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【イベントリポート】文房具がアート作品に!? 「知られざる文具アートの世界」が日本橋高島屋で開催中!

文具のとびら編集部

身近な文房具を使ったアート作品を展示する「知られざる文具アートの世界」展が、2023年4月26日(水)から5月8日(月)まで、日本橋高島屋S.C. 本館8階催会場で開催されている。入場料金は一般1,000円(前売りは800円)、大学・高校生800円(同600円)、中学生以下無料。

同展覧会は、「文具の新しい魅力を、髙島屋らしくお伝えしたい」という思いから開催しているもの。2023年3月15日~27日に京都高島屋で開催し、今回は東京・日本橋での開催となった。新進気鋭の22人のアーティストの作品が一堂に展示されている。また、芸人・俳優・アーティストとして活躍している片桐仁さんが同展覧会のアンバサダーを務め、会場では片桐さんの作品も会場入口で展示している(下写真)。

1.jpg中央の作品は、文房具をのりで貼り付けて同展示会のタイトルロゴを制作したもの。

4.jpgセロハンテープ一筋でアート作品を作り続ける、世界で唯一のセロテープアート®作家・瀬畑亮さんの作品。

5.jpg(左)マスキングテープアーティスト・船原七紗さんの作品、(右)Artist/material researcherのSAKAMOTO ENTERTAINMENTさんの輪ゴムの作品



会期初日の朝9時から行われた取材会では、(写真左から)鉛筆彫刻人・シロイさん、黒板アート作家・すずきらなさん、現代美術家・大村雪乃さん、スーパーハンコアート・安東和之さんの4人が来場し、アートの実演を行った。

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顕微鏡を覗きながら鉛筆を彫刻していたシロイさんは、「1文字程度の簡単な作品なら、30分程度でできあがります」という。芯の硬度は、「太くて柔らかい芯の方が削りやすい」ことから、3Bや4B、6Bの鉛筆を彫刻しているそうだ。ちなみに、芯が鎖のようになっている左下の作品も1本の芯を削って作ったものだが、6B芯を使って制作したそうだ。また、主に三菱鉛筆の高級鉛筆「ユニ」を使って作品制作しているが、「鉛筆の太さや削りやすさが自分に合っているので」という。「折れやすくて小さい鉛筆の芯をあえて彫刻にする難しさや技術、あるいは折れてしまうはかなさを体感していただければ」とシロイさん。

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すずきさんは、「普段は、学校の黒板に1日かけて絵を描いて、月曜日に何も知らない子どもたちが見て驚くというサプライズ企画を行っています」という。いつも教室で見慣れている黒板が、次の日には素敵なアートになっているところが面白いのだという。書いたものを消してしまう黒板に、あえて絵として見せるために、すごく筆圧をかけて描いたり、色数の限られたチョークも、工夫して色を混ぜたり、消すことで黒地を出して線を表現したりとか、「黒板ならではの手法で描いているので、そこを見ていただけたらいいなと思います」という。

11.jpg黒板に描いてあるのは京都会場で描いた作品。これを消してから、日本橋にちなんだ作品を描くのだという。



大村さんは、市販の丸シールを点描感覚で貼り付けた絵画を制作している。「間近で見た方は、シール表面の飄々とした感じや、質感に驚かれています。近くで見たり、遠くから見たりと、距離感で作品を楽しんでいただけたら」という。

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安東和之さんは、15、16年前からハンコアート制作を行っているそうで、「上手な絵を描けるわけでも、すごい立体物を作れるわけでもないが、どうしてもアートをやりたい。それで、誰でもできるけど、誰もやったことがないハンコアートを制作するようになりました」と話す。写真左下の作品は、「結婚」をテーマにした作品で、「既婚者の話を聞くと、絶望的なイメージしかないですが、自分の中では希望的な思いがあるので、それを作品にしました」という。「絶望」のハンコを婚姻届の上に捺して作品を作っているが、目の部分には「希望」のハンコを捺している。ちなみに作品の人物は、この作品を制作した当時の安東さんの自画像とのこと。

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このほかにも、グッズの特設ショップも開設している。
なお同展覧会は、2023年8月9日(水)~8月21日(月)に、横浜高島屋で開催される予定。

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