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【連載】月刊ブング・ジャム Vol.80 今、このペンが面白い! 超個性的な最新筆記具をチェック! その3

文具のとびら編集部

本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は、超個性的な筆記具3本を取り上げました。

第3回目は、ぺんてるの「マットホップ」です。

写真左から他故さん、きだてさん、高畑編集長*2023年11月11日撮影
*鼎談は2023年10月24日にリモートで行われました。

ボールペンを超えた新しい画材!?

マットホップ3.jpg「MATTEHOP(マットホップ)」(ぺんてる) 存在感のあるイラストや文字を描くことができる新開発のマットカラーのゲルインキボールペン。カラーペーパーや写真、マスキングテープにも濃く鮮やかに発色し、インパクトのあるデコレーションが楽しめる。全14色展開で、1本税込220円。7色セット2種類(各税込1,540円)と14色セット(同3,080円)の3種類のセットも用意。

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――じゃあ最後は「マットホップ」です。

【高畑】1.0㎜っていうのが、まずすごい。全然何か、ボールペン感がすでにないっていうか。

【きだて】ははは(笑)。

【高畑】だから、細いポスターカラーとしてめちゃくちゃ優秀って感じはするけど、これボールペンかって言われたら、ボールペンじゃない何かな感じがする。

【きだて】そう、何か新しい画材なんだよね。

【他故】うん。

【高畑】あと書くときに、他のこういうデロッとしたインクの場合は、フリクションとかでもよく言うんだけども、あえて若干力を抜いて書くっていうのができると、すごくインクがキレイに出てくれるので。これは、ゴリゴリ早いスピードで書くんじゃなくって、ゆっくり丁寧にちょっと力を抜いて書くみたいなのができると、キレイに発色する。

【きだて】インクを乗せていく感覚で使うんだよね。

【他故】そうそう。

【高畑】本当に乗せる感じ。それが何かね、気持ちがいいというか。だから、ボールペンの感じっていうよりは、昔あった製図ペン。ロットリングとかの製図ペンみたいな感じなんだよ。俺的には。もう最近全然使ってないけど、ペン先を当ててインクを紙の上に乗っけていく感じがすごいする。そこはなんか楽しいなあっていう感じで。

【きだて】本当ね、90年代にギャルやった子たちは、やっぱめちゃめちゃ上手いんだよ。「インク乗せる感じで使えばいいよ」っていうのは、俺はそのギャルの子たちに教えてもらったので。

【他故】素晴らしい。

【きだて】「ミルキーを使うときは、書くんじゃなくて、インクを乗せるんだよ」って言われたから。

【他故】まさしくその通り。

【きだて】「マットホップ」もそうじゃん。

【高畑】うん、ボールをギュッと押し付けたらインクがかえって出なくなるからね。

【きだて】そうそう。インクの上に轍ができるしね。

【高畑】またこのインクがさ、なんかボールペンで見たこともない感じのインク。マットな感じで。

マットホップ5.jpg【きだて】そこも含めて、本当に新しい画材感がすごいんだよね。

【他故】そうそう、すごい。

【高畑】下手すると、この間ギネス取ったばかりだけどさ、別ジャンルで0.7とかじゃないから何とも言えないけど、ボール径とか線の太さとかを度外視したら、一番黒いボールペンになるんじゃない。

【きだて】そう思って比べてみたんだけど、筆跡に盛り上がりがある分、ちょっとテカるんだよ。

【他故】反射するのか。

【きだて】インクがね、モリッと乗っちゃうので、「ユニボールワン」の方が黒いなって感じになる。

【高畑】個人的には、このマットな黒さがめっちゃ黒いって気がするので。もちろんこれをして「黒いボールペンです」って言うにはちょっと語弊があるというか、別の画材という感じがする。

【他故】語弊がある(笑)。

【高畑】これは、いわゆるボールペンじゃないじゃんって思うので、そこが面白いから。

【きだて】確かに、別ジャンル過ぎるからな。

【高畑】その唯一無二な感じっていうのが、これまで他になかったし。これで安齋肇にサイン書いてもらいたいな。

【きだて】ああ、なんか分かる。

【高畑】ポスターカラーじゃなくてね。リゾッチャとかを描いてほしいな。

【他故】原色バッキバキの感じでね。

【きだて】「ミルキー」って、チタンホワイトとかを使ってたから、どうしても白っぽい色になってたじゃない。

【高畑】隠ぺいの素材としてね。

【きだて】結果としてミルキーカラーにならざるを得なかったのに、同じぐらいの隠蔽性がありながら、この原色のパキッと出る感じって、やっぱ技術の進歩っというのを感じるじゃない。そういうのだけでも、結構使っててゾクゾクするよ。

【高畑】いやだから、これすごいよ。びっくりした。

【きだて】そうなんだけど、顔料がきっちり定着するまで、見た目が薄いじゃん。

【高畑】書いた後で、ふわっとくるよね。

【他故】ああ、そうそう。

【きだて】乾くまでは「あれ、おかしいな?」ってなるんだけど、乾いたら何かジョワって色が出る感じで。最初にぺんてるの展示会で使わせてもらった時は、書いた瞬間に全然色が出なくて「何これ、ダメなボールペンじゃん」みたいに思ってたんだけどさ。あとから落ち着いて使わせてもらって、ようやく凄味が分かってきた。

【高畑】この後からどんどん強く発色する感じがね。だから、これもう完全にノートとか取るの無理なんだよ。完全に普段使いできないんだもん。

【きだて】だって、書いた後の視認性が悪すぎるしさ。なかなか乾かないし。

【高畑】あとね、太いから。

【他故】うん。まあそうだね。

【高畑】普通に文字書こうと思ったら、B罫とかだと、3段ぐらい使わないと文字書けないじゃん。

【他故】ノートをとるにはなぁ(苦笑)。

【高畑】これで書くのは、5㎜とかじゃなくって、2段使って10㎜でもちょっと狭い。完全にそういうものではない。遊びというか、ほら何描いてもキース・ヘリングみたいになるじゃん。

【きだて】白い空間にものを書くのではなくて、やっぱ写真とかお菓子のパッケージに落書きするっていう用途がはっきりしてるんだよ。多分、文字じゃなくていいんだよ。

【高畑】そこが全く別物として、何か新種の。それこそ、お菓子のパッケージに書くとかで、こんなにキレイに発色するものがあまりないじゃん。

【他故】ないよ。

【高畑】だから、すげーなって思うし。ポスターカラーだと思ったら、これ持ち運びめっちゃ楽じゃん。「ポスカ」を何本も持って歩くのは大変だけど、それに比べたら全然いいしね。ペン先が、どのくらい詰まらずに使えるのか、まだあんまり使ってないからあれだけど。

【きだて】しばらく放置しておくと、詰まりそうな気がするよね。

【高畑】だけどさ、「ポスカ」みたいにペン先が乾く、がないじゃん。フェルトの部分が乾いちゃってイング出なくなるがないじゃない。

【他故】ああ、そういうことはないね。詰まるか、詰まらないかだけかな。

【高畑】これ14・14だっけ? 全部で28色だっけ?

【他故】14色じゃないか。7・7で14色。

――7色セットが2個で14色セットが1個ですね。

【高畑】あ、そうだった。だから14色でこの大きさだから、普通にペンケースに入るものね。これを使いこなすのが上手なアーティストとか、ちょこちょこ出てきそうだよね。

【他故】出てきそうだよね。

【きだて】これで絵を描く人は、多分出てくんじゃないかなと思ってんだけどね。まだ未だに知名度が低すぎて、そこまでいってないだろうけど。

【他故】でも、Twitter(X)なんかでは描いて上げてる人がいて、ぺんてるが捕捉してたりしてるから。そういうところでは出始めてる。俺も描いてみました。とても楽しいです。こんな感じで。

マットホップ4.jpg【きだて】他故さんもマットホッパーだね。

【他故】1枚描いただけで、マットホッパーっていうのかな?

【きだて】正直、「マットホッパー」という言葉をメーカー主導で流行らせようとするのはダサいからやめた方がいいと思うんだけども。

――マットホッパーっていうのは、ぺんてるがそう言ってるんですか?

【きだて】そう、開発者の人が発表会の時からずっと言ってた。

【他故】とよ田みのる先生に、これでイラストを描いて欲しいな。

【きだて】ああ、分かる。とよ田みのるさんの絵柄にすごい合うな。

【他故】是非これで描いてほしい。

【きだて】これで金剛寺さんとか描いてほしい。

【他故】そう、そうそう。

【高畑】これで何か「ジョブホッパー」とか書いてね。

【他故】俺も、じゃあ緑色で「バトルホッパー」とか書けばいいの?

【高畑】バトルホッパーかぁ。

【きだて】その着地やめて(苦笑)。だから個人的にはものすごい未来を感じてるペンなんだけど、最近の中では特に。隠ぺい材ではなくて、「顔料クソデカにしました」みたいなアイデアの凄さとかさ。

【高畑】でも、「顔料クソデカにしました」はさ、他でも言ってたから。考え方はそうなんだろうけど。

【きだて】他に何かあったっけ?

【高畑】三菱だって「ユニボールワン」で、「顔料でかくして紙に沈まないから濃い」って言ってるじゃん(こちらの記事を参照)。

【きだて】あれは、ビーズパックでどうこうっていう話じゃないの?

【高畑】どうやって作ってるのかは知らないけど、少なくとも顔料をでかくするとか、紙に沈まないとかをすることによってマットにするっていうのは、考え方としてはそうなのかなという風に俺は解釈してんだけど。

【きだて】うーん。

【高畑】それはそれとして、同じ考え方かどうかは知らんけど、でも圧倒的に黒くて濃いから、この濃さは他にあんまり類似した感じのものを感じないので、これは新しい。自分の中では、別画材ができたと思ってる。しかも手頃じゃん。何て言うのかな。持つことが面倒じゃない画材で、新しい表現がこんな簡単にできるのは、俺的には割とすごいなっていう感じだね。

【他故】これね、手軽でいいんだよね。

【高畑】楽しい。

【きだて】それこそ、本屋のPOPなんかで小さいのあるじゃん。それこそ情報カードぐらいのやつね。めちゃめちゃ効果あると思うんだよね。だから、もっと早く、もっと広がれって思ってるんだけどね。

【他故】ああ、そうね。

【高畑】それはいいよ。POPにはすごくいいと思う。とても読みやすい字が書けるので。

【きだて】それこそ「ミルキー」ぐらいのポテンシャルは確実であると思ってんだけどね。流行るポテンシャルは。

【他故】そうだね。

【高畑】ミルキーのときには、こんなに文字が太くならなかったし。あとミルキーのときは写真っていうのがすごいベースになってたから。そういうみんなが使える媒体があって、流行らせるやり方があるといいけど。POPとかっていうと、専門的になってしまうので。

【きだて】一応、JKカードとかお菓子への落書きだの、そういうものもまあ媒体としてはあるわけで。

【高畑】うん。

【きだて】何とかなんないかな。

【他故】ティーンの雑誌とかにもうちょっと取り上げられれば、また変わってくるんじゃない。

【きだて】きっとそうだろうね。

――まあ、そういう仕掛けはするんでしょうね。

【きだて】やらないと困るよね。

【高畑】ぺんてるって、イベントとかそういうので盛り上げるのがすごい好きだから。

――もう1回、落書きカフェをやればいいんですよ。

【きだて】ああそうだ、落書きカフェはいいよね。そりゃそうだ。

【他故】そうね。

【きだて】あと、すごい気になったのが、白がホワイトじゃなくてアイボリーなのね。

【高畑】アイボリーっぽいね。

【きだて】この色がね、すごい柔らかくていい色でさ。それこそお菓子のパッケージのアルミっぽい発色をするところに、このアイボリーのやつはすごい目立つのね。

【高畑】ほー。

【きだて】だから、その辺まで多分考えてやってんだろうなと思って。白にしなかった理由として。マットさを演出するためのアイボリーなのかな、と。

【他故】なるほどね。

【きだて】そういう感じで見てるとね、とてもいいですよ。

【他故】考えてるね。

【高畑】こうやって話をしながら、ただただ落書きをしているのが普通に気持ちがいいので。なんかこういうのを描いてさ。バトルホッパーってこんなのだっけ。

【他故】バトルホッパーを描いてるよ(笑)。

【きだて】くだらねぇ(笑)。

【高畑】だから、伝言メモみたいなやつがポップアートみたいになるものね。

【きだて】そうそう。

【高畑】とても良い感じだと思います。

【他故】書いてて気持ちいいですよ。

【きだて】良いんだけど、色が出るまでの不安さがね。ちょっとそこだけがマイナス。

【高畑】そうか。俺はむしろ、その出てくるのがなんか割と楽しいけどね。

――これ使いきりなんですよね?

【他故】これはそうですね。

【高畑】しかし、ボディは使い回しなんだよね(笑)。

【他故】まあまあ(苦笑)。

【きだて】この軸何度目だ、という。

【高畑】そろそろ新しい軸を作ってほしいな、とはちょっと思います。「ミルキーじゃないよ」って言いながら、ミルキーのボディじゃないですか。

――それは、「ミルキー」を使ってた人たちに親近感を持ってもらいたいからじゃないですか。

【きだて】だって、「ミルキー」を使ってた人たちと、「マットホップ」の客層は、30年近い差があるわけですよ。

――そうか、「女子中高生狙い」って言ってますものね。

【他故】ちょっと違いますね。

――その親世代だものな。

【他故】親が「懐かしい」って言うかもしれない。

【きだて】多分、「お母さんの頃は、ミルキーっていうのがあってね」みたいな話になるでしょうよ。

【他故】それはそれで間違ってはいない(笑)。

――これ結構インクすぐなくなりますかね?

【きだて】うーん、どうかな。まだそこまで使い込んでないからな。でも、なくなるよね。

【他故】リフィルも太くないしね。

【高畑】だって、1.0㎜だしなぁ。この勢いで出てたら、割とすぐなくなるんじゃないのかな。

【他故】ガンガン塗ってたら、さすがになくなるんじゃないかな。

【高畑】ボディがあえての不透明だから、開けたら「インクこんだけ」ってなってる可能性はあるよね。

【きだて】まあ、それはあるよね。

【高畑】でも、何か面白いね。

【他故】うん。いつまでも書いちゃうよ。

――なめらかな書き味で。

【高畑】なめらかさじゃないよ。

【きだて】まあ、こんだけフローがあるんだから、なめらかはなめらかだろう。

【高畑】でも、なめなかっていうのとはなんか違う感じがする。

【きだて】筆圧をかけない書き方なんだから。

【高畑】書き心地も、他のペンとやっぱり比較できないよ。あえて今回「OKB48」に入れたけどさ。

【きだて】書いている感触が、それこそ面相筆で塗ってる感じなんだよ。

【高畑】そうそう。本当にインクを置いてく感じだから。

――まあ、確かにボールペンを使ってるっていう感じはないですよね。

【きだて】だって、キャッチコピーが「高発色に塗れる」だもんね。書けるじゃなくて塗れるだもの。やっぱり、色を置いていく用のペンなんだな。

【他故】そうね、堂々と「イラストがかける」って書いてあるしね。

――やっぱり、画材に近いのかな。

【高畑】はっきり画材な気がするね。

【他故】デコレーションですからね。

――確かに。

【高畑】こんだけ振り切ってるのは全然アリだよ。

【きだて】あとさ、仕様説明のところで、重ね塗りしてるみたいな雰囲気のところがあるんだけどさ。これ、重ね塗りできないよね。

【高畑】あんまり向いてないと思うよ。

【きだて】乾いた上から塗ると、溶けるし、削るよね。

【高畑】確かに、ちょっと削れるね。

【他故】使用例ではあるけどね。

【きだて】あるんだけどさ、これ再現しようと思ったら全然できなくて。やり方あるのかな?

【他故】分かんない。俺も、溶けてきちゃうからすごい慎重に塗るしかないと思って使ってたんだけど。

【高畑】いやでも、重ねられなくはないから、素材にもよるんじゃない。ちゃんと発色はしてるね。黒の上から赤を乗せても一応ちゃんと赤出てるね。マットだからちゃんと出てるよ。ちゃんと乾かして、上手く乗せればいいのかな。

【きだて】乗るのか。

【高畑】全然書けないわけじゃないっぽいよ。向いてるかっていったらどうか分かんないけど、できなくはなさそうな気がしてる。

【きだて】やり方が悪かったのかな。またちゃんとやってみよう。

【他故】テクニックが要るのかもね。

【高畑】でも、はがれたりとかはするね。浮いたりはがれたりはするから、完全に乾いてないのかな。表面がはがれるんだな。

【きだて】なんかね、半日ぐらい乾かした後でやってみてもダメだったからさ。「あれ」っと思って。

【高畑】それこそ、上に乗せるっていうのが上手くできれば、乗ってる感じはするけどね。【きだて】乾いたところに上からインク乗せると、ジュワって溶けてきちゃうんだよね。乾いてるところまで。

【高畑】それは確かに、そんな感じにもなってるね。

【他故】するね。俺もそうだと思ってる。

【高畑】本当だ、溶けてるね。ワンストロークごとに他の紙で汚れを取らないと、色が混ざるっていうか。

【きだて】何かそれで上手くいかないんだけどね。

【他故】テクニックが必要だ。

【高畑】黒の上に赤とか、黒の上に黄色とか。でも一応、色は出るね。

【他故】出ることは出るね。

【きだて】出てはいるな。

【高畑】まあ、そこもテクニックとしてやってみる価値はあるんじゃないかな。

【きだて】改めてやってみよう。

【高畑】でも、一番いいのは、重ねないでいわゆるキース・ヘリング的な感じだよね。線が重ならないかたちで書いた方がそれっぽくはなる。

【きだて】多分そうだな。

【高畑】キースヘリングだな、これ本当に。

【きだて】だから、ポップアート用だよ。

【高畑】そんな感じだね。

【他故】素晴らしい。

(……………)

【きだて】夢中で書いてるんじゃないよ、君たち(笑)。

【他故】止まらないんですけど(笑)。

――沈黙の時間がちょっと長過ぎましたよ(笑)。

【高畑】だから、面白いってことなんだよ。

【きだて】そんなまとめ方あるか(爆笑)。

【高畑】いやいや。なんかみんな黙っちゃってるけどさ。でも、そういう面白さは本当にあるので。これはね、やっぱり本当に試してもらいたい系だね。

【きだて】そうだね。それで、試したら時間かかるというのを忘れないように。

【高畑】色が出てくるまでに一瞬時間かかるから。

【他故】ゆっくりとね。

【高畑】やっぱり、コツが要るなっていう。

【他故】あと、いろんな色を持ってた方が楽しいよね。7色セットとかこういうセットで是非。

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(左から)オリジナル7色セット、スイート7色セット、オリジナル+スイート14色セット


【きだて】それは絶対だと思う。

【高畑】これは多分、そこだと思うよ。

【きだて】原色パッキリのセットだけでいいかと思ったら、アイボリーはそうじゃない方に入ってるからさ。

【他故】そうだ、そうだ。

【きだて】絶妙にどっちも欲しくなるんだよ。

【高畑】それは、メーカー的には正解っていう。

【きだて】上手いやり方しやがってっていう(笑)。

――確かに。

【きだて】ビビッドじゃない方のパッケージも、黄緑とかオレンジとかね、すごくいい色が揃ってるんですよ。

【他故】そうだね。これはじゃあ、14色を揃えざるを得ないんだね。

【きだて】そう。14色あるとうれしいね。

【高畑】これは絵の具と違ってさ、混ぜられないじゃん。だからこれはもう全部別色で書くしかないから。これはやっぱり、その色数だけ持ってる方が絶対楽しいやつだね。

【他故】そうだね。

――これ、14色セットだと3,000円ぐらいなので、ちょっとしたクリスマスギフト的な感じでもいいかもしれないですね。

【きだて】ああ、そうね。今まだ14色セット買ったら、プラのケース付いてるんだっけ?

【他故】店頭にあればじゃない。

【高畑】初回限定でしょ。それもあったから買ってきたけどさ。

【きだて】あとあれだね、パッケージがすごいお菓子っぽくて可愛いねってことも言っておこうか。

【高畑】まあだから、メッセージが「お菓子のパッケージに書け」ってことなんだよね。

【きだて】箱がほら、ポッキーみたいに横からピリピリって開けてくやつじゃん。

【他故】ここからパキッとね。

【きだて】そういうのも含めて、結構そそる感じだし。

【他故】よくできてる。

【きだて】箱の演出も上手いよね。

【高畑】ほら、これ。

マットホップ2.jpg【きだて】分かった、分かった。ずっとそれを描いてたんだな。キース・ヘリング風の(笑)。

【高畑】やっぱり、線ががはっきりしてる絵が描きやすいね。

【他故】本当に、イラストレーションってやつだ。

【高畑】これで、キャラっぽい絵とか描くのを練習するといいかもしれない。

【他故】いいかもしんないね。

【きだて】あとは、有り物にちょっと落書きして、賑やかにしてってのも延々と楽しいしね。

【高畑】そうそう。昔パルコが配ってたフリーペーパーがあって。そこの投稿コーナーで、写真に落書きをするみたいなのがあったんだよ。今もああいうコンテストをやればいいんだよね。ああいう写真のアップみたいなのを、ハッシュタグ作って。ちょっとした大喜利っぽい感じのタイトルを付けて、みんなで上げるみたいなのがあってもいいかなという気がします。

【きだて】それも含めて、発展性があるので。

【高畑】これはなんか、遊んだ結果をみんなで発表するものだし、発表してほしい。

【きだて】それ見ると絶対欲しくなるじゃん。写真に書けるペンがちょっと欲しいなってなるじゃん。そういうかたちで広まってくんないかね。

【他故】そうだね。

【高畑】まあ楽しいので。いくらでも遊べる感じがあっていいね。

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プロフィール

高畑 正幸(たかばたけ まさゆき)
文具のとびら編集長。学生時代に「究極の文房具カタログ」を自費出版。「TVチャンピオン」(テレビ東京系列)の「文房具通選手権」では、3連覇を達成した。サンスター文具に入社し商品企画を担当。現在は同社とプロ契約を結び、個人活動も開始。弊社が運営する文房具のWebマガジン「文具のとびら」の編集長も務めている。著書は『究極の文房具カタログ―マストアイテム編―』(ロコモーションパブリッシング)、『究極の文房具ハック』(河出書房新社)、『そこまでやるか! 文具王高畑正幸の最強アイテム完全批評』(日経BP社)、『文具王 高畑正幸セレクション 一度は訪れたい文具店&イチ押し文具』(監修/玄光社)、『究極の文房具カタログ』(河出書房新社)、『文房具語辞典』(誠文堂新光社)と、翻訳を手がけた絵本『えんぴつとケシゴム』(KADOKAWA)。
https://bungu-o.com/


きだて たく

小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/

他故 壁氏(たこ かべうじ)
文房具トークユニット〈ブング・ジャム〉のツッコミ担当。文房具マニアではあるが蒐集家ではないので、博物館を作るほどの文房具は持ち合わせていない。好きなジャンルは筆記具全般、5×3カードとA5サイズノート。二児の父親。使わない文房具を子供たちに譲るのが得意。ラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」が好評放送中。ラジオで共演しているふじいなおみさんとのユニット「たこなお文具堂」の著書『文房具屋さん大賞PRESENTS こども文房具 2022』が発売中。
たこぶろぐhttp://powertac.blog.shinobi.jp/

「ブング・ジャムの文具放談・完全収録版~2022年Bun2大賞を斬る!~」〈前編・後編〉をコンテンツプラットフォームnoteで公開中。

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