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【ニュース】「ABTアートコンテスト2020」受賞作品決定

トンボ鉛筆は、手描きアートの振興を目的に、インターネットを通じて誰でも応募できる「ABTアートコンテスト2020」を実施したが、このほど応募総数668点の中から受賞者ならびに受賞作品を決定。2021年3月6日にオンライン授賞式を開催して、受賞作品を発表した。

「ABTアートコンテスト」は、同社の水性グラフィックマーカー「ABT」を使用したアート作品を、インターネットを通じて誰でも応募できるアートコンテストとして今回創設。応募部門は絵画・イラスト部門、ハンドレタリング部門、立体・クリエイティブ部門の3部門で、2020年10月1日から11月30日まで作品を募り、応募総数668点の作品が集まった。その応募作品の中から、グランプリ(賞金10万円)、準グランプリ(同7万円)、部門賞(同5万円×3賞×2人)、審査員賞、学生賞を決定した。審査委員は、漫画家・イラストレーターの窪之内英策氏、カリグラフィーアーティストでグラフィックデザイナーの小泉遼氏、放送作家・脚本家の小山薫堂氏、イラストレーターの中村佑介氏、水彩画家の永山裕子氏、イラストノートおよびデザインノート編集長の三嶋康次郎氏の6氏。

総合グランプリに輝いたのは、吹野千鶴さんの「Little Journey」。

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「ABTの特徴である「豊富な色数」「鮮やかな発色」「様々な効果」をこれでもかと使いながらも、強い世界観と色彩のバランス効果でピタッと1枚にまとめられており、とても楽しい気分になりました。特に塗り重ねでできる濃淡の毛皮部分、地味になりがちな色を水で溶いて空に吹きかける演出、葉の滲み、草の点描など、ラフさが雑ではなくおもしろさに昇華できているのは、その他の背景部分の丁寧な仕上げがあってこそですね。その繊細さと大胆さのコントラストこそ絵柄、世界観、キャラクター、色彩以上に楽しさの演出に大きく貢献しており素晴らしいです。以上のことからABTのグランプリに相応しい作品だと感じました。おめでとうございます」(中村佑介氏)

応募作品の中で、見た瞬間からずっと笑顔になった唯一の作品です。日曜画家のアンリ・ルソーを彷彿とさせるフラットでゆるふわなデッサン。メインの女の子だけ決めて、描きながらその他の配置を決めたような自由奔放な構図。カラフルでポップな世界なのに、女の子と熊は謎の無表情でいる違和感。余計なツッコミはすべて無粋になってしまうほど圧倒的に愛らしく、ピュアでイノセンスな世界が広がっています。そこにあざとさや小賢しいテクニックは無く、思うがまま、感じるままに筆を走らせる作者の無邪気な心が見えてくるようです。子供の頃に感じた《絵を描く喜び》を思い出させてくれました。素晴らしい」(窪之内英策氏)


また総合準グランプリは、にしだやともみさんの「こんにちは」に決定。

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【審査員コメント】

「この作品は、見た瞬間に引き込まれました。――ちいさなウサギが重い扉を開けてくれたのに、眩しくて全く中を見ることができない。ウサギにまだ警戒されているようだし、本当に招かれているのか躊躇していると、ようやっと周りの暗さに目が慣れて、よく見ると屋敷の深い色の古びた壁や、そこに絡まる植物の鮮やかさに目を奪われる。ABTの上に乗せた、気の遠くなるような細い線の重なりが、深みと空気感を漂わせています。色は決して濁らず、見事な仕上がり。この絵の物語を読んでみたいです。おめでとうございます」(永山裕子氏)

なお「ABT」は、筆芯と細芯の2つのペン先を備えたツインペンで、1984年に日米欧で同時発売。世界のアーティストやグラフィックデザイナーに愛用されている。筆芯は型崩れしにくいナイロンファイバー芯で、毛筆と同じくリズムや抑揚がダイナミックに表現ができる。細芯は極細0.8㎜のラインが安定して引けるポリエステル芯で、ハイライトやエッジ感を利かせたい表現や文字書きなどに適している。インクは発色が鮮やかで、混色したり水筆(別売)でぼかしたりして表現の幅が広がる水性染料。現在、全108色をラインアップしている(こちらの記事も参照)。

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