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【連載】月刊ブング・ジャム Vol.44 デスク周りが映える!? 個性派小物系文具大集合!(その3)

本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は注目の小物系最新文具を紹介します。

第3回目はプラスの「チームデミ」です。

写真左から高畑編集長、他故さん、きだてさん) *2020年月25日撮影
*今回の鼎談は10月26日にリモートで行いました。

あの大ヒット文具が復活!!

デミ0.jpgチームデミ」(プラス) 1984年に発売され、累計約650万個を売り上げた大ヒット商品が復活。デジタル化が進む中、文具のワクワク感を広く届けるため、思わず手に取りたくなる文具をめざして生まれ変わった。8つのアイテム(はさみ、メンディングテープ、液体のり、カッター、メジャー、ホッチキス、SIMカード交換用ピン、定規)をコンパクトなケースに収納したステーショナリーセットで、実用性と心地よさを両立するため、マグネットを用いた収納方法を採用。ケースやアイテムに埋め込んだマグネットにより、ケースに吸い込まれるようにぴたっと収まり、出し入れも簡単で快適に使用することが可能。本体カラーはしろ・さくら・こん・ねずの全 4色で、価格は税抜6,000円。

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――最後は「チームデミ」です。引き続き磁石ものです(笑)。

【きだて】36年前の「チーム デミ」こそが、世界で最も売れたイロモノ文具だと思うんだけど、どうかね?

【高畑】きだてさん的には、イロモノ文具なわけね。

【他故】イロモノなんだ。

【きだて】えっ、逆にいうとこれ実用? あえて問うけど、これ実用として使うか?

【高畑】やっぱ、そこだよね。

【きだて】「チームデミ」の元になった「デミタス」もさ、ステープラーがここまで小さくなるメリットって基本的にないわけじゃん。持ち運びがしやすい以上のメリットが何もないじゃない。

【高畑】持ち運びしやすいじゃないですか。

【きだて】それはどちらかといえば折りたたみ機構とかで実現すべきことであって、こんなかわいい小ささにする必要なくない?

【高畑】いや、その頃は折りたたみのいいのもなかったんじゃない。

【きだて】まだなかったか。

【他故】そうだね。

【高畑】「デミタス」の良かったのは、小さいのにちゃんと綴じれてしまったところなんだよ。

【きだて】でも、50連の針を入れたらケツからはみ出すとかどうしようもないじゃん。

【高畑】はみ出してはいるけど、それをフロントからマグネットで引き寄せて打つという機構を思い付いたのがすごいし、あんなトリッキーなやり方で、1㎜でも短くしたいという想いがあるわけですよ。それはすごいなと思う。だって、10枚だけどちゃんと綴じられるじゃん。

【他故】うん、できる。

【きだて】綴じられるのはすごいけど、メーカーがそれで作ったとしようや。でも、世間の受け入れ方は、イロモノだったと思わない?

【高畑】あ~、僕は後継バージョンの「チームデミ・プラクティス」を使ってたんだけど、これは案外使えるものとして持っていたような気がするな。

【他故】僕も、これは実用品のかたまりとして持っていたけどね。

【きだて】マジで?

【高畑】それが全体的だったかというとそうでもないので、そこはきだてさんの言うことも分かるんだけどね。

【きだて】だってさ、もっとコンパクトに持ち運びたいんだったら、ケースの中の物を全部出して筆箱に入れた方が、よりコンパクトだと思うしさ。

【高畑】それはそうだね。

【きだて】だけど、あのケースの中に、コレクタブルな収納がされて嬉しいという、ある程度イロモノだったと思っているし、そういう意味で「記録的に売れたイロブン」としたいけどね。

【他故】なるほどね。

【高畑】いろんな要素がちょっとずつあって、みんなの言い訳をギュッと集めたところなんだよ、これは。文房具を持ち運ぶという言い訳をしたい人のかわいい物でもあるし、イロモノ文具を見せびらかしたい人の言い訳でもあるし。ちゃんと使える文房具だったというのが、いろんなことをみんなが投影できたからこそ広がったと思うんですよ。これが使えなかったら、ダメだったと思う。

【きだて】そりゃそうだと思う。こんなオモチャみたいだけど、でも実用!という驚きこそがキーなんだもの。

【高畑】ちゃんと使えたからこそ、これは大人の言い訳だったんだよ。大人が持ち運ぶ理由を、「これちゃんとホッチキス留められるよ。はさみもよく切れるじゃん」みたいな。それがイロブンと言われたらイロブンなのかな。

【きだて】うん。言い訳をしている時点でイロブンなんだけどね(笑)。

【高畑】そうかもしれないよね。

【きだて】便利なものだったら、言い訳は要らないんだから。

【他故】ははは(笑)。

【高畑】それを、別々で持った方が便利かもしれないけど。例えば、スナップオンのツールセットがあるじゃないですか。ケースの中にあらゆるレンチがピチッと並んでいて。ああいう工具ボックスってカッコいいじゃないですか。それで、使えないかというと、「バイクの整備に使ってます」という人は全然いるわけじゃないですか。あれを「別々で買ってきて引き出しに入れとけばいいでしょ」と言われればそれまでなんだけど、「揃ってれば見やすくていいよね」というのもなくはないし。最近思うのは、物があるべき場所をちゃんと示していることでなくならないということはあるわけですよ。なくなったらすぐ分かるし、「あれが足りない」というのもすぐ分かる。ペンケースに入れてても、「あれ、いつも使っているペンがない」とか、「はさみ持ってくるの忘れた」とかってあるじゃないですか。このセットがあるということは、全部揃っていることだし、一つでも欠けているとすぐに分かるし。トヨタの収納方式じゃないですけど、これ1個ある安心感の一つに、「全部ここにある」ということは、全部の機能がここにあることを証明しているので。その安心感はあるような気がするんだけどね。

【きだて】それは絶対あると思うよ。

【高畑】きだてさんの言い分もすごく分かる。「かわいいから欲しい」と確かに思ったよ。

【きだて】で、この新しい方がさ、昔の「チームデミ」リスペクトが溢れてるじゃない。

【高畑】まあ、そうだね。

【きだて】だから、昔の「チームデミ」好きだった身としては、新しいのも嬉しくなって、開けて見ているだけでニコニコしちゃうぐらい好きなんだけど。

【高畑】これは、言い方が悪いけど、当時の「チームデミ」があまりに良かったんだと思うんだよ。あまりにかわいらしくて、中に揃って入っていたものがちょうどよかったんだと思う。これって、デザインしたの深澤直人さんなわけだけど、日本を代表するプロダクトデザイナーをしても何もいじれなかったということじゃないか、これは。

【きだて】あ~なるほどね(笑)。

【他故】そうだね。

【高畑】だって、ほぼ一緒じゃない。もちろん、深澤さんのテイストは入っているし、マグネットを使うことによってヒンジが出ないとか、フラットな面を本当にフラットに作っているとか、すごく整えていると思うけど、本質的に36年前から1㎜も外に出てないと俺は思うんだよね。だって、かたちも一緒だし、大きさも一緒でしょ。

【きだて】そう。重ね合わせてもほぼ一緒。

デミ.jpg

1984年発売の「チームデミ」(右)と今回の新製品(左)

【高畑】やっぱすごかったんだなって思う。あの「チームデミ」で受けた衝撃っていうのは、未だに憶えているし。別物作るんだったらあれだけど、ちょっといじったら、多分「前の方がよかった」って言われたと思うよ(笑)。

【他故】多分そうだろうね。

【きだて】ぶっちゃけた話さ、「チームデミ・プラクティス」はともかくとして、「チームデミ・ミュゼ」なんかはもう「チームデミ」ではないじゃない。

【高畑】結局、あれはあれで頑張ったかもしれないけど、初代を超えるかたちにはならなくて。未だに思い出すのは初代の方であって、そっちは忘れられちゃったじゃないですか。

【きだて】そうだね。

【高畑】今回のは、初代をちゃんとトレースした上でアップグレードしているから、多分「初代の方がよかった」ではなくて、あれの後継版としてこれがあるんだよ。

【きだて】そうね。「現代版になったな」という捉え方をするね。

【他故】そうね。

【高畑】俺のイメージでは、フィアット500が新しくなって今のになった感じなんだけど。フィアット500って上手にリメイクされたかわいらしい昔のクルマで、新しい方もあんまり嫌みがなくて、上手く収まったなという感じはちょっとする。

【他故】うん。

【高畑】これは、出来として嫌いではないんだよ。もちろん、当時とはいろんなところで違いが出てきているけど。重さも2倍くらいあるし。やっぱり、持ち運ぶものではなくなったんだろうな。

【他故】そうだろうね。

【高畑】元は持ち運びを前提として作っていたんだろうけど、今は携帯するというのが現実的ではないのかな。

【きだて】そんな気はするね。あとは、このマグネットのヒンジがばらけやすいので。カバンの中で、パカッと開いてバラバラになっていることもあるんだよね。

【他故】ちょっと持ち歩きには恐いね。

【きだて】何でヒンジまでマグネットにしたかね?

【高畑】そこは、外側から見たときにフラットにしたかったんじゃない。

【きだて】内向きヒンジとかにできたんじゃないの?

【高畑】ここにスキマを一切つくらない。内ヒンジにしてもさ、「ここにヒンジが付いてますよ」となるから。それが嫌だったんじゃない。そこが深澤さんのこだわりなんだよ。

【きだて】そこは実用品としてのプライドを持てよ。

【高畑】だから、これは持ち運びじゃなくて、お道具箱なんだけど、多分お重みたいなものなんだよ。僕らは、すごいごついカッターとか持っているわけじゃないですか。カッターにしてもはさみにしても、これよりもっと良いものを持っているでしょ。それを言うときだてさんが「それでも実用か」と言うかもしれないけど、家にそういう道具が全然ない家もあるんだよ。

【他故】あるだろうね。

【高畑】書斎とかに、これ1個置いておけばいいでしょ、という人も多分いると思うんだよ。悲しいのは、文具好きな人はこれを持たなくてもいいんだよ。

(一同爆笑)

【きだて】ああ、そうな(笑)。

【他故】そうだ(笑)。

【高畑】俺らはこれがなくてもいいんだよ。すごいおしゃれな、何もないきれいな机の書斎があって、そこにはノートパソコンが1台置いてあってというところに、ゴチャゴチャ文房具を置きたくないじゃんみたいな人も、これぐらいだったら置いておけるんじゃないかぐらいの。

【きだて】まあ、ミニマリスト的な部分に合うのかね?

【他故】でも、それは分かる気がするけどな。

【きだて】ミニマリストが持つには、ちょっとおもちゃっぽい気もするけどな。

【他故】そうかな。充分きれいだと思うけどな。

【高畑】あの救急セットの小さいやつもこんなものだと思うし、すごいヘビーな用件は満たせないけど、ちょっとした何かのときに使えて一通り揃っていますという、小さいドライバーとラジオペンチとかが入っている小さい工具セットがあったりするじゃない。ああいうものと同じノリなんじゃないかな。言ったらなんだけど、無印良品のお店に並んでて、「これ1個あったら」と言われたら「ああそうか」と思ってしまうというところが、深澤さんらしいという気がしないでもない。

【きだて】深澤直人っぽさも含めて、無印は合うな(笑)。

【高畑】そういう意味でいくと、ガッツリ何かを用意するんじゃなくて、「これあったらよかったね」という感じにはできるのかなと思うし。あとは、贈り物をするときに、何を送るかで困るじゃないですか。そういうときに、あんまりジャマにもならないけど、割と高級感もあって、もらった人が困らないものとして、この文房具セットというのはあるような気がするんだよね。これは、ギフトとしてすごく優秀だと思うし。

【きだて】これ、値段6,000円だっけ?

【他故】そう6,000円。

【高畑】これも絶妙なラインで、6,000円という価格帯の商品でちょうどいいものと考えたら、「万年筆は使わないじゃん」と思うじゃないですか。相手が分かっていれば万年筆でもいいかもしれないけど。それに万年筆だって、金ペンのちゃんとしたやつだと1万円超えちゃうし。6,000円って高そうな感じがしているけど、これだけ文房具が入っててこの状態で6,000円だから、手頃っちゃ手頃なのよね。

【きだて】そうなんだけどさ、それを思うと、初代はいくらだっけ?

【他故】2,800円じゃなかったっけ?

【きだて】しかも、バブル直前の頃の2,800円だからさ、今よりもみんな金を持っていた頃の2,800円だぜ。

【高畑】だから、湯水のように650万個だよ。それは当時、ノベルティにすごい使えたんだよね。

【きだて】めちゃめちゃ見たものな。番組名がここに入っている「チームデミ」。

【他故】あ~そうそう。俺が持っているやつも、ここに「静岡新聞」って書いてある(笑)。

【高畑】だから、きだてさんが豊洲にマンションを買えばいいんだよ。そうすればこういうのが付いてくるよ。

【他故】あははは(笑)。

【高畑】「何とかレジデンス」とか書いてあるやつがもらえるんだよ。

【他故】クルマの成約とかすればもらえそうだよね。

【きだて】初代は、カーディーラーでも配ってたよね。

【他故】そう、ちょうどいい感じだよ。

【高畑】世の中二極化してるじゃないですか。バブルの頃は、誰でも無駄遣いの時代だったんですよ。それはそれでアリだったんだけど、今は「質のいい物は高くてもちゃんとしましょう」と、「ムダにお金をかけるのは嫌です」との両極端になっているから、絶対上側の話だと思うんですよ。

【他故】そうだね。

【高畑】コスパ云々は別の話で、「ちゃんとしたものを持ちたいね」というところで。「セットでこれ1個あればいいや」というところに収めてきているので、今出てくるとしたらこのかたちなのかなと思うね。

【きだて】ちなみに、今回のこのセットの中で、どれが一番好き?

【他故】難しいこと訊くね(苦笑)。

【きだて】俺は、とりあえずこれを手に入れてから、一番回数を使っているのがSIMピン。

デミ1.jpg【他故】ははは(笑)。

【高畑】SIMピンって何に使ってるの? そんなに入れ替えてる?

【きだて】SIMの入れ替えというよりは、リセットボタンを押すとか、細いところを突っつくのに、この頑丈さのあるピンがあるといいのよ。

【他故】分かる。

【きだて】ゼムクリップ曲げたやつよりかは頑丈じゃん。

【他故】そうだね。

【高畑】昔みたいに「フロッピーディスク出てこない」とかないけどね。

【きだて】イジェクトピンではないんだけど、このところこのSIMピンを一番使ってます。

【他故】ほぉ、そういう意味では便利なんだな。

【きだて】この中で、唯一の追加ツールじゃない。このSIMピンが。

【他故】まあ、そうだね。

【きだて】前の「チームデミ」に、特に意味もなく入ってたネームプレートが、ちゃんとツールになってるという面白さもあっって、結構嬉しがって使ってます。

【高畑】この中に入っているもので、物として好きなのは、どっちかというと定規なんだけど。この金属の枠で、カッター定規として使うかといったら、使わないんだけど、とにかくこれでマグネットに付けるというときに、ステンレスのカッター用のバーを使うという発想と、これをフタにするというのがね。

デミ2.jpg【きだて】そう、小物入れのフタなんだよね。

【高畑】ここは、アイデアとして「あ~、こういう風にしたのか」という感じで。前は、ツメが付いてて、そこにスライドで定規を入れてたんですよ。それが、パチッと付くようになったのは、「お~、そういう風にきたか」というのがあって、僕はこれが嫌いじゃないですね。

【きだて】ただね、この小物入れ、ゼムクリップ入れたら取り出せないよね。

【他故】そうか、マグネットでくっついちゃうか。

【高畑】そこに入れたらくっついて取れなくなる。

【きだて】何を入れていいのか、分かんなくなっちゃった(笑)。

【他故】前のときは、俺はここにいつもダルマピンを入れてて。この定規で円を描くときに使ってたんだけど、今回のは要らないものね。

【高畑】その機能がなくなったから。

【他故】俺が割と好きなのはのり。のりを常用しているわけじゃなくて、キャップのマグネットが異常に強くて、いろんなところにくっ付くのが面白いんだよ。単体で鉄にくっつくの。他のはみんなケース側に吸着でくっつくのに、これだけマグネットが入っていて、異常に強いんだよね。

デミ3.jpg【きだて】そう。これはフタでゼムクリップが拾えるんだよ。

【他故】あ~そうそう。落ちているホッチキスの針も拾えるんだよ。これ、ちょっと好き。

【高畑】使ってみると、メジャーなんか普通に使えていいなと思うんですよ。

デミ4.jpg【きだて】このメジャー気持ちいいんだよね。

【他故】これ、いいよね。

【高畑】出来はいいんだよ。このメジャーの、ツルッとした感じとか。

【きだて】このサイズのメジャーで、ちゃんとしたリールが入ってるやつって、そんなにないんだよね。

【高畑】他にもシュルって伸びるやつは持ってるんだけど、この動きが気持ちいい。

【きだて】安いやつだと、下に板バネを入れてこの弾力を出しているだけみたいなのが結構あるのよ。

【高畑】これ気持ちいいよね。

【他故】すごくいいよね。

【きだて】確実に戻って気持ちいい。

【他故】これよくできてる。

【高畑】あと、はさみなんかも普通によくできてるしな。

デミ5.jpg――これ、はさみはベルヌーイカーブ刃なんですよね。

【他故】そうですよ。

【高畑】はさみのアイコンそのままじゃないですか。これは普通にかわいいよね。スマホでカット&ペーストをするときに出てくるはさみだ。そういうかたちとして、このはさみは好き。ちょこっと切るぐらいなら、これで充分だし、悪くはないなと思うんですけど。

【きだて】そう思うと、ステープラーが、最初の「デミタス」の頃と比べると、大分普通だなと。

デミ6.jpg【高畑】普通だね。でも、小さい割には縦にちゃんと開いて、タマを替えるときに戻ってこないとかね。あと、閉めたときに一発目をムダにしないとか。

【他故】よくできてるよね。

【きだて】よくできてるんだけど、他のが色々と工夫しているのと比べると、それが見えづらい分なんかかわいそう。

【高畑】それはそうかもね。

【他故】でも、「デミタス」を復刻するのは、今回のコンセプトから全く外れちゃうわけだから、これはこれでよかったんじゃないかな。

【きだて】だと思うよ。「デミタス 深澤直人デザイン」ってどんなだと思うじゃん(笑)。

【他故】いやいや(苦笑)。

【高畑】よくエッジが立ってて、こんなスライド金型でよく作ってるなと思うんだけど。唯一言うとしたら、僕が気になったのは他故さんが言っていたのりなんだけど。テープのりのカッコいいのが入ってたらよかったのにと思う。

【他故】ああ、これだけね。

【高畑】水のりが形状的に一番収まるし、補充もできるからいいと思うんだよね。テープのりだと、詰替用のテープも作らないといけなくなるし、それをずっと売り続けないといけないとなると、難しいは難しいと思うんだけど、今道具として水のりというのが、そんなには使わないなと思ったりするので。

【他故】そういう意味では、この中で唯一古くなってしまった文房具かな。

【高畑】そういうことだね。他のものは未だに古びた感じはしないんだけど、水のりは強いて言うならそうだね。もちろん、容量も小さいし、これでも使えるんだろうけど。今は小型のテープのりも増えたじゃない。まあ、上手いことカッコよく入らなかったんだろうけど。

【きだて】逆にさ、のりの代わりにここに収まるテープのりを作ったら、今度はそれがスピンオフで売れそうな気がしない?

【高畑】あーそんな気もするけど。

【きだて】「デミタス」から「チームデミ」ができた。今度は、新「チームデミ」からテープのりができましたみたいな。

【高畑】なるほど。それは分かる気がする。

【きだて】そうすると、ストーリー的にきれいだなと思うけどね。

【高畑】これに入れておかしくないテープのりは欲しい気がする。位置的な部分もあると思うんだろうけど、このトーンに合うテープのりってまだないよね。

【他故】ないね。

【高畑】この中に入っているものが、パソコンのアイコンに見えるのは、「はさみといえばこう」とか「ホッチキスといえばこう」とか。もちろん、いろんな機能が広がってるんだけど、必要充分な機能が成熟しきったところにあるわけだよ。ほぼほぼ全部かたちが決まったということだよね。

――でも、いじっているだけで何か楽しいですよね。

【高畑】きだてさんが一時期集めてた、フィジェットキューブみたいな、大人のフィジェットキューブ的なところがあるじゃないですか。

【きだて】多分、文房具好きな人間が4、5人集まったら、いじりながら3時間ぐらい酒が飲めるじゃん。

【他故】ああ、できるね。

【きだて】「このエッジいいよね」とか「手触りいいよね」とか言いながら。

【高畑】何ですかね、おせち料理みたいに、一つの小さな箱の中にいろんな機能を詰めていくのが大好きなのか。これは国民性ですかね。

【他故】何だろうね。

【きだて】やっぱり日本人は幕の内弁当が大好きなんだよね。

【高畑】江戸時代の人が旅行するときに持っていた文房具セットあるじゃない。机の横を開けると、中からそろばんが出てくるとか。ああいう良さはあるし。

【きだて】詰め込みの美もあるし、ある意味これだけの配置って、枯山水とかの庭園の配置の美にもつながってるような気はするのよ。

【他故】そっちか~。

【きだて】その二つの意味で、日本人の美意識的には合うのかもしれないよ。

【高畑】そういう意味で洗練されたと思うのは、今回リデザインしたことによって、細かいところのアールとか、直線とかを1個ずつきれいに直したわけじゃない。それで統一感を持たせてあるので。今日はたまたま僕らはみんな白を持っているけど、この白いモデルを眺めていると、何かそういうところはあるよね。

【他故】あるね。

【高畑】それぞれの文房具を象徴するものとして、はさみやのり、ホッチキスというのを、究極ここまで洗練すれば必要充分というかたちをつくった気はしていて、それが枯山水なのかどうかは知らないけど、ここを眺めたときに見える世界というかさ、そういうのはあると思う。

【きだて】景色のよさというかさ。

【他故】ああ分かる。

【高畑】それは全部1個のセットとして作ったからこそであって、それぞれに別のものを持ってきてこの世界をつくるのは難しいじゃないですか。

【きだて】まあね。

【高畑】きだてさん的にはどうなの? このリニューアルされた「チームデミ」に対する評価は。イロモノコレクターとして、今回はどう見るの?

【きだて】イロモノ文具の面白さとしては、おしゃれかつ高価格になり過ぎたかなと。

【高畑】なるほど。

【きだて】ちょっとからかいにくくなっちゃったかな。

【高畑】ああ。

【きだて】「ちょっとチームデミが偉くなり過ぎちゃって、冗談も言いづらくなくなっちゃったな」みたいな(笑)。

【他故】そういうことか。

【きだて】何か、スキがないのよ。全体的に。

【高畑】「えっお前、昔は冗談言ってたじゃん」みたいな(笑)。

【きだて】そうそうそう。「あんな下ネタ言ってたやつがよ」みたいな(笑)。

【他故】ははは(笑)。

【きだて】パリッとしたスーツ着て、地元の名士になっちゃったみたいな、そんな感じ。

【高畑】なるほどね。

【きだて】だから俺的には、「俺のチームデミ」がどっか遠くへ行っちゃったなっていう。

【他故】あーそうか。

【きだて】そういう寂しさがちょっとある。新しい方もすごく好きなのよ。よくできているし。一つひとつ解剖していくと、たまらないよさがあるじゃない。

【他故】うん。

【きだて】そうやって見ていく分にはいいんだけども、全体的に「あ~、お高くなっちゃってる」という。何か、親しみたいんだけど、親しめないみたいなところはある。

【高畑】あれだね、久しぶりに同総会で会ったときに、ちょっと声かけづらくなっちゃった感じの。

【他故】あんなかわいい感じの娘が、すごいきれいになって帰ってきたみたいな(笑)。

【高畑】中学生の頃は、一緒にツルんで悪いことしてたのに、あんなにきれいになっちゃって、話しかけにくくなっちゃった(笑)。

【きだて】「翻って俺は変わってないな、36年も経って」と思うと…。

【高畑】これが36年前に出たときに、僕やきだてさんがちょうど中学生ぐらいだったじゃない。

【きだて】小学校、中学校ぐらいかな。

【高畑】そのぐらいに一緒に遊んでたやつが、40歳過ぎて会ってみたらさ。

【きだて】「お前、町会議員やってんの?」みたいな。

【他故】ははは(笑)。

【高畑】何か、IT企業の社長やってたりとか。

【きだて】そうそう、そんな感じ。それで、相手に「お前、今何やってんの?」と訊かれて、「いやいや俺は」って苦笑いという、そんな感じだよ。

【高畑】きれいになったけど、きだてさん的には親しみやすさがちょっとという感じで。

【きだて】うん。イロモノ文具って気軽に言えなくなっちゃった。初代のことは、間違いなく世界で一番売れたイロモノ文具だと思っているけど、これはイロモノとは言いづらい。それは、俺が深澤直人という権威に負けたからかもしれない。

【他故】ははは(笑)。

【高畑】きだてさんの中では、そういう位置付けなんだね。

【きだて】ずっとそう思っていたものが、きれいになっちゃってとまどっているというのが、今の状況です。

【他故】分かるような気もするな。

――他故さんはどうなんですか?

【他故】そうやって考えると、目の前にはあるけど常用する文房具じゃなくなっちゃってるという気持ちは、確かにどこかにあるんですよね。

【きだて】初代は常用だったの?

【他故】初代は持ち歩いてたし、持ち歩く文房具という印象がすごく強かったので。別に、これがきれいになったということよりも、重たいので持ち歩けないなっていう(苦笑)。

【高畑】そうだね。

【他故】そこを犠牲にしちゃってるから、僕にとっては「チームデミ」ではない。「チームデミ」のかたちをして、きれいで素晴らしいけど、僕にとっての「チームデミ」ではない。

【きだて】きれいなジャイアンみたいなものだ。

【他故】きれいなジャイアン(笑)。今蘇ればこうなるというのは分かるけど、パーツがつぎはぎになっていて、関節がきれいに動くマジンガーZはマジンガーZじゃないみたいな。ハイクオリティになると、思い出から離れ過ぎちゃう感じがするので。

【きだて】あー。INFINITYはマジンガーZじゃないみたいな。

【他故】そう。この製品は好きだけど、常用はせずに置いておくという感じ。

【きだて】何だろう、俺と他故さんが今の「チームデミ」に対して距離をおいていることが分かったね(笑)。

【他故】せっかく消耗品も売っているのに、それなのに手が付けられない理由というのがさ(笑)。

【高畑】昔ほどもったいない感があるかというと、これを買い替えるぐらいのお金は持っているんだけど。

【他故】お金はあるし、使えるはずなんだけど、何だろうね? というのはある。上手く言えないところも含めてそんな感じ。

【高畑】俺は、前に自分の動画でも言ったんだけど、あまりにこれがきれいに収まりすぎていて、はさみを象徴するはさみになっていたりとか、テープを象徴するテープになっていたりとか、それをきれいに収めてきちんとたたんで、これが静かに机の中に入ってしまっていてというのって、逆に机の上でガチャガチャした状況で使われるのではなくて、本当に必要なときに、時々思い出されたように使われる道具としての「チームデミ」になっている。それは、僕らの机の上では文房具は動いているけれども、これがきれいに書斎の中に置かれていて、安心感としてのツールとして置かれてるようになってしまっている書斎もいっぱいあるんだろうな。文房具がそんなに必要とされなくなったときの、ある種文房具の思い出セットみたいになってしまっているところが、僕は恐いなと思っているところもあるんだよね。あまりにきれいだからさ。

【他故】「かつて文房具というものがあってだな」という感じで(笑)。

【高畑】祠の中に、伝説の石碑が置いてあるみたいな。あまりにきれいに彫刻されたように。これ、彫刻に見えるじゃないですか。あまりにきれいに彫刻されてしまったがために、これが今アクティブに使われるものというよりは、文房具の伝説みたいに思えてしまったので。

【他故】遺跡みたいなものかな。

【高畑】そう。遺跡から掘り起こして、「昔こんなものがあってね」という話になったらと思うと、ちょっとした寂しさもあってね。

【他故】うーん。

【高畑】とはいえ、1個ずつはすごく洗練されていて、「文房具を一つずつ集大成していったらこれになりました」みたいな感じではあるので、これ自体が悪いわけではないんだけど、あまりにそれの完成度を上げてしまって、「ここで完成しちゃうのか」と思うと、色々と思うことがあるんだよね。「それでいいのか」と思う部分もあるし、「言われてみたらそうかもな」と思う部分もあるし、複雑でまだまとまりきらない。

【他故】うん。

【高畑】初代のが、平成が始まるちょっと前に出ているじゃないですか。それで、これが平成が終わって令和になって出てきたので、僕が文房具と関わってきた前と後ろにこれがあるというのが、僕としては色々と思うところがあって。これを最初にパカッと開けてから、しばらく言葉が出ないというか(笑)、そういうのはちょっとある。

【きだて】どいつもこいつも、言葉を尽くして距離感をとりやがって(笑)。

【他故】わはは(笑)。

【高畑】そうなっちゃうんだろうな。文房具に関わっているからそうなるんだろうけど。俺らは、この先を知ってるんだよ。俺らは「フィットカットカーブ」の進化を知っているし、テープのりが進化していることも知っているんだけど、ある種の人たちにとっては、多分「もうここで充分」ということもあるんだよ。「クルトガ」がない世界線でも困らない人たちはいっぱいいるわけじゃないですか。

【他故】うん。

【高畑】多分これは、僕らを置いて大人になってしまった人たちの物なんだよ。僕らはまだ「クルトガ」とか「デルガード」とか言っているじゃないですか。それはそれでいいと思うんだよね。これは、前の「チームデミ」を卒業してしまった人たちが持つ「チームデミ」だから。ちゃんと大人のための「チームデミ」なんだよ。

【他故】そうだね。

【高畑】僕らはまだ前の「チームデミ」を楽しんでいるじゃん。

【きだて】そうなってくると、ノスタルジー抜きでは語れない話になってきちゃって、ややこしいな(苦笑)。

【高畑】そのややこしい気持ちも含めて「チームデミ」なのかな。だって、36年前のものを全く同じ形で復刻するというところに、そういう想いを抜きにして語るのって難しくない?

【きだて】まあね。そもそも、それありきって部分は避けられないでしょ。

【高畑】全く同じ形で出してきたわけじゃん。こんなのずるいよと思うよね。それこそ、大人になって4K画質で復活したウルトラマンを観てちょっと「おっおっ」と思ってしまったりとか。全く同じテーマを同じものでこうやってやられたときに、36年前の記憶を無視して語ることはちょっとできないよね。俺らはね。

【他故】そうだね。

【高畑】もしかしたらと思うのは、昔を知らない平成生まれの人たちだよ。彼らが見たときに、どう思うんだろうね。それは違うかもね。

【きだて】うーん。結局のところ、「チームデミ」を冷静に語るには、俺らはまだ現役過ぎる。

【他故】まあ、そうだね。

【高畑】今回は、ブング・ジャムのこの3人がさ。

【きだて】思い入れが強すぎるんだよ。

【他故】強すぎるね。

【高畑】一時期、「チームデミ」に関わりすぎたというのはあるよね。

【きだて】冷静な評価が下せるようになるのは、多分さらに40年後ぐらいなのかな。文房具ライターとかそういうのの現役を退いたのちに、ノスタルジーのみで語りたい。

【高畑】むしろ、今の若い人たちだよね。今の10代、20代の人たちが、これを見てどう思うかだよ。

【きだて】そうだね。

【高畑】それはまた別の話だよ。

【きだて】10代、20代の子が気軽に手に入れられる値段ではないじゃん。

【他故】買うのはそうだね。

【高畑】やはり、僕らの世代が懐かしんじゃうんだろうな。

【きだて】うちにあった初代のは、親父がゴルフコンペの賞品でもらってきたやつでさ。そういうのも含めて、わりと「なぜか持ってました」ぐらいの身近さだったんだよ。

【他故】まあ、そうね。「家に転がってました」という人が結構いるんだよね。

【きだて】そうそう。知らない間に家族が買ってたとか。とにかく、気が付けばあったというものじゃない。さすがに、この「チームデミ」は、気軽に家にはないよ。

【高畑】これに似てるけど、全く思想が違うのが、ミドリの「XSシリーズ」だと思う。ああれは「使えればいいじゃない」という考え方じゃないですか。そこの違いがどうなんだろうね?ということが、多分考える材料なんじゃないかなと思う。こっちは、一つのケースにきちんと入れるということに未だにこだわっているので。「XS」の方は、きだてさんが最初に言っていた、「小さくして持ち運びしやすくしたらいいんでしょ」というもの。あれ、ケース入りもあるじゃないですか。値段もある程度抑えて。新しいテープのりが出たら、新しいのを入れるしみたいな感じの売り方じゃないですか。見た目の統一感よりは、「普通に使えればいいよ」みたいな感じで、値段も安いし。多分それもまた違うのかな。同じセットでもいろんな考え方があるなと思ったんだよね。

【きだて】うん。

【高畑】でもこうやって、何だかんだ言いながら語ってしまうし、手遊びしてしまうし。僕らは「チームデミ」から離れていけないんだろうな。

【きだて】何だかんだ言って、やはり根っこにはあるよ。俺のイロブンの根っこの一つは、間違いなく初代の「チームデミ」なんだもの。

【高畑】それで、深澤直人さんが作り直したものを、パカッと開けてみて同じだったのが、ちょっと嬉しかったりもする(笑)。

【きだて】「わぁ、リスペクトがある。嬉しい」ってなったものね。

【高畑】これが中途半端に変わってたら、「俺らの記憶が蹂躙された」ってなる(笑)。

【他故】「俺のチームデミを返せ」とか言い始めるんだよ(笑)。

【きだて】それが言えないぐらい、巧妙に「チームデミ」なんだよ。

【他故】そうそう。

【高畑】何やかんや言いながら、「チームデミ」が出てきて、これを手にして「嬉しい」というのがあるんだよ(笑)。

【他故】それもある。間違いなくある(笑)。

【きだて】すごいな。「チームデミ」の中身ではなくて、距離感とか付き合い方で1時間ぐらいしゃべれてるぞ(笑)。

【他故】わはは(笑)。

【高畑】もちろん、大きいはさみぐらい使いやすいかといったらあれだけど、小さいはさみの中ではバツグンに良くできているんだよね。全部のアイテムがちゃんと使えるのは間違いないですよ。でも、俺ら的にはどうしてもそういう語りになってしまうね。

【他故】そうそう。

【高畑】メジャーが何メートルあるかみたいな話は、他で書いてくれているから、これでいいんだよ。

【きだて】「チームデミ」に関しては、改めて40年後に語ろう。

【他故】かなり先にね。

【高畑】これを便利とかいう軸で語るのは、やっぱり違うんだよ。多分ね。

【きだて】語りづらいしね。

【高畑】そういうものじゃないんだよね。

【他故】違うね。

【きだて】そういうのを期待して文とびを見てくれた人には申し訳ない。おじいちゃんの繰り言みたいになっちゃったけど (笑)。

【他故】ははは(笑)。

【高畑】大丈夫だよ。この前に「はにさっく」が出てきているんだから。「はにさっく」で便利かどうかの話にはならないでしょ(笑)。

【他故】最初から違うじゃん(笑)。

【高畑】だから、机の上に「はにさっく」があって、引き出しの中に「チームデミ」を入れてニヤニヤするのもそれはそれでね。

【他故】アリなんだよ。

【きだて】メーカーさんがいい顔をしないやつだな、これ(苦笑)。

【高畑】俺らが語ったらこうなるよ。

【きだて】そりゃ、商品レビューだったら、俺だって機能についてちゃんと話すけど、この3人だったらこうなるわ。

【高畑】いやでも、その全部を合わせて、「プラスさんありがとうございます」だよ。

【きだて】それな(笑)。

【他故】うん、それそれ。

【高畑】俺たちの、ぼやっとしてきていた記憶のところを、もう1回ここにかたちにしてくれてさ、目の前に出してくれたことに感謝しないと。それと、このメッセージですよ。“To make your life more pleasant.Take it with you.”。「あなたの生活を楽しくするよ、これを持っててね」とここに書かれているのが全てですよ。そういうことなんじゃないですか。“more pleasant”とは書いてあるけど、「効率的に」みたいなことは書いてないわけですよ。「楽しくて素敵な生活になりますよ」とは言っているけど。

デミ7.jpg【きだて】確かにそうだな。

【高畑】ここに、効率的で便利な世界が来るとは書いてないんだよね。そういう意味では、最初に出たときからコンセプトは変わってないんだよ。

――話は尽きないと思いますが、今日はこの辺で。続きは40年後ですね(笑)。

プロフィール

きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/

他故 壁氏(たこ かべうじ)
文房具トークユニット〈ブング・ジャム〉のツッコミ担当。文房具マニアではあるが蒐集家ではないので、博物館を作るほどの文房具は持ち合わせていない。好きなジャンルは筆記具全般、5×3カードとA5サイズノート。二児の父親。使わない文房具を子供たちに譲るのが得意。

たこぶろぐhttp://powertac.blog.shinobi.jp/


*このほか、ブング・ジャム名義による著書として『筆箱採集帳 増補・新装版』(廣済堂出版)と、古川耕さんとの共著『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。

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