1. 連載企画
  2. 小粋な手紙箱
  3. 【連載】『小粋な手紙箱』 #15 梅雨時の手紙の書き方について考える

【連載】『小粋な手紙箱』 #15 梅雨時の手紙の書き方について考える

田丸有子

(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタントの田丸有子さんは、子どもの頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの手紙好き。コンサルタントとして手紙文化を広めるために活動している田丸さんに、手紙の書き方のコツや手紙に関するトピックなどを毎月紹介してもらいます。

手紙で気持ちを伝えよう!

梅雨お見舞い申し上げます。

みなさま、お変わりなくお過ごしでしょうか?

梅雨には、うっとうしい、気分が落ち込む、ジメジメ、という誰もが持っているマイナスのイメージがあります。

この季節、私も時々やってしまうことが、冒頭の挨拶に「うっとうしい季節になりました」「心も滅入るような雨の毎日です」と書いてしまうことです。共感はしてもらえるかもしれませんが、相手も自分も余計に気が滅入るような気がしませんか?

ネガティブな表現が悪いわけではありませんが、冒頭の挨拶ですし、どちらかといえば雨を好いものとして捉えている言葉を使う方が、相手は気持ちよく読み始めることができるかもしれないと思い、いくつか考えてみました。

・ 恵みの雨が降り続き、樹々の緑も深くなったように感じます

・ 今日は雨降りの一日ですが、そのおかげで手紙を書く落ち着いた時間が持てました

・ 紫陽花の色が映える季節になりました

前向きな表現にするポイントは、“雨のせい”ではなく“雨のおかげ”を考えてみること。

梅雨時には、実際に降る雨の様子を見ながら書いてみてくださいね。

手紙トピック

ある日の午後、天気雨が降ってきた時に一緒にいた友人が

「狐の嫁入りのようだからすぐに止むわね」

と言いました。

“天気雨”のことを“狐の嫁入り”と言っただけのことですが、それを聞いた途端私には、ただの通り雨が突然風流な趣のあるものに感じられました。それ以来、私も天気雨のことを狐の嫁入りと呼ぶことにしています。

みなさんも言葉ひとつでまわりの景色が少し違って見えた経験はありませんか?

雨にまつわる日本語の表現はたくさんあります。

響きが良いとか、言い回しが素敵とか、いい表現だなと思う言葉があったら覚えておいて、手紙に応用してみるのもおすすめです。

表現の幅を広げて小粋な手紙を書きましょう。

今月のマキシマムカード

1.jpg

テーマ:五月雨と紫陽花

切手&特印: おもてなしの花シリーズ

お知らせ

★手紙やメールの書き方の基本について通信講座があります。

忙しい人でも自分のペースで学べます。

楽しく学んで手紙上手になりましょう!

入門講座 /通信講座「手紙の書き方講座」

ビジネスメール講座 /通信講座「仕事で差がつく!メール・文章の書き方講座」

美文字講座 /通信講座「仕事で差がつく!実用美字・美手紙講座」


★ 体験講座も有ります!

(社)手紙文化振興協会 体験講座スケジュール

プロフィール

田丸有子 (たまるゆうこ)

(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタント

子供の頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの文通好き。でも手紙の何がそこまで自分を魅了するのか、深く考えたことはありませんでした。講座を受けて一番良かったことは、手紙が私の憧れを実現する手段であると気付いたことです。自分を表現することで人に喜んでもらいたい。叶えるために出来ることは何かずっと探してきました。その表現方法こそ私にとっての手紙であり、魅かれる理由なのだと気付いた瞬間、「やっと見つけた!」そんな気持ちになりました。

また、郵趣のコミュニティに参加したことで、手紙にも色々な楽しみ方が有ることを知りました。私が今夢中になっているのは、葉書と切手、消印をコーディネートするマキシマムカード。いかにセンス良く仕上げて個性を出すか、考えるだけでワクワクします。

奥深い手紙文化を通して自分の世界が広がっていく面白さを沢山の人たちと共有し、心を豊かにしていきたいです。

ブログ「Cordially yours

【文具のとびら】が気に入ったらいいね!しよう