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【サラサクリップ】ゲルインクボールペンで5年連続の人気ナンバー1

千葉 勇

ゼブラの「サラサクリップ」は、ゲルインクの特性を活かした鮮やかな発色と、さらさらした書き味が特徴のボールペン。女子中高生を中心としたファンが多く、2016年には年間9000万本(国内外含む)を販売。ゲルボールペンの中では2012年から5年連続でシェアNo.1を記録している。

人気の理由はサラッとした書き味と、きれいな濃い発色

人気の理由は、2003年の発売以来、書き味と発色、そして色数にこだわって改良を重ねるとともに、使うシーンを増やすための工夫を凝らし、さまざまな提案を行ってきたことがあるようだ。

油性と比べて、にじみやすいイメージがある水性ボールペンだが、「サラサクリップ」のような水性顔料タイプは耐水性があり、軽い力で書けることから幅広い年代で人気が高まっている。

同社広報室の池田智雄課長は「サラッとした書き味と、きれいな濃い発色を追求するため、『サラサクリップ』は発売から13年にわたってチップ、インクを少しずつ改良し続けてきました。最後まで書ききれるように品質向上に努めてきたことが人気の理由の1つだと思います。また、メード・イン・ジャパンにこだわり、すべて栃木県の自社工場で生産しています」と語る。

品質向上への飽くなきこだわりが人気を保つ理由となっているようだが、それだけではない。2016年9月に発売した明るくて可愛いネオンカラー「サラサクリップ ネオンカラー」と シックで大人な「サラサクリップ ビンテージカラー」を加え、色数は全46色とノック式ゲルボールペンでは国内最多を誇る。加えて、0.3、0.4、0.5、0.7、1.0mmの5種類のボール径から選べる選択肢の多さも魅力。「サラサクリップ」だけで色とボール径のバリエーションは111種類あるというから驚かされる。それでいて価格は100円(税抜)だ。

ゼブラ ジェルボールペン サラサクリップ 0.5 10色 JJ15-10CA


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本体の軸色とインク色を合わせた「サラサクリップ ビンテージカラー」

ゼブラ サラサクリップ ビンテージカラー 5色セット


このほか、同社が持っているインクに香りをつける技術を生かし、菓子メーカーなどと組んだコラボ商品も数多く手がけている。

色数・ボール径の多彩なラインアップとコラボ商品の展開は、メーンターゲットが女子中高生だからというのがその理由。女子中高生は色へのこだわりが強く、自分の個性を表現するために、たくさんの色数を購入する傾向にあるという。そのニーズに応えたことが商品ラインアップの拡充につながっている。

しかも女子中高生は香りに敏感。そこで同社ではこれまでにコラボ商品として、「リプトン紅茶」やキャンディー「チュッパチャプス」、不二家の「ミルキー」「カントリーマアム」「ネクターピーチ」、そして「サーティワン アイスクリーム」など、それぞれの香りを再現した香料をインクに配合したボールペンを数量限定で発売。香りで楽しい気分を味わえるボールペンとして提案し、好評を得ている。中には全限定コラボ商品を集めている人もいるそうだ。

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左利きの人に人気の「サラサドライ」と、仕事に使える「サラサグランド」

また、サラサクリップで育った学生も、発売から13年経つと社会人になるということで、社会人向けとして提案しているのが「サラサドライ」と「サラサグランド」だ。

超速乾ドライジェルを搭載した「サラサドライ」は、紙に浸透しやすい新成分をインクに配合。すぐに紙に染み込むので、書いた直後に触れても汚れないのが特徴。乾燥時間は同社従来品に比べ約85%短縮(0.5mmで普通紙に書いた場合)した。特に左利きの人から高い支持を得ており、1年で300万本以上もの販売実績がある。

ゲルインクボールペン サラサ ドライ (0.7mm) 【ブラック】 JJB31-BK

「サラサグランド」は、ビジネスシーンにふさわしい高級感漂う金属軸の本体デザインが特徴。厚い物も挟みやすいバインダークリップを金属製で実現。クリップ下のクリア部分はゲルインクのみずみずしさを表現し、サラサクリップらしさと高級感を兼ね備えたモデル。価格は1000円(税抜)と通常の「サラサクリップ」100円(税抜)の10倍だが、値段以上の見た目の良さとゲルインクのスピード感が受け、仕事でも使えると好評だ。

新サラサグランド4本.jpg「サラサグランド」


ゼブラ ジェルボールペン サラサグランド 0.5 ネイビー P-JJ55-NV

新製品の「サラサクリップ×そえぶみ箋」と「サラサクリップ×仏像なぞり塗り絵」

新製品では、2017年3月3日に発売した「サラサクリップ×そえぶみ箋」と、2017年3月17日に発売した「サラサクリップ×仏像なぞり塗り絵」がある。どちらも数量限定のコラボ商品となっている。

「サラサクリップ×そえぶみ箋」は、天保6年創業の老舗、古川紙工(岐阜県美濃市)の「そえぶみ箋」と、そのデザインに合わせて「サラサクリップ」3色をチョイスしたセット。このためにデザインしたオリジナルの「そえぶみ箋」は、タイトルが書けるふきだしを折り曲げると本文を隠すことができて便利。また、罫線はサラサクリップ0.5mmの線幅に合わせ、通常のものより2行多い9行となっており、より多くのメッセージを書きたいという要望に対応した。

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「サラサクリップ×仏像なぞり塗り絵」は、フェリシモ(兵庫県神戸市)との共同企画。仏像なぞり絵は2016年から働く女性を中心に密かなブームで、関連書籍が14万部を超すヒットとなっていることや、集中して癒しが得られる〝心のエクササイズ〟のひとつとして注目が集まっていることから商品化したもの。セットになっている仏像のカードは、すべて描きおろし。それぞれの仏像が安置されているお寺のお坊さんによるお説法も付いている。ボールペンの芯は、初めての人でも描きやすい1.0mm径、細かい線もキレイになぞれる0.5mm径があり、それぞれの芯にあった仏像の下絵がセットされているので、初心者から上級者まで楽しむことができる。

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ゼブラ ジェルボールペン サラサクリップ 0.5 10色 仏像なぞり塗り絵付 JJ15-10C-BN

水性ボールペンは油性ボールペンの2倍以上売れている

国内の筆記具市場は微増傾向にあり、その中でもボールペンの占める割合は大きい。経済産業省がまとめた「生産動態統計」によると、2016年の国内メーカーのボールペンの生産数量は16億7618万本(前年比7.0%増)で、販売金額は795億5700万円(同2.6%増)。このうち、水性ボールペンの生産数量は12億7322万本(同8.7%増)で、販売金額は540億9900万円(同3.5%増)、油性ボールペンの生産数量は4億295万本(同2.1%増)で、販売金額は254億5800万円(同0.8%増)。このように数量・金額とも水性ボールペンが油性ボールペンを大きく上回っており、伸び率でも水性ボールペンの方が高いことから、今後もその差は開く可能性が高いと思われる。

高畑編集長のひとこと

2003年の発売以来、特に中高生女子に圧倒的な人気のサラサですが、そのサラサラとした書き心地と鮮やかな発色は、年齢性別を問わず既に国民的人気ボールペンです。しかしその強さは書き心地だけではありません。全46色というカラーラインアップに太さを含めると111種という豊富な選択肢に、超速乾タイプのサラサドライも加わり、国内ゲルインクボールペン最多の選び放題。しかも100円という価格でありながらノック式・ラバーグリップ・バネ式クリップと全部盛り。学生から支持されるのも頷けます。そんな学生が大人になって自信を持って使えるサラサグランドはサラサクリップのデザインを上手に踏襲しつつもスマートでエレガントに仕上げた高級版。とはいえ1000円というお手頃価格なのもさすがです。せっかくですから、グランドには新発売のビンテージカラーのリフィルに入れ替えて大人っぽく使ってみてはいかがでしょう。

ゼブラ http://www.zebra.co.jp/

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