1. 新製品&ニュース
  2. 【ニュース】「第12回 シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティション」グランプリはカラフルな"朱肉"

【ニュース】「第12回 シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティション」グランプリはカラフルな"朱肉"

一般社団法人未来ものづくり振興会は、新しいプロダクトのデザインを募る「12th SHACHIHATA New Product Design Competition(シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティション)」の表彰式を、2019年10月11日(金)に東京・赤坂ガーデンシティ内のベクトルスタジオで開催し、受賞作品10点を発表した。

シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティションは、シヤチハタが1999年から10回にわたり開催してきたプロダクトデザインのコンペティション。2008年を最後に一旦休止していたが、2018年に10年の年月を経て再開した。第12回目となる今回のテーマは「これからのしるし」。審査員は、昨年と同じ喜多俊之氏、後藤陽次郎氏、中村勇吾氏、原研哉氏、深澤直人氏の5人。今回の応募作品総数は、昨年(718作品)を上回る過去最多の778作品となり、その中からグランプリ1作品(賞金300万円)、準グランプリ2作品(賞金50万円)、審査員賞5作品(賞金20万円)、特別審査員賞2作品(賞金20万円)の計10作品を選出した。これらの受賞作品は今後商品化を検討する。

当日はまず、未来ものづくり振興会代表理事のシヤチハタ舟橋正剛社長から「社会環境、流通環境など色々なことが変わっていますが、未来ものづくり振興会と銘打って、シヤチハタという文具・印章メーカーの枠を飛び越えて、永続的にものづくりとサービスにこだわっていきたいと決意しています。昨年の受賞作品については、1点すでにリリースさせていただいたが(記事はこちら)、追って2、3点製品を出させていただくので、楽しみにしていて下さい」とあいさつがあり、そのあと受賞者を発表。

グランプリに選ばれたのは、歌代悟さんのカラフルな朱肉「わたしのいろ」。歌代さんは「学生の頃にプロダクトデザインを勉強していて、その頃にシヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティションに応募したことがあり、この賞をとりたいなと思っていました。今は違う分野のデザインをしていますが、昨年コンペが復活したので、違う分野の知見を入れて挑戦してみたところ、このような栄誉ある賞をいただけたので、今までやってきたことが間違いじゃなかったんだなと実感しています」と、受賞の喜びを語った。

5.jpg舟橋社長がグランプリの歌代さんを表彰

受賞作品の詳細は以下の通り(敬称略)。

【グランプリ】
「わたしのいろ」歌代悟
水彩画のように彩りが滲んだ朱肉。押す人やその時々の気分、時間などにより異なる色でしるすことができるため、従来の朱肉以上のアイデンティファイ機能と、個性や感情表現という感性的機能を併せ持つ。

2.jpg

【準グランプリ】
「J I TSU- I N」(写真左)石川和也
手書きサインをカメラでスキャンし、印影の形状や色、印材の素材を選んで、世界にふたつとない自分だけの印章をつくることができる。同じ苗字の個別化が図れるので自己証明ツールとしての完全性や価値が高まり、外国人も日本のハンコ文化を体験できる。

「Shachihata PAPER」(写真右)米田隆浩
朱色インクで染めた朱い紙は、それ自体がシヤチハタのアイデンティティを宿すひとつのしるしであり、ここからさらに利用者が包む、折る、切るなど手を加えることにより、新たなしるしとして展開されていく。 これからのしるしを生む素材の提案。

3.jpg

【審査員賞】
喜多賞「アナログなAR判子」岩田浩司
既存に近い印影をAR(拡張現実)マーカーにした次世代判子。スマホ画面に印影を映すと、事前にアプリ登録された個人情報を写真入りで確認できる。 ARを通してアナログ的な印章を名刺などの営業ツールや印鑑証明のように利用する「これからのしるし」。

後藤賞「アニマル・ポン」谷一郎
押印という事務的な行為を楽しくする、さまざまな動物の形をしたハンコ。押す時の圧力でボタン電池のスイッチが入り、押している間それぞれの動物の鳴き声を発し、紙から離すと鳴き止む。使わない時はデスクや玄関に飾って置ける。

中村賞「Life Mark」渡辺雄大
妊娠検査薬の陽性反応に、ポジティブでハッピーな印象を与えるハートマークのアイコンを用い、世界のニュースタンダードに。心臓の形を表したハートマークは、赤ちゃんが初めて母親にこれから生まれる命を知らせる、まさに「これからのしるし」。

原賞「線画による家紋の印鑑“Kamoline”」高田雄吉
家紋は日本が誇る固有の財産であり、世界のブランドのシンボルマークにも影響を与えてきた。その家紋をハンコとして使いやすいよう線だけでリデザイン。古きを新しく甦らせ、印鑑に落とし込むことで、しるしの文化のさらなる広がりが期待できる。

深澤賞「シヤチハタくん」萩原理央、大橋暁央、原盛夫、岩佐健太(チーム名:MARK)
AR(拡張現実)アプリと連動し、ユーモアたっぷりのキャラクター「シヤチハタくん」を生み出す印章。可愛らしい動きやメッセージで使う人の個性や思いを視覚化し、シヤチハタとユーザーを親しみやすい関係性へと導く。

【特別審査員賞】
「印ボッサー(インボッサー)」籔下聡希
しるす文化のグローバル化を視野に、欧米では公印として使用されているエンボス印を取り入れた新しい道具の提案。インクを必要としないため、理論上、無限に使用でき、一歩引いた主張をさまざまなシーンでしるすことができる。

「ジャパニーズギフト シヤチハタ」澤本和宏
「日本のお土産といえばシヤチハタ」の浸透を目指し、特設Webサイトから簡単に注文できる、スタンダードライン「ネーム9」をベースにしたギフトセットの提案。外国人の名前は漢字に変換し、日本らしい熨斗やメッセージを添えて贈ることができる。

4.jpg

【文具のとびら】が気に入ったらいいね!しよう