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【イベント】田口奈津子さん(消しゴムはんこ画家)の個展、表参道のHBギャラリーで6月14日まで開催中

千葉 勇

消しゴムはんこ画家として活躍中の田口奈津子さん(naco)の個展「夢のかけら」が、6月9日から14日まで表参道のHBギャラリーで開催されている。時間は11時から19時(最終日は17時まで)。

彫った消しゴムはんこは5000個以上

田口さんは、消しゴムはんこや切り絵、ぬり絵など多数の著書があるほか、レターセット、カレンダー、手帳など文具のデザイン、消しゴムはんこの商品プロデュースなどを手掛けているアーティスト。これまでに5000個以上彫ったという消しゴムはんこの中から、今回の個展では、2010年から最近までの作品と原版を選りすぐったほか、切り絵作品も加えて展示、販売している。

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繊細さが際立つ消しゴムはんこ、切り絵作品の数々

絵が好きで大学では建築家に進んだという田口さんの作品は、計算され尽くした繊細さが特徴。作品作りは、まず下絵を描いて、それから消しゴムはんこを彫るという段取り。例えば展示作品の中にある「鳥と花のデザイン」は、まず細かくパーツ分けされた80個の消しゴムはんこを彫って、それらを重ねて捺し、1枚の絵に仕上げている。その手間の大変さと、多くの時間が必要なことは素人目にも明らかだ。

「同じはんこを繰り返し捺す作品もあります。消しゴムはんこは印刷とは違って、捺し方によって味が出ますから。ですが、この『鳥と花のデザイン』は、見ていただける方に隅々まで見て楽しんでもらいたいと思い、同じはんこは一切使用せず、一見同じように見えるパーツも1つ1つ彫って捺して、1枚の絵に仕上げました」と田口さん。

鳥と花のデザイン.jpg「鳥と花のデザイン」


使用しているインクについては、ツキネコの「バーサクラフト」がメーン。最近は既製品では満足せず、色を混ぜて使うことも多いそうだ。

田口さんは、1枚の絵として鑑賞する作品だけではなく、複数の絵が連続するストーリー性のある作品も得意。今回は自ら製本した絵本「こわがりこぐまラセルのおはなし」という作品を展示している。

また、作品を作る際には、その先のデザインまで考えているそうで、「キツネの親子」という作品の横には、この作品を拡大してブランケットに印刷したものを展示していて、非常に見ごたえがある。

今後は、お菓子や紅茶などのパッケージデザインを手掛けてみたいという田口さん。どんなデザインになるのか早く見てみたいと思う方も多いのではないだろうか。


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切り絵作品も展示

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