知的障がい者雇用を59年にわたって継続しながら、チョークのトップメーカーになった日本理化学工業の大山泰弘会長の著書『「働く幸せ」の道～知的障がい者に導かれて～』が、WAVE出版から2018年3月に出版された。四六判、ソフト、192ページ、税抜1500円。

同書は、2009年に出版された「働く幸せ」（WAVE出版）を9年かけて修正した改訂版。大山会長が1960年に知的障がい者を雇用することになったきっかけから、重度の知的障がい者の幸せをかなえる会社になるまでの長く険しい道のりを振り返りながら、「働くことの意味」や「究極の幸せ」といったテーマについて、思いのたけを書き綴った1冊。

長年にわたる知的障がい者雇用によって、誰もが「役に立ち、必要とされる幸せ」を求めていることに気づくことができたという大山会長は、いま必要とされているのは、国、企業、障がい者、家族、福祉施設が一体となった「五方一両得」の「皆働（かいどう）社会」実現の仕組みづくりだと訴える。そして、「人のために働くからこそ、人は、ほめられ、人の役に立ち、必要とされる。私たち日本人は、もう一度このことを思い出すことによって『働く幸せ』を取り戻せる」と語りかける。

この本は、知的障がい者に導かれて素晴らしい人生を歩んだ大山会長の半生記であり、大山会長からすべての障がい者に贈る感謝状だ。

『「働く幸せ」の道～知的障がい者に導かれて～』をAmazonでチェック