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【#注目の韓国文具】韓国では「ダック(スケジュール帳デコ)」がブーム!

10〜20代を中心に、韓国カルチャーが注目を浴びている。
人気はドラマや音楽に止まらず、食べ物やファッション、メイクなどライフスタイルにまで広がる。こうした流れを受け、韓国文具への関心も高まっているという。
文具のとびらでは、2018年に日本に上陸した韓国文具ブランド8社を紹介。
 
まずは、同ブランドを日本で展開するKRADE INTERNATIONAL社の海外事業部チーム長、朴惠陳さんに韓国の文具事情について伺った。

──韓国文具の特徴を教えてください。
 最近韓国では、実用性ではなく、デザインという付加価値に対してこだわる人が増え、モダン&シンプル、パステル&メルヘン、ポップ&アンティークといった様々なジャンルのデザイン文具が幅広く発売されるようになりました。使われるモチーフも多様化し、文字をデザインに使ったもの、特に「ハングル」をデザインに使った商品が多く販売されるようになりました。また、世界的なアーティストの絵を商品に使い、文具を一つの作品として生まれ変わらせるブランドもあります。
 ロングセラーで長く愛される製品が多い日本と違い、韓国文具は話題や流行に合わせてデザインも素早く適応して変化し、多品種・少量生産します。“飽きる隙間を与えないこと”が韓国の文具の大きな特徴です。

──韓国のユーザーの文具の楽しみ方は。
 最近の韓国では、「ダック」にハマっている人が多いです。ダックというのは、「ダイアリークミギ」という言葉の略で、「スケジュール帳をデコる」という意味です。多くのブランドから「最近スケジュール帳の売り上げが増加している」と聞いています。韓国の消費者が紙のスケジュール帳を求めるのは、「New―tro(新しいレトロ)」が流行しているからです。特に韓国の女子高生は、シール、テープ、メモ帳、カラフルなペンを使ってスケジュール帳を飾ることで自分を表現し、それをSNSにアップして新しいブームを起こしています。
 また、最近日本で流行したスタディプランナーは、韓国の学生の間ではとても馴染みのある商品で、私自身も学生時代に使っていました。学生たちはウィークリー、マンスリー、四半期、年間など様々な期間別のプランナーを活用して、勉強の計画を立てています。もともと韓国では上半期と下半期に二回ずつ定期テストが行われ、高校生は長期的に大学入試のための模擬試験を受けなければならないため、科目ごとにプランナーを使い分けて勉強に励みます。今では運動用のプランナー、貯金プランナーなど、様々なプランナーが生み出されています。

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ダックにぴったりのノートやスケジュール帳も続々登場(上写真は7321Designのノート、下写真はLIVEWORKのスケジュール帳)


──韓国の文具店の状況は。

 韓国では学校の前にある文具店で文具を買うことが一般的でした。そのような文具店を発展させたのが、ARTBOX、HOTTRACKS、10X10といったファンシー雑貨のチェーン店です。
 最近、デザイン文具ブランド、特に作家ブランドが多く誕生したことにより、小規模の文具ブランドだけを集めたセレクトショップスタイルの文具店が目立つようになりました。また、「20代の女性のための文具店」など、ターゲットを絞った文具店も登場しています。これらの店には珍しい商品が多いので、プレゼントやコレクション目的で買い物する人も多いです。
こうした文具店の変化は2016年頃から始まり、デザインや出版、印刷関連業者が密集したソウルの弘大(ホンデ)を中心に広まったのでは、と感じています。

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