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【連載】『小粋な手紙箱』 #22 年賀状の醍醐味

田丸有子

(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタントの田丸有子さんは、子どもの頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの手紙好き。コンサルタントとして手紙文化を広めるために活動している田丸さんに、手紙の書き方のコツや手紙に関するトピックなどを毎月紹介してもらいます。

手紙で気持ちを伝えよう!

みなさま、ごきげんよう。

いかがお過ごしですか?


お正月にはたくさんの年賀状が届き、一通一通嬉しく読みました。

今年は“年賀状じまい”(来年から年賀状を送ることを辞めるという意味)を宣言する賀状が来るかな?と思っていましたが、今のところ私宛には届いていません。年々、年賀状を減らしていく風潮が高まるのを感じていますが、それでもやはり届くと嬉しいことに変わりありませんね。


毎年私は実家に届く家族宛の年賀状を見せてもらうのですが、それでちょっと思い出したことがありました。それは、サラリーマンだった父宛の、定年退職したかつての仕事仲間から届く年賀状が面白かったことです。


父が会社勤めをしているころの年賀状は、仕事上の付き合いや義務的なものを少なからず感じさせるものがほとんどでした。そういった年賀状は、父にとってはいざ知らず、相手を知らない私が読めば無味乾燥で味気ないものでした。けれども定年後に書かれたものは、家族や趣味、最近興味のあることなど話題も多岐に渡っており、書かれるひとことも増えていて、その人の“ひととなり”がわかるものが多くなっていることに気付いたのです。相手に近況を知らせているだけではなく、時間的、心理的な変化までがさりげなく伝わっているのです。そういう年賀状は、たとえ相手を知らない私が読んでも伝わるものがあって面白い。書き手は無意識かもしれませんが、仕事上の関係性がなくなり、シンプルな人間関係になって現れるひとつの変化なのかもしれません。もちろん人によってですが。

このように相手のちょっとした変化を感じられるのも、年賀状の醍醐味と言えるに違いありません。実家に届いた年賀状を読みながらそんなことを懐かしく思い出した今年のお正月でした。

手紙トピック

文具店の手紙グッズコーナーはすでに春爛漫。桜がモチーフの便箋・封筒やハガキ、シールなどがたくさん並べられています。年々陳列の時期が早まっているように思うのは気のせいでしょうか。そしてこのような季節モノは新作を見るのが楽しみです。

まだまだ冬の寒さが続いていますが、手紙文具コーナーで春を感じてみませんか?

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今月のマキシマムカード

2.jpgテーマ:1月の花びら

葉書: 京都便利堂

切手・絵入りハト印: 和の食文化シリーズ

お知らせ

★手紙やメールの書き方の基本について通信講座があります。

忙しい人でも自分のペースで学べます。

楽しく学んで手紙上手になりましょう!

入門講座 /通信講座「手紙の書き方講座」

ビジネスメール講座 /通信講座「仕事で差がつく!メール・文章の書き方講座」

美文字講座 /通信講座「仕事で差がつく!実用美字・美手紙講座」


★ 体験講座も有ります!

(社)手紙文化振興協会 体験講座スケジュール

プロフィール

田丸有子 (たまるゆうこ)

(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタント

子供の頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの文通好き。でも手紙の何がそこまで自分を魅了するのか、深く考えたことはありませんでした。講座を受けて一番良かったことは、手紙が私の憧れを実現する手段であると気付いたことです。自分を表現することで人に喜んでもらいたい。叶えるために出来ることは何かずっと探してきました。その表現方法こそ私にとっての手紙であり、魅かれる理由なのだと気付いた瞬間、「やっと見つけた!」そんな気持ちになりました。

また、郵趣のコミュニティに参加したことで、手紙にも色々な楽しみ方が有ることを知りました。私が今夢中になっているのは、葉書と切手、消印をコーディネートするマキシマムカード。いかにセンス良く仕上げて個性を出すか、考えるだけでワクワクします。

奥深い手紙文化を通して自分の世界が広がっていく面白さを沢山の人たちと共有し、心を豊かにしていきたいです。

ブログ「Cordially yours

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