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【連載】他故となおみのブンボーグ大作戦!Bootleg  #020 ぺんてる「ミルキーブラッシュ」

文具のとびら編集部

30分間、文房具の話題だけをお送りするラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」のパーソナリティ「なおちゃん」こと、ふじいなおみです。

番組では毎週たくさんの文房具が登場します。その中から、他故さんとなおちゃん2人で選んだ商品をピックアップ。より掘り下げてご紹介していきます。

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今回は、11月27日放送の「オープニング」で登場した、ぺんてるの「ミルキーブラッシュ」をご紹介します。

結果として「ハイブリッドミルキーの筆ペン」が形になりました

「ハイブリッドミルキーの筆ペンを出そう」としていたわけではなく「結果的にそうなりました」。

製品の発表会にオンラインで参加をした私は、開発者のこの一言に衝撃を受けました。かつてヒットした商品をあらためて楽しめるように開発したと確信していたからです。そのためハイブリッドミルキーありきの開発ではなかったことが一番印象に残っています。

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この秋に発売されたミルキーブラッシュの開発には5年の歳月がかかりました。
出発点は「新しい筆ペンを作ろう」。背景には以前より海外でカバー力(下地が見えなくなる性能)のある白インキの筆ペンが求められていたこと。これは特に漫画を書く方が、髪の毛のハイライトをいれるために使用するのだそうです。また、メーカーファンの方々とディスカッションを行った結果「ハイブリッドミルキーの色目の筆ペンができたら素敵」というアイディアに到達したということです。

ハイブリッドミルキーとは?

当然のように「ハイブリッドミルキー」と名前を出し続けてきましたが、このペンのことを説明せねばなりませんね。

photo3.jpgハイブリッドミルキー(2019年に復刻したもの)


この製品は1996年に発売されたパステルカラーのボールペンです。業界初の不透明なゲルインキボールペンで、黒い紙や写真にも書けるのが特徴。当時の10代女子を中心に人気に火がつき、年間1億本超えの販売数を記録しました。

この時、私はちょうどターゲット層であったであろう高校生でした。今まで見たこともなかった黒い紙のメモ帳がファンシーショップと呼ばれた雑貨店に並び、「本当に黒い紙に書いて読める!!」と色を塗ってはニヤニヤしていたものです。

また当時は、ゲームセンターを中心にその場で撮った写真をシールにするマシン「プリント倶楽部(通称:プリクラ)」が登場。「写ルンです」をはじめとしたレンズ付きフィルムの需要も高く、街中の写真屋さんでは現像料やプリント代金の価格競争も起きていました。そのような時代背景もあり、「写真に書ける」ことも一つのセールスポイントだったのでしょう。

コンセプトは『ラフな気分で満たされる ミルキーカラーのブラッシュペン』

筆ペンのイメージってどんな感じですか?
私にとっての筆ペンは「冠婚葬祭時に登場するもの」、もしくは「字の上手な方が年賀状などにサラサラと文字を筆記するもの」です。

しかし最近、筆ペンが文字の筆記以外にも使えることを知りました。黒や薄墨ではなくカラフルな筆ペンが各社から発売されていて、画材として色塗りや線を描くために使うのです。力を加えれば太く、先端に意識を集中させれば細く書いたり塗ったりすることができるのです。事実、ぬりえブランドから同一ブランドで筆ペンが出ていたり、また違うメーカーからはこどもが使うクリエイティブなツールの一種として筆ペンが開発されています。

photo4.jpg黒いノートに筆記してみました


ミルキーブラッシュの開発メンバーは記者発表会でこのようなお話をされていました。
「『カワイイ!』をキッカケに手に取ってもらいたい商品です。○や△のような図形や失敗の少ない水玉模様など何を描いても『カワイイ!』。カワイイものが描けたら誰かに見せたくなるので、贈り物に使うカードやラッピング、ギフトタグに使えます。ラッピングに用いる薄茶色のクラフト用紙や色紙(いろがみ)にも書いて使ってほしいです。」

「黒い紙に書ける」「写真にも描ける」を推していた「ハイブリッドミルキー」とは違うアプローチなのも興味深いです。

我が家での使い方

ミルキーブラッシュを一番活用しているのは実は小学一年生の娘です。彼女の大好きなキャラクターの色使いがパステルカラーでミルキーブラッシュの色目と似ているため、その塗り絵をするときに、「筆ペン(ミルキーブラッシュのこと)貸して」とやってきます。色以外にも広い部分から細かな箇所まで1本で対応できることがポイントなのだそうです。

また、顔料インクを使用しているので水濡れにも強く、これからやってくるクリスマスカードや年賀状作成にも使いやすいですよね。デザインは絶賛考え中ですが、どこかにミルキーブラッシュを生かしたいと考えています。

ちなみに来年は卯年なので、うさぎの絵を描いてみました。

photo5.jpgうさぎ……ですよ……


クラフト紙に書くと白が映えてきれいですよね!

私にとっての「ハイブリッドミルキー」は、まちがいなく青春時代の一ページでした。今度は「ミルキーブラッシュ」でここから新しい思い出を作っていきます。

商品情報

ブンボーグ大作戦!こぼれ話

去る11月26日に番組2周年記念トークライブ「文房具ラジオを見せまSHOW!」を無事に終えることができました。ご覧いただきました皆さんありがとうございました。今回は他故さんとなおちゃんそれぞれが発表を持ち寄り、また、神戸まで取材旅行に行くなど、かなり気合を入れて準備を進めました。

今年は生放送特番も春秋に1回ずつ実施でき、番組を聞いてくださる方々と共に過ごせる時間を増やす事ができました。2023年もどうぞよろしくお願いいたします。

プロフィール

ふじいなおみ
1979年北海道札幌市生まれ。ラジオパーソナリティ/文房具プレゼンター
ナナコライブリーエフエムで放送中のラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」のパーソナリティ及び制作・技術を担当。
他故壁氏さんとユニット「たこなお文具堂」として、文房具の楽しさを伝える活動を開始。
万年筆インク(中でもご当地インク)コレクターであり、2015年生まれの娘とともに学童文具の観察を行う。
そして、きだてたくさんと色物文具をひたすら紹介する動画コンテンツ「イロブンの引き出し開けていこう」も配信スタート。

【他故となおみのブンボーグ大作戦!】
埼玉県朝霞市のコミュニティFM「ナナコライブリーエフエム」にて放送中の30分間文房具の話題だけをお送りするラジオ番組。
パーソナリティーは他故壁氏&ふじいなおみ。
放送時間は毎週日曜日19:30~20:00/毎週水曜日 11:30~12:00(再放送)
FMラジオ77.5MHz(埼玉県朝霞市・志木市・新座市・和光市とその周辺地域)の他、パソコンやスマートフォンではListenRadioのサービスを利用すると気軽に聴くことができます。

詳しい聴き方は番組Webページへ
https://daisakusen.net/howto/

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