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【舘神龍彦の手帳講座】補講1回目・手帳は、目的と使い方をインストールするものである。

2019年版の手帳・ダイアリーが店頭に並びはじめ、いよいよ手帳シーズンに突入。手帳シーズンを迎えるにあたり、“手帳王子”こと手帳評論家の舘神龍彦さんに、3回にわたって手帳について解説してもらいましたが、好評につきさらに補講を行うことになりました。補講第1回目となる今回は、「手帳は、目的と使い方をインストールするものである。」と題して、手帳術とその応用方法について解説してもらいました。


*「第1回・神社系手帳とはなんだったのか」はこちら
*「第2回・手帳を作るということの本質とは」はこちら
第3回・手帳術って何だ?」はこちら

手帳は、目的と使い方をインストールするものである。

現時点で市場のメインストリームであるビジネスパーソン向け手帳。

これらの手帳をどう使いこなすかが、いわば手帳術である。

ひとつポイントを紹介しておきたい。といっても具体的なテクニックというよりは考え方である。だが、この考え方を押さえておくといろいろ応用が利くようになる。

手帳は、目的と使い方をインストールするものである。

かねてから考えており、雑誌やWebでも語ってきたとおり、手帳はノートに時間軸というOSをインストールしたものである。そして手帳は、時間軸と親和性の高い目的に使うのに相性がいい。

この点を押さえておくと、いろいろと応用が利くようになる。

つまり、メーカーが「○○向け手帳」と命名していたり、雑誌でそのように紹介されているものも、別の目的に使えるようになる。

逆に何の変哲もない手帳を、仕事以外の特定の目的に使うこともできるようになる。

つまり、手帳というのはつるしの状態のものでも、工夫次第で特定目的、たとえばライフログ用に使うことができるし、○○向きと銘打たれたものであっても、よほど特殊な内容でない限り他の目的に転用できるのだ。

もちろん、○○向けと銘打たれた手帳は、独自のコンテンツなども有り、それを使った方がてっとりばやいことの方が多い。それらは、健康管理用にいろいろと考えられた記入欄、たとえば体重や血圧服薬チェック、就寝と起床の時間などのための記入欄が用意されている。だからその目的のためにはとても便利だ。

そして、既存の手帳でもこの健康管理という目的に使うことはできるのだ。

一番簡単なのは、そういう手帳を参考に各種記入欄を自ら作ってしまうことだ。

実際にはその労力は馬鹿にならない。またその種の手帳は例えば健康管理という目的に特化した情報を便覧として用意している。だから「健康管理手帳」を使おうと思うわけだ。 そしてここまで、明確な目的でない場合は、普通の手帳はいろいろな目的に使えるものだ。

たとえば「ライフログ手帳」と雑誌で紹介されているものであっても、その用途に使わなくても問題はない。この辺を誤解したままだと手帳の本質がわからないまま、雑誌の記事や広告に振り回されることになる。要するに、その目的に沿った記録事項や時間軸に沿った記入項目などを押さえていれば、普通の手帳を特定の目的に利用することはできるのだ。

フォーマットごとの向き不向きこそあれど、どんな手帳もいろいろな用途に使えるのだ。それが手帳の利用目的(ソフト)をインストールするということなのである。そしてそのソフトはユーザーが自由に選択できる。

むしろそれを自分が設定するところに手帳の自由があり、面白さがあるのだ。

筆者の例「月間手帳を家管理用に」

筆者がずっとやっているのは月間ブロックの手帳を家管理用に使うことだ(下写真)。

ここには、片付けの記録や、家の中の電球の規格と交換の履歴、慶弔の記録、灯油購入の日時と価格などを記録している。また必ず使う割引券、たとえばクリーニング店のものなども挟んである。さらに害虫対策グッズの設置時期と場所なども写真入りで記録している。

これらの各種情報は、何月何日にやったかというレベルの記録が残っていれば十分だ。その意味では、予定表というよりはログである。

ともあれたとえば、害虫対策グッズはいつ設置したかがわかれば、次の設置時期が自動的に割り出される。その時期に新たに購入し交換することになる。場所も写真で残っているので、交換に手間取ることもない。

あるいは灯油も購入日をずっと記録していると購入ペースがわかるので、ポリタンクに残っている灯油を石油ファンヒーターに給油してしまい、早めに購入して、“石油危機”を回避することもできる。

そしてこれは家用の手帳なので、家におきっぱなしだ。

手帳応用1.jpg

月間ブロック手帳を、家管理用に使ったところ。ゴミを出す日やクリーニング店のセールの日付がメモしてある。


手帳応用2.jpgポイントが倍と書いてある。ポイントカードを持参するリマインドになる。



手帳応用3.jpg灯油購入の記録。昨年データと比べて高いとメモ。

手帳によって向き不向きはあるけれど、情報の一元化でいろいろ便利

以上は、筆者の例だが、こういうふうに手帳はいろいろな用途に応用できる。

専用の手帳があればそれはそれでいいが、仮になくても、こんな風に既存の手帳を転用して使うことはできる。

家管理用手帳はなかなか便利だ。来年は、月間ブロック手帳とノートと、ノートカバーの組み合わせでやろうと考えている。そして手帳部分は毎年買い換え、ノート部分は数年にわたって使うことで、履歴と情報を両方記録しつつ、後者はある程度長期的に蓄積できると考えている。

プロフィール

舘神龍彦(たてがみたつひこ)
アスキーを経てフリーの編集者/ライター。デジタルとアナログの双方の観点から知的生産について考え、著作を発表。主な著書はiPhone手帳術ふせんの技100』『手帳の選び方・使い方 』(いずれもエイムック)、『パソコンでムダに忙しくならない50の方法』(岩波書店)、『システム手帳新入門!』(岩波書店)、『手帳進化論』(PHP研究所)、『くらべて選ぶ手帳の図鑑』(枻出版社)、『使える!手帳術』(日本経済新聞出版社)、『手帳カスタマイズ術』(ダイヤモンド社)、『意外と誰も教えてくれなかった手帳の基本』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。最新刊の『最新トレンドから導く 手帳テクニック100』(枻出版社)が2018年10月に発売。『手帳と日本人』をNHK新書より近日刊行予定。

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