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ISOTで気になった文房具 その2

文具の国際見本市「第28回 国際 文具・紙製品展 ISOT」が2017年7月5日(水)~7日(金)に東京ビッグサイトで東展示棟で開催された。会場には、大手文具メーカーから、文具市場に新規参入を狙う異業種や新興メーカーまで出展。多彩な文具製品が一堂に会した。その中から、本サイト編集部が気になった文具をピックアップして紹介する。

第2回目では、1回目に引き続き大手メーカーや常連メーカーのブースで見つけた気になる文具をご紹介。

その1の記事はこちら

日本文具大賞グランプリを受賞したはさみに大きな注目(カール事務器)

カール1.jpgカール事務器は、何といっても「第26回日本文具大賞」で機能部門グランプリに輝いたはさみ「XSCISSORS(エクスシザース)」が大きな注目を集めていた。

「エクスシザース」は、従来の2倍の厚さ3mmのステンレス鋼板を採用し、職人が一本一本水研ぎ作業で丁寧に刃付けをしているという。価格はなんと税抜7,000円。家庭用はさみとして売れ筋の「フィットカットカーブ」(プラス)は、スタンダードタイプが税抜300円なので、それよりも実に20倍以上!の価格なのである。

5日午後2時に会場内でグランプリの発表があった後にブースを訪れてみると、予想した通りにこのはさみの展示コーナーに人だかりができていた。人ごみをかきわけるようにしてはさみの前にたどり着き、切れ味を試してみた。厚めの布にはさみを入れてみたが、先端だけでスッと切れるような軽い切れ味だ。通常品の2倍という刃の厚さがあるので、刃のしっかりとした感じは相当のものがある。

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「エクスシザース」の隣では、裁断機「XTRIMMER(エクストリマー)」を紹介していた。エクスシザースと同様、プレミアム感の高いプロ向けの裁断機だ。本体とレールには、剛性の高いアルミ押出し材を使用しており、用紙、布、革、ゴムシートなど厚さ8㎜までの色々な素材を正確に裁断するという。対応用紙サイズはA3縦~A0縦の4種類。

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ブース前面では、文具ソムリエールの菅未里さんが監修した「カレンダー手帳2018」をアピール、菅さんも登場してデモンストレーションを行っていた(写真右)。卓上カレンダーと方眼ノートが合体したA5サイズの“モバイル手帳”として訴求しているもので、開閉可能のリングを採用しているのでリフィルのカスタマイズができる。表紙にキュートでエレガントなリバティ社製の生地を使っている(「レザー」は除く)のも、菅さんならではのこだわりポイントとのこと。

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墨職人の実演も(呉竹)

呉竹1.jpg呉竹は、世界的なカリグラファーのポール・アントニオ氏をイギリスから招き、同社製品を使ったデモンストレーションを行っていた。

新製品では、人気の筆風サインペン「筆ごこち」に細字が登場(写真左)。黒だけでなくカラフルな全6色をラインアップしており、ブルーブラックやセピア、ボルドーなど万年筆のイメージしたカラーを揃えている。

また、「ZIGファブリカラー・ツイン」(写真右)は、同社が提案している「布ぬりえ」(写真下)に最適な布描き用マーカー。

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こちらは筆ぺん商品2種類。写真左の「くれ竹筆ぺん 硬筆 一本立ち」は、同社の定番商品「55号 くれ竹筆ぺん 二本立ちかぶら」の姉妹品。「二本立ち」のようにツインタイプではなく、細字のみのシングルタイプなので「一本立ち」。

また、写真右は油性インクを使用した「くれ竹油性筆ぺん」。紙だけでなく、写真、金属、ガラス、木製品、プラスチックにも使用できる筆ぺんだ。

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ブース正面では、墨職人の西岡玄堂さん(写真左)と、墨を入れる木型職人の米谷玄慎さんが実演を行っていた。どちらも呉竹の社員として働いている方たちで、黙々と作業を行う姿はなかなかの迫力だ。ちなみに、木型職人は現在日本には米谷さんを含めて3人しかいないそうで、非常に貴重な存在なのだという。

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ディズニー文具と年賀スタンプ(ビバリー)

ビバリー1.jpgビバリーのブースでは、シーズン商品の年賀スタンプや、ディズニーをはじめとするキャラクターをデザインした様々なステーショナリーアイテムを出品した。

同社は長年、年賀スタンプを発売しているが、今年も干支ものデザインをはじめ、ディズニーやジブリのキャラクターものの年賀スタンプをずらりと揃えている。来年はいぬ年なので、イヌのかわいいイラストが目立っていた。

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9月発売のディズニー文具「MICKEY PATTERN STATIONERY COLLECTION」にも注目したい。モノクロトーンのミッキーがクールなアートを使用しており、切り離せる新感覚ふせんとして人気の「ココサス」、用件やめじるしなどミッキーがお知らせしてくれる「ハンドふせん」、ふきだしにひと言を書ける「ひとことふせん」、鉛筆でメモ書きできて消しゴムで消せる「書けるクリアファイル」といったアイデア文具や「チェックスタンプ」「マスキングテープ」をラインアップ。

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もう一つ、クリスマス商戦に向けて力を入れているのが、缶トランクにキッズ向けの文房具をセットした商品。男児向けが「カーズ3」を起用した「レーサートランク」で、女児向けが「ちいさなプリンセス ソフィア」。

「レーサートランク」は、カーズのキャラクター消しゴムとノック式ボールペンがセットされているので、ノックさせて消しゴムを飛ばす遊びができるのがミソ。「スーパーカー消しゴムをボールペンで飛ばして遊んだ」という世代には懐かしいだろう。「あの頃をもう一度」という人は、クリスマスに買って子どもと遊んではいかがだろう。

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「シミとり」をアピール(エポックケミカル)

エポック1.jpg昨年、「ラップにかけるペン」がISOTで大きな注目を集めていたエポックケミカル。今年ももちろん、「ラップにかけるペン」のデモンストレーションをブースで行っていた(下写真)。同製品には、新色としてピンク、オレンジ、ライトグリーンの3色が仲間入り。

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そして、今回新製品として大きくアピールしていたのがスティック状の衣類用シミとり剤「shimitori(シミトリ)」。外食のときに、つい衣類に汁とかソースなんかをこぼしてしまったという経験は誰にでもあると思うが、その際に非常に便利なアイテムだ。無香料、グレープフルーツ(香り付き)、フラワーガーデン(同)の3種類。

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理科大の学生と共同開発したルーズリーフ(新日本カレンダー)

新日本カレンダー1.jpg新日本カレンダーは、日めくりカレンダーの紙を使ったノート「365notebook」シリーズを紹介したほか、東京理科大学の文具研究同好会とのコラボにより共同開発した、“ベンゼン環を速くキレイに描ける”ルーズリーフ「Science-Leaf」を発表し、注目を集めていた。

「ベンゼン環」とは六角形の図形のまわりにCやHなどの元素記号がたくさんついた化学式だが、化学系の学生がノートに描くとき「キレイに描けない」という悩みがあったという。「Science-Leaf」は、この悩みを解消するために開発されたルーズリーフで、ベンゼン環が描きやすい罫線になってるのが特徴。

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カレンダーでも注目の新製品が展示されていた。「宙(そら)のひめくりカレンダー」がそれで、毎年あっという間に売り切れてしまう人気商品「月と暦 日めくりカレンダー」の進化版。「月と暦 日めくりカレンダー」と同様、月の満ち欠けがひと目で分かる大きな月のイラスト入りだが、月の表面の形状を反映したよりリアルなイラストになった。さらに、星座がよく見える日や流星群が予想される日、宇宙にまつわる記念日など毎日の「空のイベント」がかわいいイラストとともに充実掲載。QRコードが載っている日は、「宙の日めくりWebコラム」へアクセスすることも可能。

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mtテープがふせんに変身(カモ井加工紙)

mt1.jpgマスキングテープ「mt」ブランドでおなじみのカモ井加工紙のブース。mtテープを活用した、斬新な新製品を展示していた。


「mt nazorie(ナゾリエ)」は、mtテープで誰でも空間にアートが描けるアイテム。小型プロジェクターに好きな絵柄の専用フィルムをセットして壁に投影。その投影されたアートのラインをmtでなぞると完成するというもの。

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また、mtを付箋にするテープカッター「mtテープカッターtwins」をアピール。10㎜幅テープと15㎜幅テープが内蔵されており、それを貼り合わせることで付箋となる。アイデアとしては非常にシンプルだが、思いつきそうでなかなか思いつかない、ユニークなアイテムだ。付箋を作るためだけでなく、普通に2種類のテープカッターとしても使えるそうだ。

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“立つ”ペンケースを紹介(カミオジャパン)

カミオ1.jpgファンシー文具メーカーのカミオジャパンでも、今流行の“立つ”ペンケースが発売になるようで、ブース前面で大いにアピールしていた。

見た目はフラットなペンケースだが、中を開いてヒモを引っ張ると、2つ折りになってスタンドになるという仕組み。“シュッと引っ張ってパッと立つ”ので、商品名は「shuppa(シュッパ)」ペンケース。これまでにも様々なスタンド式ペンケースが発売されているが、“引っ張って立つ”というのはまた新しいスタイルだろう。

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また、複数のファイルをまとめて管理できる「ユニットファイル」もアピールしていた。ポケットが取り外せる新構造で、取り外し可能な3つのファイルに分かれるポケットが付いている。取り外したポケットは、それぞれファイルとして使用できる。

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動物のシルエットの印鑑(谷川商事)など注目ブースはまだまだある!

谷川.jpg谷川商事は、自分の名字と絶滅の恐れがある動物をモチーフにしたシルエットが一緒になったスタンプが作れる「WITH STAMP(ウィズスタンプ)」を紹介していた。これはWWFジャパンが、日本独自の「ハンコ文化」を活用した全く新しい野生生物の保護活動支援スタイルとして展開しているもの。



アルテ.jpgアルテでは、風邪菌や花粉、ハウスダストなどを吸着し、光で分解して無害化する「菌吸分解パネル」と「菌吸分解ペーパー」を展示。


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ISOTに3年振りの出展となるニトムズは、文具ブランド「STÁLOGY(スタロジー)」の商品を出品。シンプルで使いやすく368ページとは思えない薄さで人気の「エディターズシリーズ 365デイズノート」は、A5サイズにレッド、ブルー、イエローの3色を追加したほか、
デザインはそのままにページ数を192ページにして薄く軽くなった半年用のノート「1/2イヤーノート」が仲間入り(ブラック、レッド、ブルー、イエロー)。

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