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【連載】月刊ブング・ジャム Vol.66 ブング・ジャムイチ押しの最新紙文具(その2)
本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は、ブング・ジャムのみなさんイチ押しの最新紙文具を紹介してもらいました。
第2回目は高畑編集長イチ押しのマルマン「ジウリス ミニ」です。
(写真右からきだてさん、他故さん、高畑編集長)*2021年11月9日撮影
*鼎談は2022年8月29日にリモートで行われました。
大人が使えるルーズリーフミニ専用バインダー
「ジウリス ミニ」(マルマン)
――次は、高畑編集長です。
【高畑】僕はマルマンの「ジウリス」のミニサイズ。
【他故】「ルーズリーフミニ」だね。
【高畑】そう。「ルーズリーフミニ」サイズの「ジウリス」なんですよ。これも最近出たのかな?
【他故】今年だったと思う。2月だね。
【高畑】マルマンの「ルーズリーフミニ」って、最近種類が増えていて、なかなかいい感じなんだけど。あと、ルーズリーフバイキングみたいなことやってて。だけど、これを使うに至らなかった理由がリングなんですよ。ほとんどプラスチックのリングで、紙かPPのバインダーで。安っぽいし、紙が引っかかるし、あんまり入らないじゃないですか。このサイズ感は好きなんだけどね。画用紙バージョンもあったし。
【他故】クロッキーのもあったよね。
【高畑】そういうのがあっていいなと思ったんだけど、じゃあ持つかというと、例えばクロッキーとか図案スケッチブックの表紙のやつだと、持ち歩いているうちに反ってくるんだよ。しかも、プラスチックのリングは、開閉の仕方も気に入らなかったので。やっぱりね、金属リングはいいよね。
【きだて】うん。
【高畑】リングバインダーのリングはしっかりしててくれないと。そこが「ジウリス」になってくれたことが、私的にはありがたい。これを何に使ってるかというと、YouTubeの動画のネタ帳です。これでやろうと思ったやつのタイトルと、この話をしようと思ったことをちょこちょこっとメモりながら、終わったら「処理済」というはんこを押して。ページが差し替えられるので、そういうところがいいかなと。サイズ的に情報カードみたいな使い方もできるじゃん。
【他故】そうね。
【高畑】ルーズリーフと同じピッチなので、他の紙でもゲージパンチを使えば入れられる。このミニサイズのルーズリーフは、このバインダーが出てから使ってますね。このバインダーに合わせて、3つのタグが付いているやつは、これ専用かな。あとポケットもこれだけに付いているのかな。とにかく、いくつか売ってないやつが付いてる。ポケットとかは耐久性があって、長く使うからいいじゃん。でも、方眼の二重開きの紙があるのよ。
【きだて】ああ、はいはい。
【高畑】最初にセットされているやつだけ限定で付いているんだけど、「売ってくれよ」って思いません?
【きだて】2つ折りのやつって、売ってないんだっけ?
【高畑】これ、売ってなかったと思う。
【きだて】うーん、イベントのルーズリーフバイキングで見たような記憶もあるんだけど。
【高畑】バイキングだから出してるんじゃない。
【他故】ああ、通常は売ってないんだね。
【高畑】ないと思う。方眼で開いて使えるというやつで。
【きだて】「ガントチャート書きましょう」的なやつだろ。
【高畑】そうそう。小さいから、書き込むときに横に伸びてくれたらうれしいじゃん。
【他故】うん、そうだね。
【高畑】それが売ってないんだよね。「売ってよ」っていう(笑)。
【きだて】そうか、ないのか。
――じゃあ、「文具女子博」とかに行って、マルマンブースのルーズリーフバイキングで手に入れるしかないんですね。
【高畑】バイキングでもうこればっかり、詰められるだけ詰めて。
【他故】ははは(笑)。
【きだて】ルーズリーフミニがこれだけ種類出てるのに、売ってないのか。
【他故】今ホームページを見ているけど、確かにないね。
【高畑】ないでしょ。あと、小っちゃいから、確かに「図案シリーズ」のバインダーに画用紙のリーフを入れたらカッコいいんだけど、保たないから。画用紙とかクロッキーを入れてちょっと絵を描くのに、こっちの表紙の方がいいぜって俺は思う。これはおすすめです。
――はい。
【高畑】今、ルーズリーフバインダーのA4やB5とかをそんなにいっぱい使うかというと、どうしようかなというのがあるんだけど、この小さいサイズはマルマンしかないし、マルマンがこれだけ種類を作ってるから、ここを活かしていきたいよねと思うんだよ。
【他故】それは分かるね。
【高畑】あと、ネット限定で、これのリングだけすごいでかいやつが出たの知ってる? 径のでかいリングが3連のやつが出てるんだけど、多分手で溶接していると思う。
【きだて・他故】へぇ~。
【高畑】単語帳のリングを3つ溶接しましたみたいなやつ。
【他故】ああ、それはホームページに載ってるわ。「ストレージリング ミニサイズ」ってやつ。すごいなこれ、初めて見た。
【高畑】これ、実物を見てないけど、多分、単語帳を3つくっつけてるんだよ。真ん中の棒がつながってるんだよね。
【他故】うん、つながってるね(笑)。
【高畑】そういう不思議なアイテムがあるんだけど、これはストレージ用かな。普段使うには弱そうなので。
【他故】そうなると「ジウリス」だね。
【高畑】「ジウリス」は、表紙も合皮でしっかりしているし、ゴムも付いているし。これは使い勝手がいいので、ルーズリーフミニを使うんだったらこれしか選択肢はないと俺は思ってるんですよ。
【他故】うん。
【高畑】かわいいとかはまた別だけど、これは大人が使えるのが揃ってるのでいいよ。B5のルーズリーフを今さら使うでもないしなという大人の人は、ここから入ればアリだろうし。あと、これだと画用紙とかもいけるから、外へ行ってのお絵描きも、この帳面ならアリだな。
【他故】そうだね。
【高畑】外せる画用紙的な。ちょうどいい大きさだし。
【他故】僕もクロッキーのやつを家で使ってるけど、確かに持ち歩かないからな。
【高畑】カバンに入れるとヨレヨレになっちゃうんだよ。あと水を吸うし。それができるようになると、あとはコレクションノート的な使い方ができるじゃん。いわゆる、インクコレクション帳みたいに使ってもいいし。
【他故】持ち歩いて見せるときには、そっちの方が絶対いいよね。
【高畑】そういう使い方ができるし、人によってはパスワードブックに使えると思ってるので。
【きだて】ああ。
【高畑】1枚1点で、パスワードとか大事なメモを書いておくけど、更新したりするじゃん。そういうときに差し替えができるし、要らなくなったら捨てたりできるから。そういうコレクション系とか、順番入れ替える系でちょっとしたことを書くとか、ルーズリーフミニの使い勝手を広げていこうキャンペーン的にやっていこうかなと。まあ、一つひとつは、他故さんがやっている情報カード的な立ち位置かな、俺的には。昔だったら、5×3カードにやることリストなんかを書いてやり終わったら抜くというのを、綴じられればいいかな。
【他故】何かいいな。俺はモノを見ただけでまだ買ってないので、もう1回見に行って色を決めてみようかな。
【高畑】この紙を気に入ってるんだったら、これはアリだと思う。
【他故】そうそう、元々この大きさのクロッキーを使ってるので。メモにも使うし、絵も描くし、すごい便利だと思ってるので。バインダーは確かに、これは持ち歩けないなと思ってたので、「ジウリス」をいつかは欲しいと思ってたので、改めて見に行こうかな。
【高畑】なので、これは現物を見てみて使ってみてもいいかなと思う。ストレージとしては、安いバインダーでもいいと思うけど、持ち運びにはこれぐらいしっかりしたやつがいいかな。
【他故】そうね。
【きだて】ミニのバインダーに関して言うと、「セプトクルール」のミニバインダーが、やたら表紙がでかくて、個人的に苦手だったんだよ。
【高畑】「セプトクルール」ってPPバインダーだっけ?
【きだて】そうそう。「ジウリス」ぐらいスッキリした感じだなら、使ってもいいかなという気になる。「セプトクルール」のミニバインダーが苦手で、ルーズリーフミニに興味を失ったから。
【他故】ああ、そうなのか。
【高畑】今「セプトクルール」を検索してみたけど、でかいね。
【きだて】紙より一まわり以上でかいじゃん。その気持ち悪さがすごくあって。
【高畑】外から透けて見える紙がちっちゃいよね。「ジウリス」だったら気にならないよ。
【きだて】「セプトクルール」じゃなかったら、紙のバインダーぐらいしかいいのがなくて。だから、「ジウリス、そうか」と思って。
【高畑】今、色々と種類が増えてきてるじゃん。用紙の種類は増えてるんだよ。なかなか楽しそうだけどね。だから、ガワ一択なんだよ。2,000円ぐらいだから、割とするんだけどね。
【きだて】まあ、高級ラインの「ジウリス」だからなあ。
【高畑】表裏ちゃんと縫製してあるから、その分高いんだけど、まあ他の選択肢はないなと思ってるので。
【きだて】我々はマルマンのイベントにお呼ばれすることあるじゃない。行くと「ルーズリーフバイキングやってってくださいよ」って言われるから、ルーズリーフミニの用紙だけしこたまあるんだよな。
【他故】ははは(笑)。分かるよ。
【きだて】貯まってるから、使いたいという気持ちはあったんだけど。
【高畑】そんなに用紙が余ってるんだったらぜひ、という感じです。
【きだて】そろそろ、俺も導入してみるべきだな。
【高畑】まあ、1回使ってみてもいいかな。ちょっとメモ的に使うのもアリだし。
――でも、これはデザインとか色使い的に女性を意識してるんですかね。
【高畑】意識してると思いますよ。でも、そんなに嫌らしくないよ。男性が持ったからってどうってことない、中性的なカラーが多いんじゃない。
【他故】そうね。今回のやつは特にそうだね。ディープブラウンにブルー、ベージュ、ライトピンクだってそんなにベタベタした色じゃないしね。
【高畑】そうそう。男性でも普通に持ちやすい感じ。
【他故】うん。全然いいっすよ。
【高畑】黒はないんだけど、それはそれでいいかな。僕としては、ミニに関してはこれ一択。「やっと出た」という感じで。
【きだて】ピンクいいな。
【他故】いい色だよね。
【きだて】今開いているサイトで「働く女性向けのバインダー」って書いてあるな。
【他故】はっきり言っちゃってるか。
【高畑】今はジェンダー問題があるから、言い方が難しいんだけどね。黒っぽい色があるでしょ。
【きだて】ディープブラウンって言ってる。
【他故】ディープブラウンで紫のゴムになってるやつね。
【高畑】どれでもいけるぜ、っていう感じがする。
【他故】全然いけるよ。
【高畑】これのもうちょい安いバージョンを出してくれてもいいかな。この金具でもうちょっとカジュアルめの表紙があってもいいね。
――ルーズリーフワイド以外に何を入れてるんですか?
【高畑】普通の横罫のを入れて使ってます。入れ替えはできるから、飽きたら別のものを入れてもいいと思ってます。あと、自分で罫線を印刷してもいいからね。
【他故】そうね。
【高畑】マルマンは紙が良いからね。マルマンの筆記用紙だから。
【他故】MPSだね。
【高畑】だから、ルーズリーフも書き心地いいなという感じはするよね。いいっすよ。
――とりあえず、他故さんときだてさんは「ジウリス」を買うということで(笑)。
【きだて】まあ買うね。
【他故】買いますよ。
*次回は「まずコレ!ふせん」を紹介します。
プロフィール
きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/
他故 壁氏(たこ かべうじ)
文房具トークユニット〈ブング・ジャム〉のツッコミ担当。文房具マニアではあるが蒐集家ではないので、博物館を作るほどの文房具は持ち合わせていない。好きなジャンルは筆記具全般、5×3カードとA5サイズノート。二児の父親。使わない文房具を子供たちに譲るのが得意。ラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」が好評放送中。ラジオで共演しているふじいなおみさんとのユニット「たこなお文具堂」の著書『文房具屋さん大賞PRESENTS こども文房具 2022』が発売中。
たこぶろぐhttp://powertac.blog.shinobi.jp/
「ブング・ジャムの文具放談 特別編・完全収録版~『ブング・ジャム的Bun2大賞』ベスト文具を決定!~」〈前編・後編〉と「ブング・ジャムの文具放談・完全収録版~2020年Bun2大賞を斬る!~」〈前編・後編〉をコンテンツプラットフォームnoteで公開中。
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