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【連載】『小粋な手紙箱』 #77・心に響く言葉をノートに

田丸有子

(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタントの田丸有子さんは、子どもの頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの手紙好き。コンサルタントとして手紙文化を広めるために活動している田丸さんに、手紙の書き方のコツや手紙に関するトピックなどを毎月紹介してもらいます。

手紙で気持ちを伝えよう!

残暑お見舞い申し上げます。
体感的にはまだ夏ですが、暦の上では立秋を迎え、秋仕様の新切手も発売されました。今は少しずつ次の季節に意識が向かう期間のように感じますね。こんな時期こそ体調を崩しやすいので気を付けたいものです。

ところで、私は読んだり見たりした何かによって、心の琴線に触れてきた言葉や感銘を受けた言葉を忘れないようにノートにメモしています。そして、どうにも元気が出ない時、なにか励ましや癒しがほしい時、ヒントがほしい時などにそのノートを読み返します。手紙や書くことにまつわる言葉もたくさんメモしていますので、今回はその一部をご紹介します。

「書くというのは、二人称をつくりだす試みです。書くことは、そこにいない人にむかって書くという行為です。文字をつかって書くことは、目の前にいない人を、じぶんにとって無くてはならぬ存在に変えてゆくことです。」(長田 弘 『すべてきみに宛てた手紙』より)

「愛と敬意。これが文章の中心にあれば、あなたが書くものには意味がある。」(田中泰延 『読みたいことを、書けばいい。人生が変わるシンプルな文章術』より)

「時々、どこからともなく便りが届く。そんな生活。なんでもない日の午後なんかに、ポストという玉手箱の中に友人らの懐かしい声を発見する。」(辻 仁成 『代筆屋』より)

「手紙にいくら愛をこめても重たくならないからありがたいわ。でなかったら、この手紙は切手代が払えないほど重いでしょうから。」(L.M.モンゴメリ 『銀の森のパット』より)

いかがでしたか? もちろんこれらは文脈から抜き出したもので、それでもなお心に響く力がある言葉です。みなさんの心にも、もし届いた言葉がありましたら、ぜひ本を手に取って読んでみてください。

手紙トピック

前回、ポストカードの使い勝手の良さについて書いたせいか、最近「ポストカードはどこで買っていますか?」とよく聞かれます。私の場合、郵便局で切手を購入する時についでに買ったり、美術展を観に行った時にミュージアムショップで購入したり、立ち寄った本屋さんや雑貨屋さんでたまたま見つけて買ったりすることが多いです。何かのついでに手に入れる場合がほとんどで、あまり参考になる答えとは言えないかもしれません。

必ず買える場所としてはやはりオンラインショップがありますが、ポストカード1枚に対して送料が高くつくのが少々難点です。大手文具店やデパートの文具売り場にもありますが、もっと身近で日常の買い物ついでに買える場所と考えるとあまり無いことに気が付きます。ポストカードの種類や好みもありますし、どこにでも売っていそうで、実はそうでもないということが分かったのでした。

そんなことを考えていた時に、「京都便利堂」のオンラインショップでポストカードの頒布会が始まると知り、さっそく申し込んでみました。「京都便利堂」は美術作品のはがきを多く取り扱っている絵はがきの専門店です。月に一度、美術はがきソムリエが厳選した絵はがき10枚と、そのはがきの解説が書かれたブックレットが送られてきます。どんな絵柄のはがきが送られてくるかは届くまで分かりませんが、京都便利堂さんの絵はがきが好きな人なら楽しめること請け合いです。なかなかポストカードが手に入らなくて困っている方にもおすすめです。

「美術はがきソムリエからの定期便」
https://www.kyotobenrido.com/new/2023-06-19-140258.html

今月のマキシマムカード

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テーマ: シロクマの願い
ポストカード: Michio Hoshino
特殊切手、絵入りハト印: 美術の世界シリーズ 第5集

お知らせ

★手紙やメールの書き方の基本について通信講座があります。
忙しい人でも自分のペースで学べます。
楽しく学んで手紙上手になりましょう!

入門講座 /通信講座「手紙の書き方講座」
ビジネスメール講座 /通信講座「仕事で差がつく!メール・文章の書き方講座」
美文字講座 /通信講座「仕事で差がつく!実用美字・美手紙講座」


★ 体験講座も有ります!
月に一度、オンラインで手紙の書き方講座を開催中。
みなさまのお申し込み、心よりお待ちしています!

(社)手紙文化振興協会 体験講座スケジュール

プロフィール

田丸有子(たまるゆうこ)

(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタント

子供の頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの文通好き。でも手紙の何がそこまで自分を魅了するのか、深く考えたことはありませんでした。講座を受けて一番良かったことは、手紙が私の憧れを実現する手段であると気付いたことです。自分を表現することで人に喜んでもらいたい。叶えるために出来ることは何かずっと探してきました。その表現方法こそ私にとっての手紙であり、魅かれる理由なのだと気付いた瞬間、「やっと見つけた!」そんな気持ちになりました。

また、郵趣のコミュニティに参加したことで、手紙にも色々な楽しみ方が有ることを知りました。私が今夢中になっているのは、葉書と切手、消印をコーディネートするマキシマムカード。いかにセンス良く仕上げて個性を出すか、考えるだけでワクワクします。

奥深い手紙文化を通して自分の世界が広がっていく面白さを沢山の人たちと共有し、心を豊かにしていきたいです。

ブログ「手紙魔Yukoのお手紙ライフ
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