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【連載】車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち #17「不器用でもドットが描けるマーカー」

波子

何度かこの連載でも述べておりますが、私は手の力が弱いだけではなくて、かなり不器用です。
蛍光ペンでラインを引くときも綺麗にまっすぐ引けずに線が細くなったりする程度には、不器用なのです。

少し前に、マーカーの先が円形になっていて、ポンと丸い形に押せるペンが登場しました。
マンスリー手帳の日付を目立たせるのに使いたいなと思ったのですが、不器用な私にそんな綺麗に丸く押せるはずがなく、諦めていたんです。

ところが。
まるでそんな私に「大丈夫だよ」と笑いかけてくれるような、すばらしいマーカーが現れました。

呉竹「ZIG クリーンカラードット」


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呉竹「ZIG クリーンカラードット」。店頭に並んでいた5色を購入した。細芯は0.5mm、ドット芯は最大径約5mmから最小径約1mmのドットが描ける



呉竹の「ZIG クリーンカラードット」は、ツインタイプマーカー。太い方はペン先が柔らかくて丸い「ドット芯」になっています。
しっかりと紙に押し当てると、大きな丸に。
軽く押すと、小さな丸に。
ちょんと付けるだけだと、点に。 柔らかいから、押し当てる強さによってインクを紙に乗せる大きさを変えられるんです。

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ドット芯の先は弾力があり、紙に押し当てる強さで太さを変えられる



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軸はやや太めで持ちやすい。多少ななめから押し当ててもドットが描ける



公式サイトでは、いろいろな使い方が提示されています。
https://www.kuretake.co.jp/special/brush-pen/pen/cleancolordot/
私にとって最もすばらしい点は、真上からまっすぐ紙に押し当てなくても丸く押せる、ということ。
多少ななめから押し当てても、弾力のあるドット芯がちゃんと丸く仕上げてくれます。
ズレたり、欠けたりしないんですね。これが不器用な私にも絶大な安心感を与えてくれるんです。
ありがとう、クリーンカラードット…!

ドット芯側は、ペン先の露出が大きいからか、書いた後の収納時にキャップにインクがつきがちです。キャップの入口についたインクが白いペン軸に移ってしまい、すぐにまた使おうとしたら手にもついてしまいました。私が不器用なせいもありますが、ちょっと気をつけた方が良いかも。ちなみに、軸についたインクはきれいに拭き取れます。
あと、販売時には1本ずつビニールコーティングされていたんですが、ぴっちりと密着していてはがすのにとても苦労しました。私のように力が弱い人は、場合によっては誰かに頼んで開けてもらった方がいいかも知れません。


私が筆圧の要る筆記具を使いにくくなったのは、力が弱くなったから。
筆圧はいらないけれど筆記の角度が決まっている万年筆が使いにくくなったのは、規定の角度を保つのが難しくなったから。
サインペンやマーカーペンは、筆圧がさほど必要ないうえに筆記の角度も選ばない、私にとってとても使いやすい筆記具です。
その中で、こうした少し特殊なペンが登場してくれたことに、とても感謝しています。 きっとまだまだこれからも、使いやすい筆記具が現れてくれるのだろうと思うと、ワクワクが止まりません。

プロフィール

波子
1974年生まれ。脊柱側弯症、先天性ミオパチーのため、2006年に杖歩行となり、2012年から車椅子、2014年12月から簡易型電動車椅子を使用。便利な道具や文具が好き。
奈良県奈良市で生まれ育ち、大阪・東京での暮らしを経て現在奈良市在住。
産経新聞奈良版および産経WESTにて連載「車いすでみるなら」2015年2月~2019年5月、全70回。
ブログ「車椅子、ときどき杖。」 http://nam-kid.hatenablog.com/

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