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【連載】月刊ブング・ジャム Vol.37 今、ペン型はさみが熱い! 注目はさみをまとめてチェック!!(その3)
本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は、今ブームとなっているペン型はさみについて取り上げました。
第3回目はプラスの「フィットカットカーブ ツイッギー ポーチサイズ フッ素コート」です。
(写真右から他故さん、高畑編集長、きだてさん *2019年12月撮影)
*今回の鼎談はリモートで行いました。
ポーチサイズでも切れ味抜群!
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――次は「フィットカットカーブ ツイッギー ポーチサイズ フッ素コート」です。
【高畑】まあ、軸があんまり長くなくてよかったという。後ろを切ったらこうなりましたという感じだよね。
――すごい短いですよね。
【きだて】(はさみを2本持って)こっちが最初の「ツイッギー」だよ。
【他故】おお、大分短くなったね。
【きだて】大分違う。
【高畑】でも、刃から先のところは、長さ的にはあんまり変わってないでしょ。
【きだて】いや、刃渡りも変わったよ。
――刃渡りも短いですよね。
【他故】ああ、違うね。
【きだて】正直に言うね。俺、ちょっとツィッギーを舐めてたとこあって。初代はあんまり性能良くないなーって感じてて、またどうせ同じなんだろ?って思いながら使ってみたら、やけに使いやすくて。
【他故】ほぉ~。
【きだて】さっき文具王が言っていたように、刃の長さに対してハンドルまでの距離が違うというのは当然あるんだけど、そっちの方が力が入るよな。
【高畑】結構ハンドルは大きいよね。
【他故】ハンドルが大きいんだ。
【高畑】指に当たる面が広くなっているから。
【きだて】幅が広くて、しかも長くなってる。
【高畑】あとね、ギザギザがちゃんと付いていて、それが指にも当たってていい感じなの。
【他故】ああ、本当だね。
【きだて】そういうのもあるし、ひょっとしたら刃も替えてるのかなと思うぐらい、こっちの方が切れ味よく感じる。
【高畑】外側のカーブも変えたんでしょ。刃を閉じたときに、先が丸くなるようにって。何かね、先がくびれてるんだよ。
【きだて】何かピンセットみたいな変な感じで。
【他故】そうだね、変だよね。
【高畑】何でこんなかたちなんだろうっていう。何か鼻毛切りはさみみたいな。
【他故】先が丸いっていうのが一緒だ。
【きだて】ごめんなさい、これで鼻毛切りました(笑)。
(一同爆笑)
――切りたくなりますよね。
【きだて】ですよね。この刃先だったら。
――これは、まゆ毛整えたり、指のささくれを切ったりとか、そういう使い方も想定しているので、刃先を丸くして安全性を高めているみたいですよ。
【きだて】うん、そういうふうには聞いた。
――だから、鼻毛切りは使い方として間違いじゃないと思いますよ。
【高畑】パッケージのところにも、わざわざ“丸くしたよ”と書いてあるよね。
ショートサイズながらハンドルは長め、刃先が丸いのも特徴。
【きだて】これがまた、ダンボールもバツッと。
【他故】はいはい。いけるね。
【きだて】これが元のツイッギーだと、ダンボールきついんだよ。
【高畑】あ~、分かる。
【きだて】そういう意味で、今のところの評価としては、このポーチサイズの方がいいわっていう。どっちか持ち歩けといわれたら、このポーチサイズを持ち歩きます。
――なるほど。
【きだて】やっぱり、ハンドルが大きくなっているのが強いね。明らかに切りやすくなっているし。
【高畑】手に持ったとき、こっちの方が持ちやすいよね。
【きだて】楕円形というか、これも四角に近いか。
【高畑】前のはもっと楕円形だったよね。
【他故】そうそう、楕円形だったよ。大分違うね。
――今回、ハンドルのかたちも変えたそうですよ。
【高畑】こっちの方がボリュームあるんだよ。
――寸法は短いですけど、こっちの方が一回り大きい感じがしますね。
【高畑】これは、細長いのを一旦置いといてという感じになってて、立つペンケースが飽和して、寝かせるペンケースになったときに、ハンドルの長さはいらないということじゃないかな。
【他故】そうか、埋没するような長さでもいいということか。
【きだて】そうだよ。立てたら沈むけど、寝かせればいいじゃんということ。
【高畑】前のモデルは、「ペンの長さに合わせました」というのがすごいあるけど、今回はそうでもない。
【きだて】はさみとして使いやすいんだったら、それでいいよ。
【他故】そうか。
――他故さんはツイッギー使ってましたよね。
【他故】最初のやつは使ってましたね。僕は、はさみといってもそんなにバリバリ切る方じゃなくて、大体がほつれた糸を切るとかそんなレベルでしかなかったので、まあ普通に切れるなぐらいの感じだったんですけど。でも、これは使ってみたくなるなぁ。こうやって話を聞いてみると。
【きだて】ツイッギーは、薄手のフィルムを切るのも割と苦手だったのよ。だけどポーチサイズは、フィルム系も割とスパッといくので。
【他故】ほほう。
【きだて】それこそ、お菓子の袋を開けるとか、そういう用途でもこっちの方が便利。実際に「あっ、ツイッギー進化してる」という実感が得られたからね。これは大分好き。
【高畑】多分、作り手のこだわりなんだけど、ハンドル四角いけど、キャップは丸いんだよ。
【他故】へぇ~。
【高畑】スカイツリーは下は三角だけど、上は丸じゃん。あんな感じ。四角から丸にシームレスにだんだんかたちが変わるように、そういう設計にしてるっぽい。
【他故】なるほどね。
【高畑】そういうこだわりが必要だったかどうかは知らんけど(笑)。
【きだて】手当たりが違うとかあるのかな?
【高畑】いや~どうだろうか。これは多分、本人のこだわりだと思うよ。
――デザイン的な部分ですかね。
【他故】うふふ(笑)。
――しかし、きだてさんが意外な高評価で。
【きだて】「なめてた、ごめん」という感じで。
【高畑】でも、これはそういう意味ではいいと思いますよ。コンパクトだし、短くしてきたのは悪くない。
【きだて】収納時の全長で言えば「サクサポシェ」と変わらないんだよね。まあ、ほぼほぼ同じぐらいかなという感じで。
【高畑】これはおしゃれカラーだけで売るんだろうけど、ひょっとしたらこれは回転転写かけられそうだから、キャラクターいけるかもね。
【他故】うん、いけるね。
――ツイッギーは元々キャラクター展開やってますからね。
【高畑】そのうち、mizutamaさんとかとコラボやるんじゃないの(笑)。*次回はクツワの「G-SLIM」です。
プロフィール
きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/
他故 壁氏(たこ かべうじ)
文房具トークユニット〈ブング・ジャム〉のツッコミ担当。文房具マニアではあるが蒐集家ではないので、博物館を作るほどの文房具は持ち合わせていない。好きなジャンルは筆記具全般、5×3カードとA5サイズノート。二児の父親。使わない文房具を子供たちに譲るのが得意。
たこぶろぐhttp://powertac.blog.shinobi.jp/
*このほか、ブング・ジャム名義による著書として『筆箱採集帳 増補・新装版』(廣済堂出版)と、古川耕さんとの共著『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。
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