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【店員さんに聞いてみよう】色鉛筆の選び方―油性&水性編―

文具のとびら編集部

寒く厳しい季節が終わり、あたたかな日差しの下で草木が芽吹くのを見ると、ふと新しいことを始めたくなるもの。
そんな新しい趣味やおうち時間に、昨今注目を浴びているのが「色鉛筆」。本格的な絵でなくても、手帳やノートにイラストを描いたり、塗り絵に没頭したりと、日常をカラフルに彩ることができる。

とはいえ、いざ店頭やネットショップで見ても「どれを選べばいいか分からない」といった悩みも多いのでは。
そこで今回、文具のとびら編集部が画材専門店・世界堂に取材。色鉛筆の選び方を教えてもらった。

色鉛筆の選び方

お話ししてくれたのは、世界堂大宮マルイ店の中嶋寿挙店長。ちなみに同店は、2022年3月4日にオープンしたばかり。

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さっそく色鉛筆について伺うと「そもそも色鉛筆は、油性と水性の2種類に分かれています」と中嶋店長。

幼稚園や小学校などで使われる一般的な色鉛筆は実は「油性」。 「油性色鉛筆の特徴は、なめらか書き心地と、深みのある色の表現ができることです。たとえば、グリーンの絵を描きたいとき、緑の色鉛筆だけでなく、きみどり色も使って重ねて書くと、絶妙な色合いになって存在感のある深い色を表現できますよ」とのこと。

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一般的な油性色鉛筆

「あと、若干ですが、ツヤがあるのも特徴です」。
たしかに、小学校で使った色鉛筆は、強く塗ったところがツヤツヤと反射していた記憶がある。

一方水性色鉛筆はというと「描いた部分を水で溶かすと、透明感のある絵が描けます」とのこと。
一般的に“水彩色鉛筆“と呼ばれているのがそれ。水を含ませた筆でなぞるようにして塗れば、水彩絵の具で描いたような筆跡になる。

水彩.jpg

一般的な水性色鉛筆。水筆でなぞると色が淡く広がる

混色.jpg混色も簡単

「一度描いて溶かすだけでなく、同じ箇所で描いて溶かして…と繰り返していくと、透明感の中に深みのある仕上がりになります」。さらに「油性と水性の両方を一緒に使うことで、きっと表現の幅が広がりますよ」とも教えてくれた。

中嶋店長は「値段が高いものは芯の中の顔料(色素の種類)が多く鮮やかな発色をするものが多いです」と前置きしたうえで「ただ、各メーカー、ブランドにも個性があります。値段の高い・低いだけでなく実際に試し書きをしてみて、自分が書きたい表現に合っているかどうかで選んでみるのが良いと思います」と話している。

店員さんのおすすめ

【油性】

カリスマカラーばら.jpgカリスマカラー箱.jpg「カリスマカラー色鉛筆」(米国・サンフォード社)
昨今のおうち時間で人気が出ているブランドで、100種類を超える色の多さと、発色の鮮やかさが中嶋店長のおすすめポイント。
以前は「イーグルカラー」と呼ばれていたが、販売元の変更により、現在は「カリスマカラー」の名前となったのだそう。しかし製造元はそのままで、品質は昔と変わぬまま。

【水性】

ファーバーカステルバラ.jpgファーバーカステルは箱.jpg「ファーバーカステル アルブレヒトデューラー水彩色鉛筆」(ドイツ・ファーバーカステル社)
ドイツの歴史あるメーカー「ファーバーカステル」の水彩色鉛筆は、「専門家にも多く使われています」と中嶋店長。重厚感あるパッケージで、贈り物にもおすすめだという。

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