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ISOTで気になった文房具 その3

文具の国際見本市「第28回 国際 文具・紙製品展 ISOT」が2017年7月5日(水)~7日(金)に東京ビッグサイトで東展示棟で開催された。会場には、大手文具メーカーから、文具市場に新規参入を狙う異業種や新興メーカーまで出展。多彩な文具製品が一堂に会した。その中から、本サイト編集部が気になった文具をピックアップして紹介する。

第3回目では、“ベンチャー文具メーカー”をクローズアップ。ISOT会場の中でも、ひと際賑やかで注目を集めていたのが「NEXT switch」のブースで、ここには実に20社近くもの一人文具メーカーやベンチャー系文具メーカーが集合していた。人通りの多い、東4ホール奥のメイン通路の一つにブースを出していたこともあり、終日大勢の来場者が出入りしていて、メディアの取材も多い印象だった。特に、ここのブースから2年続けて「日本文具大賞」のグランプリ商品が輩出したこともあって、俄然注目度が高まったといえるだろう。

以下、ここに出展した各メーカーの出品商品をざっと紹介する。

その1の記事はこちら
その2の記事はこちら

独創的な商品が続々

カミテリア

カミテリア1.jpgカミテリア2.jpgカミテリア」ブランドを展開するペーパーリーは毎年、独創性にあふれた紙製品を出品して、来場者を驚かせてくれるが、今年も期待に違わぬユニークな商品を多数出品していた。

上写真は、「フセンのゴミ箱」。使い終わった付箋を収納するアイテムで、今までありそうでなかったアイデア商品だ。そしてその下は、「おてまみ」。がま口風のカードの中にお金や文房具風のカードが入っているという、“カードinカード”のアイテムだ。

be-on

be-on.jpgペーパーアイテムを中心に“ニッチな文房具店”be-onを展開するケープランニングは、ふせんカレンダー「himekuri(ヒメクリ)」を出品。卓上カレンダーとして使える商品だが、日付が付箋になっているので、はがして活用できるのがポイント。週が変わったのが分かりやすいように、白と黒の付箋が交互になっているのもちょっとしたアイデアだ。

KUGIRI

KUGIRI.jpg革鞄、革小物のブランド「KUGIRI」では、ショートサイズの「ロールペンケースmini」を出品。触り心地がよく、カラーバリエーションが豊富な「ベロア」と、上質な「牛革」をラインアップしている。


CONFETTi

ペンコッコ.jpgメディアキューブは、「CONFETTi」ブランドで展開している「PEN COCCO(ぺんコッコ)」を出品。コロんと丸いドーナツのような姿だが、真ん中の穴にお気に入りのペンを挿して、ペンのディスプレイ台やペンスタンドとして使えるアイテム。底面には粘着ジェルがついているので、デスクなどにしっかり固定できる。カラーバリエーションも全12色と豊富に取り揃えている。


キヤノンITS

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キヤノンマーケティングジャパングループのキヤノンITソリューションズもここに出展。先日、本サイトでお伝えしたように、同社はユーザー自身がデザインするオリジナル手帳を1冊から印刷、製本して届ける、新しい手帳サービス「ネットde手帳工房」の提供を9月4日から開始するが、そのデモンストレーションをブースで行っていた。



あたぼう

あたぼう2.jpg

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「飾り原稿用紙」で昨年の「日本文具大賞」デザイン部門グランプリを獲得したあたぼう。今回、ブースで大きく紹介していたのはペンケースだ。上写真は、先日、本サイトでも紹介した「Pen4lder(ペンホルダー)」。4本のペンをゴム製のバンドで固定して、その本体をシステム手帳に挟み込めるもので、システム手帳ユーザーと、万年筆などのペンにこだわりを持つ人たちに向けた商品だという。

そして、もう一つが下写真の「ペネック」。首から提げる1本挿しタイプのペンホルダーで、シートベルトと同じ素材を使っているので、滑りがよくペンの出し入れがしやすい。

あのグランプリ商品にも熱い視線

ベアハウス

ベアハウス1.jpg一人文具メーカーのパイオニアであるベアハウスは、文庫サイズ~A5サイズに対応した大人気の「フリーサイズブックカバー」の新商品として、「デニム」を紹介。本当のデニム生地のような質感を再現した新素材を使用しているという。

ベアハウス2.jpgそしてもう1点、大きく紹介していたのが参考出品の「フセンタチノイルトコロ」。カバンの中や筆箱の中でくしゃくしゃになりがちな付箋をキレイに持ち歩くためのPVC素材の収納ケースで、予備の名刺やメモ帳、印鑑なども入れられるという。


山越

山越1.jpg山越は、金沢工業大学との産学連携プロジェクトとして商品開発した、液体がこぼれたように見えるメモパッド「こぼれメモ」(左写真)を出品。本サイトでも記事を掲載したので、ご存じの読者も多いだろう。

また、右写真の商品は「フラワーメモ」。花びらのかたちになっているメモ。手のひらにのせるとゆっくりと丸まっていくそうだ。


バックストリートファクトリー

バックストリート.jpg東京の町工場が連携し新しい価値で新しいものを生み出す集団として設立されたバックストリートファクトリーは、「千代切紙」を出品。普通の千代紙かなと思ったら、よく見ると繊細な透かし彫りが施こされているので驚いた。これは、レーザー加工によるもので、全9種類の和柄文様をラインアップ。


momiji music

momiji.jpg音楽グッズ・文具を作っているmomiji musicは、一風変わった定規の「LINE SLIDER」を紹介していた。スライダーにペンを差し込むと五線譜がスイスイと引けるという、音楽系の商品を展開している同社ならではの定規だ。平行線を使ったデザイン的な模様も描け、使い方次第でいろんな可能性が広がるという。

ウキマ

ハルト.jpgウキマは、本サイトでも記事掲載した、手帳やノートに後からブックバンドをつけることのできるブックバンドシール「halt (ハルト)タグシリーズ」をアピール。同シリーズは、「プリントや紙で膨れ上がった手帳やノートを、後からしっかりホールドしたい」「手帳やノートをカスタムして、オリジナリティを出したい」という文具ユーザーの要望に応えて開発したもの。タグの部分がシールになっているので、シールを剥がして手帳やノートに貼って、ゴムバンドを取り付けるとブックバンドとして使用できる。「halt (ハルト)トラベルタグ」「halt スタディタグ」「halt ステーショナリータグ」をラインアップ。


ぷんぷく堂

ぷんぷく堂.jpg千葉県市川市の文具店・ぷんぷく堂は、オリジナル開発の文房具を出品していたが、何と言っても大きな注目を集めていたのは、「日本文具大賞」デザイン部門グランプリを受賞した「あなたの小道具箱」。グランプリのトロフィーとともに商品を展示していたが、グランプリ商品を一目見ようという人、お祝いを言いに来た人などがひっきりなしに訪れて、その対応に大忙しという様子だった。あなたの小道具箱」は小ぶりのお道具箱で、50年は持つと言われている硬質パルプパスコで一つひとつ職人が製造している。

こだわりノートも目白押し

昭和ノート

昭和ノート.jpgブースに「〇〇じゃない方の会社」と大きく掲げてあった昭和ノートは、大学等の学校オリジナルノートなどをOEMで製作しているという。今回紹介していたのは、新たに誕生したオリジナルノートブランド「CANGINO」。本文用紙はドット方眼を印刷したフールス紙で、サイズはB6より少し小さいサイズとのこと。


菁文堂

青文堂.jpg手帳・ダイアリーの製本等を行っている菁文堂は、若手デザイナーに声をかけて、彼らが考えたオリジナル商品を出品したという。その商品は写真左から、JISHAQMENの日本の伝統色を使ったノート、同じくJISHAQMENの日付をインデックスにした「DATE/NOTE」、zoojoのネコ科動物に特化して記録できる「nekoka note」、Saki Enokamiの手紙を書いて折り紙のように折って渡せるミシン目入りノート「キリトルキモチ」の4点。詳細はこちらをご覧下さい。


渡邉製本

渡辺製本.jpg
創業70年の歴史を持つ渡邉製本は、製本一筋70年の経験を活かした丈夫で使いやすいノート「BOOK NOTE」を紹介。手仕事で丁寧に製本しており、折り返しても使えるくらい開きが良いという。本紙は筆記適性に優れたOKフールス紙を使用している。


星共社
星共社.jpg

聖書の製本を手がけているという星共社は、その聖書の製本技術から生まれたというノート「kagari」シリーズを紹介。製本の背表紙をつける前の段階で、かがり糸が見える状態だという「コデックス装」の特徴を活かした、開きが良く、おしゃれなノートだ。



国宝社

国宝社.jpg
こちらも製本業を営む国宝社。創業は1919年で、間もなく創業から100年を迎える老舗の会社だ。同社ブースで紹介していたのは、和綴じのノート。ノートのみならず、短冊型のメモ、日記帳、俳句帳も出品していた。

Cocktailz

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Cocktailzは、ロービジョン(弱視)の女の子の声から生まれたノート「KIMINOTE」を紹介。ロービジョンの人向けのノートは種類が極めて少なく、もっと色々な選択肢があってよいのでは?との思いから生まれたノートだそうで、クラウドファンディングで商品化を実現したという。

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