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【連載/第14回】キットパスで「楽がき文化」を世界に広げよう!

みなさま、明けましておめでとうございます。
これまで、すべての世代の方が楽しめるキットパスの世界観をお読みいただきありがとうございます。
「キットパスで「楽がき文化」を世界に広げよう!」の連載第14回目です。
まだまだスタートしたばかりですが、前回に続き、世界に広がるキットパスの現状の第二弾は、北米です。
どうぞ最後までお読みください。


日本理化学工業株式会社
代表取締役 大山 隆久

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世界にひろがるキットパス USA 編

アメリカでキットパスを展開して頂いている「フォーカスアメリカコーポレーション」様に、アメリカでの展開状況についてまとめて頂きましたので、お読みいただければと思います。
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フォーカスアメリカコーポレーション(以下弊社)は、2016年の6月より、北米にて日本理化学工業(以下理化学)さんの輸入販売代理店を務めさせていただいております。弊社はニューヨークにて設立7年目の会社で、『世界のひとびとがよろこぶ、日本の「こころ」を届けたい』をモットーに、米国はじめとする市場に向けたマーケティングのコンサルティングや、営業・販売活動の一環にて米国各地の展示会への出展、現地バイヤーとの商談・コミュニケーション、物流構築支援を行なっております。
理化学さんとの出会いは、2016年に遡ります。弊社と理化学さんがともに参加する経営者の勉強会でした。
理化学さんの大山社長の真摯な、優しい人柄が滲み出る発表とその画期的な商品に触れ、弊社代表である筆者がとても感銘を受けました。またニューヨークに進出されている横浜銀行の方から、地元でとても有名な企業であること、カンブリア宮殿でも紹介されましたよというお話しを聞き、さっそく社員一同でビデオを拝見しました。そこで写されたのは会社の素晴らしいフィロソフィーと、障害をお持ちの社員様の誇りをもった立派な働き、弊社の社員は筆者も含めて、涙ながらに感動し、この商品をアメリカに是非広げたいという思いを持ち、弊社から扱わせてほしいとお願いをしたのです。


20190115rikagaku3.jpg大山社長のニューヨーク盛和塾における発表


さて、弊社ではどのようにキットパスをアメリカに広げて来たのでしょうか? 昨今では越境ECやネット通販も有効な手段ですが、これは商品に知名度がある場合や指名買いがあるほど、市場で優位に立っている場合に限ります。やはり、市場に初めて入っていく場合は、コストはかかりますが、多くのバイヤーと一度に会える、展示会がまだまだ効果的です。

20190115rikagaku4.jpgアメリカで初めての展示会参加、僅か0.5小間でのスタート


最初は、NYNOWという、ホーム・ギフトの展示会に参加しました。わずか半小間でしたが、理化学さんの原点、ダストレスチョークを前面に出したディスプレイで、ミュージアムショップ、子ども向けショップ、ブックストア、ギフトショップ、デザイン系のセレクトショップなど、とても良い反響を得ました。

また、海外に進出する際は、規制などへの対応も必須です。キットパスもいろいろと米国のレギュレーションをクリアする必要があり、同時に取り組みました。
米国では12歳以下を対象とする商品は全て「子ども向け製品」として、第三者機関による安全検査証明を受ける必要があります。また、これとは別に、アートや画材商品に関する規制や表示義務があります。子供向けでもあり、画材でもあるキットパスはこの両方が対象となりました。時間を要する作業ではありましたが、もとより安全な素材しか使われていないキットパスです。それを証明していくだけという作業と言っても良かったかもしれません。もちろん、合格し、アメリカの画材業界ではもはや標準ともなってしまっているAPマーク認証も無事取得することができました。
根気よく対応、ご協力をいただいた理化学さんに感謝しています。
また、マーケティング面でも、アメリカ市場に向けた取り組みも行なってきました。まずは、ブランドの名刺ともいえる、アメリカ向けの英語のホームページ、https://www.kitpasusa.com/を立ち上げました。理化学さんも英語のホームページをお持ちでしたが、日本語のホームページを翻訳されたものでした。アメリカと日本ではその表現の仕方というか、伝え方が全く異なります。日本のホームページは文字も多く、1ページで見られる情報量が多く、アメリカから見るととても、言い方は悪いですが、ごちゃごちゃとして見えます。
これは、日本語(漢字)が形を見れば意味がわかる、表意文字であることも理由ではないかと筆者は思います。一方でアメリカの表現、伝え方は、世界観重視です。文字は少なく、シンプルにイメージ、写真が多く、その世界観を伝えることが重要です。一眼でわかる、というところでしょうか。

20190115rikagaku5.jpgKitpas USAのホームページ

英語も単に翻訳するということでなく、英語のコピーライティングを外部の専門家も活用しながら、作り上げていきました。


Kitpas Art Crayons

商品名も考えなおしました。まず、キットパス、だけではまだまだ知名度が足らないわけです。
「通常のクレヨンより、発色がよく、紙の上で滑らかに書ける。さらに、ガラスのような滑らかな表面にも描け、簡単に消すことができて、水彩筆を使って、水彩の絵の具としても使える」ということを「キットパス」という一言ではまだまだ伝わりません。まだまだ知名度のないアメリカではこれをどう伝えれば良いか、クレヨンと言ってしまえば、安っぽい本当に安い、色も満足にでないアメリカブランドのクレヨンと一緒にされてしまう。そこで、こういったとてもレベルの高いことができることを、一言で表したいと、アメリカでは「Kitpas Art Crayons」と呼ばさせていただくことにしました。


Let Your Creativity Flow With kitpas

次に、サブタイトルです。「あなたの創造性をキットパスで解き放とう」というサブタイトルを作り、キットパスそのもののみならず、あなたという使用者、ユーザーの視点にたったサブタイトルとしました。
これには逸話がありまして、アメリカで子育てをしているお母さんから「これまで絵を描くことがなかった娘が、キットパスを渡したとたん、絵を描くことが止まらなくなった。本当に、ありがとう」と言われたことがあります。
子供も大人も、どんな人も、うちに創造性を秘めているのではないでしょうか? 滑らかな書き心地のキットパスが、その誰もが持つ創造性を引き出し、解き放つことを手助けできれば、そんな素敵なことはない、そうおもってこのサブタイトルを作りました。
上記は一部の例ですが、会社の哲学、ものづくりにあたっての会社の思いなど、全て現地人の手による英文に書き直し、余すことなくキットパスの魅力を伝えるように努めました。
また、アメリカの風景でのアメリカの子供たちによる写真があればより身近に感じます。ニューヨーク、ブルックリンのスタジオで、写真撮影も行いました。実際は弊社社員のお子さんとそのお友達に手伝ってもらい、お金をあまりかけないように工夫して撮影を行いました。

撮影の様子(kitpasUsa のインスタグラム)
https://www.instagram.com/p/BeONlW-BhVx/?utm_source=ig_web_button_share_sheet
窓にキットパスでなんでも書いていいよ!と伝えた時の子供たちの笑顔はそれはとても輝いていました。撮影スタジオの雰囲気に飲まれて恥ずかしがっていた男の子も、キットパスをもって絵を書き始めるととたんになれて、もういいよやめてとお願いしても書き続ける始末で、今度は止めてもらうのが大変なほどでした。

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展示会

NYNOW は8月、2月と年に2回開催されます。これまで4回参加しました。
特に、前回の今年の2月、初めて、ジェトロ主催のジャパンパビリオンを出て、単独で子ども用品とミュージアム関連商品に挟まれた、ギフトのコーナーに参加しました。ジェトロのパビリオンはとても良くサポートいただき、ブース代などの費用の補助もついています。市場に挑戦するはじめには活用をしない手はないでしょう。ですが、キットパスのように現地に弊社のような代理店があるケースは別です。1.5小間の角ブースという絶好のロケーションや、理化学さんがヨーロッパで撮影された動画なども好評で、これまでの積み重ねが本当に生きて、多くのお客様から受注を得ることができました。

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キットパスの広がり
一つ、例をあげると、NY NOWのフォローアップで、【GYMBOREE】という子ども服を中心に、数百店舗アメリカに展開するお店から、コラボ商品の受注に成功しました。大手チェーン店は、安全面も厳しく、様々な検査証明などを要求されましたが、全て検査済みであることから、ベンダー審査もすぐにパス。また、多額の製造物責任保険への加入も義務付けられますが、現地拠点である弊社の保険が活用できますので、これもさっとパスして、わずかの準備期間ではありましたが、ホリデー商戦に向けた、コラボ商品の納品にこぎつけることができました。
理化学さんにはご無理も申し上げましたが、ご対応感謝しております。
サンクスギビング明け、クリスマスに向けて店舗やウェブにて紹介され始めます。

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また、お得意さんの一社、The Totさんをご紹介しましょう。創業者のアディロバさんは、「心を込めて集められた、安全で、無害で、革新的かつスタイリッシュな商品」を、世の中のママさんたちに紹介したいという思いで、The Totというインターネット通販を立ち上げました。アディロバさん、キットパスの持つ価値、そして安全性やスタイルを大変気に入ってくださって、とても素敵なキットパスの使い方のブログまで作っていただきました。
https://www.thetot.com/baby-and-toddler/tot-craft-corner-easter-egg-cards/

また、本社はテキサス州ですが、全米にその活動が広まってきています。
同社はネット通販から飛び出し、全米でポップアップストアをシーズン毎に展開していますが、必ずといっていいほど、キットパスを選び、紹介していただいています。

ハンプトンというニューヨーク郊外の高級別荘地で今年の夏開かれたポップアップストア
https://www.thetot.com/mama/the-tot-everafter-summer-pop-up-store-hits-the-hamptons/

以下の写真は、マンハッタン、マジソン街83丁目のポップアップストア、年末まで営業中(キットパス・ミディアム16色が陳列されているのがわかりますでしょうか?)

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最近入ったニュースでは、高級スキーリゾートとしても有名なコロラド州、アスペンでのポップアップ店舗の準備をされており、キットパス商品をぜひアスペンでも扱いたいとの連絡をいただき、現在準備を進めているところです。


地元ニューヨークのお店
また、ニューヨーク、ブルックリンの、Norman & Julesさんhttps://normanandjules.com/というお店をご紹介しましょう。ナチュラル系やハンドメイド系、DIY系などの少し変わっていてギフトに最適な感じの商品を集めたお店で、ご夫婦がオーナーですが、旦那様のノーマンさんは「キットパスは動きがいいので、最近リオーダーをしたばかり。個人的にはアートチョークが気に入っている」ということで、キットパス・ラージ、アートチョーク、お風呂シリーズ、リバーシブルパネルなどを扱ってくださっています。
このお店は、ニューヨークタイムズが行なった、ニューヨークで住みたいエリアランキングでトップになったこともある、パークスロープという人気のエリアにあります。同エリアは、特に成功した若者夫婦がこぞって住むエリアでもあります。
マンハッタンのみならず、こういったエリアでもキットパスを扱っていただいています。

今後の課題
キットパスは安全やスタイルにこだわったお店などに支持され、これまでも述べ100店舗にて販売されてきています。
課題は、リピートに至るまでの時間です。
キットパスは失礼ながらですが、見た目以上に価値のある商品だと思います。アメリカは店舗のスタッフの数が日本に比べて少ないこと、居ても商品説明までできるスタッフが本当に少ないことから、置いておくだけで売れていくには、よほどの知名度があるか(ブランド力が必要)、それが何であるかわかりやすいパッケージにすることが求められます。
使ったらわかる商品だけに、使っていただくまでが勝負です。
日本はポップなどの説明で補足すると思いますが、アメリカのお店はシンプルなディスプレイで、それこそ世界観を重視しますので、ポップも控えめです。
競合他社の商品は、パッケージで中身が見えるような工夫があったり、その画材でどんな絵がかけるかすぐにわかるような工夫がしてあります。そういった意味では、キットパスはまだまだ潜在力を活かしきれていないというか、中身の良さが何も知らない消費者がパッとみただけではパッケージから読み取れないな、と思います。
今後は、アメリカ市場のみならず、日本以外の市場でキットパスを広めていくには、商品パッケージを含めた、商品の改良が必要になってくると思います。
また、実際に商品を手にとっていただき、使っていただく機会をこれまで以上に作っていくことも目標です。動画での紹介のみならず、店頭や美術館などのお客さんのところでも、地道ではありますが、デモンストレーションなどを通じてもっともっとキットパスの良さを知ってもらいたいなと思います。

弊社は、創業7年目の小さな会社ですが、キットパスのような、心のこもった、日本の宝とも呼べるような、良い商品を、この世界最大の市場であるアメリカをはじめとする海外に広めていくことが、夢というか目標です。
チームで力を合わせて頑張って行きますので、応援よろしくお願いします。


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チーム・キットパスUSA NYNOWの撤去作業中の集合写真
(左から三番目が日本からご出張の理化学さん本社の大山聡子さん)

プロフィール

全国のキットパスアートインストラクターの状況・本部認定講師さんの紹介などは、こちらからご確認ください。
https://www.kitpasproject.com/instructor/

2018年12月末時点のインストラクターは、2,336人です。

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キットパスアートインストラクター制度・養成講座に興味を持って頂いた方は、こちらをご覧ください。
https://www.kitpasart.jp/
拡げようキットパスアート
https://m.facebook.com/kitpasart2013/

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 いろいろな情報やご利用頂いているシーンをお届けしているHPやSNS
 ◇キットパスプロジェクト https://www.kitpasproject.com/
 ◆日本理化学工業株式会社 http://www.rikagaku.co.jp/
 ◇キットパスポータル Facebook https://www.facebook.com/kitpas2005/
 ◆日本理化学工業 Facebook https://www.facebook.com/NihonRikagaku/
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