【連載】『小粋な手紙箱』 #11 プレゼントに添えるメッセージ
(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタントの田丸有子さんは、子どもの頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの手紙好き。コンサルタントとして手紙文化を広めるために活動している田丸さんに、手紙の書き方のコツや手紙に関するトピックなどを毎月紹介してもらいます。
手紙で気持ちを伝えよう!
こんにちは。いかがお過ごしですか?
先日友人のバレエの発表会を観に行きました。招待してもらったお礼にと用意したプレゼントに小さなカードを添えて、始まる前に受付に持って行き、本人に届けてもらいました。
こういう場合、カードにどんな言葉を添えるのが良いでしょうか。
「発表会ご出演おめでとうございます!」
小さなカードに書くならこれだけでも十分ですね。
でももう一言書きたいなと思ったら何を書くかは悩ましいところです。悩まされる原因はタイミング。発表会を見るのはこれからですから感想は書けません。「頑張ってね」「応援しています」「練習通りに踊れますように」など書きたいところですが、もしかすると相手は終わってからこのメッセージを読むかもしれないのです。相手が読むタイミングを測れない場合にメッセージを書くのはなかなか難しいことだと思いました。
簡単に一言書くだけなのに、その時の状況で言葉選びに悩んでしまう時には、まず何を一番伝えたいかを考えてみましょう。
大切なことは心からの気持ちを伝えること。
この場合は応援している気持ち、成功を願う気持ちです。心からの言葉であれば、たとえタイミングを違えて読んだとしても相手に悪い気持ちを与えることはないでしょう。丁寧に書かれた手書きの文字をみれば、応援しながら観てくれていたんだなぁという風に伝わるでしょうから。
言葉に自信がないときは、“手書きの力”を信じて書きましょう。
手紙トピック
東京・日本橋にある江戸時代から続く和紙など紙モノを多く扱う文具店「榛原」で変わり種のレターセットを見つけました。
面白いのは便箋が蛇腹になっているところ。和紙ではありませんが、洋風にも和風にも見えるデザインで普段使いできるのが良いですね。
それに、好きなところで切り取れるように1枚づつ切れ目が付いているので、長く書かずに一筆箋感覚でも使えます。
万年筆で書くと滑りが良く、インクの乾きも早いので縦書きでもスイスイ。
ちょっと目先を変えた手紙を書きたいと思った時に使ってみれば、送った相手にも喜んでもらえそう。
今月のマキシマムカード
ポストカード:花籠や
切手:与謝野晶子「みだれ髪」
小型印: 切手の博物館でバレンタイン
お知らせ
★2018年3月 銀座にて少人数制「メールの書き方講座」を行います。
詳細はこちら。
ぜひぜひ奮ってご参加ください!
★手紙やメールの書き方の基本について通信講座があります。
忙しい人でも自分のペースで学べます。
楽しく学んで手紙上手になりましょう!
【入門講座 /通信講座「手紙の書き方講座」】
プロフィール
田丸有子 (たまるゆうこ)
(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタント
子供の頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの文通好き。でも手紙の何がそこまで自分を魅了するのか、深く考えたことはありませんでした。講座を受けて一番良かったことは、手紙が私の憧れを実現する手段であると気付いたことです。自分を表現することで人に喜んでもらいたい。叶えるために出来ることは何かずっと探してきました。その表現方法こそ私にとっての手紙であり、魅かれる理由なのだと気付いた瞬間、「やっと見つけた!」そんな気持ちになりました。
また、郵趣のコミュニティに参加したことで、手紙にも色々な楽しみ方が有ることを知りました。私が今夢中になっているのは、葉書と切手、消印をコーディネートするマキシマムカード。いかにセンス良く仕上げて個性を出すか、考えるだけでワクワクします。
奥深い手紙文化を通して自分の世界が広がっていく面白さを沢山の人たちと共有し、心を豊かにしていきたいです。
ブログ「Cordially yours」
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