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- 【連載】他故となおみのブンボーグ大作戦!Bootleg #015 ペノンの"未来を書き換えるペン"「PENON(ペノン)」
【連載】他故となおみのブンボーグ大作戦!Bootleg #015 ペノンの"未来を書き換えるペン"「PENON(ペノン)」
30分間、文房具の話題だけをお送りするラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」のパーソナリティ「なおちゃん」こと、ふじいなおみです。
番組では毎週たくさんの文房具が登場します。その中から、他故さんとなおちゃん2人で選んだ商品をピックアップ。より掘り下げてご紹介していきます。
「PENON」左からフラッグペン(NATIONAL FLAG)・ネクタイペン・メガネペン・フラッグペン(ヒナトリエ)
今回は、6月5日放送の「なおちゃんの使ってみた」でご紹介した、ペノンの未来を書き換えるペン「PENON」をご紹介いたします。
SDGsを知る糸口に
気づけば「SDGs」という言葉をよく見聞きするようになっていました。しかし、「SDGsってイマイチわからない……」。そんな方に今回の商品をご紹介したいのです。未来を書き換えるペン「PENON」です。
SDGsとは「持続可能な開発目標」のこと。「G」はゴールの略で、SDGsでは地球規模の課題を解決するために17個のゴール(目標)が設定されています。
その中でもPENONは環境に関係する
15.陸の豊かさも守ろう
13.気候変動に具体的な対策を
12.つくる責任つかう責任
の3つのゴールにフォーカスしたボールペンです。
そして、冒頭にあった写真のようにおしゃれなモチーフがついていて、木製の軸でニードルポイントを持つゲルインクのボールペンです。もちろん替芯もあるので、お気に入りをずっと使い続けることができます。
私はこのPENONを、SDGsに興味を持つための糸口としてお勧めしたいと考えています。
SDGs「15.陸の豊かさも守ろう」への取り組み
PENONのボディは木で出来ています。その木は「森林認証された」ものを使用しています。
森林認証制度とは適切な森林経営や持続可能な森林経営をしている森林を認証しているということなのですが、「森林経営」と言われてもイメージが湧きづらいと思います。
木はたくさん植えればよいわけではなく、状況に応じた手入れが必要なのです。日本では戦後に植樹された木が70年ほど経過し木材として利用可能な大きさまで育っています。そこでこれらは伐採して利用し新たに植樹する(世代交代をする)ことが必要になります。同じ面積の土地でも、成熟した木よりも苗木は小さいため多く植えられます。途中間伐なども行い育てていくのですが、間伐材ももちろん資源として利用ができます。このように計画的に森林を経営管理することが「森林経営」であり、森林認証制度を受けた木を使って商品を使うことが「15.陸の豊かさも守ろう」への取り組みとされます。
また、これは説明を受けて強く印象に残ったことなのですが、成熟した木は若い木と比べて二酸化炭素の吸収量が少ないのだそうです。大体樹齢が30年ほどを境に二酸化炭素の吸収量が減っていくとのこと。その視点からも、世代交代が必要なのです。自然を守りより良い環境を作るために森林経営は欠かせないことがよくわかりました。
SDGs「13.気候変動に具体的な対策を」への取り組み
パッケージは森林認証紙でできていて、厚紙をジャバラに折ることにより厚さを出し、中央に商品がピッタリ入る穴を開けることで、パッケージを実現させています。
それだけでなくテープ類も使わず、パッケージの厚紙をストッパーとして開かないようにと設計されています。
また、余白部にはペンスタンドが作れるペーパークラフトのパーツがあるのが、子どもの頃ワクワクした雑誌の付録のようで嬉しくなります。
しかし、現在の技術では替芯にプラスチックとステンレスを使わなければなりませんでした。
そこで、
SDGs「12.つくる責任つかう責任」への取り組み
つくる責任として、替芯をリサイクルしています。専用の替芯が入れられた封筒は使用済みの替芯が回収できるように返信用封筒となっています。
回収された替芯は専門のリサイクル業者へ。プラスチックは再生燃料として、ステンレスは溶かして再びステンレスとして使用する仕組みがしっかりと作られています。
直接お話を伺いました
6月上旬、PENONについて直接お話を伺う機会がありました。
環境への配慮が伝わってくる商品なのですが、実際にユーザーの反応はどのような状況なのか、ペノンでは具体的にどのようなことを行っているのかを教えていただきました。
1.替芯のリサイクル
かなりの量の使用済み替芯が戻ってきているそうです。また、同封されたメッセージカードに力強いメッセージを書いてくださる方がとても多いとのこと。それだけ、環境問題に意識を持った方が使っているのでしょう。ユーザーもしっかりとSDGsを意識してPENONを選び、使っているのですね。
2.リサイクルにより作られた再生燃料
会場の一角に敷かれていたこれが再生燃料です。
古紙などを混ぜてつくられているため見た目にはプラスチックを感じることはできませんでしたが、手に持ってじっくりみてみるとプラスチックが確かに含まれています。
持ってみると大人の手のひらに収まるような大きさ。円柱形で、キャンプに使う「焚き付け」のような感触・重さでした。
3.商品に興味を持つのは子どもから
店頭でPENONに興味を示すのは子どもが中心なのだそうです。これは学校の授業でSDGsに触れる機会が多いからだと教えていただきました。中には家族に商品の魅力を熱く語ったり、友達へのプレゼントに選んだりというお子さんもいらっしゃるとか。大人もしっかり勉強しなくちゃですね。
4.モチーフが職場を離れる方へのプレゼントに
COOL BIZによりあまりすることがなくなったネクタイですが、やはり「働く」をイメージするからでしょうか?特に今年の春先には、職場を離れる方へのプレゼントとして選ばれることも多かったのだそうです。
このように、環境を意識して選ぶ方が多く、また、プレゼントとしても選ばれるオシャレさと実用性を兼ね備えたアイテムと見られていることがわかりました。
今後のPENON
今後は大きく次の2つを実現すべく動き出しています。
1.PENON名入れ工房
企業や卒業シーズンの学校からの要望が多かった、名入れをできるように準備を進めています。私も実際に名入れをしていただいたPENONをいただきました。
立体的に印刷することも可能で、プリント見本の中には点字がプリントされたものもありました。
2.PENON lab
ペン表面に立体的な印刷を施すプリントをすることで、例えば油絵の質感などを表現することができるそうです。
こちらはまだ生産過程で難しいところもあるとのことでしたが、写真のように芸術作品を手で感じられるのは魅力的だと感じました。
商品情報
PENON(ペノン)
メガネペン 1,200円(税込)
ネクタイペン 1,300円(税込)
フラッグペン 1,400円(税込)
替芯 250円(2本入り/税込)
ブンボーグ大作戦!こぼれ話
やりたいことをやってみよう!!
6月から不定期で脱力系音声配信「たこなお文具堂のお話」を開始しました。
番組では30分間文房具の話だけをお送りしていますが、ここでは番組内では聴けない二人のゆるゆるトークが!?
「たこなお文具堂のお話」はこちらから聴くことが出来ます
プロフィール
ふじいなおみ
1979年北海道札幌市生まれ。ラジオパーソナリティ/文房具プレゼンター
ナナコライブリーエフエムで放送中のラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」のパーソナリティ及び制作・技術を担当。
他故壁氏さんとユニット「たこなお文具堂」として、文房具の楽しさを伝える活動を開始。
万年筆インク(中でもご当地インク)コレクターであり、2015年生まれの娘とともに学童文具の観察を行う。
そして、きだてたくさんと色物文具をひたすら紹介する動画コンテンツ「イロブンの引き出し開けていこう」も配信スタート。
【他故となおみのブンボーグ大作戦!】
埼玉県朝霞市のコミュニティFM「ナナコライブリーエフエム」にて放送中の30分間文房具の話題だけをお送りするラジオ番組。
パーソナリティーは他故壁氏&ふじいなおみ。
放送時間は毎週日曜日19:30~20:00/毎週水曜日 11:30~12:00(再放送)
FMラジオ77.5MHz(埼玉県朝霞市・志木市・新座市・和光市とその周辺地域)の他、パソコンやスマートフォンではListenRadioのサービスを利用すると気軽に聴くことができます。
詳しい聴き方は番組Webページへ
https://daisakusen.net/howto/
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