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【連載】月刊ブング・ジャム Vol.96 注目筆記具をブング・ジャムが徹底解剖! その2
本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は、今注目の筆記具を取り上げました。
第2回目は「LAMY safari JETSTREAM INSIDE」です。
(写真左からきだてさん、高畑編集長、他故さん)*2024年11月9日撮影
*鼎談は2025年2月25日にリモートで行われました。
夢の組み合わせが実現!

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――じゃあ次は「LAMY safari JETSTREAM INSIDE」にしましょうか。ラミー版ジェットストリームですね。
【きだて】これはサファリにパーカーリフィルが入ってるって話でしょ?
【高畑】違うよ。サファリは「M16」で、パーカーリフィルじゃないよ。ラミーはリフィルがオリジナルの体系だから。
【きだて】あ、そうかそうか。
【他故】形が違うんだよね。
【高畑】パーカーリフィルとは違うから、これまでもラミーはジェット芯入らなかったんだよ。パーカータイプ、いわゆるG2規格芯が入るやつだったら、ちょっと前に出たジェットストリームのG2規格芯が入ったんだけど。しかもサファリってボールペンが2つあるんだよね。万年筆と同じかたちのキャップ式のやつは水性ローラーボールで、蛇腹タイプのノックボタンが付いているノック式の方に今回入るようになった。
【きだて】はいはい。
【高畑】これとあっちのローラーボールの方は規格が違うんだよ。なので、今回の芯もキャップ式には入らないんだよ、このリフィル。入らないというか、短くて余るんだよね。だから実は、ちょっと改造が必要なんだけど、詰め物をしてあげれば入るんだけど。
【きだて】リフィル径的には入るってことだね。
【高畑】というかね、先端の引っかかる部分がないので、ストンって前まで出てきちゃう。前も止めてあげなきゃいけないから、前にも後ろにもちょっと板みたいなものを付けてあげないといけないんだけど。それはそれとして、基本的にはノック式用なんだよ。元々は「M16」で、今回のジェットストリームのリフィルは「M17」っていうやつなんだよね。
【他故】そう、わざわざ品番をつけたんだよね。
【きだて】そうなんだ。
【高畑】だから、数字が1個増えたんだよね。なんか、「バイモ11」の11号針みたいな、そんな感じの新しい名前になりましたっていう。
【きだて】で、本当に正直なところを言うと、サファリとジェットストリーム、どちらにも俺はわりと興味が薄くて。
【他故】ははは(苦笑)。
【高畑】きだてさん的には、ジェットストリームが滑りすぎるっていうのがあるからね。それで今回、ラミーがより滑る方向に動いたんだよ。これまでのサファリの油性がちょっと重たいなって感じてる人にとってみたら、ジェットストリームインクが入ってめっちゃスルスル書けるようになったよっていうのがポイントではあるよね。
【きだて】何よりも、ラミーの油性の印象として、すごいボテが出るっていうのが強くて。だからジェットになって、それがなくなったのはまあいいんだろうな、というのは分かる。
【高畑】逆に言うと、書き心地の質的なところのステップアップに関してジリジリ上げてくのは日本だけが続けているところがあったので、ヨーロッパの筆記具メーカーのボールペンというのが、書いたときに書き心地の世代の違いを感じる。第何世代の筆記具みたいな感じのその世代が一つ新しくなったなという感じはする。ただ、ラミーのすごいのはさ、ボディに関しては、サファリが出たのって1980年とかの話だからさ、もう45年ぐらい経ってんだよね。
【他故】そうだね。
【高畑】それぐらい経ってるけど、全く遜色がないとこだよね。
【他故】うん形はね、本当にそうだよね。
【高畑】何か悔しいから、三菱にいろんなボディがあるにも関わらず、ラミーに入れたい人の気持ちがめちゃくちゃ分かっちゃうっていうのが、やっぱりラミーの「サファリ」っていうのが並のブランドではないっていうのを改めて認識してしまうところがある。デザインの力を再認識したっていう意味ではそうなんだよね。
【他故】分かる分かる。
【高畑】ヴィトンとかグッチとかのカバンがじゃあすごいのかっていったら、もちろん縫製がいいとかっていうのはあるとしても、今となってはいろんな選択肢あるじゃんとか思っちゃうんだけど。この「ラミーサファリ」とか、あと「ラミー2000」の恐ろしさに至っては、1966年に出てるからさ、びっくりするぐらい長寿命なんだけど、それでも全然古びないっていうのは、何をやったらこの普遍性を持てるんだろうっていつも思う。今回このリフィル入れたときに、ジェットストリームのために作ったはずのボディがいっぱいあるにも関わらず、「これがいいじゃん」ってみんなに言われちゃうとこだよね。
【他故】ああ、それは分かる。
【きだて】サファリとジェットストリームの書き味的なシナジーというのはやっぱあるわけ?
【高畑】サファリがアップデートされた感じにはなるんだよね。
【他故】純粋に、ジェットストリームの書き心地のサファリとしか言いようがないんだけど。でも、それが求められてたんだよね。
【高畑】改造したりとかして入れてたからね。
【他故】そう。サファリの新色が出てファンが買うっていうシーンは何度も見てきたけど、この速度で店頭からサファリがなくなるのは初めて見た気がする。ジェットストリームが入ったというだけで、今までの色の軸もバンバン売れていくみたいな。
【きだて】売れてるんだね。
【高畑】リフィルだけ買えばいいじゃんっていう気がしなくもないんだけど。
【他故】でもね、リフィル棚がまず最初になくなるんだよ。
【高畑】ああそうなのか。
【他故】まず、0.5 のリフィルを買っていかれちゃうんで。
【きだて】あー、やっぱりそうなるか。
【他故】今回、0.7しか装填されてないから、まず 0.5 のリフィルがなくなって、で限定色がなくなって、透明軸がなくなってみたいな、もう目に見える流れがあるんだけど。やっぱり、それだけ望まれてたし、本当に欲しかったんだろうなって思うよ。
【高畑】やっぱり、オールスター夢の共演みたいなところはあるので。ほら、アメリカのスーパーヒーローが一緒に出てる映画があるじゃん。
【きだて】マーベルユニバース的なね。
【高畑】そういう感じがあるじゃん。このスペシャル感は今お祭りだからさ。
【他故】今はね。
【きだて】三菱がラミー買収っていう話が出た瞬間に、ほとんどの人がジェットストリームサファリの可能性を言及して盛り上がってたでしょ。その熱が冷めないタイミングで想定通りに出たから、やっぱりみんな「わあ」ってなってるわけでさ。いいお祭り感はあった。
【高畑】商品のデザインに関してはラミーがすごい伝統があって、中身を作るところに関してはジェットストリームとか三菱が世界一のリフィルを作ってるというところで、シナジー効果がちゃんとあった。三菱にとってみたら、そこはシナジーとしてかなり良かったんじゃないのかな。
【きだて】うん。
【高畑】まあ、ラミーがどのぐらい必要としてたかって言うと、まあ日本人ほど書き心地にこだわってたかっていうと、そこは分かんないけど。
【きだて】でも、ジェットストリーム自体は海外でも人気なわけじゃない。
【高畑】だから、入れたい人はいるんじゃない。
【他故】だと思うね。
【きだて】ジェットストリームの書き味が入ったことでラミーファンが喜ぶっていうのは分かる。以前の油性リフィルはやっぱり古いからさ。対して、ジェットストリームが好きな人はどこに喜びを見出してる?
【高畑】これを見て悔しいなと思ったのが、「ジェットストリームプライム」とはまた全然違った良さをこれが持ってる。
【きだて】あ、プライムとの対比か。なるほど。
【高畑】150円のジェットストリームは、人前で使うペンとしてはやっぱりあれじゃないですか。大人が使うちゃんとしたペンとして認識されるためにはプライムとかだと思うんだけど。でも、プライムの高級感の見せ方とは全然違う。だってサファリってそんなに高級路線ではないじゃん。
【きだて】高級ではないね。
【他故】高級、高級してないけどね。
【高畑】元々が「野外で使えます」みたいなのだから。
【きだて】それで「サファリ」だものね。
【高畑】それを考えたら全然なんだけど、ただそれでも、日本的にはこれに並ぶようなボディをこれまで作れてこなかった。だから、ブランドとかデザインとかっていうところに関しては、まだドイツに追いつけるか追いつけてないかみたいな。ある意味、「ユニボールワン」みたいなのがそれに変わるものだと僕は思ってるんだけど。ただこのジェットストリームが入るものとしてのボディとしたら、これを見せられると「確かにこれいいわ」って思って。
【きだて】他故さん的にはこれどうなの?
【他故】僕もサファリの形は好きだけど、ただあのインクは全然自分に合わなくて。それで、リフィルアダプターを噛ませてアクロボールを入れて使ってたわけですよ。今回ジェットを入れてみて、ジェットとサファリが合う気がするんだよね。アクロに比べてジェットの方が合うなって今逆に思っていて。ずっとアクロが好きでアクロを使い続けたにも関わらず、リフィルアダプターを入れたアクロが全然サファリで生きてなかったのね。上手く使えないというか、上手く書けないというか、全然書き心地が違う気がしてたのよ。それで、改めてジェットを入れてみて。既存で持ってるボディに0.5を入れてるんだけど、こういうかたちでジェットが入ることによって、僕の好みのペンになってしまったなと。
【きだて】ほう。
【他故】微妙な差なんだけど、多分サファリを使いたかったんだよ。買ったサファリが使えないのがすごく悔しかったんだと思うんだよ。
【きだて】はいはい。
【他故】せっかくいいペンを買ったのに、手の中で自分の思った通りの字が書けないというのがどこかにあったと思うんだけど、今回ジェットを入れることによって、大分理想に近くなった。僕の使いたいサファリになった、という感じはすごくしてるのね。
【きだて】そういう意味で、リフィルから売れていくってのはまあ当然分かるところだよね。
【他故】今までサファリを使ってた人がリフィルを買っていくっていうのはありだよね。
【きだて】とはいえ、やっぱ使ってみないと分かんないな。
【高畑】これ元のサファリなんだけど、元のサファリで書くとめっちゃクラシックって感じがするんですよ。
【他故】そうだよね。
【高畑】めっちゃクラシック油性って感じがするんだけど、多分これが好きな人もいるんだよ。ちょっと重めのヌルっとした感じが好きなのは全然分かるんだけどね。オールドカーをさ、中身だけ入れ替えて電気自動車に変えたみたいなさ。「こんな加速だっけ?」みたいな加速感があるんだよ(笑)。それはなんかあるかな。もちろん、これはこれで全然悪くないんだよ。悪くないんだけど、やっぱりちょっともったりした感じはあるね。そこ行くと、もうめちゃくちゃシャープになる。あのラミーがこんなに軽いんだっていう感じになっちゃう。
【他故】うん、なるなる。
【高畑】びっくりするぐらい書き心地が軽くなるので、これはやっぱり大きいな。
――なるほど。
【高畑】余談なんだけどさ、俺は、サファリはキャップ型が好きなんだよ。万年筆が好きっていうのもあるけど。もちろん、パッと書くのはこっちの方が全然いいんだけど。それでまたリフィルの形が違うんだよ。M16とは違って、「M63」っていうウルトラマンの星の近くにありそうな感じのやつなんだけどさ。
【他故】ははは(笑)。
【高畑】これはこれでローラーボールの良さはあるんだけど、これで使いたいなと思って。これも、中にパーツをかましてあげると書けるんだよね。
【他故】ああ、なるほどね。
【高畑】これでジェットストリーム・ラミーのキャップ式っていうのをやってみたんだけど、俺結構これも好きかな。これは改造というか、後ろに詰め物をしてあげないといけないので、自分でちょうどいい長さのパーツを作んなきゃいけないけどね。やっぱりこうやって触ってみると、ラミーのボディのデザインの力が。だって、ジェットストリームだけでも最強感があるじゃないですか。これがまだパワーアップするパーツがあったというのがびっくりする。
――気分的なものですかね?
【高畑】いや、三菱のボディ作りが多分、日本人向けに偏ってたんだと思います。要は、細くて、軽くてコンパクトなものを作っていて、三菱は大柄なボディを作らないじゃないですか。だから「ジェットストリームプライム」とかでも細マッチョというか細重たいものを作るじゃないですか。
――ああ、プライムのシングルは細いですもんね。
【高畑】まあ、多機能はまた別の話だと思っていて、こういうシングルタイプでいくと、ある程度のボリューム感があって、価値観も高いボディを、日本のメーカーみんなそうだと思うんだけど、作るのが下手なんだろうな、多分。日本人が小柄だからかもしれないけど。3,000円とか5,000円とかするラインのボールペンの作り方としたら、やっぱりヨーロッパの底力みたいなものがあるんじゃないの。例えば、「ペリカーノジュニア」とかああいうのもそうだけど、海外の筆記具の持っているデザインの強さっていうのを。単純にブランド名に踊らされてるだけではなくて、実際に触ってみたときに、何かすげえなって思っちゃうところがあるけどな。
【きだて】もちろん、日本のものに普段触れてるから、ちょっと物珍しいというのが入ってるんだけど。
【高畑】あるとは思う。
【きだて】とはいえ、やっぱ違いは分かるよ。
【高畑】そういう意味では、コラボで交流できたっていうのはいいんじゃないの。
――ローラーボールの方も、三菱は新しいリフィルを作るんですかね?
【高畑】いや、どうだろうね。でも、三菱が水性インクで「ゼント」のインクを作る可能性はあるわけだ。
【他故】まあね、あるある。
【高畑】そうなると、今の「シグネチャー」モデルとはまた違った路線の高級感の出し方っていうのがあるかもしれない。
――あと「ユニボールワン」のインクとか。
【高畑】そうだね。
【他故】ゲルっていうのは今まで選択肢になかったので、ラミーのゲルっていう新しい方向性が出るかもしれないですよね。
【高畑】そこはちゃんとシナジー効果が出てくるんじゃないのかな。
【きだて】ラミージェットがこれだけ売れたのであれば、三菱も色々と出してくる可能性は高まってるよね。
【他故】せっかくラミーを手に入れたんだから、それはそうだよね。
【高畑】あと知りたいのは、ヨーロッパでどれぐらい売れるか知りたい。
【きだて】ああ、そうな。
【高畑】ヨーロッパの人たちがリフィルを交換するか、しないか。
【高畑】ジェットも使えるよってなったリフィルが入った新しいラミーを使うか使わないかっていうのは、ちょっと気になるね。それで定着したりとかしたら、日本のリフィルってすごいよね。前にG2規格のジェットのリフィルを出した時に、ヨーロッパのものに対して中身だけで勝負して、入れ替わっていくのかって話をしたけれど、そういう感じで広がってくんだったらすごいなと思う。三菱って、元々鉛筆屋さんじゃないですか。パイロットとかプラチナとかは万年筆屋さんなので、元々高級ペンを作るっていうのがベースにあるわけですよ。なんだけど、三菱って鉛筆からスタートしてるからさ。三菱とかトンボって、安い筆記具から作ってきてるからさ。まあ、ファーバーカステルとかは確かに鉛筆から来てるんだけど、それとはまた違った日本のみんなが使う普及品から来てるみたいなところがあるから。あんまり高いものを作り慣れてないんだよ。
【他故】それは分かる。
【高畑】そこの慣れてない感に、ラミーからいろんなことを教えてもらうといいんじゃない。
【きだて】とはいえ、さっきも言った通り、サファリがそんな高級ボディかっていうと、そういうわけでもないので。今後何が出てくるかというのはちゃんと見たいところなんだよね。
【高畑】本当は、ラミーって高級ボディをいっぱい持ってるからさ。
【きだて】日本じゃサファリばかり目立つけど、格好良い高級ライン、あるよね。
【高畑】メタル軸の高いボディとかいっぱいあるから、そういうのが互換性が今後できてくるんだと思うから、いろんなタイプで使えるようになってくるだろうね。三菱のミドルクラスからちょっと上ぐらいのところのバリエーションが急激に増える可能性があるので、そこはいい。
【他故】そうだね。三菱が持っていないゾーンがこれで広がるわけだからね。できるかできないか分かんないけど、万年筆のインクを作ってほしいんだよね。他のメーカーにないタイプの色使いをしてくると思うんだよね、絶対に。何か上手くできないかなと。
【高畑】なるほど。三菱ってこれまでそんなものやってないもんね。
【他故】やってないけど、研究するのは得意なメーカーなので、4、5年かかっても他のメーカーにないようなすごいキレイな顔料インクとか作ってこないかなとか思ってるんだけどね。
【高畑】持ち駒が共有されることで新しい可能性が出てくるっていう意味では、全然ありだね。三菱が考えたインクを最初はラミーの方で作っていくでも全然いいとは思うし。まあでも、衝撃的な合併だったので、今回はそれを象徴するモデルじゃないですか。
【他故】そうだね。
【高畑】その象徴するモデルがやってみたらいまいちだったとなると、「あの合併どうなったの?」みたいな気持ちになっちゃうけど、今回やってみたら案外、ラミーファンもジェットファンもどっちもみんながワイワイ言って楽しんでるから、まあ良かったんじゃないの。今回はどっちのファンも喜んでる気がするよ。
【きだて】うん、だろうね。
【高畑】否定的な話はあんまり聞いてないので。「あんなところと付き合ったから」みたいな感じの話は出てないから。逆に言うと、三菱があんまり強く出て、ラミーの良さを殺さないでいければいいんだけど。
【他故】まあね。それは思うけどね。
【高畑】買った側だからさ。
【きだて】まあでも結局のところ、筆記具メーカーとして三菱が中身を作って、ラミーをアップデートしていくみたいな方向になるんだろうから、そもそも相性はいいんだよね。どっちも食い合わないというか。
【高畑】得意なジャンルが中身と外側で違ってたのが良かったんだね。
【きだて】シナジーが期待できるの、確定してたから。
【高畑】どっちも外側に自信があったりするとかち合うところはあったと思う。そこは上手くいったパターンだよね。同業なのに上手くいったパターン。
【他故】うん。そうだね。
【きだて】たぶんバンダイナムコもそういうとこで、おもちゃとゲームが意外と食い合わないところだった。
【高畑】ホンダと日産みたいに上手くいかない場合もあるわけじゃんよ。
【他故】無理だよ(笑)。
【高畑】ほら、ラミーの人たちにしてみたら、自分たちの文化が壊されるかもしれないみたいな部分もあるわけじゃん、合併したら。でも、今回は上手くいってる気がするので、なるべくいい感じになってくれたらいいと思う。
【きだて】ラミーのブランド名付けて「ジェットストリームプライム」を売り出さないようにねっていう話だよね。
【高畑】そういうことです。そこは分けた方がいいね。あれにラミーの刻印を入れちゃダメなんだよ。「ジェットストリームインサイド」って言って売るからいいのであって。「インテル入ってる」みたいな話じゃんよ。「どこのチップが入ってます」みたいな話だと思うので、あくまでも「ユニインサイド」で行くのがいいんじゃない。だから、ユニボールシリーズの「ワン」が入ったりとか、「ゼント」が入ったりとかっていう可能性はあるよね。
【他故】あるよね。
【高畑】そうなるとラミーの方も価値が拡張される可能性はある。思ったよりも全然穏やかに上手くいってる感じがするので。
【きだて】全体的に不安がないのはいいよ。
【高畑】なので「いいぞいいぞ!」って感じで応援したいな。*次回は「ユニボール ゼント」です
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プロフィール
高畑 正幸(たかばたけ まさゆき)
文具のとびら編集長。学生時代に「究極の文房具カタログ」を自費出版。「TVチャンピオン」(テレビ東京系列)の「文房具通選手権」では、3連覇を達成した。サンスター文具に入社し商品企画を担当。現在は同社とプロ契約を結び、個人活動も開始。弊社が運営する文房具のWebマガジン「文具のとびら」の編集長も務めている。著書は『究極の文房具カタログ―マストアイテム編―』(ロコモーションパブリッシング)、『究極の文房具ハック』(河出書房新社)、『そこまでやるか! 文具王高畑正幸の最強アイテム完全批評』(日経BP社)、『文具王 高畑正幸セレクション 一度は訪れたい文具店&イチ押し文具』(監修/玄光社)、『究極の文房具カタログ』(河出書房新社)、『文房具語辞典』(誠文堂新光社)と、翻訳を手がけた絵本『えんぴつとケシゴム』(KADOKAWA)。新著は『人生が確実に幸せになる文房具100』(主婦と生活社)。
https://bungu-o.com/
きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/
他故 壁氏(たこ かべうじ)
小学生のころから文房具が好きで、それが高じて文具メーカーに就職。ただし発言は勤務先とは無関係で、個人の見解・感想である。好きなジャンルは書くものと書かれるもの、立つ文房具と薄いペンケース。30分間文房具のことしか語らないトーク番組・775ライブリーFM「他故となおみのブンボーグ大作戦!」パーソナリティ。たこなお文具情報室所属。
「他故となおみのブンボーグ大作戦!」番組ホームページ https://daisakusen.net/
https://buntobi.stores.jp/items/676b8e121008560336e05fac
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