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【イベント】パーカー氏と伊東屋社長が語る! 世界初のサービス「JOTTER Factory」の魅力と楽しみ方

千葉 勇

イギリスの高級筆記具ブランド「パーカー」と銀座 伊東屋とのコラボレーションによる、世界初のサービス「JOTTER Factory -Final assembly line-」(以下「JOTTER Factory」)の誕生を記念したオープニングイベントが、G.Itoya10Fで2019年6月22日、23日に開催された。
イベント会場では「JOTTER」の65年にわたる歴史を振り返る製品およびパネル展示、「JOTTER Factory」の体験コーナーが設置されたほか、「パーカー」創業者の曽孫であるジェフリー・パーカー氏(上写真右)と伊東屋の伊藤 明社長(上写真左)のトークイベントなども実施。多くのパーカーファンと伊東屋ファンが詰めかけ、たいへんな賑わいとなった。


20190625itoya3.jpg「JOTTER Factory」組み合わせシュミレーター

2,024通りの組み合わせから好みの“マイ・ジョッター”が選べる「JOTTER Factory」

1954年にパーカー初のボールペンとして発売された「JOTTER」。まだボールペンの品質が良くなかった時代に、高品質なノック式ボールペンとして登場した「JOTTER」は、その当時市場で販売されていたボールペンの約5倍という筆記距離を実現したこともあり、大きな評価を獲得。瞬く間に大人気となった。以来、65年にわたって、その変わらぬスタイルは世界中で愛され続け、累計販売本数は約10億本にも及ぶ。

今回、銀座伊東屋が始めた世界初のサービス「JOTTER Factory」(G.Itoya3階に常設)は、キャップ、バレル、リフィールをそれぞれ選んで、オリジナルの「JOTTER」がその場で完成するというもの。キャップ11種×バレル23種×リフィール8種を用意しており、全2,024通りの組み合わせの中から選ぶことができる。中には世界未発売パーツや、復刻アイテムもあり、銀座伊東屋からしか購入することができない貴重な1本が手に入る。


20190625itoya2.jpg商品ラインアップ



完成した“マイ・ジョッター”は、オリジナルピンバッジと共に特製ギフトケースに入れて提供される。価格は税抜2,000円~7,500円。


20190625itoya4.jpg特製ギフトケース(右側に見えるのがオリジナルピンバッジ)

「JOTTER」のアーカイブ展示とカラーセラピストによる組み合わせ

「JOTTER」のアーカイブ展示では、ナイロンボディの初代(1954年)をはじめ、女性をターゲットにしたフェミニンな「コンパクト」(1964年)と「ティアラ」(1967年)、ユニークなラインアップとしては、キャップを外すとペン先の代わりに聖杯が現われる「ホーリー ウォーター スプリンクラー」(1962年)、為替換算表付き(1971年)、カレンダー付き(1973年)などの現物を展示した。


20190625itoya5.jpg初代「JOTTER」



20190625itoya6.jpgフェミニン「JOTTER」



20190625itoya7.jpgユニークな「JOTTER」



カラーセラピスト・花形まきこさん監修による色の選び方アドバイスチャートでは、色彩療法学に基いたタイプ別おすすめカラーを提案。カスタマイズをより楽しめるよう、さまざまなテーマに合わせた組み合わせ例を展示した。併せて色彩がもたらす心理的な影響や機能も紹介し、注目を浴びていた。

20190625itoya8.jpgタイプ別おすすめカラー



20190625itoya9.jpg色の選び方アドバイスチャート

ジェフリー・パーカー氏と伊東屋伊藤明社長のトークイベント

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まず自己紹介から

伊藤 伊東屋は116年目に入ったところで、私は世代的には4代目、社長としては5代目になります。文房具屋さんでこの形では日本では一番古いんです。100年以上ずっと同じ業態で店頭小売をやっているのは多分、伊東屋だけだと思います。

パーカー 私の曽祖父であるジョージ・パーカーが131年前に「パーカー」を創業し、私は4代目になります。今回は5回目の来日ですが、毎回来るたびに日本が楽しくなります。今回も日本の皆様に歓待いただきうれしく思います。


2人の出会い

伊藤 最初にジェフリーさんと会ったのは2016年9月のこと。「パーカートラベルミュージアム」というイギリス女王陛下90年を記念したイベントの際、伊東屋でトークショーを行いました。最近では2週間ほど前にイギリスで一緒でした。


「JOTTER」の印象

伊藤 子供のころからボールペンといえば、この形のイメージが私の中にはあります。若いときに見た007の映画にも登場したことを覚えています。
ロンドンの「パーカーミュージアム」では歴代のペンを見ることができるんですが、「JOTTER」は額装され放射状に展示されています。それがとてもきれいなんです。
そのあと、「パーカー」のフランス南部の工場にも行きました。訪問する前には全部オートメーション化されていると思っていましたが、ものすごく人の手がかかっている様子を見ることができました。


「JOTTER Factory」誕生のきっかけ

伊藤 実は「JOTTER」のバレルにはプラスチックと金属の両方のタイプがあります。それを工場の開発の方に聞いたところ、どちらを使っても大丈夫ということでした。普通は別のペンになると思いますが、自由に組み合わせられると聞いて驚きました。
また、工場でリフィルを試し書きしたところ、ゲルインクがびっくりするくらい書き心地がいいんです。そのとき、とっさにこれをお客様に届けたいと思い、ぜひオリジナルジョッターを作りたいという話をしました。すると開発の方は、「お客様の前で組み合わせることもできるよ」というんです。えー、できるならやってみたいと思いましたが、簡単そうに思えて実現するには乗り越えなくてはならない壁がたくさんあることも承知していました。
そのような大人の都合もあって結構大変でしたが、関係者の方々のご協力があって、「JOTTER Factory」という世界初のサービスを伊東屋で実現することができました。

パーカー 「パーカー」は皆様に書いてもらうものを作っているのではなく、コミュニケーションツールを提供しているんですよ。
私がこの「JOTTER Factory」の話を最初に聞いたとき、なんでこのアイデアを思いつかなかったのかと悔やみました。人のアイデアに耳を傾けることは大事だと思います。本来は私たちが先に気づくべきでしたが…。
日本は特に重要な市場です。多くのことを学ぶことができるので。


「JOTTER Factory」の楽しみ方

伊藤 「JOTTER Factory」では8種類のリフィルを試し書きできますので、まず全部のリフィルを試してほしいです。そして何を書きたいか、どういうシーンで使うかといったイメージを膨らませ、色を選ぶのがいいと思います。書き心地がわかっていれば服に合わせて選ぶこともできます。
当社のマーケティングの女性はお気に入りの1本を作ったあと、すぐにもう1本ほしくなり、2本作ったそうです。なぜなら同じ「JOTTER」でも違う表情になるからでしょう。


“マイ・ジョッター”について

伊藤 私は仕事ができる男をイメージして選びました。

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パーカー 私は皆様に物語を伝えられるものにしたいと思いました。すると簡単に選ぶことができました。バレルはオレンジ色ですが、これは創業者のジョージが1920年に発売した「デュオフォールド」の色。キャップはシルバーで、祖父のケネスが発売した「パーカー 75」の色。そして「JOTTER」を開発したのは父ダンです。この1本で3世代のヒストリーが語れるわけで、見るたびにすべてを思い出させてくれるペンになりました。

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伊藤 うらやましい話です。それを聞いて、私もジェフリーさんと同じ組み合わせでもう1本作りたくなりました。

パーカー 1本のペンに一人ひとりの思いや物語を重ねることができます。私には私の物語があり、皆様には皆様の物語があることでしょう。ジョッターが皆様の友人になることを願っています。

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