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【ニュース】パイロット本社で「昭和30年代の筆記具展」
文具のとびら編集部
パイロットコーポレーションは、東京・京橋の本社1階エントランスギャラリーで「昭和30年代の筆記具展」の展示を2025年10月2日(木)から2026年1月30日(金)まで行っている(平日9:00~17:00、土日祝日・年末年始休業日は休館)。入場は無料。
「キャップレス万年筆」など50点の筆記具を展示
昭和30年代(1955年~1964年)は、戦後の復興期から高度経済成長期へと移行した時期。“三種の神器”と呼ばれたテレビ・冷蔵庫・洗濯機が一般家庭に普及し始め、人々の生活や価値観が大きく変化した時代だ。また同社も、これまでにない技術や技法、素材などで筆記具を開発しており、小型ペンシルや、現在もパイロットを象徴する「キャップレス万年筆」などをこの時期に発売している。
同展示では、そんな昭和30年代に発売された筆記具を50点展示。「キャップレス万年筆」をはじめ当時を代表する万年筆18点とシャープペン16点、さらには蒔絵筆万年筆11点、蒔絵シャープペン5点を展示している。
「パイロット スーパー」は、当時の同社を代表する筆記具シリーズ。昭和33年(1958年)に発売された右写真の万年筆は、金張りの大きなリングが特徴。また、この頃は樹脂の成形技術も向上しており、ペン軸にスチレン系樹脂を使用しているという。上位モデルとなる「ウルトラスーパー」(中写真、昭和34年/1959年)は、14金張りで漆塗りを施したという贅沢な逸品で、当時の販売価格は5,000円。人気の万年筆だったそうで、その後に復刻版も販売されたという。同シリーズのシャープペン(左写真)もある。
「パイロット スーパー」と並び、当時の代表的なシリーズである「パイロット エリート」。写真の万年筆は、昭和37年(1962年)に発売された初代モデル。
今もなお多くの万年筆ファンに愛用されている「キャップレス万年筆」は、昭和38年(1963年)に発売された。その初代モデル(右写真)は回転繰り出し式だったが、翌年(昭和39年/1964年)にはノック式(左写真)が登場している。
ライフスタイルの変化により、持ち運びしやすいショートサイズの万年筆も発売。全長121㎜の「スポーティ12」(昭和38年/1963年)と同129㎜の「スポーティ15」(昭和39年/1964年)。「スポーティ15」は頭部のボタンを押すとクリップが開き、ポケットなどにはさみやすいバインダータイプのクリップになっている。
右写真は万年筆とシャープペンが一本になった「ペン&ペンシル」(昭和30年/1955年)。左写真はどちらもシャープペンという「両頭ペンシル」で、片側に黒芯、もう一方に赤芯を入れて使用することを想定していたという。キャップ付きなのは、使用していない側の保護のためと転がり防止のため。ちなみに、今回展示されているシャープペンは全て回転繰り出し式。
速記で使いやすいように、重量バランスなどにこだわって開発された「速記用ペンシル」(右写真、昭和33年/1958年)と、「速記用ロング」(左写真、昭和39年/1964年)。
持ち運びしやすいショートサイズのシャープペン「スポーツペンシル」3種(いずれも昭和33年/1958年)。ハイキングやゴルフなどのレジャーやスポーツのシーンで、身に付けて使えるコンパクトなシャープペン。
右写真の蒔絵万年筆「変り塗り」(昭和32年/1957年)は、漆を何色も重ねて塗り、部分的に磨いて下の色を出すという変わり塗りの技法で作られている。左写真の「青蜻蛉」は、漆を水に落としてできた模様をペン軸に付けていく蜻蛉塗りの万年筆。
同展示では、そんな昭和30年代に発売された筆記具を50点展示。「キャップレス万年筆」をはじめ当時を代表する万年筆18点とシャープペン16点、さらには蒔絵筆万年筆11点、蒔絵シャープペン5点を展示している。








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