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【連載】『小粋な手紙箱』 #25 "時候の挨拶"は必要?

田丸有子

(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタントの田丸有子さんは、子どもの頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの手紙好き。コンサルタントとして手紙文化を広めるために活動している田丸さんに、手紙の書き方のコツや手紙に関するトピックなどを毎月紹介してもらいます。

手紙で気持ちを伝えよう!

みなさん、ごきげんよう。

東京は桜も散り、次の季節へ移り変わっている今日この頃です。

手紙には“時候の挨拶”というものがあります。

これまで、もし“時候の挨拶”を文章で書くことが苦手なら、その役割はレターセットや切手など手紙の持つ他の要素にお任せしましょう、とお伝えしてきました。なんでも文章で伝える必要はないのだと。

もちろん書きたかったら書いて良いのです。むしろ書いた方が良い場合もあります。季節感を表す言葉は、相手にその情景を想像させます。それは、本題に入る前に一息つく、相手に心構えをさせる、というような相手を思いやる気持ちの表れでもあります。お詫びの手紙やお願いの手紙、内容が少し重めの手紙の場合には特にこれが有効なのです。

“時候の挨拶”を書くことで手紙にリズムが生まれ、いきなり本文を読むよりもスムーズに言葉が入ってくるようになります。それは少なからず気持ちが和らいでリラックスした状態になるからとも言えるでしょう。

ただし、気持ちの伝わる手紙の基本は“等身大の言葉”で書くことです。「〇〇の候」という昔ながらの言い回しがありますが、必ずしもそれを使う必要はありません。堅苦しい表現は逆効果。普段づかいの言葉で、思ったまま感じたままに書くことをおすすめします。

あなたの感性を生かしたステキな“時候の挨拶”を書いて、手紙上手になりましょう。

手紙トピック

NHK BSで放送している「COOL JAPAN」というテレビ番組をご存知ですか?日本を良く知る外国人が、毎回日本の様々な文化や体験について語り合うのですが、先日、“日本の手紙文化”をテーマにした回が放送されました。

外国人が語る手紙文化についての感想はとても興味深いものでした。国によって郵便事情が全然違うことも分かりましたし、手紙に対する考え方もさまざまで、日本では当たり前のことも海外ではかなり特殊なのかも?と思えました。日本では「メールやSNS」は通信手段、「手紙」は気持ちを伝えるものという棲み分けが自然と出来上がっていますが、それ自体独特なもので、“手紙を楽しむ”という感覚も日本的と思われているようでした。そのことに共感する外国人と全く共感しない外国人がいて面白かったです。

今月のマキシマムカード

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テーマ:春の里山

葉書: 石原大介

切手: 森の贈りものシリーズ 第2集

絵入りハト印: 天然記念物シリーズ 第4集

お知らせ

★手紙やメールの書き方の基本について通信講座があります。

忙しい人でも自分のペースで学べます。

楽しく学んで手紙上手になりましょう!

入門講座 /通信講座「手紙の書き方講座」

ビジネスメール講座 /通信講座「仕事で差がつく!メール・文章の書き方講座」

美文字講座 /通信講座「仕事で差がつく!実用美字・美手紙講座」


★ 体験講座も有ります!

(社)手紙文化振興協会 体験講座スケジュール

プロフィール

田丸有子 (たまるゆうこ)

(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタント

子供の頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの文通好き。でも手紙の何がそこまで自分を魅了するのか、深く考えたことはありませんでした。講座を受けて一番良かったことは、手紙が私の憧れを実現する手段であると気付いたことです。自分を表現することで人に喜んでもらいたい。叶えるために出来ることは何かずっと探してきました。その表現方法こそ私にとっての手紙であり、魅かれる理由なのだと気付いた瞬間、「やっと見つけた!」そんな気持ちになりました。

また、郵趣のコミュニティに参加したことで、手紙にも色々な楽しみ方が有ることを知りました。私が今夢中になっているのは、葉書と切手、消印をコーディネートするマキシマムカード。いかにセンス良く仕上げて個性を出すか、考えるだけでワクワクします。

奥深い手紙文化を通して自分の世界が広がっていく面白さを沢山の人たちと共有し、心を豊かにしていきたいです。

ブログ「Cordially yours

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