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- 車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち
- 【連載】車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち #54 「軽く使える2穴パンチ」

【連載】車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち #54 「軽く使える2穴パンチ」
事務員をしていたとき、よく使う文具の一つだった2穴パンチ。
今はほとんど使う機会がないのですが、少し前に母が自治会の役員(輪番制)をした際、引き継ぎ用に会議等の書類をまとめる必要があって、家にある小型のパンチを引っ張り出してきました。
そうしたら、案の定、私の今の力ではかなり使いにくかったのです。
大型パンチでもないのに、結構力が要るんだな、と改めて思ったのでした。
今回は、そんな私が使いやすく感じた2穴パンチをご紹介します。
プラス「2穴パンチ f1/2 Sサイズ」
プラス「2穴パンチf1/2 Sサイズ」。色はピンクのほか、レッド、ホワイト、ブラック、ブルー。サイズはほかにMとLがある
プラスの「2穴パンチ f1/2 Sサイズ」は、「1/2の力で『超』軽あけ!」が謳い文句の2穴パンチ。「パワーアシストメカニズム搭載」で従来品の半分の力で使えるんですね。
しかも、収納時にはハンドルがフラットに固定できる優れものです。
パッケージ裏と内側に説明書あり。かなりしっかりと書かれているので安心
ハンドルをロックした状態だとかなりフラットでコンパクト
購入時には、ハンドルがストッパーで固定されているので、まずこの小さなストッパーを外します。
指先を使いますが、私でもさほど難なく外せました。やや力は必要です。
ハンドルのロックを外すには、一度ハンドルを押し下げます。
ロックを外すと、やや強めの力でハンドルが上がるので気をつけましょう。
ロックをするときは、説明書には「ロックピンを押しながらハンドルを下げてください」とありますが、このピンを押すのにそこそこ力が要るので、私は先にハンドルを下げてから押しています。
ピンが差し込める位置はハンドルを一番下におろしたときではなく、やや上がった位置なので、慣れが要ります。でも、ハンドルを下げている間ずっとピンを押すのがしんどい私には、こちらの方が楽でした。
「位置決めゲージ」で、A5短辺からA3短辺までの位置決めができます。また、A4に4穴あける位置合わせも可能です。
ただ、私の力では、引き出すのにかなり苦労しました。ゲージを使わない場合は引き抜いて紙あてを下向きに収納できるのですが、引き抜くことは難しく感じました。
このままでも使えますが、使わなくて紙あてが気になる場合は、どなたかに引き抜いてもらいましょう。
ゲージを使って、A4の紙をパンチしてみました。
1枚に穴をあけるのも、何だか軽く感じます。
もちろん、従来品でも1枚程度なら楽にあけられるのですが、こちらは押し下げるのがスムーズなんですよね。
このあと許容量である16枚をパンチしてみたところ、驚きました。
1枚に穴あけしたときと、ほとんど変わらない感覚だったのです。
思わず笑ってしまって、立て続けに3回も16枚を貫通させていました。いやいや、これは楽しい。
裏のフタは半分だけ開くようになっていて、さほど力をこめなくても開けられます。
撮影の都合上、利き手ではない左手を使いましたが、問題なく開閉できました。
自宅で使う場合には、16枚もの厚みを一度にパンチすることは滅多にないと思いますが、この安心感はハンパないです。
収納時にもコンパクトなので、オススメです。
ここで、告知させてください。
この度、この連載を書籍化していただく運びとなりました!
タイトルは『弱い力でも使いやすい 頼もしい文具たち』。
小学館クリエイティブ発行、小学館から10月25日発売です。
連載50回目までにご紹介した文具(未掲載もあります)に加え、連載ではご紹介していないものも掲載しています。
小学館クリエイティブのウェブサイト
https://www.shogakukan-cr.co.jp/book/b10018314.html
『弱い力でも使いやすい 頼もしい文具たち』をAmazonでチェック
書き下ろしの「撮影秘話」では、この連載で私がどんな風に撮影を楽しんでいるかをご紹介。また、「文具のとびら」編集長・文具王と「OKB(お気に入りボールペン)48総選挙」総合プロデューサーで放送作家の古川耕氏をお招きした鼎談も!
盛りだくさんの内容となっております。
机上に広げた本を両手で押さえなくても読めるよう、パタッとフラットに開く仕様にしていただきました。
私も発売が楽しみです…!
公式Twitterでは、校正の様子や内容のチラ見せを公開しています。よろしければご覧ください。
https://twitter.com/tano_bun
プロフィール
1974年生まれ。脊柱側弯症、先天性ミオパチーのため、2006年に杖歩行となり、2012年から車椅子、2014年12月から簡易型電動車椅子を使用。便利な道具や文具が好き。
奈良県奈良市で生まれ育ち、大阪・東京での暮らしを経て現在奈良市在住。
産経新聞奈良版および産経WESTにて連載「車いすでみるなら」2015年2月~2019年5月、全70回。
ブログ「車椅子、ときどき杖。」http://nam-kid.hatenablog.com/
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