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- 【連載】『小粋な手紙箱』 #85・手紙の文章は短くても大丈夫
【連載】『小粋な手紙箱』 #85・手紙の文章は短くても大丈夫
(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタントの田丸有子さんは、子どもの頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの手紙好き。コンサルタントとして手紙文化を広めるために活動している田丸さんに、手紙の書き方のコツや手紙に関するトピックなどを毎月紹介してもらいます。
手紙で気持ちを伝えよう!
こんにちは。桜前線は北上し、東京は新緑の季節を迎えました。お変わりなくお過ごしですか?
さて今回は、手紙の文章は短くてもいいというお話です。
手紙を書くことに苦手意識をもたれる人の多くは文章の書き方の自信の無さが原因。便箋にびっしりと書かなくてはならないと思うだけで、作文で苦しんだ子ども時代がよみがえり、憂鬱になる。文章の組み立てもそうですが、何よりたくさん書かなければならないという先入観があるのです。
でも、手紙には長く書かなくてはいけないというルールやマナーはありません。むしろ短く簡潔でわかりやすい文章の方が伝わる場合も多いのです。
「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬こやせ。」
これはもっとも合理的な手紙として有名なお手本です。徳川家康の家臣・本多作左衛門重次が戦場から妻に送ったもので、簡潔に要件を伝えながらも妻への敬意と愛情もしっかり表現されているところが名文の所以です。
永六輔さんが著した『僕のいる絵葉書』という本があります。旅について書かれた本ですが、章のはじめが旅先から出した絵葉書のようになっていて、その旅を一言で要約したタイトルが永六輔さんの手書き文字で書かれています。この本を教えてくれた私の友人が、本に書かれている同じ場所を訪ねたことを手紙に書いて永六輔さんに送ったところ、ご本人から返事がきたそうです。永六輔さんの手紙は葉書に一言だけ。それがかえって心に響き、とても感激したと言っていました。
たった一言に思いを込める。永六輔さんは言葉選び、センス、全てにおいて手紙の達人ですが、お手本にしてみるのも良いでしょう。何事もマネすることから上達への道が開けるといいますしね。最初から上手な人はいません。特別なことを書くのではなく、何気ない日常やふと思いついたことで良いのです。私もつい長々と書いてしまうたちなので、手紙のレッスンのつもりで、まずは葉書に今日一番伝えたいことや想いを一言だけ書いて送るところから始めてみようと思います。
ところで、永六輔さんの『僕のいる絵葉書』に越前丸岡城を訪れた時の記述がありますが、そこには前述の合理的な手紙の石碑が建っているそうです。ぜひとも一度訪れてみたいものです。
手紙トピック
東京の荒川区にある吉村昭記念文学館で「吉村昭の手紙」展が開催されています。吉村昭さんの小説はいくつか読んでおり、真に筆力の高い文章の凄みを感じて好きになりました。
吉村昭さんは大変な筆マメだったようで、執筆に際してお世話になった人々への手紙、作家の先輩方への手紙などがたくさん展示されています。私が特に見入ってしまったのは、同業者であり妻でもある津村節子さんとの書簡のやりとりでした。なんともロマンチックな言葉で綴られたラブレターは一見の価値ありです。
展示は5月15日まで。ポカポカ陽気の日にぷらっと行かれてみてはいかがでしょう。今月のマキシマムカード
テーマ: 春らんまん
切手・絵入りハト印:花の彩シリーズ 第2集
お知らせ
★手紙やメールの書き方の基本について通信講座があります。
忙しい人でも自分のペースで学べます。
楽しく学んで手紙上手になりましょう!
【入門講座 /通信講座「手紙の書き方講座」】
【ビジネスメール講座 /通信講座「仕事で差がつく!メール・文章の書き方講座」】
【美文字講座 /通信講座「仕事で差がつく!実用美字・美手紙講座」】
★ 体験講座も有ります!
月に一度、オンラインで手紙の書き方講座を開催中。
みなさまのお申し込み、心よりお待ちしています!
【(社)手紙文化振興協会 体験講座スケジュール】
プロフィール
田丸有子(たまるゆうこ)
(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタント
子供の頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの文通好き。でも手紙の何がそこまで自分を魅了するのか、深く考えたことはありませんでした。講座を受けて一番良かったことは、手紙が私の憧れを実現する手段であると気付いたことです。自分を表現することで人に喜んでもらいたい。叶えるために出来ることは何かずっと探してきました。その表現方法こそ私にとっての手紙であり、魅かれる理由なのだと気付いた瞬間、「やっと見つけた!」そんな気持ちになりました。
また、郵趣のコミュニティに参加したことで、手紙にも色々な楽しみ方が有ることを知りました。私が今夢中になっているのは、葉書と切手、消印をコーディネートするマキシマムカード。いかにセンス良く仕上げて個性を出すか、考えるだけでワクワクします。
ブログ「手紙魔Yukoのお手紙ライフ」
You Tube「手紙魔Yukoのお手紙ライフ」
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