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- 車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち
- 【連載】車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち #40 「諦めたカリグラフィーをもう一度。」

【連載】車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち #40 「諦めたカリグラフィーをもう一度。」
波子
カリグラフィーに憧れたことがあります。
20代半ばの頃でした。友人に嗜む方がいたので、オススメのつけペンやテキストを教えてもらったりして、ちょこっと始めてみたこともありました。
でも、当時の私は万年筆やつけペンで書くことに慣れておらず、当然ですがなかなか上手くできません。きっと、そこでめげずに頑張って練習を続けていれば、少しずつでも上達したのでしょう。けれど、私はすぐに他の興味あるものに目を向けてしまい、カリグラフィーから遠ざかってしまったのです。
時は過ぎ、ペンを持つ際にペン先の向きや紙との角度を一定に保つのが難しくなった今になって、またカリグラフィーへの熱が再燃しています。
それは、筆ペンによるカリグラフィーを目にしたことから始まりました。呉竹のカラー筆ぺん「耽美艶」を使ってブラッシュレタリングに挑戦していたとき、「せっかくならまたカリグラフィーにもチャレンジしたいな」と思ったのです。
今回は、つけペンを使うのは難しいかもしれない私にとって、救世主のようなペンをご紹介します。
呉竹「ZIG カリグラフィー Ⅱ」
ZIG カリグラフィーⅡ 練習セット。お手本つきのテキストとツインマーカー3色(ワインレッド、イエロー、コバルトブルー)
呉竹の「ZIG カリグラフィー Ⅱ」は、水性染料インキのカリグラフィーマーカー。2.0mm芯と3.5mm芯のツインタイプです。
私は呉竹オンラインショップ限定の「ZIG カリグラフィーⅡ 練習セット」で購入しました。




私にとって最大の利点は、マーカーであるがゆえに「ペン先を紙に当てる角度の制限が緩い」こと。
私が万年筆やつけペンを苦手としている理由が、紙に対して一定の角度を保って書くのが困難になったことなのです。
でもこのZIG カリグラフィーⅡは、ペンを立て気味にしても問題なく書けます。嬉しい!
つまり、イタリック体の文字を書くにあたって、ペン先の幅を右45°に保ちつつ文字を5°傾斜させることに集中すればいいのです。

「ZIGマーカーで書くカリグラフィー(イタリック体)/練習帳」は、3.5mm芯のマーカーで練習できる実寸大のお手本つき。
思ったのは、普通のカリグラフィーペンに比べてあまり気を遣わずに書ける、ということでした。平らなペン先をしっかりと紙に接地させて書く必要はありますが、何度か練習を重ねると、思った以上に簡単に書けて楽しめます。

最初の方で基礎的な運筆を練習し、次にアルファベット小文字を実寸大のお手本に習って書けるようになっています。他に、アルファベット大文字、数字が練習できます。
練習帳の最後には3.5mm芯用のガイドラインだけが印刷されているので、薄めの紙を置いて書くことができます。

ひとつだけ気になる点は、キャップがとてもかたいこと。
開けるのも閉めるのも、それなりの力が要るのです。握力15kgの私は何とか開閉できますが、それでもややしっかりめに力を込めています。もう少し力が弱くなったら難しいかも。
でも、それまでは、この気軽に楽しめるカリグラフィーを満喫したいと思います。
カラーは単品で購入できる12色のほか、限定色12色を含めた24色セットも販売されています。
また、ほかにも多くのカリグラフィーマーカーがラインナップ。イタリック体以外の練習帳もあるので、いろいろ試してみたいです。

プロフィール
波子
1974年生まれ。脊柱側弯症、先天性ミオパチーのため、2006年に杖歩行となり、2012年から車椅子、2014年12月から簡易型電動車椅子を使用。便利な道具や文具が好き。
奈良県奈良市で生まれ育ち、大阪・東京での暮らしを経て現在奈良市在住。
産経新聞奈良版および産経WESTにて連載「車いすでみるなら」2015年2月~2019年5月、全70回。
ブログ「車椅子、ときどき杖。」http://nam-kid.hatenablog.com/
1974年生まれ。脊柱側弯症、先天性ミオパチーのため、2006年に杖歩行となり、2012年から車椅子、2014年12月から簡易型電動車椅子を使用。便利な道具や文具が好き。
奈良県奈良市で生まれ育ち、大阪・東京での暮らしを経て現在奈良市在住。
産経新聞奈良版および産経WESTにて連載「車いすでみるなら」2015年2月~2019年5月、全70回。
ブログ「車椅子、ときどき杖。」http://nam-kid.hatenablog.com/
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