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【連載】月刊ブング・ジャム Vol.95 ブング・ジャムの2025年初文具 その1

文具のとびら編集部

本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は、ブング・ジャムのみなさんが2025年に初めて購入した文房具を紹介してもらいました。

第1回目は高畑編集長の初文具です。

(写真左からきだてさん、高畑編集長、他故さん)*2024年11月9日撮影
*鼎談は2025年2月3日にリモートで行われました。

香港で買ってきました!

――今回は、恒例となってます、今年初めて購入した文房具をご紹介いただきましょう。まずは、高畑編集長お願いします。

【高畑】今年は、たまたま年越しが香港だったので、香港で買った文房具を紹介します。プライベートで、去年の 12 月の 30 日から 1 月の 4 日まで、年をまたぐかたちで香港に行ってきたんですよ。

【きだて】海外で年越しって、芸能人か(笑)。いいなぁ。

【高畑】色々あったんだよ。まあそれは置いといて、ちょっと久しぶりの香港だったんですけども、香港をぐるぐる回りながら、あれこれ文房具を買ってきたぜっていう。なので、ちょっと変なものもいっぱいあって。

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【きだて】怪しげなもんがいっぱい映ってんな(笑)。

【高畑】これは、テンプレートっていうんだけどさ、厚みが3㎜か4㎜ぐらいあって、まっすぐ書けねえじゃんっていう分厚いやつで。

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【他故】すごいね(笑)。

【高畑】これはツイストのペンなんだけど、中からパンダが出てくるとかですね。

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【きだて】かわいい(笑)。

【高畑】あと、謎の「ジェットストリームノック」とかですね。

【他故】謎?

【高畑】「ジェットストリーム」ってこんなモデルあったっけ? みたいな。なんかやたら太書きの「ジェットストリーム」。

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――それは正規品ですか?

【高畑】本物ですね。1.0㎜の芯が入ってて、めっちゃ極太だったりとか。

【他故】へぇ、海外モデルか。

【高畑】海外モデルなんじゃない。で、一番謎だったのはトンボの「モノグラフ」ボールペン。油性のも売ってるんだけど、何故か「モノグラフゲル」っていうのがあるんですよ。ほら、ここに「水性ゲル」って書いてある。

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【他故】本当だ。

【高畑】ゲルインクの「モノグラフ」ボールペンを売ってたりするんですよ。もう意味が分からない。

【きだて】えっ、なにそれ。日本では販売してないよね?

【高畑】してないんじゃない? ちゃんとカタカナで「ゲル」って書いてあるのに日本では売ってない。

【他故】へぇ。

【高畑】これはコクヨチャイナの製品で、シリコンでできていて、しおりになるっていう。

【他故】どういうかたちなんだ?

【高畑】ここがシールになっていて、本にペタッて貼ると、めくるときにちょうど今開いてるページがここだよっていうのが分かるようになる。

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【他故】貼るのか。

【高畑】そう。めくったところについてくるから、いつ閉じてもそのページが開くっていう。

【きだて】懐かしの「スワンタッチ」みたいな。白鳥型のページマーク。

【高畑】そうそう、そういうのがあって。あとはこのペンね。平たいシート状なんだけど、しおりにもなるって書いてあったんだよ。それで、三角にするとペンになるっていう。

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【きだて】カッコいい。

【高畑】これ、ちょっとカッコよかったんだよ。

【他故】いいじゃん。

【高畑】これは香港のデザイナーがデザインしたやつっぽいんですよ。香港のデザイナーが作ったものばっかり売ってる香港のセレクトショップに置いてあったので。大樹っていうのかな、そういう文房具屋さんがあるんですけど、そこにこんなのが置いてあってですね。

【きだて】検索したら「大樹文房」って出てきたけど、ここかな。

【高畑】そうそう、大樹文房。そこに香港のデザイナーの商品ばっかり置いてあるコーナーがあって、文房具が多いんだけど、それ以外にもおもちゃとか色々置いてあったりして。海外に行くと、日本で手に入らないけど、ちょっと変なものがあると買ってきたりするんですけど、香港の場合はオリジナルの物ってそんなにないんだよ。香港大きな工場を持ったメーカーがあまりないので、香港製のプロダクトってそんなにないんですよね。そういう意味で、この香港デザイナーが頑張っているペンとかはいいかなと思って。これはシリコンでできていて、中にマグネットが入っているので、三角にしたらパチッと留まるかたちになっている。あと、本とかに挟んでパチッと留まるというものです。

【他故】へぇ。

【高畑】まあ安くはないし、マルチの芯が1本入ってるだけなので。まあ、実用性がすごいあるかっていったらそうでもないんだけど、ちょっと変わったものっていうか。

【きだて】それはドンピシャでイロブンじゃん。

【高畑】うん、イロブンですね。ちょっと高かったんだよ。あと、横道にそれるけど、「香港重機」っていうシリーズがあるんですよ。これは香港のアーティストが描いている、バスとかの乗り物なんかがロボになってるフィギュアがあるんだよ。

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【他故】かっこいいな。

【高畑】こういうのがガチャガチャとあって。これが食玩みたいに箱に入ってるんだけど、いろんなシリーズがあって、各シリーズ1個ずつ買ってきた。いろんなステッカーもあって、これも香港でよく走ってるバスとかがデザインされてたりして。なんせ、身近なものをメカ化するのが好きな人で。これはちょっと何とかベースみたいだけど(笑)。

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【きだて】その色はジオン仕様だな(笑)。

【他故】いいね。

【高畑】こういうガチャガチャしたものをいっぱい買ってきた。香港だけだと全部作れないから、デザインだけ香港だったりとか、海外から入ってきているものが多いので、そんな感じで。まあ、円安のおかげでめちゃくちゃ高いんですけど。ただまあ、そういうものを買って来たよっていうところです。

【きだて】今Amazonで香港重機って検索すると、文具王が買ってたフィギュアは品切れになってる。惜しい。これは俺も欲しい。

【高畑】めちゃめちゃカッコいいので。あのこれ、すごいでかいのも売ってるんだよ。あれどのくらいするのかな? でもこの小さいガチャ1回が3,000円ぐらいするので。

【きだて】結構なもんだね。

【高畑】本当にね、レートがおかしい。香港ドルが 1ドル20円ぐらいだったりするんだけど、物価が元々高いので、韓国とかと全然比較にならないぐらい香港はものが高いので。コーヒー 1 杯は1,200円ぐらいするから。

【きだて】円が安すぎて、世界中どこへ行ってもどうもならんっぽいけどね。

【高畑】だから、円安はおもちゃ買いに行ったりするのはやっぱつらいねって思いましたけど。自分の感覚ではちょっとしたものを買ってもすごい値段取られたりするからね。

【きだて】いいな、楽しい年末年始だったな。

【高畑】海外にせっかく行けたら、とりあえずですね、全ての時間が許す限り文房具店を回るっていう感じで行っては来たんですけど。

【他故】いいな、やってみたいな。

【高畑】あとこれ、タグみたいなのがあって、「文具」に「控える」っていう字みたいなんですけど、この字で「文具ホリック」っていう、これは香港のバスの行き先表示板のパロディなんだけど、「文具オタクです」っていうタグを売っていたりして。

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――香港にも文具オタクがいるって事ですね。

【きだて】それはいるでしょう。

【高畑】日本の文具は人気みたいで。香港ってビルを建て替えないんだよね。すっごい古いビルをずっと使ってて、昔の工場跡みたいな、ボロボロのでかいビルの中に一室だけ文房具屋さんがあって中はおしゃれみたいな。そういうこだわりのセレクトショップみたいなのは大体そういうビルの中に入ってるんだけど、結構日本の文房具をわざわざ取り寄せて売ってますみたいなお店が結構あるので。

【他故】へぇ。

【高畑】だから日本文具は香港でも人気だし。あとそういうところの人たちは、「文具女子博」とかに来て、日本の文房具を見て仕入れたりとかしてるみたい。

――なるほど、結構日本の文房具を売っるわけですね。

【高畑】売ってますね。香港の誠品書店のガラスケース覗いたら、「プレジール」の限定カラーが5,000円ぐらいで売ってるの。びっくりするよね。

【他故】「プロシオン」の値段じゃん(笑)。

【高畑】路面の文具屋だと「クルトガダイブ」が、普通にビニール袋に雑に入れられて、吊るして売ってるんだけど。

【きだて】「クルトガダイブ」をそういう売り方するな(苦笑)。

【高畑】値段見ると1万円ぐらいなんだよ。だから倍ぐらいだよね。まあ海外に行って、さすがに湯水のようには買えないと思いながら、そういうのにびっくりするのも、まあたまにはいいんじゃないのかなと思いますけどね。

【きだて】前は、中国へ行ってイロモノ文具をアホほど買いまくってたんだけど、今はできないだろうな、そういうの。

【他故】いやー、難しいだろう。

【高畑】いや、中国のそういう雑文具はまだそれなりに安いっぽいよ。変なもの探しに行くんだったら、中国はありかなと思うけど。

【きだて】えーと、今は1元21.45円か。俺が行った時とそこまでびっくりするほど変わってないか。中国イロブン探しの旅、また行きたいな。

【高畑】韓国は、値段的には日本とそんなに変わんないかなみたいな印象だったけど、香港はなんか高いなって感じがすごいした。ヨーロッパとかへ行くと大変だと思うよ。それでも、海外行けて良かったけどね。なるべくなら行くチャンスを作りたいなという感じではあるかな。

――はい。

【高畑】まあでも、やっぱり日本の文房具はすごいなって思っちゃうね、逆にね。そういうところでもすごい高く売られてるのを見るとね。

【他故】そうかもね。

【高畑】日本のものでもまるっきり同じものをあえて買わないけど、日本メーカーの海外仕様文具があったり、似本では見たことのないタイプの文具があったりするので、皆さんには「海外に行ったら文房具屋を見ようね」っていうね。

【他故】ははは(笑)。

【高畑】文とびの読者の人たちは、海外に行ったら文房具屋さんも見てきて、編集部宛にコメントなんかくれたりするとなんか楽しいよねって思うので。「なんじゃこりゃ」っていうものを売ってるのが面白いじゃん。

――まあ、そういうのを投稿してもらうと面白いかもしれないですね。

【高畑】やっぱり海外の事情って分かりにくいじゃない。

【きだて】そうなのよね。

【高畑】海外の安いものって分わかんないよね。モンブランの高い万年筆は日本にも置いてあるけど、向こうの小学生が使ってるような雑なノートとか、子どもが遊んでるようなおもちゃっぽいものとかっていうのはなかなか手に入らないし、見る機会がないからね。

【他故】見てみたいね。

【きだて】学生が何使ってるのかとかすごい興味あるじゃん。その安いやつ。

【高畑】だから、普通の文房具屋さんとか書店に入るとすごい楽しい。

【きだて】スーパーの文具売り場とかも楽しいよね、海外は。

【他故】いいなぁ。

【高畑】あとね、昔に比べて探しやすくなったのが、Google マップ開いて「stationery shop」とか「book store」とか入れたらお店が出てくるのでね。それで初めてのとこでも、大体文房具屋さんを探せると思うので、こういう感じで探して見に行くといいよ。まあ、お土産としても安くていいしね。

――海外へ行ったら文具店に行こうということで。

【高畑】お土産を買ってきてね。

――皆様からの投稿お待ちしております(笑)、ということでありがとうございました。

*次回はきだてさんの初文具です

プロフィール

高畑 正幸(たかばたけ まさゆき)
文具のとびら編集長。学生時代に「究極の文房具カタログ」を自費出版。「TVチャンピオン」(テレビ東京系列)の「文房具通選手権」では、3連覇を達成した。サンスター文具に入社し商品企画を担当。現在は同社とプロ契約を結び、個人活動も開始。弊社が運営する文房具のWebマガジン「文具のとびら」の編集長も務めている。著書は『究極の文房具カタログ―マストアイテム編―』(ロコモーションパブリッシング)、『究極の文房具ハック』(河出書房新社)、『そこまでやるか! 文具王高畑正幸の最強アイテム完全批評』(日経BP社)、『文具王 高畑正幸セレクション 一度は訪れたい文具店&イチ押し文具』(監修/玄光社)、『究極の文房具カタログ』(河出書房新社)、『文房具語辞典』(誠文堂新光社)と、翻訳を手がけた絵本『えんぴつとケシゴム』(KADOKAWA)。新著は『人生が確実に幸せになる文房具100』(主婦と生活社)。
https://bungu-o.com/


きだて たく

小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/

他故 壁氏(たこ かべうじ)
小学生のころから文房具が好きで、それが高じて文具メーカーに就職。ただし発言は勤務先とは無関係で、個人の見解・感想である。好きなジャンルは書くものと書かれるもの、立つ文房具と薄いペンケース。30分間文房具のことしか語らないトーク番組・775ライブリーFM「他故となおみのブンボーグ大作戦!」パーソナリティ。たこなお文具情報室所属。
「他故となおみのブンボーグ大作戦!」番組ホームページ https://daisakusen.net/

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