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【GWの"巣ごもり"読書に】おすすめ文具本3選

北澤孝之(Bun2編集長)

ゴールデンウィーク真っ只中だが、今年(2020年)は新型コロナウイルスの感染拡大により、外出もままならない状況になっている。でも、こんな時こそじっくりと読書をしようと思っている人も多いはず。そこで、ゴールデンウィークの“巣ごもり”読書にぴったりな文具本をセレクトしてみた。

文房具語辞典(誠文堂新光社)


本サイト編集長の高畑正幸文具王が、文房具にまつわる用語を解説した本。定番文房具から人気商品、国内外のメーカー・ブランド、重要人物、歴史、しくみ・機能、文房具にまつわるフレーズまで800語以上を収録している(「文具のとびら」の項目もある)。カラフルなイラストも入っていて、読んでいて楽しい辞典だ。

用語解説だけでなく、巻頭には「文房具の基礎知識」、綴じ込み付録で「文房具年表」も付いていて、文具業界人はもちろん、 文具ファンなら必携の1冊となっている。税抜1,600円。
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ザ・ペンシル・パーフェクト 文化の象徴“鉛筆”の知られざる物語(学研プラス)

0.jpg鉛筆好きが高じて、世界中から集めた木軸鉛筆を扱う鉛筆専門店「C.W.Pencil Enterprise」をニューヨークにオープンしたキャロライン・ウィーヴァーさんの著書『THE PENCIL PERFECT The Untold Story of a Cultural Icon』の日本語版(監修:日本鉛筆工業協同組合)。鉛筆の誕生からの歴史をたどり、文化の象徴として果たしてきたその役割・価値にあらためて光を当てて再検証を試みた本で、日本の鉛筆についても詳しく紹介している。

大判(B5判)でハードカバー(166ページ)、しかも税抜3,000円という価格なので、一見とっつきにくく思われるかもしれないが、文房具ファンならば興味深く読むことができる内容だ。これを読んだら鉛筆博士になれること請け合いなので、ご一読いただければ幸いである。

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文房具56話 (ちくま文庫)

文房具56.jpg随想家で詩人・哲学者の串田孫一(ちなみに、『文房具語辞典』でも紹介されている)が書いた『文房具56話』は、もはや古典的名著といえるだろう。文房具がメディアを賑わすようになり、数多くの文具本が発刊されるようになった昨今だが、その魅力は少しも色褪せることはない。

「文房具店の前を素通り出来ない」という、根っからの文房具好きである著者が、身の回りにある文房具について、少年時代の記憶も交えながら綴った56編の随想が収められている。どことなくユーモアも漂う、簡潔で端正な文章を読むと、ひと昔前の文房具の匂いを感じることができるだろう。

その中で印象的なのが、本の最後に収められた「文化を守る力」という文章。文化にはある底力を持った根強さはあるが、外圧がかかると意外ともろいところがある。しかし、「文房具類は、戦争中に質は落ち、殆ど役に立たないような代用品も現れたが、ともかく文化を守ろうとする抵抗があった」と串田は言う。現在の状況下で、肝に銘じておきたい言葉ではないだろうか。

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