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【連載】月刊ブング・ジャム Vol.97 新学期におすすめの文房具 その2

文具のとびら編集部

本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は、新学期におすすめの文房具を紹介してもらいました。

第2回目は高畑編集長おすすめの「NOLTYスコラ手帳シリーズ」です。

(写真左からきだてさん、高畑編集長、他故さん)*2024年11月9日撮影
*鼎談は2025年3月24日にリモートで行われました。

学生も手帳を使おう!

NOLTY スコラ1.jpg「NOLTYスコラ手帳シリーズ」(NOLTYプランナーズ)

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――じゃあ次は高畑編集長お願いします。

【高畑】ノルティのですね「スコラ手帳」っていうのがありまして。これがですね、中学生高校生向け手帳みたいな感じになっていて。まあ小学生でも高学年とかだったら使えるかなと思うんですけども、学習用の手帳っていうジャンルなんですよね。なので、僕が今使ってるかって言ったら使ってないやつなんだけど、僕が学生の時に欲しかったし、今の学生さんで手帳を特に使ってなくて、受験勉強とかを割と真面目にやっていくんだったら考えてもいいかな。4 月始まりなので、まだ全然手に入ると思うし。4月から手帳をつけるっていうのを始めてみてはいかがでしょう?っていうのが僕からの提案というところですね。

【きだて】基本ページはバーチカルタイプだっけ?

【高畑】「ベーシック」と「ライト」はバーチカル。それぞれに解像度の高さというか、書くことの細かさみたいなのがちょっと違ったりとか、あと内容が違ったりはするんだけれども、基本的には学校で勉強をしているっていうの前提で設計されているんですよ。分かりやすい特徴としては、バーチカルの時間枠が、朝4時ぐらいがあるのかな、それで8時ぐらいまでは数字が入ってるんだけど、その後は午後4時ぐらいまでの間が抜けてるんだよね。数字が書いてないのね。

NOLTY スコラ2.jpg

ベーシック(上)とライト(下)のバーチカルページ


【きだて】そうか、1 時間目 2 時間目みたいな感じの書き方になるんだ。

【高畑】そう。時間ごとに管理するのがいいのかといえばそうじゃないよねっていう。学生の場合だと、何時からじゃなくって。ほら、学校の授業って45分刻みだったりとか、時間の分け方が何時から何時までという考え方じゃないんだよね。

【他故】うんうん。

【高畑】だから大人用と違うのは、授業の時間帯は1限目、2限目、3限目みたいな書き方で、それが終わると塾だったりとか色々あるので、そっからあとは普通にバーチカルに戻るみたいな感じになっていて。そこはもちろん、何限目って書かずに時間として切っていっても同じようには使えるので、普通のパーチカルとしても当然使えるんだけど、まあ学生は「そこは時間じゃない方が使いやすいよね」っていうのが分かっていたりとか。あとは学習計画を立てるので、ToDo リストっぽいのもあるし。「今日何を何分勉強します」っていうレイアウトがあるんですよ。

【他故】ほう。

【高畑】自分がやろうと思っている勉強を、「何に何分使います」みたいなのをやっといて、例えば 60 分の目標で 60 分できましただとオッケーになるんだけど、「数学の勉強を60分やるつもりだったのが30分しかできませんでした」だったら、30/60 とかで書くようになっていて、家に帰ってから復習に2時間かけたかとかを書くようになってるんですよ。それから、自分の予定で塾があったりとか、あとはマンスリーで見るときには定期テストがあったりとかというのもあるし。おまけページには、定期テストの点数を書いてメモってまとめるところがあったりとか、毎週の反省を書くところがあったりとか、そういうところが学生向けになっているよと。面白いのはね、最後に寄せ書きページっていうのがあって、友達からのメッセージや月ごとの目標を書けるようになってる。友達に「頑張れ」ってメッセージもらうかのかな?

NOLTY スコラ3.jpg
【他故】見せ合うんだ。

【高畑】いやどうなんでしょうね。でも、NOLTYって「手帳甲子園」みたいなこともやってるわけですよ。

【きだて】うん、やってるね。

【高畑】「ちゃんと使おうぜ」みたいな「手帳甲子園」というのがあって、手帳を頑張ってつけてるクラスが、どうそれを生かして勉強に役立てているかっていうのを競い合うっていう、そんなこともやっているよという。

【他故】うんうん。

【高畑】学生生活をマネージメントするための手帳っていうのがあるよという話なんだけど、これが昔からあったら欲しかった。僕が学生の時にはこういう手帳がなかったので。僕が入った中学は進学校だったので、勉強のやり方を割とちゃんと教えてくれる学校だったんですね。まず手帳の書き方、予定の立て方とかノートの取り方とかっていうのを各先生が持論を持っているのと、全員「学習手帳」と呼ばれる手帳を書かされたわけですよ。それは家庭学習のための手帳だったので、学校の授業のことは書いてないんだけど、家に帰ってから何をどれだけ復習するかとか、テスト勉強に何をするかとかいうのを書かされて、それを毎週提出させられるっていう、当時は非常に苦しい地獄のような感じで。

【他故】ははは(笑)。

【高畑】僕は、習慣としてコツコツやるの苦手だったんだよね、その頃は特に。毎日書くのとかめっちゃ苦手だったから、毎週月曜だったかに提出するんだけど、それが苦痛だから日曜の夜とかにまとめ書きするわけだよ。そうすると「お前まとめて書いただろ」ってバレバレでさ、怒られるわけですよ。いやでもさ、それから大学入ったりとか、社会人になってから、気が付けばノートの取り方の基本とか、手帳のスケジューリングの基本みたいなことを学校で教えられたのっていうのは、実はめっちゃ自分にとっては役に立つ。

【他故】うん。

【高畑】「手帳にどうやって書くのがいいのか」みたいなのをずっとやらされて。中学の時は全部ルール通りに書かされるんだけど、高校になると検閲はなくなって、自分でそれを続けてやる人はやるみたいな感じで、そこからアレンジしていくみたいな感じなる。手帳の書き方を教えてくれるところがあんまりないので。

【きだて】たぶん、まだないよね。俺も教わった覚えがないもの。

【高畑】僕は、中高生の時に教わったのが、そのまんま今のノートの取り方のベースだし、手帳のつけ方のベースにあって、そこから自分の今に合わせて変えてるんだけど。「スコラ手帳」は使い方のガイドとか、使い方の事例みたいなのがいっぱい書いてくれているし、Webページに行けば「こんな風に書くといいよ」っていっぱい書いてあって、そういう書き方も含めて教えてくれる、合うか合わないかはあるけど、こういうのはすごくいいいなと思って。僕がいた頃は、キャンパスノートみたいなちっちゃいサイズの手帳を、「自分で罫線を引け」って言われて引かされてたんだけど。ちょっと前に母校にたまたま帰った時に先生にもらったんだけど、今はもう印刷されてるのね。

【他故】ああ、もうできてるんだ。

【高畑】学習内容を書いて、「合計何分」って時間を書いていくっていうのがあって。これを毎回提出させられるわけだよ。1日の感想とか通信欄とかがあって。こういうのを、僕らの頃はなかったけど、今はもう学校でも印刷して配ってくれてるみたいで、こういうのも便利だなと思うけど、NOLTYのやつは汎用性が高くて、何にでも使えるので「スコラシリーズ」は本当に便利そうだなと思う。大学入試は結局、それまでの間にどれだけこなすかみたいなところになってくるので、そこは割とこういうのを練習するのにはいい機会かなと思います。

【きだて】すごくいい機会だろうと思うし、なにより俺が中高生の頃にこれに出会えてたら良かったなぁとも思うんだけどね。ただ、どうしても「あらあら、お意識のお高いことで」みたいなね、ちょっと嫌な俺が出てきて(笑)。

【他故】嫌な俺(笑)。

【高畑】分からんでもない。

【きだて】うーん、なんかね、中高からがっつりとこんな自分をコントロールすることを覚えて生きていけたら良かったろうな。

【他故】ふふふ(笑)。

【高畑】まあ、そういう嫌味な感じももちろんなくはないんだけど、大人になって手帳をポンって買ってもさ、何を書いていいか分かんない人も結構多いと思うんだよね。

【他故】そうだろうね。

【高畑】だから、そのやり方を練習するっていうところでは、中高でじゃあ手帳をつける必要があるのかといったら分からないけど、ただまあ、それでも高校生ぐらいになったらさ、バイトとかもあったりするしさ。自分の生活のところで、何かしらプランを立てていくのは、別に勉強じゃなくても、学園祭がいつにあるからそれの準備しなきゃいけないとかさ、バンドやってるから練習はこの日ねとか、そんなのでも全然いいと思うんだけど。手帳をつけるっていうのが、今だとスマホでできるから、予定を立てられるっちゃ立てられるんだろうけど。まあ、僕は書いてて良かったなって気がするんだよね。

【他故】それは何かいいね。分かるな。

【きだて】手帳の書き方という点でも、基本的には、自分の仕事とか生活リズムによって使い方が色々とあるわけじゃない。だけど、中高生って学校生活と勉強が主軸になるので、学校生活と勉強に合わせた書き方っていうのは多分そんなに他人と変わらないんだよね。わりと共通でいけそう。

【高畑】ある程度ね。

【きだて】そういう意味で、そこで書き方を教えるっていうのはかなり有効な手だと思うんだよ。だから、NOLTYはいいところを見つけたなっていうのは思ってた。

【高畑】バーチカルで全部書かないっていうのにしたってさ、1日6コマぐらい授業があるわけじゃないですか。1時間目が国語です、2時間目が数学ですみたいなのは変わんないのでそういう意味では、書くことがある程度フォーマットにはめられるので、そんな気はするよね。

【他故】うん、そうだね。

【高畑】「俺は違う」っていう人もいるかもしれないけど、最初にベーシックな部分をここの枠の中に書いて。この枠に書ききれない場合は、自分で枠を違う用途に使っても全然いいと思うんだけど。

【きだて】うん。

【高畑】学生向け手帳って、元々は大人のビジネス手帳の書き方、効率よく仕事をするっていうのを、学生に落とし込んだらこうだよねみたいな感じで作られたフォーマットだと思うんだけど。

【他故】そうだと思うね。

【高畑】そういう大人の効率化メソッドが子供に降りてきてる部分はあると思うけど、今はタイパとかコスパとかみんな言ってるわけだから、効率よく試験に受かるとか、効率よく勉強するとかっていうので考えると、まあある程度そういうマネジメントができた方がムダなく、要領よくやってく人にも必要なのかなって思う。

【きだて】まあそうだろう。

――他故さんの息子さんはこういう手帳っぽいもの使ってたんですか?

【他故】いや、まるっきり何もないですよ。自分で決めるのは難しいから、結局は何かあった方がいいんですけど。彼の場合は、塾に行くっていう習慣がついたことによってアフターが決まったわけですよね。学校の中の行事は決まってるけど、帰ってきてから何をするというプランを立てるっていう習慣はなかったのが、塾に行くことで、塾でやってきたことを帰ってきて復習するっていうことが決まったので、何かを書くっていうよりも、その習慣がついたのは良かったですよね。

【高畑】習慣の付け方は、塾に行くと、要は塾の方がペースメーカーになって、「受験までにこれだけのことをこなすためには、今はこれを勉強しましょう」っていうのを、決めてくれたりするから、塾を利用するのもいいし、自分である程度能動的にやるなら手帳でもいいしみたいなね。

【他故】確かに俺が高校生の頃なら、その手帳は欲しかったかもしれない。

【高畑】こういうフォーマットが、今見るとすごい便利そうに見えるんだよね。学生の時に持ってた手帳からすると。あれこれ工夫はしてみたものの、とか思ってたから、何か上手いことを作ってるなっていうか。多分すごいヒアリングしてるんだと思うんだよね。学校とか生徒とかから。自分が辿ってきたところを考えても、細かいところがやたらよくできてるんだよね。

【他故】うん。

【高畑】まあ「意識高い系でございます」みたいなことを言うとこもできるんだけれども、やるのは悪くないっすよっていう。ちょっと説教臭いかもしれないけれど、今回は新学期テーマということなので、手帳をつけてみてもいいかな。これをかわいくデコってもいいわけじゃん。やってることはスタディプランナーとかと同じじゃない。スタディプランナーでも全然いいんだけど、1年ちゃんと使えるように最初からやってくれてるスタディプランナーなので、自分で色々考えるのが大変だったら、こういうのを使っちゃった方が楽な気がする…、きだてさんが渋い顔で見てる(笑)。

【きだて】いやいや(苦笑)。こういうのを書けてたら、人生違ったのかなというのをしみじみと思ってて。

【高畑】やってみたけど書けなかった経験も役に立ったりするじゃない。

【きだて】うーん。

【高畑】と僕は思うので。別に、俺は手帳書くのが得意だったわけじゃないんだけど。ずっとそれをやらされていたら、今になって得意分野になってたりするわけだよね。他故さんはいつから手帳書いてるの? すごい手帳書いてるイメージがあるけど。

【他故】僕も、中高で自分で手帳を買って書いたことはないんですよ。学生として持っている生徒以外に手帳を持ってなくて。それで、浪人している時に、初めてスケジュール的なものをつけなきゃいけなくなって。要するに、学校としての縛りがなくなったので、予備校に通ってるとはいえ、自分で勉強するっていうのを決めないといけない。その時に1カ月のブロックの単純なカレンダーに予定を書くのを始めて。それで、ちょっとずつそういう習慣がついた後に例のシステム手帳ブームですよ。

【きだて】ああ。

【他故】あれのおかげで自分がやりたいことが、ここに全部詰められるっていう楽しみが判って書き始めたってかたちなので。

【高畑】それは何年生の頃?

【他故】大学の2年だね。大学1年の時まではまだそういうちゃんとした手帳は持ってなかったから。2年からシステム手帳を始めて、そこからはもうやたら書く人に変わっていくって感じ。

【きだて】あのファイロファックスブームの時代に。

【他故】そうそう。ファイロファックスは買えないけど、あの頃はようやくマルマンとかから、安いビニールバインダーが出始めたので、大学生でも買えますみたいな(笑)。

【きだて】はいはい。

【高畑】僕は、NOLTYと同じ日本能率協会の「バインデックス N」っていう8穴の変なバインダーをたまたま何かでもらったか何かがベースで、ずっとそれを使い続けてた。それが高校ぐらいからかな。でも今となっては、他故さんがそれこそ僕らの中では1番手帳をこまめに書いてるって感じがするけど、デビューだと僕の方が全然早いんだね。

【他故】そうそう。僕は中高はボンクラなので、そういうことを一切やってないから(笑)。

【高畑】いや、危機感がすごいあって。僕は、クラスの中では本当に最底辺だったので、付いてくのに必死だったんですよ。何か、やばいやばいってずっと思ってたんだよね。なので、文房具とかそういうやり方で上手くやろうっていう。まあ、我々にはちょっとあるとこで。

【他故】あるよね。それは分かる。

【高畑】そういうのを上手く使いこなしてちゃんとやろうっていうのが、真面目なんだけど、ちょっとずれてる感じのところがちょっとあるわけですけど。今はアプリ使ってる部分も多いけど、ハビットトラッカーみたいなやつをしたりして、今でもやってることは変わらんのですよ。今の手帳でも、YouTubeにアップしたら、ここに枠が付いてたりとかさ、そういうのをやってるよ。

【他故】マメだね。

【高畑】大きな行事ごとに色を変えてあったりとかして。

【きだて】すごいな、本当に。

【高畑】「何やってるよ」みたいなのを書いてとか、あと後ろの方に読んだ本とか観た映画とかが書いてあったりとかさ。こういうのを書いて潰していくと、やった気分になるっていう。良いんだか悪いんんだか分かんないけど、でもそうやって詰めていくのが中学の頃から続いてるっちゃ続いてるので。まあ、俺にとっては割と良かったんだろうな。

【他故】そうだね。

【高畑】もちろん、合う合わないもあるし、中学の頃からやるべきかどうかとかってのは人によると思うんだけど、ただある種の人にとってはめちゃくちゃ効果が出るんだよ。

【きだて】実際にこの話を聞いた上で、「NOLTYスコラ」を使ってみようっていう人が、全国で例えば 100 人いたとして、その中の80人には早々に合わなくて辞めたとしても、残り20人がこれですごく勉強できるようになったら、それだけでも価値あるのかなっていう話だしね。

【高畑】そうかもしれない。シャーペンなら使うか使わないかっていうのはあんまないじゃん。みんな使うじゃん。例えば「ドクターグリップの方が疲れなくて書ける」とかそういうのはあるけど、手帳だと使う・使わないというところがまずあって。それで使う側に入った方が良かったっていう人は多分いっぱいいると思うので。合わない人もいるかもしれないけど、いいタイミングとして始められたら案外大きく違いが出る可能性はあるんじゃないかな。やり方が変わっちゃうから。

【きだて】うん。

【高畑】俺は感謝してるんだよね。自分が入った学校で強制的に書かされて、僕は書けない側の人だったから、毎回ごまかして怒られてたんだけど、ごまかして怒られるのを3年もやると、それはそれで何かが染み付くじゃない。

【きだて・他故】ははは(笑)。

【高畑】嫌だった思い出もいっぱいあるんだけど、これのおかげで気が付けば書くのに困らなくなってたっていうのは、根気よくやってくれた学校のおかげではあるけど。普通は学校で習わないじゃん、ノートの取り方とかさ。

【他故】習わないね。

【高畑】ノートの取り方が分かるようなノートとか最近ちょこちょこあるじゃないですか。教科ごとにあったりとかさ。そういうやり方の方法論っていうのを、日本はあんまり教えてくれないんだよね。

【きだて】そうなんだよね。

【高畑】学校ではあんまりないし、大学入るとできて当然みたいな感じになったり。研究レポートの書き方とかもさ。研究レポートの書き方は、中学の時の生物部でレポートを書くのに、先生にめっちゃ何回もダメ出しされて書いてたから、レポート書けるようになったのはある。中学ぐらいの時にやったのが、今の仕事のとっかかりになってる気がするんで。そういう意味で、手帳っていうのもあってもいいかなって感じ。

【他故】いいよね。ここで出会うのはとてもいいことかもしれないね。

【高畑】ここで書くのにはまって、スタンプにはまってもいいと思うんだよね。かわいいペンにはまっても全然構わないと思うので。これをかわいらしくして、違う手帳になったりしても全然いいと思うし。シールを貼るのが好きになってくれてもいいと思うんだけど。ほら、紙のノートや手帳を使ってくれないとさ、文具業界も困るじゃない。

【他故】ははは、まあな(笑)。

【高畑】今は「デジタルでいいじゃん」みたいになっちゃってるけど、「いやいや、手で書くのも案外悪くないもんですよ」っていうのを、ここではちょっと言っておかねば。

【他故】分かる分かる(笑)。

【高畑】多分、他故さんは分かってくれると思うんですけど、手帳書くのも上手く書けるようになると楽しい。

【他故】それはそうだと思う。

【高畑】何かね、きだてさんが変なニヤニヤ笑いをでずっとしてて。

【きだて】いや違う違う、俺も否定はしてないよ。ただただ、延々と俺のコンプレックスを刺激され続けてるだけの話であって。

【高畑】それもなくはないとは思うんだが、あえて今回はね。そういうアイテムを選んでみたんですけど。今は、大人の方は手帳が趣味の領域になってきてるけどさ、まだこれは実用の手帳じゃん。本来の手帳の役割的にはすごくいいなと思うので。でもあれよりは全然いいぞ。それこそ人生のピラミッドとか作ってさ、理想の自分を書いたりとかあるじゃないですか。それこそ目標のろころに「お金に愛される」とか書き始めたりとかするわけなんだけど(笑)。

【きだて】そういうのにはまらないためには、ちゃんとした手帳をいっぺん覚えておくというのも大事なのかもしれないしね。

【高畑】さっきもきだてさんが言ってたみたいに、学校にいる間は目標が割と分かりやすくて、まあそれだけが全てではないんだけど、受験とかがやっぱり大きな目標になってはくるので、そういうところを目指すのにもいいし、逆にそうじゃなくて、「自分で何か新しいことをやるぜ」みたいなことを言ってる人もいるじゃん。漫画描いてすごい人になるぜみたいなのでも、それを言うだけじゃなくって、やっぱりコツコツ書き貯めていって、作品を完成させてこその漫画だし、毎日練習してこそのミュージシャンだったりするので、必ずしも受験だけじゃなくて、学生時代の時間で何か自分のやりたい野望がある人はそれに合わせて手帳使ってみてもいいんじゃないのって気がします。なので、「頑張れ!若い人たち」っていう感じで。

【きだて】そういうまとめでいいと思うよ。

――エールをいただきました(笑)。

【高畑】まあ、自分なりの毎日を計画するっていうのも悪くないよっていう話でした。

*次回は「ベンディ」ペンケースです

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プロフィール

高畑 正幸(たかばたけ まさゆき)
文具のとびら編集長。学生時代に「究極の文房具カタログ」を自費出版。「TVチャンピオン」(テレビ東京系列)の「文房具通選手権」では、3連覇を達成した。サンスター文具に入社し商品企画を担当。現在は同社とプロ契約を結び、個人活動も開始。弊社が運営する文房具のWebマガジン「文具のとびら」の編集長も務めている。著書は『究極の文房具カタログ―マストアイテム編―』(ロコモーションパブリッシング)、『究極の文房具ハック』(河出書房新社)、『そこまでやるか! 文具王高畑正幸の最強アイテム完全批評』(日経BP社)、『文具王 高畑正幸セレクション 一度は訪れたい文具店&イチ押し文具』(監修/玄光社)、『究極の文房具カタログ』(河出書房新社)、『文房具語辞典』(誠文堂新光社)と、翻訳を手がけた絵本『えんぴつとケシゴム』(KADOKAWA)。新著は『人生が確実に幸せになる文房具100』(主婦と生活社)。
https://bungu-o.com/


きだて たく

小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/

他故 壁氏(たこ かべうじ)
小学生のころから文房具が好きで、それが高じて文具メーカーに就職。ただし発言は勤務先とは無関係で、個人の見解・感想である。好きなジャンルは書くものと書かれるもの、立つ文房具と薄いペンケース。30分間文房具のことしか語らないトーク番組・775ライブリーFM「他故となおみのブンボーグ大作戦!」パーソナリティ。たこなお文具情報室所属。
「他故となおみのブンボーグ大作戦!」番組ホームページ https://daisakusen.net/

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