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【連載】『小粋な手紙箱』 #100・手紙とは「気持ちのこもった贈り物」
(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタントの田丸有子さんは、子どもの頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの手紙好き。コンサルタントとして手紙文化を広めるために活動している田丸さんに、手紙の書き方のコツや手紙に関するトピックなどを毎月紹介してもらいます。
手紙で気持ちを伝えよう!
こんにちは。長夏の候、いかがお過ごしですか。
令和7年7月7日は、消印が「7.7.7」とラッキーセブンのゾロ目になる珍しい日でした。しかも新しい切手の発売日だったので初日印でスリーセブンが押される希少な機会とあって押印会場はちょっとした賑わいになっていました。
私はスリーセブンにあやかったワークショップを行ったのですが、縁起の良い消印で福を送る絶好のチャンスを説明すると参加した方々は喜んでしたためてくださいました。家族の誰かに向けて、ご両親が小さなお子さんに向けてと、特に身近な大切な人に手紙を書く良い機会だったようです。まだ字の読めない年端のお子さんが成長して人生のいろんな節目で、この日ご両親が手書きした文字を読み、その想いを感じられたらどんなに心強いかと想像します。実態として手に取れる手紙は、お守りになるかもしれませんね。
手紙トピック
森沢明夫著『水曜日の手紙』を読みました。水曜日の出来事を綴った手紙を送ると見知らぬ誰かの水曜日が届く「水曜日郵便局」。誰かの水曜日は誰かの水曜日と呼応するようにして人生を少しずつ変えていく。そんな内容です。
仕事柄もあって手紙を軸に据えた小説を読み続けていますが、登場人物はたいてい何かに悩み、ストレスを抱え、人生を変えたいと願っています。そして、手紙を書くことで自分の本心に気づき、新たな一歩を踏み出す。そんなストーリー展開がお決まりで、今回もそのパターン。わかっているのに読み進めてしまうのは、登場人物一人一人に違った物語が用意されているからに違いありません。抱えている悩みの内容は人それぞれ。誰一人として全く同じじゃないことが尊いし愛しい。それが交差するから面白い。「水曜日郵便局」の主人公は、こうだったらいいなと思う理想の自分になりきって手紙を書きました。それが見知らぬ誰かに対して思いもよらない化学反応を起こしていくのです。
現在は閉局していますが、「水曜日郵便局」というプロジェクトは実際に行われていたようで、検索するとたくさんの興味深い記事が出てきます。そちらも合わせて読むと読後感が深まるでしょう。
今月のマキシマムカード
ポストカードとフレーム切手: armeria
絵入りハト印: 海のいきものシリーズ 第9集
「小粋な手紙箱」は#100をもちまして連載終了となります。手紙という素晴らしいコミュニケーションについて、私なりに思うことを綴ってきた幸せな時間でした。読者のみなさんの幸せを願い、「7.7.7」の縁起の良いマキシマムカードで連載を閉じたいと思います。これまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
お知らせ
忙しい人でも自分のペースで学べます。
楽しく学んで手紙上手になりましょう!
【入門講座 /通信講座「手紙の書き方講座」】
【ビジネスメール講座 /通信講座「仕事で差がつく!メール・文章の書き方講座」】
【美文字講座 /通信講座「仕事で差がつく!実用美字・美手紙講座」】
プロフィール
田丸有子(たまるゆうこ)
(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタント
子供の頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの文通好き。でも手紙の何がそこまで自分を魅了するのか、深く考えたことはありませんでした。講座を受けて一番良かったことは、手紙が私の憧れを実現する手段であると気付いたことです。自分を表現することで人に喜んでもらいたい。叶えるために出来ることは何かずっと探してきました。その表現方法こそ私にとっての手紙であり、魅かれる理由なのだと気付いた瞬間、「やっと見つけた!」そんな気持ちになりました。
また、郵趣のコミュニティに参加したことで、手紙にも色々な楽しみ方が有ることを知りました。私が今夢中になっているのは、葉書と切手、消印をコーディネートするマキシマムカード。いかにセンス良く仕上げて個性を出すか、考えるだけでワクワクします。
ブログ「てがみまYukoのふみあかり」
You Tube「てがみまYukoのふみあかり」



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