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【連載】月刊ブング・ジャム Vol.102 注目の個性派小物文具 その2
本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は、今注目の小物系文具を取り上げました。
第2回目はシードの「カドループ」です。
(写真右からきだてさん、高畑編集長、他故さん)*2025年8月9日撮影
*鼎談は2025年7月25日にリモートで行われました。
子どもたちの夢を実現!
「カドループ」(シード) あたためるとカドが何度も復活する不思議な消しゴム。お湯やドライヤーで丸くなった消しゴムをあたため、付属の“カドモドシート”で成形すると、カドを何度も作ることができる。*関連記事――じゃあ、次は「カドループ」にしましょうか。カドが復活する消しゴムですね。
【高畑】「これはどうですか、きだてさん?」って聞きたくなるよね。俺もこれは、やっぱりショックがね。「ついに来たか」って思いましたけど、きだてさんどうですか?
【きだて】いや、うーん。
【他故】えっ、どういうこと?
【きだて】何? これはイロモノ文具として語れっていうのか。
【高畑】どうとも取れるじゃん。
【きだて】ぶっちゃけ、これイロブンですよ。
【高畑】はいはい。
【きだて】だって、消しゴムとしての性能はそんなに高くないじゃない。
【他故】まあ「消えるね」ぐらいでね。
【きだて】端的に言っちゃえばそう。それよりは、すごい子どもの夢なわけじゃない。角が丸くなった消しゴムを復活させたいみたいな。
【他故】うんうん。
【きだて】それを、「熱可塑温度を下げればそれでいけるじゃん」っていうすごいシンプルな解法でやったっていう面白さ。そこに全てがあるような気はするんだけどね。この「カドループ」という製品の味わいは。
【高畑】うん。
【きだて】だって、実際どこか小学校とコラボしてやってるんだよね?
【他故】そうそう、大日向小学校だっけ?
【きだて】これ有名な小学校なんでしょ? 進学校で。
【他故】みたいだね。
【高畑】有名な進学校の子どもたちが関わってるわけですよ。
【きだて】だから、お子様の考えることはまぁそんなもんだなっていう。
(一同爆笑)
【きだて】なんぼ頭がよかろうが、まだ文房具に対するキャリアが足りてない。
【高畑】そういう人たちが、将来の日本を動かしていくわけだよ(笑)。
【きだて】これでちょっとね、「夢と現実は違うんだぞ」っていうことを学んでくれればまあいいんだよ。
【高畑】いや、その原動力で日本の経済も再生させてくれるわけだよ。
【きだて】そうしてくれれば、俺は文句言わないんだけど。
【高畑】まあ、言ったらありそうな話ではあるじゃない。カドを戻すっていう話は。これまでだって。「カド戦争」っていうのを山ほどやってきたので。どこもなかなかやらなかったところとか、やれなかったところ。熱可塑温度を下げるって簡単に言うけども、子どもが扱える温度で軟化するのはそれなりに難しいと思うんだけどもね。
【他故】うん。
【高畑】低音で溶けるっていうことにしちゃったがために、ゴシゴシこするとその熱で溶けるんだよね。
【きだて】そうなんだよ。
【高畑】これはやってみると分かるんだよね。
【きだて】表面が。
【高畑】そう。ゆっくりやるとちゃんと普通に消しゴムなんだけど、ゴシゴシやると消しゴムが一瞬溶けて崩れてるのが分かるっていうね。
【きだて】溶け崩れる感触は結構面白くて好きなんだけど、消しゴムとしてはできちゃいけない状態じゃん。
【高畑】まあね。でも、これもしかしたらあれができるのかね。もう1個の夢があるじゃん。消しゴムを使った後の消しカスをもう1回集めて消しゴムに戻すっていう話もあるじゃん。
【きだて】そうだね。
【高畑】だって溶けるんだから。多分さ、もう1回固めたら、まあ黒くはなってるんだろうけど、消しゴムに戻りそうな気がするね。
【きだて】うん、というかちゃんとかたまりに戻りました。消しカスを温めたら。
【他故】あ、やっぱなるんだ。
【高畑】戻るよね。
【きだて】だから、それを型に入れれば、ちゃんと消しゴムの形には戻ります。
【高畑】60度ぐらいだっけ? 70度だっけ?割と温度が低いんだよね。
【きだて】基本的には80度ぐらいでやれみたいな感じだと思うんだけど。でも65度ぐらいで全然柔らかくなるし、むしろちょっと低めの温度でやった方が整形はしやすいね。高い温度だと溶け過ぎて、透明のプラ板で押さえたときに、隙間からムニュッてはみ出る。
【高畑】型枠はもうちょっとちゃんと作ってもいいんだろうけど、それをやると最早消しゴムなのか何なのか分かんなくなってくるから、あの簡易的な板が付いているだけっていうのも、色々考えた末にここに来たんだなっていう、試行錯誤は見える。そこはすごく、面白い。
【他故】そうだね。
【高畑】実用性で言ったら、もう「カドケシ」も「でるケシ」要らなくて、普通に「レーダー」を買えってなっちゃうじゃない。そこに違うアプローチでとどめを刺してきたっていうのは、何かすげえなって思うね。カドの数がめちゃくちゃ増えた「ジグザグ」とかさ色々とあったりするわけじゃないですか。「もうカドを増やしてもしょうがねえじゃん」みたいになってきたところに、この固めていくっていうのはなかなかさ。
【他故】ははは(笑)。
【高畑】そこは技術があるからできるんじゃない。
【他故】そうだよね。
【きだて】ブレイクスルーはあったんだろうなとは思うんだ。ブレイクスルーし切ってない使いづらさっていうのが問題になってるだけで。だから、そういう意味では面白いんだけど、とはいえ、やっぱ高い技術で作られたイロブンだなという。
【高畑】それはそうだと思いますよ。
【きだて】今はラノベで転生ものとかが流行ってるわけじゃないですか。
【他故】ああー。
【きだて】だから、俺は「転生系消しゴム」とか、「転生してもカドでした」とか、そういう風に言ってるんですけども。
【他故】転生系(笑)。
【きだて】異世界転生しても、ちゃんとカドになる。もしくは死に戻りとかそういうやつ。
【他故】ははは、なるほどね(笑)。
【高畑】目が覚めると戻っている、死んだはずなのに目が覚めるとまた戻ってるみたいな。
【きだて】その辺のラノベ的な楽しさも、子どもにウケる一因だったのかなという気もするんだけどね。
【高畑】深く考えすぎじゃねえか(笑)。でも面白い、なるほどね。転生系というか、復活復元系。むしろ鬼滅の鬼みたいな、切られても切られても元に戻るみたいなさ、そういう不死身の感じはするよね。
【他故】復活って言葉が、確かに結構来るよね。
【きだて】その辺の死なない強さというか、再生するみたいな、その辺の強いイメージも子どものイメージだったのかもしれないし。
【他故】うん。
【きだて】何か、いろんな意味で小学生が考えそうな消しゴムだな。
【高畑】これね多分、「どんな消しゴムがいいですか?」みたいな授業とかやるわけじゃん。こんなのがいい、あんなのがいいっていろんなアイデアが出てきた中で、お湯に入れたらとか、温めたら溶けて固まってカドが復活するのがいい、みたいなことを言われて、「じゃあやってみるね」って言って作ったおじさんの、子どもの言ったことを真に受けてちゃんと作っちゃう大人っていうのが、結構粋だからいいなと俺は思うんだけど。
【きだて】作ってるおじさんは消しゴムのプロだから、激しくゴシゴシこするとはく離していくとか、そういうネガティブも当然分かってるわけじゃん。そういうのを分かった上で製品化しなきゃいけなかったという、何か切なさみたいなのもちょっと感じるんだけどね。
【他故】切なさ(笑)。
【高畑】いやでも、その切ないって言うほど使えないわけでもないじゃん。もちろん、普通の一番消える消しゴムと比べたら足りない部分はあるけど、でも「クリアレーダー」のカッコいいっていうのと変わらないじゃん。
【きだて】まあそうか。
【他故】消せないわけじゃないしね。
【高畑】そうそう。だって、磁石で集まる「磁ケシ」だってさ、普通の消しゴムから比べたら全然崩れやすくなってるじゃない。なんやかんや言って真面目にさ、「じゃあ、普通の消しゴムだけでいいじゃん」って、「レーダー」でいいじゃんってなっちゃったら、それで終わっちゃう話なんだけど。でも、そこに乗ってみるっていうか、言われたので作ってみるで、ちゃんと製品として世の中に出せるぐらいの値段とかたちに納めるところは、なんか結構大人が頑張ってるというか。
【きだて】それはまぁ、そうだよね。ちゃんと完成させたのはすごい。
【高畑】「いやそれはね、こうだからなかなか難しいんだよね」って言ってたら何も進まなくて、それで終わっちゃうんだけど。でもそこをさ、「じゃあ作るわ」って言って作っちゃってるところがなんかいいなっていう気がするのよ。
【他故】それはすごくあるね。いや本当に、小学生の時にこれ売ってたら間違いなく買ったと思うし、しれっと「夏休みの自由研究だ」って言い張って親に買わせて、たくさんやるんじゃないかと思うよ。
【きだて】実際に、自由研究に使う子が出てきそうだな。
【他故】出てくるんじゃないかな。「なぜ普通の消しゴムは復活しないのか?」ぐらいの気持ちで(笑)。
【高畑】これはアリなんじゃないですか。それで、同じ消しゴムでも、素材が色々あるんだな、みたいなことが分かってくれりゃそれでもいいね。いやだってさ、僕はサンスター文具で「アイデアコンテスト」(関連記事)にもう10年も関わってるわけですよ。子どもの意見なんていっぱい来るわけですよ。中にはめちゃくちゃ考えてくれてる子もいるんだけど、大半は自分が欲しいもののことを言うわけですよ。もちろんこれが正解かどうかはともかくとして、あれこれ理由をつけて作らないっていう手はいくらでもあるんだけど、それを何かしらの理由をつけて作っちゃうっていう方が、僕は世の中が面白くなるからいいなって思います。
【きだて】あ、分かったぞ。さっきからやけに「子どもに言われて実際に作っちゃうおじさん」の解像度高いなと思ったら、文具王自身がそうだった(笑)。
【高畑】まあ、そうそういう仕事やってて、何か作ってあげたくなっちゃう気持ちも分かるし。商品にしようと思ったら、面倒くさいハードルがいっぱいあるはずなんだけど、そこを乗り越えて作っちゃうところが偉いなって思うので、これを作ったおじさんは、こういうのが正しいかどうか分かんないけど、カッコいいなと僕は思います。
【他故】ああ、そうね。
【高畑】ほら、NHKの「魔改造の夜」とかもそうじゃん。無駄だけどやるみたいな。そういうものを実現化してしまう大人がいるっていうのは、何か豊かな国だなと思うので。それが回り回って、きだてさんの好きな類のものが世の中にあふれてくるのは、多分くだらないものを「くだらない」って言わずに作っちゃう人がいるっていう。
【きだて】いや、くだらないって言いながらでも作ってもらえたらありがたいんだけど、まぁそういうことではあるよね。
【高畑】最近、真面目な文房具多くない?
【他故】えっ?
【高畑】最近さ、これまでに全然なかったチャレンジっていうのが落ち着いてるじゃん。「そりゃそうでしょう」っていう正当進化がいっぱいあって、それはそれで全然いいんだけど、今年とかでも「キレーナ」みたいなものが出てくると、俺らは何か嬉しくなっちゃうとこってあるじゃないですか。「全く新しい方法で、こうかいくぐってきました」みたいな。「これも欠点を解消する新しいアプローチです」みたいなのが出てくると、「おお!」ってなるんだけど、そういうことをやるとんちみたいなものがもっともっとあってもいいよね。
【きだて】メーカーもさ、売れるものを探るためにマーケを使うのか、ユーザーが欲しいものを作るためにマーケを使うのかって、その微妙な違い。そういうのもありそうな気がするんだけどね。
【高畑】売れることが確定しなければやらないっていう姿勢ではなくて、「分からないけどでも面白いじゃん」とか、「分からんけど、もしかしたらこれウケるかもしれないじゃん」みたいなところで、その延長上にないことは作るのも面倒くさいしっていうのがあるところをあえてやっていく。これが次の消しゴムのど真ん中にはならないと思うけど、そいうのが山ほど出てきて、その中でなんかこう選べるっていうのはいいね。全部消字能力が1番高いのを目指した消しゴムばっかりになったらつまんないなって思うから、いいんじゃないですかっていう気がしますね。
【きだて】あと、カドがいっぱい戦争の時に、シードってあんまり出せてなかったのよね。
【高畑】あ、そうかな。
【きだて】立方体を組み立てる「パズル消しゴム」みたいなのを「カドが多い」と言い張って出してたぐらいで、ちゃんと正当なカドいっぱい消しゴムって、シードは出せてなかったはずなんよ。
【高畑】だからシードが最後に「ケスゴム」を出して終わらしたんじゃなかったっけ。
【きだて】そうそう、「消」って漢字型のあれ。結局、とんちで片付けちゃったせいで、シード社内でもなんとなくカド戦争に決着を付けられてなかったのかもなと思って。シードの中の人たちが。
【他故】ああ。
【きだて】なので、あの当時からずっとやるせない思いみたいなのを抱えてた人たちが、今ようやくその辺りの決着をつけたんじゃないかと想像したら、これは燃えるよね。いや、本当にそうかは全然分かんないですけど。
【他故】なるほど。「俺たちならこうやるぜ」みたいな。
【きだて】そう、「あの答えは今ここに出すぜ」みたいな。
【高畑】三角の消しゴムはパイロットでも売ってたけど、あれシードじゃなかったっけ?
【他故】あれはシードだね、「トライアングル消しゴム」。「コミック消しゴム」って言い方をしてた。
【高畑】「コミケシ」になってたやつね(関連記事)。
【きだて】でも、あれもカドがいっぱいとは違うじゃん。
【高畑】まあね。成型じゃなくて、基本は押し出しとプレスで作ってるからそこはね。シードはよく消える消しゴムをちゃんと作ってるからね。
【他故】うん、もちろん。
【高畑】「レーダー」とかがやっぱりすごいから。でも確かに、へんてこな消しゴムを数多く出すっていうメーカーでもなかったから。
【きだて】ここ最近、「太陽のレーダー」とか変なものもちょいちょい出していたんだけど。
【高畑】形じゃなくて、質的なところで攻めてくるのはすごいね。
【きだて】そうね。
【高畑】日があたったら色が変わるとかさ。材料のところの研究をやってるんだね。
【きだて】ベースになる研究がちゃんとできてるのはいいよね。
【高畑】「世界の国旗バージョン」とか色々出してるけどさ(笑)。まあ、それはスリーブの話じゃんってなっちゃうから。やっぱり、こういう中身のところとか、使い勝手が違うっていうところで攻めてくるのはなかなかいいなと思うけど。
【他故】うん、なかなかいいし、研究もしてるんだな。
【きだて】そういうのを進めて、従来の消しゴムになかったものを出してくれたら、ユーザーとしても「へー、気になる。使ってみたい」ってなるわけで。ワクワクするよね。
【他故】そうね。消しゴム好きとしては、こういう変化球的な消しゴムは大好物なので、たくさん欲しいですよ。
【きだて】変化球というか魔球というか(笑)。
【他故】ははは、消える魔球クラスだからね(笑)。
――大リーグボールクラスですよ(笑)。
【他故】いや本当に(笑)。
――まあでも、消しゴムでこういう新機能的なものが久々だったので。
【高畑】そう、だから「新しいカドの出し方を考えました」って言って、ちょっと違う立体を見せられても、「もう驚かないぞ」っていう気分になってるじゃん。3Dプリンターとかで色々とできるしさ。そうすると、「どんな形を持ってきても驚かねえぞ」って思ってたら、そうじゃないところに来るのがやっぱりなって。ちゃぶ台をひっくり返す的なことが好きなんだよね。
【きだて】そういうものを見ると、割とうっとりしちゃうというか、楽しい。
【高畑】これ、俺が小学校の時にあったら買ってるもん。
【他故】いや、これは絶対買うよね。
【高畑】今も買ってるけどさ、小学生だったらガチで買いに行ってるよね。
【きだて】そう思うんだけどさ、小学生が普段使いするにはお値段が高いんだよな。
【高畑】高い。けど使ってみたい。やっぱりさこのギミックを付けて、なんやかんややって、でパッケージも普通のスリーブに入れただけだと多分使い方が全く分かんないから。
【きだて】そうそうそう。
【他故】この立派なやつに(笑)。
【高畑】これ、パッケージ代が結構かかってるよ。
【他故】これ立派だよね。
【高畑】透明窓が付いてるし。
【他故】そう、窓開けて。
【高畑】穴が空いてるのかな?
【他故】そう、こっちは穴が開いてる。
【高畑】穴が開いてて、透明窓が付いてる。
【きだて】あとスリーブも違うんだよね。再はく離になってて。
【高畑】そうなんだよ。お湯に浸けるときに剥がさなきゃいけないから、シールになってるんだよね。
【きだて】他にないだろうというところがなかなか大変。
【高畑】まあ、はがしたのをちょっと戻しにくいよね。シールの一部だけはく離紙がはがしてあるみたいな付け方になってるからさ、なかなかちょっとびっくりするんだけど。まあでも、そういう実験的なものを出してくれるっていうのは、何かいいなと思うので。
【他故】いいですよ。
【きだて】そもそも、文具王も他故さんもこれをキレイなカドに戻せた?
【高畑】僕は一応戻せたよ。
【他故】あのね、僕は実は削ってる最中で、まだ1回もやったことないんですよ。だから、ぜひ試したいなと思ってて。
【高畑】僕は、YouTubeのライブ中に色々やってたんだけど、お湯は確かにそうなんだけど、最初ね、シーリングスタンプのワックスを溶かす用のヒーターに、くっつかないようにクッキングシートみたいなのの上に載せてやったら、すごいベチョって溶けちゃって、、やっぱりお湯ぐらいがちょうどいいんだけど。でも、お湯にポチャンってやっちゃうとボディが溶けちゃうから、先だけお湯に浸けるっていう。そこら辺はね、そういう工夫をして、上手くいったりいかなかったりしながら、実験をするのは、やっぱり子どものうちにそういうのは実験してくださいっていうものですっていう。
【他故】ははは(笑)。
【高畑】俺らの頃とかも、「絶対嘘じゃん」みたいな組み立て方が書いてあるプラモデルとかあったじゃん。今はコツが要るとか言うと、製品がダメみたいになっちゃうけど、コツが要るものだってあっていい気がちょっとするんだよね。
【きだて】あー、世の中が親切すぎるという。
【高畑】「このカドをキンキンにトガらせて再生させるための腕を磨け」みたいな。
【きだて】みんな失敗するのがイヤすぎるから、メーカー側も失敗させないよう親切になりすぎる。失敗しつつテクニックを身に付けていくのも楽しいよ。と言いつつ、俺は本当に不器用なので、このカドは未だにキレイに再現できないんだけどね。なんか全体的に均等に圧がかけられなくて、消しゴム自体が妙に傾いちゃったり。
【高畑】そうなると、きだてさんはジグ作りを始めたりするわけだよ。
【きだて】まさにそうで、ちゃんと専用の治具は作んなきゃなと。
【高畑】それはそれで1つの回答だからいいんだよね。大人げない回答として、そういう枠を作り始めるとかって本末転倒になっていくところがいいじゃないですか。
【他故】うん、それはそれでとてもいい。
【きだて】まあ、そういう楽しみ方ができるという意味でも、最近あんまりなかったおもちゃでした。
【他故】そうだね。
【高畑】こうやってああだこうだ突っ込めるものが出てくるのは、久しぶりにこういう面白いの出てきたっていう、ちょっと変なワクワク感があって、僕はこれは好きですよ。関連記事
プロフィール
高畑 正幸(たかばたけ まさゆき)
文具のとびら編集長。学生時代に「究極の文房具カタログ」を自費出版。「TVチャンピオン」(テレビ東京系列)の「文房具通選手権」では、3連覇を達成した。サンスター文具に入社し商品企画を担当。現在は同社とプロ契約を結び、個人活動も開始。弊社が運営する文房具のWebマガジン「文具のとびら」の編集長も務めている。著書は『究極の文房具カタログ―マストアイテム編―』(ロコモーションパブリッシング)、『究極の文房具ハック』(河出書房新社)、『そこまでやるか! 文具王高畑正幸の最強アイテム完全批評』(日経BP社)、『文具王 高畑正幸セレクション 一度は訪れたい文具店&イチ押し文具』(監修/玄光社)、『究極の文房具カタログ』(河出書房新社)、『文房具語辞典』(誠文堂新光社)と、翻訳を手がけた絵本『えんぴつとケシゴム』(KADOKAWA)。新著は『人生が確実に幸せになる文房具100』(主婦と生活社)。
https://bungu-o.com/
きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/
他故 壁氏(たこ かべうじ)
小学生のころから文房具が好きで、それが高じて文具メーカーに就職。ただし発言は勤務先とは無関係で、個人の見解・感想である。好きなジャンルは書くものと書かれるもの、立つ文房具と薄いペンケース。30分間文房具のことしか語らないトーク番組・775ライブリーFM「他故となおみのブンボーグ大作戦!」パーソナリティ。たこなお文具情報室所属。
「他故となおみのブンボーグ大作戦!」番組ホームページ https://daisakusen.net/


