1. 連載企画
  2. 【連載】月刊ブング・ジャム Vol.59 ブング・ジャムの2022年初文具(その2)

【連載】月刊ブング・ジャム Vol.59 ブング・ジャムの2022年初文具(その2)

文具のとびら編集部

本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は、ブング・ジャムのみなさんが2022年になって初めて買った文房具を紹介してもらいました。

第2回目はきだてさんの「ジェットストリーム 新3色ボールペン」です。

写真右からきだてさん、他故さん、高畑編集長*2021年11月9日撮影
*鼎談は2022年1月25日にリモートで行われました。

黒のみ後端ノック採用した斬新な3色ボールペン

『ジェットストリーム 新3色ボールペン』を楽天でチェック

『ジェットストリーム 新3色ボールペン』をAmazonでチェック

――次はきだてさんお願いします。

【きだて】それに対して、俺は「あ、買うの忘れてた」というので、正月早々ネットで注文して買ったというだけなんだけど。何も、時事性とかはないんですよ。

【他故】ははは(笑)。

【高畑】買うの忘れてたというのは、新製品が出て「触ってみなきゃ」と思ってたけど、買ってなかったみたいな。

【きだて】そう。面白そうだから記事化しようとは思ってたんだけど、仕事が建て込んで買い物に行けてなくて。それでハッと思い出して注文して、正月早々届いたのが「ジェットストリーム新3色ボールペン」。

【他故】はいはい。

【高畑】これね(笑)。

【きだて】これね、面白いよね。

【高畑】面白い、面白い。

【きだて】発想としてはすごく正しいのよ。黒のノックボタン+スライドノック2色という3色ボールペンは。

【高畑】黒を出すのに、スライドノックじゃなくて、一番押しやすいところに黒だけ優先させたという。

【他故】そうそう。

【きだて】結局さ、多色のスライドノックで黒を出したいときって、何だかんだでスライドの場所を目視するじゃない。

【他故】まあ、見るしかないよね。

【高畑】向きがね。

【きだて】「慣れれば見なくてもいけますよ」とは言うけど、結局見るんだよ。

【他故】ははは(笑)。見るよ。

【きだて】3色の中で一番使うのは、やっぱり黒じゃない。

【他故】多分そうだね。

【きだて】それなら、黒が最も出やすいようにしておくのは当然中の当然の話だよね、と。

【高畑】うん。

【きだて】見なくて押せるように、スライドノックのノブのかたちを変えたやつは今までにもあったんだけど。

【高畑】ちょっと大きいとかね。

【きだて】だけど、スライドノックじゃなくて単色用のノックボタンにしちゃうのは思い切ったね、三菱。

【高畑】分かるよ(笑)。

【他故】これがまた、出っ張ったところが細い棒だっていうのがね(笑)。

2.jpg【高畑】本体が角張ってるから、おみくじみたいに見える。

【他故】そう、おみくじの棒だよ。

【高畑】ガラガラって出てくるやつ。あれだよ(笑)。

【きだて】で、しばらくカチャカチャ遊んでたんだけど、ある時ふと「あれっ、黒用のノックボタンと赤・青のスライドノックがちゃんと同期してる」っていうのに気が付いて。これビックリするよね。

【高畑】そうそう、そこね。

【きだて】これ、どういう仕組みなの? 分解してもよく分からなかったんだけど。

【高畑】これは、黒のところだけ回転子が入っていて、いわゆるノック式のボールペンがここに入ってるので。

【きだて】だよね。それがどうやってスライドノックの方に干渉してんのかなと思って。

【高畑】ノック式ボールペンのノックが出てくるときに、その横にツメが出てて。スライドノックって、出し入れするときに、反対側のやつが真ん中を押し出すことによって戻すんだよ。その真ん中を押し出すところは、ノックが移動したときに、ツメで押し出すんだよ。

【きだて】ツメでやってるのか。

【高畑】黒が出る前に他の芯が出ている場合は、黒が出ようとすると、出ている出っ張りが他のやつを外に押し出すので、それで解除されてガチャンと戻るようになってる。その仕組みは一緒なんだけど、無理くりこっちに回転子を入れちゃったので、中心というか、でかい丸と小さい丸の二つが付いているみたいな構成になってるんだよね。それが動くためには、実はいろんな仕掛けが入っていて、辻褄を合わせるためのパーツが入っているんだけど。

【きだて】そこを切ったりして見てたんだけどさ、「ん!?」みたいな感じでよく分からなくて。

【高畑】これは面白いよ。僕は、そこのところをあれこれ言いながら理屈っぽい話をすると、それが30分、1時間くらいの話になるけど。

【他故】ははは(笑)。

【高畑】基本的には、黒のところだけノック式のボールペンを入れてあるので、その分太くなってるという状態ではあるんだよね。でも、よくこんなの作ったよね。

【他故】ああ、すごいよね。

【きだて】とはいえ太さ的には、3色ボールペンってこんなもんでしょうよ。最近のパイロットの多色が特に細すぎるだけで。

【他故】別に普通だよ、普通。

【高畑】上手いこと入ったなという感じだよ。三菱ってさ、どうにかして無理くりメカを作るの好きだよね。

【他故】うん、好きだよね。すげー面白い。

【高畑】仕掛けとして、非常にユニークな作り方をしているのがね。しかも、ノックのストロークが、この長さだと回転子が起動しないので、この押す長さに対してノックの動く距離を倍化するために、別回転子が中にもう1個入ってるんだよ。だから、ここを1押したときに、1.5ぐらいにする回転子がもう1個入ってるんだよ。

【きだて】あっ、そうそれ!あの回転子なに?って思ってて。

【高畑】ここにもう1個回転子が入ってたでしょ。あの回転子は、このストロークをビュンて伸ばすための、「伸びろ如意棒」みたいなパーツなんだよ。

【きだて】そうか、ギアの部分で稼ぐための回転子だったのか。

【高畑】そうそう、あの回転子は他のとリンクしてないんだよ。何故あんなものがあるかというと、このストロークを1.5倍かもうちょっとぐらいに伸ばすために、あれがキュッて回るんだよ。

【他故】へぇ~。

【きだて】ようやく今、頭の中でハマった。なるほど、そういうことか。

【高畑】そうそう、そういうものなんだよ。

【きだて】でもさ、そういうことに興味がなければ、ごく当たり前のものとして受け取っちゃうんじゃない?

【高畑】そうだよ。ユーザーはそれを知らなくても全然いいから。

【きだて】全然いいし、メリットしかない状態で使えるのはすごくいい。

【他故】面白いよね。

【きだて】それでちょっと感心しちゃったというのがあったのと、あとはリフィルが新しくなりましたという。

3.jpg【高畑】1.7倍ってすごくない?

【きだて】70%アップというのは、リフィルの壁を薄くするだけでそんなに入るの?

【他故】だから、入るんじゃね。壁が分厚かったんだよね。

【きだて】ねえ。それは、今まではわざと減らしてたの? というぐらいの量じゃない(笑)。

【高畑】大きい円だとそうだけど、中に入るリフィルぐらいにまで細くするとさ。ほらあるじゃない、Illustratorで作った丸を縮小したときに、線の太さを変わらないやつで縮小すると、何か埋まっちゃう感じがあるじゃん。

【きだて】「線幅と効果も拡大」にもチェック入れとけよっていう。

【高畑】そう、それそれ。多分そうだよ(笑)。でも、リフィル作り始めたのってかなり昔だから、当時は難しかったんじゃないの。

【きだて】う~ん、やっぱそうなのかね。

【他故】だろうね。

【高畑】それができるようになって。でも、後ろから押さないといけないから、わざわざ後ろに栓がしてある。

【きだて】そうそう。

【高畑】だから、全部太いんじゃなくて、後ろの端っこだけまた細くなってる。だからあれは、単純にパイプを切っただけじゃ作れないんだよ。後ろをもう一回細くしてるから、あれは成型品か何かだと思うんだよね。

【きだて】なかなかに手の込んだ作りをしてて。

【高畑】めっちゃ手が込んでるけど、黒が70%増やせるんだったら、赤とか青とかも増やせよって(笑)。

【きだて】でも、この本体自体が、黒を使いやすいボールペンにしているわけだから、平仄は合うんだよね。

【高畑】まあ、それはそうだよ。

【きだて】黒が使いやすいペン+黒が70%増えましたというのは、マッチングは間違いないわけじゃない。その辺がね、「なるほどなぁ」っていう。

【高畑】多分、プラスチック削減と交換頻度を下げることでSDGsとか言いたいわけでしょ。

【他故】そうそう。

【きだて】だって、リフィルの壁薄くしただけで「プラスチックの使用量を30%減らしました」と言ってるじゃん。

【高畑】率で言うか、量で言うかの問題があるじゃん。

【他故】まあね。

――これ、パッケージも紙製になったんですよ。

【他故】ああ、そうですね。

【きだて】まあ、アピールしたい気持ちは分かるんだけど。

【高畑】だって、三菱すごいじゃん。まだ出てないけど、リフィルを紙で作るんでしょ。

【他故】ああ、前にニュースで出てたね。

【きだて】あれはいつ出るんだろう? だいぶ前から言ってたよね。

【高畑】まだ具体的な商品にはなってないんじゃない。

【きだて】去年の秋ぐらいに言っていたような気がするんだけど。

――開発に成功したというリリースを秋に出してるんですね。

【高畑】技術的にはできるようになったけど、それを落とし込んだ商品の発売はまだのはず。

【きだて】ということか。

【高畑】そういう意味では、三菱鉛筆はSDGsに熱心に取り組んでいる会社だね。

【きだて】そうだね。ボールペン軸も石の粉で作ってたし。

【他故】あったね。「ライメックス」か。

【きだて】ああ、そうそう。俺はそういうのにはほんと興味ないんですけども。

【高畑】一般ユーザーからしたらそうだよ。でも、新素材の開発は、「アルファゲル」もそうだったし、「シグノ307」もセルロースナノファイバーだし。

【他故】ああ、そうだね。

【高畑】そういうのが好きなんだよ。新しい材料を使って新しいことをするのが。そういうのをやりたいんじゃない。

【きだて】まあね。

【高畑】めっちゃトリッキーなことしてるんだけど、できあがったペンは地味くない?

【他故】ふふふ(苦笑)。

――わざとこのデザインにしてるんじゃないですか?

【高畑】言ったら悪いけど、ごく普通の、おっさんが使うようなペンに仕上がってるじゃん。

【きだて】この1年前に、「ジェットストリームエッジ3」を出したのと同じメーカーの3色ペンとは思えないじゃない。

【高畑】そう、そこそこ。「エッジ3」のスポーツカーみたいなデザインに対して、この軽トラみたいなデザインで。逆に言えば、恐くないというか、実用として普通にガシガシ使ってちょうだいという感じをすごく受けるんだけど。

【きだて】うん。結局のところモノとしても、安定のジェットストリームがそのまま書けますよというだけの話なので、何の目新しいこともなく。

【高畑】でも今回は、ジェットストリームのジェットストリーム感すらそぎ落としている感じがするというか、すごい「ジェットストリームですよ」という雰囲気を出してない。

【きだて】元々ジェットストリームの多色が、そんなに特殊なことをやってたかというと、そういうわけでもないじゃない。

【高畑】まあ、そうだけどもね。とはいえ、ロゴマークは刻印で入れるとか割とシンプルにはなってて、悪くはないと思うけど、最近のシュッとした系ではなくて、割と無骨なところにきてるのは、普通に使いたい人に普通に使わせたい感じはするね。

【きだて】完全に、日常筆記具として良いものを出しましたよ、という雰囲気はするんだよね。

【他故】そうだろうね。

【きだて】「美味しいお米です」という感じで。

【他故】美味しいお米(笑)。

【きだて】「食べ飽きないお米と味噌汁のセットです」みたいな。感覚的にはそうだよね。

【高畑】そうだと思う。普通に作業している人が、「これインクなくなりにくくていいね」ぐらいの感じで使う。

【他故】そうね。

【高畑】医療従事者の人が、「黒インクだけすぐなくなる」と言うから、看護師とかそういう人が使うのには割といいと思う。

【他故】クリップが折れにくくなったのもいいよね。

【きだて】そう、中に金属が入ってね。だから、こまごまと良いんだよね。

4.jpg【他故】そう、こまごまと良いんだよ。

【高畑】道具としてちゃんとしてるよね。

【他故】そうそう。

【高畑】だから、多分これは道具なんだよ。すごい道具。

【きだて】この細々とした良さは、逆にパイロットくさいというか。

【他故】でも、パイロットはこういうこだわり方をしないよ。

【きだて】えー、どうだろう。最近の三菱の雰囲気からすると、ちょっと珍しい気がするんだけどね。

【高畑】そうだね。

【きだて】こんな地にしっかり足が着いたものを作ってたっけ? っていう。

【他故】ほめてるのかけなしてるのか、どっちなんだよ(苦笑)。

【きだて】だめだな、これも三菱に怒られるやつだな(苦笑)。

【高畑】今までのは、「すごいぞ」というのが、かたちからも色からもドーンと分かるような感じがしてたけど。

【きだて】ケレン味が抜けないというか、「すごいぞ」というアピールがあったんだけど、これ「すごいぞ」アピールはゼロじゃん。

【高畑】「言われなくてもちゃんとしてるわ」っていう職人気質な感じじゃない。別に飾ってはいないけど、ちゃんとしてるしみたいな。何か、ごく普通にいいよねっていう。

【きだて】だけど、使っていると、黒の出しやすさが完全に手に馴染むので、3色ボールペンとして使い始めると、他のは使えなくなると思うんだよね。

【他故】便利過ぎてね。

【高畑】スライドが気持ち悪いと言ってね。

【きだて】スライドノックを確認する日々に戻るのかといったら嫌だもの。

【他故】ははは(笑)。

【高畑】これは、俺のクセの問題だけど、ペンにノックがあると、体に当てて芯を出すんだよ。

【きだて】はいはい、そういえば前から言ってたな。

【高畑】自分の胸とかに当てて出すんだよ。というのが、これはできるんだよ。

【きだて】そうかそうか(笑)。

【高畑】「フレフレ」と同じで自分のクセがあって、ノックを胸に当てて出すというのができるので、そこが俺は割と好きなんだよ。

【きだて】文具王としては、これの4色タイプが出てほしいという話なのか。

【高畑】ああそうね。それか、黒のところに青を入れて、青のところに緑を入れるみたいな感じ。俺はいつも3色あればいけるんだけど、黒じゃなくて青と緑を使うので。

【他故】このかたちで4色って想像つかないんだけど、どういうレイアウトになるのよ?

【きだて】ちょっと無理かな。

【高畑】ちょっと難しいんじゃない。多分、真ん中に外れて二つというこの三角のかたちだから入りやすいんじゃない。

【きだて】うん。

【高畑】このレイアウトも、上手に作ったと思うんだよね。このスライダーがギリギリ入って、角度が合ってるんだか間違ってるんだか分からない。ちょっとナナメってるんだよ。

【きだて】ギリッギリの詰め込み方してるんだなと思うよ。

【他故】これ、面白いよね。

【高畑】シビアなことを言うと、このノックノブが円に対して中心から真上に出てないんだよ。ちょっとナナメってるんだよ。

【他故】そうそう。出てない。

【高畑】ここら辺が、機構上ナナメになりましたという感じなんだよ。ギリギリごまかしているような感じが面白い(笑)。

【きだて】これ多分、中心に角度を向けようとすると、クリップとかと干渉したりするんだろうな。

【高畑】そうそう、そういうこと。

【他故】そういうのがあるんだろうな。

【きだて】結構ね、無茶な造りをしているのは分かるんだけど、そういうのに興味がない人には、全然普通に使える便利なペンなわけじゃない。

【高畑】そうそう。

【きだて】すごいのを分かってあげた上で使ってほしいな。

【他故】「本当はすごいよ」というね(笑)。

【きだて】このノックまわりのすごさを分かった上で買ってあげてという。

【高畑】これで500円だしね。このクリップは、三菱がちょっと高級系なやつに使ってる方式のだったりするよね。これで500円なので、いいかたちになったなという気はするな。

【きだて】ただひとつ、グリップだけは好みじゃない。すべるやつだから。

【高畑】そこか~、そこな。

【他故】このラバーじゃダメかい?

【きだて】このラバーはダメなんだよ。

【高畑】ああキビシー、なるほど。

【他故】ふふふ(笑)。

【きだて】これも「プニュグリップ」案件にはなっちゃうんだけど、太いから入んないかもしれないな。

【高畑】プニュグリップ案件にしたら、だいぶ太いぜ。

【きだて】そこだけが難しいけど、あとはかなりすごいよ。このノックまわりだけでも結構惚れちゃったなという。

【高畑】いや、よくできてるよ。

【きだて】正月早々から、超音波カッターで切ったりしながら「えっ、どういうこと?」と色々と見て、楽しませてもらったので。

【高畑】これ、リフィルを横から見たときに、黒だけふちどりがないんだよね。

【他故】厚みがまったく見えない。

【高畑】いつもは外側の層があるので透明な部分があるんだけど、これは真っ黒に見えるんだよ。「お~」って思って。

【きだて】黒い棒に見えちゃう。

【高畑】70%オンってすごいよね。

【きだて】これは、本当に70%も増えてるのか、重量を量っても分からないじゃない。

【高畑】重量とかじゃ全然分からないよ。単純に、内径とかで計算するしかないね。内径もめっちゃ微妙なので、ノギスじゃなくて、その直径のゲージはめて探すしかない。でも、壁1枚の厚みで、それぐらい変わるんだね。面白い。

【きだて】そんな感じで、正月から楽しませてもらったボールペンでした。

――今までのジェットストリームの3色ペンより100円高いんですね。

【きだて】あれ、そうですか?

【高畑】普通のは400円だっけ?

【他故】ああそうか400円か。そうだね、そうそう。

――だから、新機構代がプラス100円なんですかね。

【きだて】だって、使いやすいんだから、100円ぐらい余裕で払うよ。

【他故】3色ボールペンは、元々500円でいいんですよ。

【きだて】まあね。

【高畑】そうね、それはそう思う。

――「ジュースアップ」の3色ペンが500円ですものね。

【他故】そう。単色1本150円だから、3本掛け合わせると450円なんで、メーカーはちょっと安くするんですけど、そこは全然関係ないと思うんですよね。

【きだて】関係ないね。

【高畑】むしろ、3本が1本になって便利になってるんだからと思うよね。

【他故】そうそう。

【きだて】「バネも増えてるんで」とかの言い訳でいいから、何とか高くしろよっていう。

【他故】500円でいいんですよ。

【高畑】本当にいいと思う。

――今後は、こっちの新3色ペンを押し出していくんじゃないですか。

【高畑】三菱鉛筆が、今後どこをスタンダードにしていくかだけど、本当にスタンダードになるかというと、まだちょっとキワモノ過ぎる感じがするんだよね。ただ、リフィルは変わっていってほしいなと思うよね。

【他故】そうだね。

【きだて】このリフィルが流通するんだったらこのかたち、という気がするんだけどな。

【高畑】それだったら、「赤も増やせよ」って言われるじゃん。普通に考えたら。

【きだて】う~ん。

【高畑】俺的には、エボルタの乾電池が出たときみたいなんだよ。もちろん、前のと同じ値段で入れ替えろとは言わないけど、ワングレード高いやつで、普通のアルカリ電池に対してエボルタみたいな位置付けで出てくれればいいかなと思うので。

*次回は「ロディアオーガナイザー」です。

プロフィール

きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/

他故 壁氏(たこ かべうじ)
文房具トークユニット〈ブング・ジャム〉のツッコミ担当。文房具マニアではあるが蒐集家ではないので、博物館を作るほどの文房具は持ち合わせていない。好きなジャンルは筆記具全般、5×3カードとA5サイズノート。二児の父親。使わない文房具を子供たちに譲るのが得意。ラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」が好評放送中。
たこぶろぐhttp://powertac.blog.shinobi.jp/


「ブング・ジャムの文具放談 特別編・完全収録版~『ブング・ジャム的Bun2大賞』ベスト文具を決定!~」〈前編・後編〉と「ブング・ジャムの文具放談・完全収録版~2020年Bun2大賞を斬る!~」〈前編・後編〉をコンテンツプラットフォームnoteで公開中。

【文具のとびら】が気に入ったらいいね!しよう