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【インタビュー】「kikki.K」創設者インタビュー 夢を叶える手書き術 vol.1 ーkikki.Kブランドが目指すものー

色鮮やかな北欧デザインが特徴の「kikki.K(キッキケイ)」。2001年にオーストラリアで創業、現在スウェーデンや英国など11カ国で直営店を運営している。日本には2018年11月に初上陸(関連記事はこちら)、各地でポップアップイベントなどを実施し、人気を博している。

「とにかくかわいいデザインに惹かれた♡」という声も多いけれど、実は、自分の夢や考えを"書く"ことを通じて自らと向き合う、"マインドフル"な使い方も人気のポイント。
文具のとびらでは、ステーショナリーを使って夢を叶える手書き術をブランド創業者のクリスティーナ・カールソン(上写真)さんにインタビュー。第1回目は製品の特徴やブランドコンセプトについて伺いました。

kikki.Kステーショナリーの特徴

──kikki.Kといえばかわいいらしいデザインを思い浮かべる方も多いと思います。デザインの特徴を教えてください。
デザインではFun(楽しいこと)を重視しています。私たちは文具をチョコレートやリップスティックのように捉えています。これらのアイテムは持ち歩いてるだけでも、気分が上がったりリラックスできたりしますよね。私たちはステーショナリーにもそんな側面があってほしいと考えています。Funをもたらす製品を、全てスウェーデンデザインで開発しています。 デザインの方向性は、ゲスト(顧客)を想定して決めています。カテゴリーの一つは「フェミニン」。毎年必ず、フェミニンなものが好きなゲストのためのシリーズを展開しています。現在発売中のものでは「There she is」というシリーズがそれにあたります。

kikki.jpg「There she is」シリーズ。優しい色使いでフェミニン♡

また、それとは別に、シンプルでユニセックスなものも開発しています。

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「LIFE ESSENTIALS」シリーズ。男性も持ちやすそうなシンプルデザイン。


──機能面の特徴は?

長く人々に愛される文具にするためには、クオリティや機能性はデザインと同じくらい重要だと考えています。どんなに美しいデザインだとしても、品質が悪いものは長く使われず、廃れていくでしょう。もちろんまだ完璧ではありませんが、品質とデザイン両面からクオリティを上げていくことにこだわっています。

つい最近までは、私自身も生産現場に入り、一緒に製品づくりをしていました。しかし、最近本を出したりワークショップをしたりと、"ブランドの創設者"として世界中を回っているので、製品開発についてはある程度チームに任せています。ただ、こうして世界を旅することが、様々な国で求められているクオリティを知る機会になっています。特にスウェーデン人と日本人は文具のクオリティに対する意識がよく似ています。製品開発をリードしている人間もスウェーデン人なので、ペーパークオリティなど品質については、まだ改善しなくてはならないことが多いとはいえ日本の皆さんが求めるレベルと近いものが開発ができているのではないかと考えています。

さらに、世界でビジネスをする人間として、クオリティだけではなくサステナビリティも非常に重視しています。つまり、原料や捨てられ方が環境に良いものを選ぶということです。品質だけではなく、エシカルなものを選ぶという人が増えているとも感じています。 実はキッキケイではほとんどの製品にベジタブル由来のインクを使用しています。ただそうしたことを声高に主張してはいません。というのは、全ての部分で環境に配慮した製品づくりができているのかというと難しい面があるからです。例えばプラスティックにしても「できるだけ排除したい」という気持ちはありますが、プラスチックバッグを外してお店にむき出しのまま置いていたらダメージにつながってしまいます。そのバランスが難しい。ですので、「環境に配慮しています」とは主張していませんが、サステナブルであることはこれからの大きなテーマであると考えています。

機能面はもちろん重要ですが、やはり全ての製品にパーパス(目的)を持たせるということを何よりも大切にしています。私たちのブランドコンセプト「Dream(夢をみる)・Do(行動を起こす)・Enjoy(楽しむ)・Share(共有する)を通じて人々がベストな人生を送るためのサポートをする」を果たすことを目指し、製品開発を進めています。

ブランドコンセプトについて

──ブランドコンセプトのDream・Do・Enjoy・Shareについて、もう少し聞かせていただけますか。

Dreamは、Goal(達成しなくてはならないもの)と似ているものだと捉えている方も多いと思います。確かにGoalもすごく大事で、Dreamと近い部分もあるかもしれません。ただ、私たちが考えるDreamはもう少しカジュアルでリラックスしたものです。「いつまでに達成しなくては!」なんていうデッドラインも伴いません。Dreamは心を解放して、制約を取っ払って「何がしたいか」を考えたときに浮かんでくるもの。全てはここから始まると考えています。

Doは、夢を叶えるために動き始めること。夢を見るだけでは何も達成ができません。実際に動き出すことが大切。Dreamを前進させるためにすべきことをリストアップしたり、数多くのDreamの中から今挑戦したいものをピックアップしたり、行動を起こしてみましょう。

ただ、人生は何がどこで起こるかわからないので、"Do"だけに集中するとプレッシャーを感じることがあるかもしれません。とにかく"Enjoy"することがすごく大事! 毎日のちょっとしたことを楽しむ、夢に向かうプロセスを楽しむ、夢に向かってがんばる自分をエナジャイズすることを忘れないで。自分自身をケアして、充電するような時間も大切にしてほしいと思っています。

Shareは物理的なモノだけではなく、情報や経験も含めて共有すること。どんな人にもユニークなオリジナリティがあります。それはつまり、誰もが他の人に対して提供できるものを何かしら持っているということです。例えば「こんな本がよかった」なんていう情報共有も良いですね。私たちの周りには、私たちよりも"何かを持っていない人"が必ずいて、アドバイスや手助けを欲しています。あなたにとっては大したことじゃなくても、ちょっとした発信や共有が誰かにとってすごく有益なものになったりもするんです。みんなが自分の恵まれている部分を共有することで、他の人の人生に影響を与えることができ、それによって世界はもっと良くなっていくと考えています。

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──クリスティーナさん、ありがとうございました。
次回は「夢を書き出す際に意識したいポイント」について伺います。

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プロフィール

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Kristina Karlsson(クリスティーナ・カールソン)
スウェーデン出身。kikki.Kの創設者・クリエイティブディレクター。移住したオーストラリアで同ブランドを立ち上げた。著書に『YOUR DREAM LIFE STARTS HERE』(2018)。二児の母。
ブランド名にある「キッキ」は幼少期のニックネーム。

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