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【連載】『小粋な手紙箱』 #43 「World Postcard Day」
(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタントの田丸有子さんは、子どもの頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの手紙好き。コンサルタントとして手紙文化を広めるために活動している田丸さんに、手紙の書き方のコツや手紙に関するトピックなどを毎月紹介してもらいます。
手紙で気持ちを伝えよう!
こんにちは。東京では金木犀の香りが漂う季節もそろそろ終わりに近づいてきました。みなさま、お変わりなくお過ごしですか?
10月1日は「World Postcard Day」なのだそうです。
ポストカードは手紙をもっと効率的に書くための実用的かつ安価な方法として編み出されたものですが、最初のポストカードは1869年10月1日に当時のオーストリア=ハンガリー帝国で誕生しました。それから150年目にあたる2019年にPostcrossing(世界中でポストカードのやりとりをするコンテンツ)が、10月1日を「World Postcard Day」としてお祝いするイベントを始めました。することは、その日誰かにポストカードを送る、ただそれだけです。
イベントは今年も開催されたので私も参加してみました。「World Postcard Day」の公式オリジナルポストカードがダウンロードできるようになっているのでそれを印刷して、最近ちょっとご無沙汰している方やコロナ禍でなかなかお会いできなくなってしまった遠方の友人にも送りました。
ポストカードは長い文章を書く必要がないので、普段はあまり手紙を書かないという人も気楽な気持ちで書けますよね。決まった人に毎年送ってみるというのも素敵だと思います。また、手紙を書いたことのない子供たちにその体験をさせる良いきっかけにもなるでしょう。
どれだけの人たちがこのイベントに参加していたのかは分かりませんが、日本だけではなく世界各地でこの日一斉にポストカードが投函されているのか思うとなんとも特別な感じがして楽しかったです。
来年はぜひみなさんもご一緒に「World Postcard Day」にポストカードを送りましょう!
手紙トピック
水野敬也著 『たった一通の手紙が、人生を変える』を読みました。いわゆる手紙の書き方の指南書です。
特筆すべきは、良しとされる手紙文の例が世界的な著名人や文豪が書いたものであることです。一流と言われる人々は手紙文も一流なのかと感心するほど素敵な手紙ばかりで読み応えがあります。中でも夏目漱石の“借金の依頼を断る手紙“がとにもかくにも最高で、すっかり心を掴まれてしまいました。いくら素晴らしくても文豪と同じように書くなんて無理! と思ってしまいそうですが、同じように書く必要はなく、そのエッセンスを上手に取り入れて書く方法を教えてくれます。
私には、“本当に良い手紙とはどのような手紙か”ということを深く考えさせられる本でした。手紙を初めて書く人には少し難しいかもしれませんが、今よりもっと良い手紙を書きたいと思っている人たちに薦めたい本です。今月のマキシマムカード

葉書: コラージュ
切手と絵入りハト印: ハッピーグリーティング
お知らせ
★手紙やメールの書き方の基本について通信講座があります。
忙しい人でも自分のペースで学べます。
楽しく学んで手紙上手になりましょう!
【入門講座 /通信講座「手紙の書き方講座」】
【ビジネスメール講座 /通信講座「仕事で差がつく!メール・文章の書き方講座」】
【美文字講座 /通信講座「仕事で差がつく!実用美字・美手紙講座」】
★ 体験講座も有ります!
【(社)手紙文化振興協会 体験講座スケジュール】
プロフィール
田丸有子 (たまるゆうこ)
(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタント
子供の頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの文通好き。でも手紙の何がそこまで自分を魅了するのか、深く考えたことはありませんでした。講座を受けて一番良かったことは、手紙が私の憧れを実現する手段であると気付いたことです。自分を表現することで人に喜んでもらいたい。叶えるために出来ることは何かずっと探してきました。その表現方法こそ私にとっての手紙であり、魅かれる理由なのだと気付いた瞬間、「やっと見つけた!」そんな気持ちになりました。
また、郵趣のコミュニティに参加したことで、手紙にも色々な楽しみ方が有ることを知りました。私が今夢中になっているのは、葉書と切手、消印をコーディネートするマキシマムカード。いかにセンス良く仕上げて個性を出すか、考えるだけでワクワクします。
ブログ「Cordially yours」
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