先日、「地図式車内券風メモ帳」という商品を見つけたので衝動的に購入した。かつて国鉄で発券していた車内補充券をリアルに再現したメモ帳で、鉄道の硬券キップの印刷をしている関東交通印刷という会社から発売されている。

車内補充券というのは、事前にキップを購入できなかった場合に車内で発券してくれるもの。この券に、該当するキップの種類、乗車日、乗降駅に車掌がパンチで穴をあけて発券してくれるのである。昔筆者が田舎町で暮らしていた頃は、まだ自動改札がなかったので、キップを買っていると列車に間に合わないといういう時に、改札口の駅員に「車内で買います」と言えばそのまま通してもらえたものだ。今でも、特急券を買わずに特急に飛び乗った場合や、無人駅から乗車した場合に、車内でキップを買うと車内補充券を発券してくれる。ただし、現在は国鉄時代のものとは違い、車掌が操作する端末機からレシートのような券が出てくるのだが。

さて、今回購入したこのメモ帳は、まるっきりそのまま車内補充券だが、裏面がメモになっている。往年の鉄道ファンならば「ああ、そういえばこんな券だったな」とノスタルジックな気分に浸ることができるが、もちろんこれで列車に乗車することはできない。


種類はいくつかあって、筆者は「上野車掌区タイプ」というものを購入した。他にも品川車掌区や三鷹車掌区、池袋車掌区、東神奈川車掌区、千葉車掌区、高崎車掌区などなど実に様々なタイプが用意されているのだが、筆者が上野車掌区タイプを購入したのは、この地図の中に地元の駅が載っているから。地図の文字や線が微妙にカスレているけれど、これはリアルな再現性にこだわったからだそうだ。


数ある鉄道文具の中でもかなりマニア度の高いものではあるのだが、鉄道旅のお供にピッタリのアイテムだろう。