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【連載】月刊ブング・ジャム Vol.98 ブング・ジャム愛用のペンケース その1
本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は、ブング・ジャムのみなさんが愛用しているペンケースを紹介してもらいました。
第1回目はきだてさん愛用の「エクスポッケ」です。
(写真左からきだてさん、高畑編集長、他故さん)*2024年11月9日撮影
*鼎談は2025年4月26日にリモートで行われました。
胸ポケットがペンケースに!
「EXPOKKE(エクスポッケ)」(オーミヤ)*関連記事
――今日のテーマはペンケースです。皆さんのおすすめペンケースを紹介してもらいます。まずはきだてさんからお願いします。
【きだて】オーミヤの「エクスポッケ」なんですけども、なぜか3 人ともすでに持ってるの面白いな。
【高畑】俺はね、全然申し合わせたわけじゃなくって、買ってたんだよね。
【他故】俺は、面白そうだったから今回の対談に合わせて買った。
【高畑】これ何で知った?
【きだて】これはね、文とびで。
【高畑】そうか、文とびの記事が最初だったんだ。
【きだて】文とびの新商品記事で載ってて、「へぇ」と思って。
【高畑】多分、文とびに出る前にWebの何かで見たんだよ。それで注文したんだよ。
【きだて】オーミヤって元々工場系の機械メーカーなんだけど、新たに作業服とかそういうののブランドを立ち上げたのね。その中のアイテムの1つとして、働く人のための胸ポケット拡張ポケットという売り方をしてるんだけども、「あれ、これもしかしたらペンケースじゃん」っていうことで。
【高畑】うんうん。
【きだて】ブング・ジャムで『筆箱採集帳』という本を出す時に、俺が作った企画書の中で、「ペンケースとは、日常の文房具群を1つにまとめて携帯するためのユニットである。例えば、スーツの胸ポケットにボールペンを刺したら、もうそれはスーツがペンケースとして機能しているのだ」とか、なんかそういうようなことを書いたんだけども。まさに、働く人たちの胸ポケットってペンケースなのよね。
【他故】うん、そうだね。
【きだて】男性の場合、作業服もスーツも普通のシャツも、ペンは大体挿さってること多いよねっていう。
【高畑】うん。
【きだて】ただ胸ポケットって、何かを持ち運ぶための常時携帯性にはすごく優れてるんだけども、とはいえあれこれ物を入れるにはちょっと向いてないところもあるわけですよ。人間の重心よりも上に付いているポケットなので、屈んだときにこぼれ落ちやすいとか、ちょっと小走りになったりとかするとすげえ揺れるとか、そういうのが色々とあるんだけども。
【他故】あるある。
【きだて】あとね、俺みたいな大量に汗かく人間にとっては、夏場の胸ポケットってほぼサウナなんだよ。例えば、紙のポイントカードとか、後で精算したいレシートとかを無意識に胸ポケットに入れて歩いて、帰ってきた頃にはもうぐちょぐちょの紙屑になってるとかあるわけですよ。
【他故】そんなに?
【きだて】なるんだよ。
【高畑】ポケットに直に入れておくとってことね。
【きだて】その辺の色々と困ったことを、割と解決してくれるんじゃないかなと思って買ってみたら、まさにドンピシャっていう。
【他故】ほう。
【きだて】これね、ポケットがまず3層に分かれてるのね。もう今更2人に語ることではないんだけども。
【他故】いや、説明して(苦笑)。
【きだて】外に露出してるメインのフロントポケット、収縮生地でできている裏側のバックポケット、そして側面にフラップが付いているサイドポケットの3つ。で、フロントポケットは基本的にペンとかを入れるんだけど、これ TPレザーでできているから、多少の伸縮性がある。マーカーとか、あとは太めの多色ボールペンとかを挿しても全然普通に入るわけです。でもポケットの左右の端の方はマチが薄くなってるので、定規とかの薄物を入れても落ちない。それで、ペンはここにクリップを挿せばいいんだけど、クリップがなくても意外と弾力で止まる。
【他故】へぇ。
【きだて】実際に、2日ぐらい胸に着けて色々とうろうろしてみたんだけど、屈んだりしても全然中身が落ちるという不安感はなかったですね。
【他故】うん。
【きだて】……あ、そうだ、そもそもポケットへの装着方法を説明してないか。えーと、フロントポケットとバックポケットはフラップ状に開くことができるので、このパックポケット側をシャツの胸ポケに挿し込むのね。で、フロントポケットを畳んで胸ポケを挟み込むと、中の磁石でパチッと固定されるという仕組みです。
【他故】挟まるもんね。
【高畑】落ちなくていいよね。
【きだて】胸ポケにただ挿しただけだと、屈んだときにこれごとバサッと落ちちゃうかもしれないんだけども、磁石の力で留まってるので割と大丈夫っていう。ブラブラもしないし。意外と磁石は強力だよね。
【高畑】ポケットもそこそこ面積があって、布だからさ、そんなに滑らないよね。
【きだて】作業服みたいに布地が2重になってるような胸ポケでも割と磁石が効くしね。
【高畑】いけそう。
【きだて】なので、その辺はさすがっ工場ブランドて感じよね。
【高畑】うん。
【きだて】で、フロントポケットにはペン5本ぐらいと、あとは定規とかの薄物を入れたら全然ちょうどいい感じ。大人のペンケースとして考えると、ボールペン1本、手帳をつける用に多色1本、で蛍光マーカーとか。工場で働いてる人とかだったら油性マーカーとかあると便利よね。
【他故】あるある、使う使う。
【きだて】オルファの「カイコーン」とか入れておくと物流の人らも便利かも。「カイコーンPRO」はさすがに入れづらいけど。あと、バックポケットの方は生地がかなりビョーンと伸びるので、厚物が大丈夫。俺はいつもA7のリングメモを挿しているんだけども、幅が7.5cmまでいけるので、スマホだとiPhone Pro MAX系もギリでいける。
【他故】ギリで(笑)。
【きだて】スマホを胸ポケに入れる人って多いけど、だいたい腰を屈めたときに滑り落ちて液晶ガシャーンでしょ。こっちは生地の弾力で固定されてるから、逆さ吊りされても落ちない。あとありがたいのが、インカムとか無線イヤホンの充電ケース。ああいう大きいゴロンとしたものも入れちゃえる。
【他故】お~入るんだ。
【きだて】入る入る。結構パンパンになるんだけど、無線イヤホンのケースとかって胸ポケに入れとくといつのまにか落ちてなくしてるものじゃないですか。
【他故】大変大変危険です、これは。
【きだて】俺は実際1回やったことがあって。胸ポケにイヤホンのケースを放り込んでて、家に帰ってきたらなくなってた。メルカリでケースだけ買ったわ。
【高畑】僕は、ズボンの前ポケって決めてます。
【きだて】何かね、無意識に入れちゃうんだよね。ケースを手に持ったまま耳にイヤホン挿して、そのまま手を下ろすと、その途中に胸ポケがあるでしょ。動きとして自然なのよ。
【高畑】ポケットごとに何を入れるかを、最近は自分なりにはルールを決めて、「これを入れるのはこのポケット」って決めるようにはしてるんだけど。切符を入れるのは右前ポケットで、イヤホンを入れるのは左前ポケットってもう決めちゃってんだよ。
【きだて】俺ね、自分で行動ルールは決めるのは好きなんだけど、慌ててるときとかだいたい忘れちゃって、そのままなあなあになって崩れるんだよ。
【他故】ははは、分かる分かる(笑)。
【高畑】それは分かる。
【きだて】その負担が割と胸ポケにしわ寄せが行きがちっていう。
――タバコは胸ポケに入れません?
【きだて】タバコは胸ポケだね。あ、そうそう、加熱式タバコも落としがちだけど、バックポケットに入りますね。iQOS とかあの辺ぐらいなら多分全然入る。だから、今文具王が言ったみたいに、ポケットの使い分けっていうのが機能で割とできるようになってるというか。
【高畑】まあ、立体物を入れるとどんどん胸ポケが重くなってきちゃうので。多分、iQOSを入れるとイヤホン入んないしみたいな部分があると思うので。
【きだて】そこら辺は、容量的な限界はあるんだけども。
【高畑】これに何入れるかっていうのが安定してれば、別にそれはそれで大丈夫だと思うけどね。
【きだて】で、俺が特に気に入ってるのがこのサイドポケット。さっきも言った夏場に紙類がぐちゃぐちゃになる問題は、これで解決やんっていう。
【高畑】なるほど。
【きだて】バックポケット兼用のこのフラップが、そこそこ厚みがあるので、実際にやってみても胸側からの汗はほぼほぼ通らない。なのでこのサイドポケット側まで汗の蒸気がいくことはまずない。
【高畑】それはないよね。
【きだて】まだ夏場の汗かきをこれで過ごしてないので断言はできないけど、多分大丈夫。
【高畑】ポケットを挟んで外側にあるからさ。
【きだて】そうそう。
【高畑】だから、基本的には大丈夫っぽいよ。
【きだて】バックポケット、フラップ板、シャツの胸ポケの生地、フロントポケットの背中側の板とで四重に隔壁があるから、まあ多分大丈夫だろうと。それこそレシート類とかも全部ここに入れちゃう。それと1,000円札を2、3枚入れとくのが便利。
【高畑】あ、それそれはそうね。
【きだて】最近の買い物はスマホでピッて払っちゃうケースが多いんだけども、ほら、たまにあるスマホ決済不可店。
【高畑】特に、きだてさんの好きなラーメン屋とか結構あるよね。
【きだて】そう、それ。注文はQRコードからスマホでさせるくせに、支払いはスマホ決済不可っていう地獄のような店があって。
【他故】そうなんだ(笑)。
【高畑】決済手数料を払いたくないけど、人件費は削減したいっていうね。
【きだて】そういうお店で飯を食った後に、レジ前で慌てるわけですよ。「えっスマホはダメなの?」っていう。
【高畑】最近はできて当然っていう気分になってるからね。
【きだて】そういう時のためにも、1万円札1枚とか、緊急のお金はどこかに備えておくべきなんだよ。かといって、ズボンのポケットとかにお札を押し込んじゃうと大体くしゃくしゃになるし。
【高畑】だって、ズボン洗濯したときに危ないからね。
【他故】危険だよね。
【きだて】そういうのを防ぐ意味でもこれに入れとけばいいし。あとありがたいのが、これを着けたまま洗濯しないじゃない。
【高畑】ああ確かに。
【他故】これは分かるからね。
【きだて】そうそう。これ黒とグレーがあるんだけど、どっちも着けてると目立つわけですよ。重みもあるし、脱いだシャツをちょっと持ち上げた時に「あ、着いたままだった」って分かるぐらいの重みにはなってるので、これごと洗濯する心配はまずないなっていう。
【他故】そうだね。
【きだて】そういう点で、胸ポケットは便利なんだけども不満はあるぞっていう、その不満があらかたこれで解消されちゃった。あと問題は、さっき言った重量がちょっとあるよねっていうぐらい。夏場の薄手のシャツとかに着けると、こればっかりがちょっと重みで胸ポケがぶらんとなっちゃったりとか。
【他故】ありそうだなあ。
【きだて】俺が夏場よく着てるアロハなんかは、胸ポケがちょっと膨らまして付けてるものが多いので。
【高畑】ペランペランになって傾くよね。
【きだて】そう。だからそれだけがちょっと困るんだけど、今のところ当分これでいけるなぐらいには思ってる。
――こういうのは夏場の方が使いたいんじゃないですかね。冬は上着を着てるからポケットが多いけど、夏はシャツの胸ポケに頼ることが多そうなので。
【きだて】でも、ワイシャツならまぁ大丈夫だよ。
【高畑】僕は他故さんも使っているソメスサドルのジョッターのやつをずっと使ってたけど、エクスポッケと同じようにポケットに入れてそのまま使えるわけですよ。裏がジョッターになってて、服を着替えたときにそのまま入れ替えができるっていうのが元々のコンセプトだったし。あと、薄っぺらいやつでいくと、ビニール製のインナーポケットがあるんですよ。
【他故】あったね。
【高畑】これ系の製品の多くは、どっちかっていうと、ポケットの内側にインクがつくのが嫌だっていうのが多いんだよ。ペンケース代用として、そういうケースっていうのも過去あったんだけど、今これに乗り換えているのは、インナーポケットのところ。僕は、携帯はいつもストラップでぶら下げてるので基本的に携帯をここには入れないんだけど、代わりに「ダイヤメモ」がちょうど入るっていうのが良い。この間からずっと僕は「ダイヤメモ」をここに入れてる。ジョッターは紙1枚しか入らないので。
【他故】そうね。
【高畑】これページめくったまま入れられるっていうのがよくってさ。俺的にはリングノートの裏をこうやって外に出したまま入れとくと、きだてさん的には多分クシャシャになっちゃうと思うけど、俺は平気なのでこのまま入れといて、このままメモりたいっていう。だから要は、ソメスサドルのジョッターがそのまま移行できた。
【他故】いいね。
【高畑】しかもページがめくれて、めくったページを裏に入れられるので、この状態で持てるっていうのがすごく良くて、これがちょっと便利。それと、さっき言ったみたいに、留められるので、ソメスサドルのよりもさらに落ちないってのがある。あと、ソメスサドルは、高額なペンも入ってるので、裏側に紛失防止のスマートタグになってるカードを貼ってるんですけど、これ横ポケットに入るんだよね。
【きだて】はいはい。
【高畑】あとね、会社の入退館に使うカードとかも入れられるので、会社へ入るときにピッて使えるし、さっき言ってたみたいにお金も入るから、ここに入れとくのはカードとお金だね。元々ソメスサドルでペン5本っていうのに慣れてたから、そのまま移行できるんだよ。どっちも使えるなって感じで、最近はこっちをメインで使ってるんだけど。あとアブラサスの「お財布ショルダー」っていう商品を使ってるんだけど。要は、ボディにピッタリタイプのポーチみたいな。
【きだて】ボディバッグだな。
【高畑】ボディバッグなんだけど、ペラッペラなんだよ。これに必要なものを入れてる。これスマホ入れなんだけど、ここに「エクスポッケ」がピッタリ入る。
【他故】本当だ。
【きだて】いいじゃん。
【高畑】こういうポーチを使っているときもいけるし、外したらこっちに持って来られるしみたいな感じ。僕は会社にいる間はずっと、要るものが全部ポーチに入ってる状態で、打ち合わせとかに行くときはこのまんまで行けるので、これを付けたままで仕事してる。なので、Tシャツ1枚でもこれならいけるんですよ。
【他故】これいいな。
【高畑】内側にはもうちょっと大きいポケットがあるんだけど、いつも使うペンはすぐ出せた方がいいので、1軍の5本だけは常にここに入れてる。手帳を書くときにも使うし、本を読んでるときに「テキストサーファーゲル」とかすぐ出てくるのが僕は気に入ってるんですけど。そんな感じで使ってるので、僕は割とこいつごとユニットとしていろんなものにくっつけるっていう、言ってみればコアファイターみたいな感じの、ボディが変わってもいけるぜみたいな感じの使い分けができているので割と良かったなと思って、ソメスサドルから乗り換えてしばらくこっちを使おうかなと思ってる。
【きだて】そのボディバッグとの組み合わせはいいな。
【他故】面白い。
【高畑】たまたまなんだけど、このボディバックにちょうど専用のポケットみたいなのが外に付いてたからさ、めっちゃちょうど良くて。これもさ、普通のボディバッグの重たいやつだと、付けたままでいると重いんだよ。それじゃ嫌じゃん。だけど、なんならジャケットの内側でもいいやっていうぐらいのペラペラのやつなので、これが結構良くて。これは会社の中の移動用なので、名刺入れとかそういうものが入ってるわけですよ。それで、これをこっちにくっつけるとオフィス内の仕事はこれで、オフィスから出るときはこれを外してこっちに行くみたいなそういう移動でいけるので。夏場だとオフィス内はTシャツでずっといたりとか僕はするけど、まあその会社にもよるけどね。ワイシャツだったらもちろんずっと「エクスポッケ」でもいいんだけど、これを着けたままでだと案外その重さが来るので、ボディバックに着けていた方が比較的気にならないので、今はそんな使い方にしてます。でもほぼほぼきだてさんの言ってるのに同意ですね。すごくよく分かるし、同じかなって感じかな。
【きだて】うん。
【高畑】近いものはあるんだけど、案外ここまでやってるのがないんだよね。
【他故】うん、そうだね。
【きだて】拡張ポケット自体は、それこそ他の作業着メーカーも今までも出してたけど、どれも中途半端というか、胸ポケットに仕分けを作るだけとか、そういうようなものが多かったのね。そういう意味で、この拡張性と使い勝手はちょっと他になかった。
【高畑】バランスがすごくいいね。ポケットの内側を汚さないようなビニールのやつだとちょっと安っぽくてさ。ペラペラしてて使いづらいというのもあったし。まあソメスサドルがだいぶ気に入っていたので、あんまり困ってはいなかったんだけど、パチッて留まって動かないとか、そこはちゃんとよくできてて良いなと思って、今はこっちだね。このフロントポッケのところには何を留めるんだっけ?
【他故】そこは名札。
【高畑】あ名札か。これは関係ねぇやと思って今使ってないんだけど。
【他故】むしろ僕はね、ここに名札を付けるんですよ。
【高畑】ああそうね。会社で名札があるんだよね。
【きだて】「エクスポッケ」つけちゃうと、胸周りに名札を付けらんないからね。これは要るんだよ。
【他故】そう。そもそもポケットに名札っていったって、クリップでちょっと留まってるだけで大体まっすぐつかなくてぶらぶらするし、何か引っ掛けて落としちゃったりすることもあるので、こういう風に専用でがっちりつけてくれるループになってるとすごくいいんだよね。
【高畑】確かに、これ1個あれば非常に助かるので、良いよね。
【きだて】ちょっと笑っちゃったのが、「ポケットから抜き出すと三角形の立つペンケースになります」っていう(笑)。
【高畑】それはいいかなって感じだけどね。
【他故】でも、僕にとっては重要な話なので。
【高畑】ああそうだよね。
【きだて】他故さんは、立つのが重要なだけだろうがよ(笑)。
【他故】いやいやいや。でも外したときに、横置きじゃなくて立たせることができるっていうのは、僕にとってはすごく便利なんだけどもね。
【高畑】このメーカーが急にこれを出してきたのが面白いね。Amazonとかで検索すると、レザーとか合皮のペンホルダーで胸ポケットに入りますっていうのがいっぱいあるんだけど、確かにこれが 1番よくできてる感じがする。
【他故】うん。
【高畑】これは出た時に、ホームページで機能紹介を見て、久しぶりに何かいいかもと思って買ってきました。
【きだて】オーミヤのサイトの機能紹介を見て「そうそう、これこれ」ってなるよね。
【高畑】なるよ。
【他故】分かる分かる。
【高畑】文具メーカーがペンケースとして作りましたじゃなくて、どっちかっていうと、本当に現場の困りごと感っていうか現場感がすごい強かったかな。
【きだて】他故さんも実際に今会社で使ってみてるわけ?
【他故】そう。実は僕はこれを知らなくて、この間きだて氏が打ち合わせで「そんなのあるよ」って言ってて初めて僕は知ったのね。それで買って「これいいじゃん」っていうので、今実際に会社で使ってるんだけど。やっぱり使い方としては同じで、僕の場合は完全に作業着なので、これが本当にベストマッチなんすよ。大きさというか形というか、運用自体そのものが。それで、フラップポケットに食堂のカードが入れられてめっちゃ便利。ループに名札も付けて完璧。仕事用のやつだから、そのまま会社に置いてきちゃうんだけど、パッと着けて帰りはパッと外して帰るみたいなそんな運用が出来るので、すごくいいっすよ。
【高畑】あとね、家に帰ってくるとデスクで仕事をしてるんだけどさ、デスクにブックエンドがあるんですよ。
【きだて】ああ、なるほど。
【他故】挟んじゃうんだ。
【高畑】そう。メタルのブックエンドに挟めるんだよね。家に置いてる時は、この状態で立てといて。1軍のペンケースだからさ、結局使うんだよね。持っていく時にはここからスポッと抜いて、このまま持っていけるんですよ。ソメスサドルは、輪ゴムとかアームバンドのリングで留めてたんだけど、それが要らないっていうのがすごくいいです。
【他故】置き場もちゃんとあるのね。
【きだて】そうやるとちゃんとペンが引き抜けるね。立たせてめるだけだと上手くペンが抜けないのよね。
【高畑】これは片手で抜けるよ。このままペン立てになるんですよ。実に良いです。
【きだて】それはいい使い方だな。
【高畑】だから、ギミックがちょうどいいんだよ。上手いよね、色々使えて。
【きだて】過剰じゃないんだよね。ポケットも3つだけっていう潔さがあるしさ。拡張ポケットを作るとなると、ごちゃごちゃとポケットを分割したくなりそうじゃん。
【高畑】いわゆるマチのあるペンケースみたいに縫っちゃうと、この出っ張りがでかくなりすぎて引っかかるし。ここもね、もうちょっとシンプルでもいいかなと思うけど、確かにカードが落ちると嫌だから、ここは折り返してフラップにしてるのは何か分かるな。
【きだて】本当にこれは上手く考えたなという印象がとても強い。
【高畑】そうだね。
【きだて】あとは色だね。
【高畑】黒とグレーなんだけど、ちょっとグレーがね。めっちゃ目立つグレーだったから黒にしたんだけど。
【きだて】まあでも、多分白ワイシャツに黒着けるとあんまりだから、グレーも作ったんじゃないかなという気はする。
【高畑】白系のワイシャツにすると、確かに目立つかもね。
【きだて】色柄ものとかカラフルな作業服とかだったら黒で全然いいんだけどね。
【高畑】確かに。
【きだて】とりあえず、白ワイシャツの人はグレーを選ぶといいよぐらいの感じ。
【高畑】僕はわりかし濃い色が多いから、黒でいけてるけどね。
――これ大抵の胸ポケットに着けられます?
【きだて】胸ポケットもいろいろあるけど、まぁだいたいはいけるかな。よっぽど小さいのはあかんけど。
【高畑】いわゆる男性向けのワイシャツの大きさは、メモとかが入る幅なので、大体一緒っぽいですよ。
【きだて】だから、90㎜幅とかそれぐらいだと思うんだ。
【高畑】女性だと、そもそもポケットないとかポケットに入れられないとかがあるから、僕のYouTubeのライブで見せた時には、「女性はポケットがないのが多いんだよね」っていうコメントをもらいましたね。確かに、胸ポケットありきな製品なので。
――ポロシャツなんかちょっと小さめっていうか、浅いポケットが付いているのがありますよね。
【他故】ありますよね。
――ああいうのには大丈夫ですかね?
【きだて】ポロシャツは、伸び縮みし過ぎて、こういう重めの拡張ポケットを着けるとうにょんってなっちゃう。
――そうか、結構生地が伸びますよね。
【きだて】そう。だから、シャツの側の生地はやっぱり硬い方がいいと思う。
――う~ん、なるほど。
【きだて】元々は作業着用だよね。
【他故】だと思うね。
――基本的に仕事で使うものだから、ワイシャツで使えればいいのか。
【きだて】ワイシャツとあとジャケットとか。
――ジャケットのポケットでもいいですね。
【高畑】それはいけますね。
【きだて】ジャケットなら、胸ポケットじゃなくてサイドポケットでもいいしね。
【高畑】すごい使い勝手がいいので、3人とも買って、3人ともそれなりに使えているというのがなかなか。他故さんは使ってるけど、俺は使ってないとか、普通は割とそうじゃないですか。なんだけど、大人が使いやすくていいなっていうか。
【他故】これはいいっすよ。
――前回の「プニュスパイラル」(こちらの記事を参照)に続いて、皆さん絶賛のアイテムということで(笑)。
*次回は、他故さん愛用の「インナーキャリング撥水ボックスペンケース」です。
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プロフィール
高畑 正幸(たかばたけ まさゆき)
文具のとびら編集長。学生時代に「究極の文房具カタログ」を自費出版。「TVチャンピオン」(テレビ東京系列)の「文房具通選手権」では、3連覇を達成した。サンスター文具に入社し商品企画を担当。現在は同社とプロ契約を結び、個人活動も開始。弊社が運営する文房具のWebマガジン「文具のとびら」の編集長も務めている。著書は『究極の文房具カタログ―マストアイテム編―』(ロコモーションパブリッシング)、『究極の文房具ハック』(河出書房新社)、『そこまでやるか! 文具王高畑正幸の最強アイテム完全批評』(日経BP社)、『文具王 高畑正幸セレクション 一度は訪れたい文具店&イチ押し文具』(監修/玄光社)、『究極の文房具カタログ』(河出書房新社)、『文房具語辞典』(誠文堂新光社)と、翻訳を手がけた絵本『えんぴつとケシゴム』(KADOKAWA)。新著は『人生が確実に幸せになる文房具100』(主婦と生活社)。
https://bungu-o.com/
きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/
他故 壁氏(たこ かべうじ)
小学生のころから文房具が好きで、それが高じて文具メーカーに就職。ただし発言は勤務先とは無関係で、個人の見解・感想である。好きなジャンルは書くものと書かれるもの、立つ文房具と薄いペンケース。30分間文房具のことしか語らないトーク番組・775ライブリーFM「他故となおみのブンボーグ大作戦!」パーソナリティ。たこなお文具情報室所属。
「他故となおみのブンボーグ大作戦!」番組ホームページ https://daisakusen.net/
https://buntobi.stores.jp/items/676b8e121008560336e05fac
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