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【連載】他故となおみのブンボーグ大作戦!Bootleg  #32 ZOOMが好きなんです

ふじいなおみ

30分間、文房具の話題だけをお送りするラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」のパーソナリティ「なおちゃん」こと、ふじいなおみです。

番組では毎週たくさんの文房具が登場します。その中から、他故さんとなおちゃん2人で選んだ商品をピックアップ。より掘り下げてご紹介していきます。


photo1.jpgいつも一緒にいる相棒ことZOOM707


今回は、11月19日の「文房具のすごいゲストコーナー」でご紹介した「ZOOM」についての思い出話とこれからの期待を思うがままに書かせていただきました。

ZOOMが好きなんです。

同じ「ZOOM」でも、この数年で一気に知名度が上がったリモート会議に使うアレではなくて、トンボ鉛筆が発売している「デザインペン」のシリーズです。その中でも私は「ZOOM707」という個性的なボールペンを20年ほど愛用しています。

ZOOMの誕生

トンボ鉛筆の公式ホームページによると、ZOOMが生まれたのは1986年。「型にハマらない自由さと日本の美意識を宿したユニークなペンが大人の好奇心を満たし、想像力を刺激した」そうです。
極太のボディを持つZOOM505、極薄でカード型文具に人気が集まった頃に発売されたZOOM606、卵のような柔らかフォルムにパステルカラーのワンポイントの入ったZOOM808など、今まで見たことがないような素敵なデザインのペンが掲載されていました。
残念ながら当時小学生だった私には発売された頃のことはわからないのです。でも、このようにいくつもの個性的な筆記具が発売になっていたなんて使っていた方は楽しかっただろうなーと想像しました。

※ZOOM606とZOOM808は既に販売が終了しています。

「もし願いが叶うなら手に入れたい」。
そう思いながら先ほどホームページを見ていました。

では、私の最も愛するペンの中の1つ、ZOOM707のお話です。

私とZOOM707の出会い

記憶が曖昧なのですが、大学時代もしくは社会人になりたてだった2000年を少しすぎた頃。おしゃれな文房具として陳列されている中に彼女(ZOOM707)はいました。黒のボディに赤いグリップ。クリップも同じく黒ですが、先端に赤い球がついています。

photo2.jpg上はシャープペンシル。わかりやすいように色違いをチョイス。下が愛するボールペン


「とてもレアな商品ですよ」と店員さんがおっしゃっていたのを覚えています。「かわいいけれど、デザイン重視で絶対に使いづらい!」という私の予想をいい意味で大きく裏切ったこのペン。握った瞬間、衝撃が走り即決でお迎えしたのでした。

「筆記具は使いやすい形状でどこまで細くなれるのか」

ZOOM505の極太、606のカードのような薄さに続いて、707の軸は「およそ4mmの真鍮製。ラバーのグリップはおよそ6.5mmという『極細軸』。」説明にはこう書かれていました。写真をご覧いただくとわかりますが、とても細いんです。「これ絶対握れないでしょ?」そういった気持ちでこのペンを一度体験していただきたいのです。グリップにある緩やかな膨らみのおかげでとても握りやすく書きやすくなっています。

いつでも持ち歩く「お守り」

ただ、普段使いのペンとしては使っていません。言うなれば「お守り」なのです。私は常に長財布の中に入れて持ち歩いています。財布の中にすっぽりと入って、かつ場所を取らないんですよ。そして書き心地もいいので急に筆記具が必要になった時に困らないのです。そして、財布はどんなお出かけにも持っていくもの。だから「お守り」なんです。

プレゼントとして

photo3.jpgシンプルかわいくて、大好きです


このZOOM707を知ってから「ここはキメたい」という時の贈り物にも使ってきました。プレゼントにも使えるパッケージに入っているので、ちょっと工夫をすればさらに素敵に渡せることも理由でした。

一回は妹の就職祝いに。3つ下の妹が就職する時。すでに社会人で上京していた私が「何かお祝いを」、と考えた時に真っ先に思いついたのがZOOM707だったのです。

もう一回は、長らくアシスタントを務めてきたをラジオ番組が終わることが決まり、メインを務めていたパーソナリティさんとお別れになる時に。「この書きやすさにびっくりしてもらいたい」のと「お守りのように持っていて欲しい。できるならば私を忘れて欲しくない」そんな気持ちで選びました。

リブランディングしました

今年2月、トンボ鉛筆から「ZOOMのリブランディング発表会」のお誘いが届きました。
ZOOMシリーズが誕生して37年が経ち、新たに「日本発のコンテンポラリーデザインペン」という言葉を掲げ、新しい美しさと喜びを伝えるため、再出発をするとの発表でした。コンテンポラリーは「現代の」という意味。現在の最新技術を用いて作られた製品群と私は解釈しています。

photo4.jpg

手前から順にC1、L1、L2


その中でもし私が選ぶならば、ボールペンならC1、シャープペンシルならL2です。

photo5.jpgL1のノック部分を拡大。空間をノックします


ジュラルミンでできた軸、ノック部と軸の間には、押す部分が浮いているかのような空間があり、まるで手品を見せられているような不思議な感覚を得られるC1。軸色はグラファイトブルー。これに別途購入した水性ゲルのブルーブラックリフィルを入れて使っています。

photo6.jpgC2のネオラバサンで包まれた部分。軸から優しさを感じます


3種類の中で唯一「シャープペンシルを選びたい」と思ったのがL2。全体が優しい素材で包まれています。ずっと触っていたい。発表会のお試し時間いっぱいずっと握っていたかったそんな魅力を持っているのです。この優しい素材はネオラバサンという塗料。公式ホームページの表現を借りると「ラバーのような、丁寧になめしたレザーのような」。しかも加水分解をしないと言われている素材です。番組中ではマットフルブラックに人気が集まっているとの話でしたが、私が選んだのはマットグレー。優しい色が素材の柔らかさを表現しているようで、この色を選びました。


photo7.jpg

今年発表されたZOOMのC1,L1,L2はすべて専用のパッケージが用意されています。そのまま贈り物にも使えるおしゃれなパッケージなので、これからは「ここぞ」という時には今後、こちらをプレゼントするつもりです。

ZOOMのシリーズが今後どのように展開されて、どのように文房具ファンを楽しませてくれるのか。とても楽しみにしています。

商品情報

ブンボーグ大作戦!こぼれ話

気づけばもう12月。この1年も「他故となおみのブンボーグ大作戦!」を聴いてくださり、また「他故となおみのブンボーグ大作戦!Bootleg」を読んでくださりありがとうございました。

この一年は人がリアルで会うことができるようになってきました。
2020年、コロナ禍の真っ只中でスタートしたブンボーグ大作戦!は、6月に初めての公開録音、10月には札幌の老舗文具店・大丸藤井セントラルでの物販&ワークショップ開催とトークライブ、2回の文具マーケットと、リスナーのあなたと実際に会う機会を増やすこともできました。

作り手が発信するだけがラジオではないと思っています。番組を聴いてくださるあなたがアクションしたものを受け止めつつ、リスナーと制作側が二人三脚で作り上げていくものこそがラジオだと思っています。

簡単な内容でも構いません。ぜひメッセージを送ってください。
また、イベントがある時には無理のない範囲でお越しください。

一緒に番組を作り続けていきましょう。

プロフィール

【ふじいなおみ】
1979年北海道札幌市生まれ。ラジオパーソナリティ/文房具プレゼンター
ナナコライブリーエフエムで放送中のラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」のパーソナリティ及び制作・技術を担当。万年筆インク(中でもご当地インク)コレクター。
他故壁氏さんとユニット「たこなお文具情報室」として、文房具の楽しさを伝える活動を行っている。
2015年生まれの娘とともに知育・学童文具を使用しているため、リアルな声を届けられる数少ない存在である。
そして、きだてたくさんと色物文具をひたすら紹介する動画コンテンツ「イロブンの引き出し開けていこう」もYouTubeにて配信中。

【他故となおみのブンボーグ大作戦!】
埼玉県朝霞市のコミュニティFM「ナナコライブリーエフエム」にて放送中の30分間文房具の話題だけをお送りするラジオ番組。
パーソナリティーは他故壁氏&ふじいなおみ。
放送時間は毎週日曜日19:30~20:00/毎週水曜日 11:30~12:00(再放送)
FMラジオ77.5MHz(埼玉県朝霞市・志木市・新座市・和光市とその周辺地域)の他、パソコンやスマートフォンではListenRadioのサービスを利用すると気軽に聴くことができます。

詳しい聴き方は番組Webページへ
https://daisakusen.net/howto/

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