先端の形がちょっと違うのが、むしろこっちがキレイに収まってるからさ。デザインの完成度でいくと、ベーシックとスタンダードの方がよくできてるんだよね。
【きだて】それこそ、250円と3,000円の間なんだからさ、1,000円じゃなくて、別に1,500円でも良かったんじゃないっていうのもあって。
【高畑】ああ、なるほどね。
【きだて】1,500円なら、もうちょっと何かやりようもあった気はするんだよ。
【高畑】かもしれない。ちょっと違う軸を見たかった感じがするね。もうちょっと道具っぽく振るとかさ。そういうのもあってもいいかもしんないし、もうちょっと高級感に振ってというのもあるかもしれない。
【きだて】シグニチャーが単にベーシックとかをフル金属軸にしたっていうだけのものだったら、全然「あ、そんなもんか」と思うんだけど、面白過ぎたせいで何か割を食ってるというか。
【他故】まあね。
【高畑】確かにシグニチャーよくできてる。
【他故】これ異形だもんね。
【きだて】うん、大分不思議な形をしてるよね。キャップしてる状態でも。
【高畑】いつ黒が手に入るのか分かんないけど。
【きだて】俺はもうグレーだけで十分満足だったから、黒あったけど無視したよ。
【高畑】そうなの? 俺は黒がちょっと欲しいなと思ってたので。黒の方がちょっと人気だったっぽくって、探しに探して手配できたのがグレーだけだったので。
【他故】黒はかっこいいですよ。
【きだて】他故さんはシグニチャーは2本とも買ったんだよね。
【他故】両方並んでる状態だったから、「1本ずつ大丈夫ですか?」って言って買ってきたから。
【きだて】気遣いだね。
【他故】一応、「買い占めになりませんかね」って聞いたら、」「いいですよ」って言うから。
【きだて】偉いな(笑)。
【他故】シグニチャーだけ、このクリップが後ろっていうか、上を押しても開かないんだよね。
【高畑】難しいよね。そこで差を見せるっていうのも、どうデザインするかは難しいよね。
【きだて】他故さんは書き味というか、インクの感じはどうなの?
【他故】僕の感想で言うと、21世紀版の水性ボールペンはこうなるんだなっていう納得感があるのね。
【きだて】おー。
【他故】液だくはいいんだけど、ボールペンとして使おうと思ったときに、このぐらい液がちゃんと広がらずにまとまって、それで書き心地も良くて、発色もよくてっていうかたちなったんだっていう納得感がある。むしろ、これは進化してこうなったんだっていう風に解釈してるので。
【きだて】あるべき進化だと?
【他故】どちらかというと、これがみんなが望んでるだろうっていう風に想定されている「今の水性ボールペンだ」っていう風に三菱は言いたいんだろうと、僕は好意的に解釈してる。どちらかというと、この書き心地に今はまってる。
【きだて】はいはい。
【他故】この0.5はとてもいいなと思っているし、0.38もたまに使うけど、細かく書く分には0.38もいいんだけど、やっぱり0.5をシグニチャーに入れるのがベストだと僕も思っていて。ただ、「Vコーン」とは全く違うジャンルの、21世紀の水性ボールペンだという風に一応思ってはいるんですよ。あっちは20世紀の水性ボールペン。悪いとか良いとかってことではなく、違いがあるっていうのがいいことだと僕は思ってるので。
【高畑】うん。
【他故】なので、グレーに0.38が入ってて、ブラックには0.5も入ってたんだけど、グレーの0.38黒は抜いて、今0.5の赤を入れてるんですよ。赤を使うことがすごく多いので、スラスラ書けて気持ちよくて。これは本当に今一番使ってる赤ペンじゃないかな。
【高畑】赤ペン自体あんまり使ってなかった。
【きだて】「1番使う赤ペン」という表現にびっくりした(笑)。
【他故】普段やってる仕事で、黒で書いたところに注釈を絶対に赤で入れるんですよ。プリントアウトがこっちに来たときに、もう黒で註釈入れても分かんないから赤で入れるので、思った以上に赤を使うんだよね。仕事としては。
【きだて】なるほどね。
【他故】その時のファーストチョイスで今これをずっと使ってる。それまでは「キャップレス」万年筆に赤インキを入れて使ってたんだけど、これに切り替えた。とても気持ちがいいので、今これを愛用しております。
【きだて】赤と黒の話が出たけど、青どう? 俺実は青が一番好きなんだけど。
【他故】すごくいい色だと思う。
【高畑】俺逆だ。青が苦手タイプなので。
【きだて】あっそう、苦手?
【他故】この青は、すごく良い青だと俺は思ってるけどね。
【きだて】あっさり系な青としてすごく良いんだけどな。乾いたときの色変化も少ないし。
【高畑】これ、ひらがなで「あお」って書く青だよね。
【きだて】ああ、はいはい。そういうイメージ。
【高畑】絵の具にある、本当に純粋に青っていう青だよね。最近はブルーブラックとかくすみ系ブルーとか色々あるじゃない。そういうのじゃなくて青だよね。逆に赤はちょっと渋めじゃん。赤がひらがなの「あか」なのはぺんてるだと思ってるんだよ。ぺんてるの赤ってすごい明るいじゃない。それに比べるとこの赤は渋めの赤なんだけど、三菱の赤は全体的に渋い。好みの問題ではあるけど、この青が好きだったら全然いいと思う。これってさ、色ごとに書き心地違わね?
【他故】そこまで極端かな。
【きだて】あんまりそれは感じてなかったな。
【他故】違うかな?
【きだて】これ赤もね、乾くとちょっとあっさりというか浅くなって「お前は『RE』のローズレッドか」ってなっちゃうんだよ。「赤じゃない、お前は」っていう。
【高畑】なるほどね。
【きだて】俺、赤はもうちょっと濃いめのやつが好みなので、ちょっとこれはねあっさりし過ぎ。
【高畑】ここら辺はやっぱり色の好みが出るね。
【きだて】好みだね、完全に。
【高畑】俺は、青だったらパイロットブルーの方が好きなんだけど、でもこの青が別に悪い青ではなくて、趣味の問題だから、メーカーごとの違いがすごいあるよね。
【他故】あるある。この青は本当に久しぶりにいいなと思ってて。日記を書くときに、黒と青で1日ずつ分けて書いてるのね。
【きだて】なんでそんなことを?
【他故】その日が分かりやすいという、そんな感じでやってるんだけど。この青が結構いい色だなと思って使ってるけどね。
【高畑】なるほど。全然いいと思うけどな。これは、いろんな人が好きなことを言う感じの筆記具で、全体的にはみんな「滑らかな水性」って言ってるけど、直液を知ってしまうとね。
【他故】それは違うね。
【高畑】さっきの「KOKUYO WP」のローラーボールとか、あとオートとかのローラーボールを知ってしまうとちょっとね。それが 20世紀の水性って、他故さんの言い方だとそうなのかな。
【他故】うん。
【高畑】これが21世紀の水性なのか、もはや水性とかゲルとかっていう区別自体が、俺の中で俺が思っていた水星らしさとかゲルらしさっていうもので分類できない感じになっていて。
【きだて】ああ、昨今わりと感じるやつだ。
【高畑】その境目のところを、どっちにもクロスオーバーしてきてる部分があって、高い次元でそれをやっているので、「どっち?」っていうのがなくなってきちゃったなっていう気がする。ブラインドというか全くこのペンのことを知らなくて、「このペン何だと思う」って言われたら、「ゲル」って言ってたと思うんだよね。
【きだて】その可能性はある。
【高畑】味付け的には、「これはこれで新しいな」って感じはするんだけど。でも俺のフィールとしては、「どれ?」って言われたら「もう区別つかないわ」ってなる。
うん。
【他故】逆に言うと、もう今ではオールドゲルとニューゲルみたいになってしまってる可能性もあるわけだよね。
【きだて】分類するとしたら、それはあるかもしれん。
【他故】「ハイテックC」で、「80年代カラー」っていう謎のシリーズが今出てて。「ハイテクCは80年代にないじゃん」とかツッコんでいいんだけど(笑)。
【高畑】それな(笑)。
【きだて】「何だお前」っていう(笑)。
【高畑】しかもさ、80年代カラーって書いてあって、軸はカラフルだけど中に入ってるの黒インクだからね。
【他故】そう、カラーで巻いてあるだけで黒インクっていうすごいやつが出てて。それで久々に「ハイテックC」で書いたけど、オールドゲルだわって思うもの。
【きだて】はいはいはい。
【他故】今のゲルと違うよっていう。
【高畑】そうなんだよね。だから、今のゲルってどんどん粘度下がってきてるし。「ハイテックC」とか「シグノ」とか「ハイブリッド」の頃とはちょっと違うんだよね。
【他故】うん、違うよね。
【高畑】低粘度油性も第2世代みたいになっちゃってるし。最近のゲルは、書いた後の隠蔽性とか黒さとか、要はそっちの書いた後の印象にもなるしね。
【他故】そうそう。
【高畑】今回はこうスパッと「ここ」って言えない感じ。「ジェットストリームがライトタッチ出しました」って言ったら、「そりゃそうだよね」ってなる感じとは全然違っていて。いろんな解釈もできるだろうし、面白いんだけどさ、悩ましいよ。
【きだて】我々は昔から文房具をいじってる分、「水性はこれ、ゲルはこれ、油性はこれ」っていうのがなんとなく頭の中にこびりついてるところがあって。それが今、明らかに「溶剤違うだけだよね」ぐらいのボーダレス化を出してきちゃってるので、ちょっと混乱してるのはあるかもしれない。
【高畑】うん、そんな感じかもしれない。
【きだて】だって、「エナージェル」と「フローチューン」とこのゼントを混ぜてブラインドテストしたら、本当に分かんないじゃん、多分。
【高畑】そうそう、そういう感じ。
【きだて】ゲルや低粘度油性が細分化されすぎて、逆にボーダレス化が進んでいるという。
【高畑】お互いの良いところを取り込んでいった結果、油性にも関わらず軽いとかさ。水性にも関わらずしっかりにじまないとか、お互いの良いところを吸収していった結果、最終的に収斂進化してしまうみたいなところもちょっとあるじゃない。
【他故】あるある。
【高畑】だから難しい。これをどう楽しむのかっていうのが。別に何も考えないで、「良く書けるペンだな」って言ったらそれでいいんだけどさ(笑)。まあ文句はないんだけど、自分の中で何かモヤモヤするペンだなっていうのがあって。
【他故】ははは(笑)。
【高畑】良いペンだなと思うけど、何かモヤモヤするんだよな。
【きだて】君は心が地球の重力に引かれているんだよ(笑)
【高畑】そうなんだよ、多分俺はオールドタイプなんだと思うんだよ。
【他故】今は21世紀なんだよ(笑)。
【高畑】だから、俺が何にこだわってんのかすらちょっと分からないところがあるんだけど。でもほら、古い世代の人たちが触ったときにちょっとした拒絶反応が出るぐらいのやつを次の世代で作ったりするわけじゃないですか。「最近の若いやつのやることは分からん」みたいな感じのものが世の中を切り拓く可能性は十分あるので。俺がこうだ、ああだっていうのが正しいとは全然思わないんだけど、だからこそ、今回出てきた3つのペンの違いがすごいなっていう気がした。コクヨから出てきた水性は、多分他故さんの言うように前の水性感がすごくあるじゃないですか。
【他故】バリバリの王道の水性ですよね。
【高畑】バリバリの王道の水性を見せられた後に、こっちが出てきてるし。あと、同じ三菱でも、レジェンド同士を組み合わせためっちゃ最強のナントカみたいなのが出てきてるかと思ったら、こっちは全く新しいジャンルで出てきたて、どう評価していいか分からんというか、どう考えていいかちょっと悩むみたいなさ。面白いっちゃ面白い。この違いがみんなに伝わるんだろうかっていう(苦笑)。
【きだて】ゼントに関しては、本当に「ちょっと書いてみてくれよ」としか言いようがないんだよね。
【他故】これについては、書いてみて、気に入ったらOKっていう、純粋にそこなんじゃないの?
【高畑】きだてさんは、ゼントのこの組み合わせの中だったらどの組み合わせがいい? ボディが3段階あって、0.38と0.5があって、そのどれが1番お気に入りな感じですか?
【きだて】先にも言ったように、俺にとっての水性ボールペンって、ちょっとゆったり書きしたいときの筆記具なので、シグニチャーモデルに0.38を入れてる。これが俺の中でのゼントの回答。
【高畑】ああ、なるほど。他故さんは?
【他故】僕は、シグニチャーで0.5だね。水性ボールペンとしての書き心地が残されていて、たっぷりインクが出た上でスラスラ書ける今風のペンだっていうものもあるので、これについてはシグニチャーで0.5がいい。
【高畑】そうだね。
【きだて】文具王もそう?
【高畑】俺もそれ。シグニチャーで0.5だなと思ったんだけど、ただやっぱ使ってみると、安いのにベーシックの完成度が高いので、ベーシックに0.38を入れて使ってみたら案外良いなと思って。だから、0.38でベーシックもいいなとか思ったりとかしてるんだけど。
【きだて】あとは、ワンFを入れるといいよっていう話だよね。
【高畑】そうなってくると、0.38をワンFに入れたくなっちゃうんだよね。こだわり始めると。
【他故】あと、お好みでワンPにも入りますんで(笑)。今は、わざわざリフィルの入っていないガワを売ってるんだから(笑)。
――それはゼントを入れろってことなんですかね?
【きだて】俺は、リフィルなし透明ワンP「ナタデココ」を買えなかったんだよ。悔しい。
【高畑】三菱のさ、今出てきてたペンは、どれも買えなくない? 今回ゼントを俺めっちゃ頑張ったんだけどさ。
――ゼントがこんなに売れるっていうのは、みんな水性って分かってて買ってるわけですよね?
――何だろうね? みんなちょっとゲルと油性に若干行き詰まりを感じてたタイミングなんじゃないの。
【高畑】いやそれと、多分「水性っていうのがあるよ」っていうのをあんまり意識してないところで、新製品が出たっていうタイミングでさ、いろんなインフルエンサーとかいろんなメディアに、「全く新しいインク」みたいな感じで表現されてるから。やっぱり触ってみたいっていうのはまあるんじゃないかな。
【きだて】YouTubeで誰だったかが「水性だから、とめハね払いがキレイに出るんですよ」って言ってて、そこはそうじゃねえだろって思ったんだけど。
【高畑】「直液の水性を触ったことねえだろ」って思うよ。そこはインフルエンサーという人たちが。多分そんなにあれこれ書き比べてずっとやってるわけじゃないよねっていうのはあるから、しょうがないんだけど。だから、そういう意味での加熱と、あとこのシグニチャーを初っ端から出したっていうのが強かったんじゃないかな。
【他故】そうだと思うね。これはちょっと特別だよね。
【きだて】やっぱ強かったよ。
【高畑】デザインも独特で、シグニチャーは間違いなくオリジナリティの高いものだと思うので、それがやっぱり効いたのかなとは思うけどね。
【きだて】なんだけど、いま店頭にないからおすすめしにくい(苦笑)。
【高畑】シグニチャーは、ゼントのロゴがこっち向きにあってさ。これキャップを閉めた状態じゃない。キャップをこっちにはめると隠れるからさ。閉めた状態でこっちが上なんだなと思ってさ。これは違和感がある。
――そうか、普通はそっちがペン先ですもんね。
【高畑】そうなんだよ。これってロゴが反対向きのはずなんだけど、こっち向きに書いてあって、これがめっちゃ違和感がある。このデザインの独特な感じっていうのは、今回すごい良かったと思うし、シグニチャーはやっぱりいいな。単純に数が足りない問題だけだよね。
――水性インクに目新しさを感じてる人がいるっていうことですかね?
【きだて】それは間違いないと思う。
【高畑】ボールペン総選挙の「OKB48」でも、握手会をやると水性インクの人気がガッて上がるんだよね。
【きだて】そうだよね。
【高畑】書き心地の良さっていうのが、普段使ってるゲルとかと比べたら滑らかなインクを触ると、「書き心地が良い」って実感できるんじゃない。
【他故】それはそうだね。
【高畑】そういう意味では全然いいよね。
――今はゲルの方が主流ですからね。
【高畑】「水性ってにじむんでしょ」とか、「水に弱いんでしょ」といった印象が、今回そういうのはもうちゃんと解消したよって言ってるからね。関連記事
プロフィール
高畑 正幸(たかばたけ まさゆき)
文具のとびら編集長。学生時代に「究極の文房具カタログ」を自費出版。「TVチャンピオン」(テレビ東京系列)の「文房具通選手権」では、3連覇を達成した。サンスター文具に入社し商品企画を担当。現在は同社とプロ契約を結び、個人活動も開始。弊社が運営する文房具のWebマガジン「文具のとびら」の編集長も務めている。著書は『究極の文房具カタログ―マストアイテム編―』(ロコモーションパブリッシング)、『究極の文房具ハック』(河出書房新社)、『そこまでやるか! 文具王高畑正幸の最強アイテム完全批評』(日経BP社)、『文具王 高畑正幸セレクション 一度は訪れたい文具店&イチ押し文具』(監修/玄光社)、『究極の文房具カタログ』(河出書房新社)、『文房具語辞典』(誠文堂新光社)と、翻訳を手がけた絵本『えんぴつとケシゴム』(KADOKAWA)。新著は『人生が確実に幸せになる文房具100』(主婦と生活社)。
https://bungu-o.com/
きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/
他故 壁氏(たこ かべうじ)
小学生のころから文房具が好きで、それが高じて文具メーカーに就職。ただし発言は勤務先とは無関係で、個人の見解・感想である。好きなジャンルは書くものと書かれるもの、立つ文房具と薄いペンケース。30分間文房具のことしか語らないトーク番組・775ライブリーFM「他故となおみのブンボーグ大作戦!」パーソナリティ。たこなお文具情報室所属。
「他故となおみのブンボーグ大作戦!」番組ホームページ https://daisakusen.net/
https://buntobi.stores.jp/items/676b8e121008560336e05fac
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