
【連載】『小粋な手紙箱』 #14 インク色の選び方
(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタントの田丸有子さんは、子どもの頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの手紙好き。コンサルタントとして手紙文化を広めるために活動している田丸さんに、手紙の書き方のコツや手紙に関するトピックなどを毎月紹介してもらいます。
手紙で気持ちを伝えよう!
手紙を書く時、ペンのインクの色を意識したことはありますか?
日本はもともと墨文化なので、「黒」だと間違いないという絶対的な安心感があります。「黒」に“敬意”を感じる人も多いですね。
ご法度の色は「赤」です。特に宛名を赤で書くことはマナー違反。“絶縁・絶交”を意味すると言われており、その理由には諸説あります。
もう一つ、“決別”を意味する色として「緑」があります。中世ヨーロッパにおいて緑色のインクで果たし状を書いていたことが由来だとか。そんなわけで、緑色のインクでラブレターを書くのは縁起が悪いとも言われていますが、日本では一般的ではありません。
この連載でも何度かお伝えしていますが、手紙の書き方コンサルタントとしては、気持ちを伝える手紙に使う色として「青」系を推奨しています。
しかし、色に関することはあくまでも印象やイメージとしての感覚的なものです。グラデーションのどこを選ぶかでも印象は違うものになりますし、人によっても受け取り方は様々です。理由はよくわからないけれど、あまり良い気持ちがしない、と感じる色もあるでしょう。長い歴史の中で行われてきた習慣や出来事によって、ついている色のイメージが遺伝子レベルでも伝わっているに違いないと私は思います。
手紙を書く上でインクの色を選ぶことは、気持ちや季節感を表現することに繋がるので、書き手にとっては楽しみのひとつですが、大切なことは、“相手にとって”読みやすい色かどうか、不快感を与えない色かどうかを基準にすることです。そうすれば自ずと選ぶ色は決まってくるでしょう。
手紙をもらったら、文字の色に注目してみましょう。そして自分がどんな風に感じ取っているのか意識してみるのも面白いですよ。
手紙トピック
テレビに映っている人が使っている文房具が気になります。
南北首脳会談で両首脳がサインする時に使っている万年筆はどこのメーカーなのか、とか。ネットで調べるとやはりそこに注目している人はいるようで、すぐにわかるものですね。
政治家ともなれば万年筆はたくさんお持ちでしょうけれど、安倍首相には日本製の万年筆を使っていてほしい、なんて勝手に思ったりします。
今月のマキシマムカード

ポストカード:無地(切手シートの切れ端を利用してみました。)
切手&特印: 切手趣味週間
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プロフィール
田丸有子 (たまるゆうこ)
(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタント
子供の頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの文通好き。でも手紙の何がそこまで自分を魅了するのか、深く考えたことはありませんでした。講座を受けて一番良かったことは、手紙が私の憧れを実現する手段であると気付いたことです。自分を表現することで人に喜んでもらいたい。叶えるために出来ることは何かずっと探してきました。その表現方法こそ私にとっての手紙であり、魅かれる理由なのだと気付いた瞬間、「やっと見つけた!」そんな気持ちになりました。
また、郵趣のコミュニティに参加したことで、手紙にも色々な楽しみ方が有ることを知りました。私が今夢中になっているのは、葉書と切手、消印をコーディネートするマキシマムカード。いかにセンス良く仕上げて個性を出すか、考えるだけでワクワクします。
奥深い手紙文化を通して自分の世界が広がっていく面白さを沢山の人たちと共有し、心を豊かにしていきたいです。
ブログ「Cordially yours」
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