「メタシル」は、芯が黒鉛と金属を含んだ特殊芯で作られており、筆記時に紙との摩擦で生じる黒鉛と金属の粒子が紙に付着することで筆跡となる、鉛筆のようで鉛筆とは違う、全く新しい筆記具。「2022年Bun2大賞」で1位に選ばれた。

美大出身という大杉さんが、デッサンやアイデアをスケッチするときなど、鉛筆を使うたびに削る手間があることや手が黒く汚れることに不便さを感じ、それを解消するために考えたアイデアを商品化したもの。ちなみに、芯は約2H鉛筆相当の濃さになる（同社比、紙の種類によって濃さが変わる）。

普通の鉛筆のような黒鉛の粉が出にくいので、手やペンケースの中を汚す心配もない。筆記に集中できるので、速書きにも適している。また、筆跡は一般的な消しゴムで消すことができ、水や水性マーカーなどで筆跡がにじまないので、水彩画やイラストの下書きにも適している。


■文具のとびら関連記事■
異色のメタルペンシル「メタシル」、芯まで金属なのに書いて消せるその理由とは？
https://www.buntobi.com/articles/entry/stationery/015875/

人気のメタルペンシル「メタシル」からメタリックカラーの新色＆待望の替芯登場！
https://www.buntobi.com/articles/entry/news/016979/

「第1弾を発売したときに、『もう少し短い軸のメタシルが欲しい』『もう少し軽いと使いやすいのでは』といった要望が、主に女性の方からありました。最近は、ショートサイズの筆記具が流行っていることもあり、ユーザーの要望に応えて今回の『メタシルポケット』を開発しました」。

従来の「メタシル」の全長が160㎜なのに対し、「メタシルポケット」は40㎜短い120㎜となっている。もちろん、従来品と比べて軽量なので、長時間書き続けても手が疲れにくい。短すぎず、握りやすい、バランスのよいサイズを実現しているわけだが、鉛筆を使い込んでちょうどなじんだサイズのように感じる。

また、周囲を汚す心配がなく、安心して持ち運びできるようにキャップが付いているのもポイント。これも「キャップが欲しい」というユーザーの声に応えたのだという。

「キャップ式にすることは最初に決めましたが、どのようなかたちのキャップにするのかは、かなり検討しました。従来の鉛筆キャップのようなかたちにするのか、あるいは万年筆のようにネジ式のキャップにするのか、色々な意見が出ました。決め手となったのは、女性の方からの要望が多かったことです。従来のメタシルは、どちらかというと男性ユーザーの方が多いですが、今回はユーザーの裾野を広げるために、大人の女性に向けてレザー調のキャップにしました」。
キャップは合皮製で、シンプルなかたちながら、「metacil」のロゴがさりげなく型押ししてあるのがオシャレ。「あまりクセを強くしたくなかったので、シンプルなデザインにしていますが、シルエット的には角を丸くして印象に残るようにしました」と大杉さん。

また、軸色のカラーバリエーションは、ブラック、ピンク、ブルー、ホワイト、ベージュ、ネイビーの6色をラインアップ。トレンドの淡くくすんだ色味を採用し、マットな質感で落ち着いた印象がある。

パッケージデザインにもこだわったそうで、「キャップに合わせて角を丸くして、女性の方が手に取りやすいように、コスメのようなデザインにしています」という。

「“メタシルのユーザーの裾野を広げたい”という想いから開発しました。メタシルに興味があるけど、サイズ的に手が出しづらかったという方でも受け入れてもらえるものができたと自負しています。ぜひ手に取って使っていただければと思います」（大杉さん）。