1. 連載企画
  2. 【連載】他故となおみのブンボーグ大作戦!Bootleg  #025 交通図書協会「ぼうけんてちょう」

【連載】他故となおみのブンボーグ大作戦!Bootleg  #025 交通図書協会「ぼうけんてちょう」

ふじいなおみ

30分間、文房具の話題だけをお送りするラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」のパーソナリティ「なおちゃん」こと、ふじいなおみです。

番組では毎週たくさんの文房具が登場します。その中から、他故さんとなおちゃん2人で選んだ商品をピックアップ。より掘り下げてご紹介していきます。

photo1.jpg今回は、4月2日と9日の放送内でご紹介した交通図書協会の「ぼうけんてちょう」をピックアップします。

ぼうけんてちょうって?

2020年度版から販売されている、主に小学1年〜小学3年生を対象にした手帳です。「親子のコミュニケーションの円滑化」と「良い習慣の定着」をコンセプトとしています。

photo2.jpg2023年度版は表紙が4種類のデザインから選べます。


作るきっかけとなったのは、今回のゲストにお越しいただいた髙橋社長が、大手手帳メーカーが開催している大会をご覧になった時に、中高生が手帳の使い方をしっかりとプレゼンしているのを聞いたからなのだそうです。「手帳は大人のもの」と思っていただけに驚き、次第に「手帳は子どもでも使えるのではないか?」と感じて、そこからどんなことをしたら子どもたちにプラスになるのかを考えるようになりました。毎年ブラッシュアップを繰り返しながら、2023年度版が4年目の発売になりました。

ぼうけんてちょうの「ぼうけん」ですが、初めての経験・体験を「ぼうけん」と定義しました。目指したのは手帳を使う上で何かをするための土台を作れることです。最近は「失敗しないように」と先回りをして助ける大人が増えていて子どもたちの失敗体験が少なくなっています。そんな中、手帳の中ででも、手帳がきっかけだとしても、たくさんの初めてを体験し、失敗から学び、成長してもらいたいという思いが込められています。

交通図書協会とは?

ぼうけんてちょうを作っている髙橋社長の会社は、株式会社交通図書協会。名前を聞いただけではどんな会社なのかイメージがわかなかったので伺いました。元々は国鉄(現・JR)の図書を作る会社として作られました。あるとき手帳を作ってもらえないかとの声がかかり、その事業がスムーズに進んだことで企業・団体向けのフルオーダーの手帳を1から作ることに特化させたのだそうです。

ちなみに手帳を作り始めた当時「独自のコンテンツを作ろう」と導入したのが「鉄道路線図」で、これは日本で初めての試みでした。今では多くの手帳にある路線図の元祖はここにあったのです。

#ぼうけんてちょう成人の部

ぼうけんてちょうを開くと大人用の手帳顔負けの内容に驚きます。

photo3.jpgMやNの書き順、こんな複雑だとは知りませんでした……


手帳の後半にはお勉強のページがあるのですが、例えば九九の表や都道府県一覧、手帳で使う英語のページなどがあります。特にびっくりしたのは、アルファベットの「M」と「N」の書き順。こんな複雑な書き方したことがない気がします。

手帳に必須の月間ページ(1ヶ月がカレンダーのようになっているページ)と週間ページ(週間ブロックタイプという1ページに2×2の4マス、見開きで月〜日曜日と「おうちのひとのコメント」の合計8マスがあります)の他、10以上のコンテンツがあり、番組内でも他故さんと「デザインが可愛いだけで、内容は大人も使いたいよね」と話していました。

4月初め、Twitterで同じ考えを持った大人のユーザーから「ぼうけんてちょう 成人の部」という名称が飛び出したのをきっかけに私もぼうけんてちょうユーザーになってみました。

おうちルールで慌ただしい朝と帰宅時を乗り切る

おうちルールというコンテンツは2ページあり、それぞれ「おきてからやること」「かえってからやること」を箇条書きに8個書けます。

小学2年生になった娘と過ごす朝はよくよく気をつけていても何かしらをし忘れてしまうほどの修羅場です。この時間はどこの家庭でも親は「早く準備しなさい!」と声を荒らげ、子どもは「いまやってる!!!」とイライラ口調で返事をする。お互いにとってストレスの溜まる時間帯でもあります。

そんな時に、手帳のリストを見て「起きてから学校に行くまでにやるべきこと」を自ら確認する。親にとってもやることの可視化と共有が可能。次第に1人の力でできるようになれば、手帳のコンセプトにもある「良い習慣の定着」につながります。

「かえってからやること」も、「この時間が一番学校からの連絡事項を覚えている」からという理由で記入欄が用意されています。

photo4.jpg母が立てたスケジュールに対し自分の意見を入れてきたので、これで様子を見ます


私のぼうけんてちょうには、在宅作業の多い私ではなく、小学校に通う娘のやることをリスト化しました。この1年、登校までの様子を見てやることと何時までにするのかを提案したのですが、あっけなく却下され、娘の思うように書くことにしました。

ねがいとごと、しょうらいのゆめ

40年以上生きているとキラキラした夢を持つことを忘れてしまっている自分に気付かされます(ちなみに私はよく話題になる就職氷河期世代です)。

photo5.jpg現実的な夢しか見られなくなった40代女性のページ


こうなりたい、という「しょうらいのゆめ」の吹き出しに書かれた私の文字が弱気なのは照れと失敗したくないという気持ちを物語っていますね。

記入した子どもの想いを知ることで親子のコミュニケーションのきっかけを作れるというのがこのページの目的の1つ。そしてもう一つは目につく最初のページに書くことで自分の気持ちを再確認できるということでしょう。

私も、キラキラした願いや夢を持てるようになろう(レッツチャレンジ!)。

週間ページでざっくり日記

普段、主に仕事の作業日誌として他の手帳を使っていますので、ぼうけんてちょうの週間ページにはザックリな日記を書くことにしました。

photo6.jpg書かない日があっても、無理なく続けられるのがコツだと思っています


小学生低学年くらいだと、まだまだ小さな字が書けません。しかも鉛筆で書いて消しゴムでガシガシと消して……ということも多々あるでしょう。
そのために用意されたこのページには思い切り大きな字で1日の印象に残ったことを書き残せるのです。
「おうちのひとのコメント」は本来1週間を親子で振り返り、コミュニケーションのきっかけにする目的があります。
成人の部では自ら振り返ったり、逆にお子さんからのコメントをもらったりするのはいかがでしょうか?

大きく育て!サクセスツリー

photo7.jpg用意されているコンテンツの使い方もしっかり説明


私がこの手帳の中で一番気に入っているのがサクセスツリーです。ページには木の枝と幹のみが描かれています。そこに自分で決めた何かを達成したら、例えばシールを1枚貼って華やかな木に育て上げるのです。番組内で髙橋社長が語っていらっしゃったように「手帳を毎日開いたらログインボーナスのようにシールを貼る」のは、手帳ライフを定着させるのに背中を押してくれそうです。

photo8.jpgすでに華やかになりはじめたところが!!


私は日記を書いたら1枚貼るようにお店で半透明素材の丸シールをゲットしてきました。
1年後、どのようになっているのか、今から楽しみです。

ちなみに、本来の対象年齢である小学2年生の娘にも同じぼうけんてちょうを渡しています。少しずつでいいのでてちょうに書くこと、てちょうを活用することのメリットを見つけていけるといいなと思っています。

商品情報

ぼうけんてちょう(年度ごとに発行)
https://tosyokyokai.official.ec/items/69736930

はじめてのぼうけんてちょう (日付の印刷がない5週分+一部コンテンツを収録)

photo9.jpghttps://tosyokyokai.official.ec/items/67728307

ブンボーグ大作戦!こぼれ話

photo10.jpg

「ふじいなおみの文房具10番勝負」が始動しました。
このコンテンツは、なおちゃんが10種類の文房具の使いこなしに挑戦し、その文房具の素晴らしさを実感してYouTubeを介して伝えるガチンコ勝負です。

たとえばこんなことを考えています
・蛍光ペン試し書き!
・世界の鉛筆2B(同じ硬度)書き比べ!
・ホッチキスの針に性能差はあるのか? マックス、プラス、その他使い較べ!
・シャープ芯って書いたらメーカーが判るのか? 三菱、ぺんてる、パイロット、ゼブラ、トンボ書き比べ!
・水彩色鉛筆で絵を描いてみよう! ふつうの色鉛筆、水彩絵の具と何が違う?
・最高の筆記用紙をあたしが決めてやる! ●種書き比べ!
・万年筆の洗浄をプロに教えてもらう!
・1本のボールペンを使い切るまで書いて書いて描きまくる!

なおちゃんの「文房具人」としてのスキルアップを目指す、リアル育成ゲームです(?)

「1st round 【あのかみ】を使って色々なノートの紙を書き較べてみよう!」が現在公開中!
また随時、ブンボーグ大作戦!のYouTubeチャンネルにUPしていきますので、どうぞお楽しみに!

プロフィール

【ふじいなおみ】
1979年北海道札幌市生まれ。ラジオパーソナリティ/文房具プレゼンター
ナナコライブリーエフエムで放送中のラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」のパーソナリティ及び制作・技術を担当。万年筆インク(中でもご当地インク)コレクター。
他故壁氏さんとユニット「たこなお文具情報室」として、文房具の楽しさを伝える活動を行っている。
2015年生まれの娘とともに知育・学童文具を使用しているため、リアルな声を届けられる数少ない存在である。
そして、きだてたくさんと色物文具をひたすら紹介する動画コンテンツ「イロブンの引き出し開けていこう」もYouTubeにて配信中。

【他故となおみのブンボーグ大作戦!】
埼玉県朝霞市のコミュニティFM「ナナコライブリーエフエム」にて放送中の30分間文房具の話題だけをお送りするラジオ番組。
パーソナリティーは他故壁氏&ふじいなおみ。
放送時間は毎週日曜日19:30~20:00/毎週水曜日 11:30~12:00(再放送)
FMラジオ77.5MHz(埼玉県朝霞市・志木市・新座市・和光市とその周辺地域)の他、パソコンやスマートフォンではListenRadioのサービスを利用すると気軽に聴くことができます。

詳しい聴き方は番組Webページへ
https://daisakusen.net/howto/

【文具のとびら】が気に入ったらいいね!しよう