
【連載】『小粋な手紙箱』 #17 手紙の結びの表現について
(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタントの田丸有子さんは、子どもの頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの手紙好き。コンサルタントとして手紙文化を広めるために活動している田丸さんに、手紙の書き方のコツや手紙に関するトピックなどを毎月紹介してもらいます。
手紙で気持ちを伝えよう!
残暑お見舞い申し上げます。
手紙の結びでよく使う「ご自愛ください」。
相手を気遣う大人っぽいすてきな言い方で、私はこの表現がとても好きです。
しかし「お体をご自愛ください」と、言い方を間違えて使っている人のなんと多いこと!
「ご自愛ください」はそれだけで“お体を大切にしてください”という意味ですから、その前に「お体」をつけると意味が重複してしまうのです。二重表現を使うことは相手にとって失礼にあたりますので気をつけましょうね。
それから、現状体調を崩している人に対して使うのはやめましょう。
“これからもお元気で”というニュアンスも含まれているので不適切な言い方になるのです。
この場合は、
「お大事になさってください」
「1日も早い回復を祈っています」
というような表現が適切です。
ご参考までに、この季節に使える結び表現のバリエーションを。
・ 酷暑の折、くれぐれもご自愛なさってください。
・厳しい暑さが続きますので、お体を大切にお過ごしくださいね。
・暑さに負けず、元気に夏をお過ごしください。
・お健やかに夏を満喫できますように
・夏バテ知らずの楽しい夏を!
・残暑の折、ご自愛お忘れなく!
手紙トピック

ニック・バントックという人が書いた「GRIFFIN & SABINE(邦題は“不思議な文通 – グリフィンとサビーヌ”)」という手紙のやりとりをまとめた絵本があります。
内容はフィクションですが、美しい筆跡からパーソナリティも一貫していて、まるで実話のよう。自分が手紙を受け取ったかのような臨場感が味わえます。
なによりイラスト、切手やポストカードの組み合わせが本当に素敵なので、ページをめくるたびにワクワク。心惹かれないわけにはいきません。マキシマムカードのヒントもたくさん!
手紙もここまでくると、芸術にすらなりえるのだと思わされるアートブックです。
今月のマキシマムカード

テーマ:花火
葉書: 中島通善「川開き」
切手: 秩父夜祭・埼玉県
風景印: 板橋舟渡郵便局
お知らせ
★手紙やメールの書き方の基本について通信講座があります。
忙しい人でも自分のペースで学べます。
楽しく学んで手紙上手になりましょう!
【入門講座 /通信講座「手紙の書き方講座」】
【ビジネスメール講座 /通信講座「仕事で差がつく!メール・文章の書き方講座」】
【美文字講座 /通信講座「仕事で差がつく!実用美字・美手紙講座」】
★ 体験講座も有ります!
プロフィール
田丸有子 (たまるゆうこ)
(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタント
子供の頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの文通好き。でも手紙の何がそこまで自分を魅了するのか、深く考えたことはありませんでした。講座を受けて一番良かったことは、手紙が私の憧れを実現する手段であると気付いたことです。自分を表現することで人に喜んでもらいたい。叶えるために出来ることは何かずっと探してきました。その表現方法こそ私にとっての手紙であり、魅かれる理由なのだと気付いた瞬間、「やっと見つけた!」そんな気持ちになりました。
また、郵趣のコミュニティに参加したことで、手紙にも色々な楽しみ方が有ることを知りました。私が今夢中になっているのは、葉書と切手、消印をコーディネートするマキシマムカード。いかにセンス良く仕上げて個性を出すか、考えるだけでワクワクします。
奥深い手紙文化を通して自分の世界が広がっていく面白さを沢山の人たちと共有し、心を豊かにしていきたいです。
ブログ「Cordially yours」
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