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【イベントレポート後編】「PARKER Tokyo Museum 2020」期間限定展示の第2部がスタート!

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既報の通り、英国王室御用達の高級筆記具ブランド「パーカー」の貴重なコレクションを特別公開する『「PARKER Tokyo Museum 2020」 Travel with PARKER ~人生の物語を綴る~』が、2020年2月8日(土)から4月5日(日)までの約2カ月間にわたり、銀座 伊東屋 G.Itoya B1 Inspiration Hallで開催中(入場無料)。

※「PARKER Tokyo Museum 2020」繰上終了のお知らせ
4月5日(日)まで開催予定の「PARKER Tokyo Museum 2020」は、コロナウィルス感染拡大防止のための銀座 伊東屋 臨時休業に伴い、4月3日(金)をもって終了する。

春のギフトシーズンになり、ギフトに適したペンの注目度がアップしている。そんななか、今回は【イベントレポート後編】として、2月28日(金)に変更された期間限定展示の第2部の見どころを中心に、ミュージアムの開催を記念した特別限定品「デュオフォールド Tokyo ミュージアム 2020 センテニアル万年筆 リミテッドエディション」(伊東屋限定100本)についてもレポートしたい。


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期間限定展示【第2部】のココが見どころ

それでは早速、第2部の展示内容にスポットを当て、古いものから年代順に見ていこう。

第2部の展示品のうち最も歴史があるのは、初代「ジョッター」(1954年)。1940年代後半、ボールペン市場が急激に拡大するなか、「パーカー」は開発に慎重な姿勢を崩さず、10年もの歳月を費やして発売に至ったのが、この初代「ジョッター」である。現代のボールペンのスタイルを築いた「ジョッター」は、今と変わらないアイコニックなデザインが人気で、発売以来世界で約10億本の販売実績がある。会場では当時の広告とともに展示されており興味深い。

20200304parker1.jpg初代「ジョッター」



続いては「パーカー」創業75周年記念モデルとして発売された名品「パーカー75」。「パーカー」を代表するデザインとなった「シズレパターン(格子模様)」が最大の魅力。創業者であるジョージの末息子、ケネス・パーカーがロンドンで出会った美しいかぎ煙草のケースがモチーフになっている。日本での発売は東京オリンピックが開催された1964年。新卒ビジネスパーソンの半月分の給料という価格にも関わらず、月に5,000本以上売れるヒット商品になり、男性の”三種の神器”と呼ばれるほど憧れの的になったという。

20200304parker4.jpg「パーカー75 シズレ」(1964年)



1938年に建造された定期船のクイーン・エリザベス号は、汽船としての役割を終えたあと、フロリダでミュージアム・ホテルとなり、その後、香港の海に浮かぶ大学に衣替えする計画だったが、1972年の大火災により沈没してしまう。「パーカー」は、この偉大な定期船の断片を保存するため引き上げられたクイーン・エリザベス号の舷窓に使われていた真鍮を使用したペンを5,000本限定で製作した。そのうちの1本が展示されている「パーカー75 クイーンエリザベス」である。

20200304parker2.jpg「パーカー75 クイーンエリザベス」(1977年)



ロナルドレーガン大統領図書館のオープンを記念する式典に5人の歴代アメリカ大統領が出席した。彼らの平和への貢献に敬意を表し、それぞれサインが刻まれた特別なボールペンが「デュオフォールド ボールペン」。ペンの天冠部に埋め込まれた金属は、核兵器開発戦争の終焉を象徴するものとして武装解除済みの米国のパーシングおよびソビエトのSS20核ミサイルを溶解したものを使用している。世界平和を望む人々の願いを乗せた歴史に残る特別なボールペンだ。

20200304parker3.jpg「デュオフォールド ボールペン」(1991年)


1993年「ソネット」発売時に、コレクションの一つとして登場した「ソネット ビゾンフォンセ」。VISON FONCEとはフランス語で、「ミンクの毛皮に金を散りばめた」という意味がある。その名の通り、天然の漆を幾重にも塗り重ねた美しいボディは、芸術品として高い評価を得ている。ボディの模様は、金の微粒子が埋め込まれたもので、1本1本異なる個性を放つ。東洋の美的感覚と技法を取り入れた、日本とのつながりを感じさせるコレクションである。

20200304parker5.jpg写真下が「ソネット ビゾンフォンセ」(1993年)、写真上は「デュオフォールド 蒔絵 コレクション」(2008年~)



ジョージ・S・パーカーが日本の七宝焼きからアイディアを得て、1927年に発売された「デュオフォールド マンダリンイエロー」に続き、「パーカー」は東洋の新しいインスピレーションを取り入れるべく、日本の伝統工芸「蒔絵」の技術を「デュオフォールド」に取り入れた。熟練の職人が一つひとつの工程を組み合わせて仕上げる芸術作品として世界中の人々を魅了してきた。「パーカー」は「蒔絵」を通じて西洋と東洋の文化をうまく結びつけることに成功した。日本とのつながりが強く感じられるコレクターズアイテムである。

20200304parker6.jpg「デュオフォールド 蒔絵 コレクション」のパネル展示

深みのあるブルーが魅力の特別限定品「デュオフォールド」

「パーカー」のフラッグシップモデルと言えば「デュオフォールド」である。1921年に発売された「デュオフォールド」は、当時の万年筆のボディに2倍のインク保有を可能にしたため、デュオ(2)の名前がついたという。その後、使う人の要望に合わせて、ひと回り小さなサイズ「ジュニア」、さらに小さな「デミ」も発売した。

また、ボディは高品質なアクリライトをくり抜いて作られる「アクリライト切削成型仕上げ」を用い、本体の軽量化と、鮮やかなカラーリングを実現。ヒストリカラーとして代表的なものではビッグレッド、マンダリンイエロー、ジェードグリーン、ラピスラズリが有名だ。

20200304parker7.jpg
「デュオフォールド ラピスラズリ」(1927年)


ラピスラズリは深い青色の石で、宝石として身に着けられた最初の石の一つ。ラピスラズリのラピスはラテン語で“石”、ラズリはアラビア語で“青”を意味する。最高の原石は、アフガニスタンのヒンドゥクシュ山脈でまだ採掘され、その青色は元の鉱石と組成に応じて変化し、通常、鉄黄鉄鉱の金色の斑点が含まれている。斑点があることによって、真正性を示すものとしてその価値が高められる。

ヨーロッパに最初に導入されたとき、それは海の向こうを意味するウルトラマリンと呼ばれ、19世紀までアーティストが海と空を描くための顔料として使用された。 一部の人々にとって、ラピスは真実と友情の石と考えられており、人間関係に調和をもたらすと言われている。

そのラピスラズリが時を超え復刻されたのが特別限定品「デュオフォールド」。伊東屋のみで100本販売している貴重な逸品で、100本限定の証としてシリアルナンバーの刻印が入っており、コレクターはもちろん、万年筆愛好家に好評。ギフトケース入りなので、大事な人へのお祝いに向いている。価格は100,000円(税抜)。


20200304parker8.jpgデュオフォールド Tokyo ミュージアム 2020 センテニアル万年筆 リミテッドエディション」(2020年)



「デュオフォールド」の中でも、ヒストリカルカラーとして名高い「ラピスラズリ」の流れを組む深みのあるブルーのアクリライトを採用。「パーカー」の誇るチーゼリング技術で美しい「シェブロン」模様を刻み込んだ繊細な仕上げに、特別限定品を示す美しいエングレービングを施したのが特長となっている。さらに、伊東屋のビンテージロゴをモチーフにしたオリジナルの天冠がその希少性を高めている。

20200304parker9.jpgラピスラズリの深い青色と繊細な模様が美しい

ミュージアムは4月5日(日)まで、この機会に「パーカー」の世界を旅してみよう


「PARKER Tokyo Museum 2020」の会期は4月5日(日)まで。紹介した期間限定展示【第2部】のほか、ペン収集家の間で “伝説”と言われる1907年発売の初代「スネークペン」や、白蝶貝と金細工の技法が美しい1906年に発売された「No.15」も特別展示されていて見どころ満載。

販売品では、「デュオフォールド」特別限定品に加え、会場でしか手に入れることができないミュージアム限定オフィシャルグッズとして、「PARKER×MOON クラッチバッグ」(5,000円+税)、「PARKER×MOON ペンケース」(2,500円+税)、「クインク・ボトルインク ミュージアムパッケージ」(1,200円+税)、「トートバッグ」(1,500円+税)、「ポストカードセット」(600円+税)も用意している。

さらに、「パーカー」のペンを使って、世界地図に旅の思い出を書き込んだり、フリーポストカードを利用して手紙を送ることができるコーナーや、instagramに最適なフォトスポットなど、体験型コーナーが豊富に用意されている。思い思いのエピソードが書き込まれた世界地図はミュージアム終了後、SNSにアップされる予定だそうだ。リピーターが多いのも納得できる。会期は残すところ1カ月。この機会に「パーカー」の世界を旅してみてはいかがだろう。

20200304parker12.jpg世界地図に「パーカー」のペンで自由に書き込める


新IMG_1269.jpgお気に入りの「パーカー」のペンでポストカードを送ることができる

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