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"もったいない"を解消!使いやすく、エコでお得なカシオのラベルライター

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カシオ計算機のラベルライターといえば「ネームランド」がおなじみだが、このほど新たに「Lateco(ラテコ)」という別ブランドの新製品が発売された。これまでのラベルライターに対してユーザーが抱いていた不満を解消したのが特徴で、使いやすく、エコでお得だという。
そんな情報を耳にしたら、普段からラベルをよく使う当サイト編集長・高畑正幸文具王が気にならないわけがない。そこで早速、カシオ計算機を訪問、担当者の亀田晋一さん、尾澤慶子さんに話を聞いた。
対談では他製品では見ることのないボタンと機能を文具王が「とにかく便利」と絶賛したが、そのボタンと機能とは──。

20190326lateco6.jpgLateco(ラテコ)

ユーザーの4つの不満を解消


高畑 はじめに新製品の開発の経緯について聞かせてください。

亀田 ラベルライターの歴史はもうすぐ30周年になります。テープに文字が打てるマシンとして誕生しましたが、その後はあまり大きな変化がありませんでした。そこで、今回の新製品を開発するにあたり、ユーザーさんにラベルライターに対する不満を調査したんです。その不満を解消したのが「Lateco(ラテコ)」です。ネーミングの由来は、「Label toward ECO(economy、ecology)」。環境に配慮し、経費削減を意識して商品を作りました。

高畑 ユーザーさんの調査では、どういう不満がありましたか。

尾澤 「テープをはがした跡が残る」「テープ先頭の余白が無駄」「テープの裏紙がはがしにくい」「空になったカートリッジを捨てるのがもったいない」という4つの不満があがりました。

高畑 確かにテープはきれいにはがせた方がいいですし、テープの先頭の余白を毎回捨てなくてはいけないという点はすごく気になりますね。僕は家でいっぱいラベルを使います。1個ずつ違うものを出そうとすると、テープの何割を使い、何割を捨てているのかを考えると、捨てる部分はもったいないと思います。

亀田 この4つの不満を解消するために「ラテコ」という商品を作りました。

新開発テープで糊残りしにくい


高畑 4つの不満を解消したということですが、どのように解決したのかを具体的に教えてください。

亀田 まず、テープをはがした跡が残るという不満ですが、これは強粘着でしっかり貼れて、はがすときに糊が残りにくい新開発の粘着剤を使用することで改善しました。テープをはがしたときに糊が残りにくいので、ファイルを再利用したいというニーズにも対応(紙製ファイルを除く)できます。

高畑 テープにきれいにはがせる機能を持たせたのはいいですね。オフィスでは昔、バブルのころはファイルごと書類を捨てるようなこともあったようですが、最近は書類だけを処分し、ファイルを使い回すのが普通です。それに、タイトル用の紙が背に入っているファイルでも、多くの人は面倒だから、中紙を出さずに背に直接貼ってしまいます。なので、テープがきれいにはがせるのはありがたい。

テープ先頭の余白をわずか3mmに

亀田 テープの先頭の余白についてですが、当社の従来機では16mmの余白が発生していました。そこで今回、新たにテープの巻き戻し機構を採用し、余白を3mmに抑えることでテープの先頭余白を81.3%カットすることに成功しました。どれくらいテープを節約できるかというと、5cmのラベルを8mのテープカートリッジで作った場合、29枚分も多く作ることができるんです(※)。経済的ですよね。
※印刷条件:カシオ純正12mm幅テープ/8m巻き/5cmラベル/ハーフカットあり/テープ毎に印刷内容が異なる。
※機種:Lateco EC-K10 150枚、従来品 NAME LAND KL-M50 121枚

高畑 僕はラベルをたくさん使うので、経済的なのはありがたいです。

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亀田 今回、テープの巻き戻し機構を採用するにあたり、リボンの代わりに熱によって発色する、ラミネートサーマルテープを新たに開発しました。
感熱式ですが、テープの一番上にラミネートフィルム層を設けることで、擦れに強く、また耐光性にも強いため、安心してご使用いただけます。

ハーフカット機能で裏紙がはがしやすい


尾澤 テープの裏紙がはがしにくいという不満には、ハーフカット機能付きのオートカッターを搭載することで対応しました。裏紙をはがしやすい上、ゴミがバラバラにならないのでゴミの処理も楽なんです。

高畑 テープだけに切り込みを入れるハーフカット機能で、不満を解決したわけですね。テ-プの裏紙がなかなかはがれないときはイライラしますし、もたもたしている時間ももったいないので、はがしやすいのは助かります。

カートリッジのテープを詰め替え式にして35%もお得

亀田 カートリッジを捨てるのがもったいないという不満に対しては、カートリッジの中のテープを詰め替え式に変更することで解決しました。カートリッジは再利用できますので、毎回買う必要がなくなり、その分テープの価格が安く、そして環境にも優しいわけです。

高畑 今回、カートリッジを別にしているからリボンレス、テープは専用ですね。

亀田 カートリッジを簡素化することによって、従来品と比べてランニングコストは35%安くなりました。

高畑 えっ! 35%も安いとはビックリしました。

尾澤 テープは白、半透明などベーシックな色から黄緑、水色といった従来にない色を含めて全10色を揃えています。

高畑 オフィスユーザーの大半が白か半透明を使用しているとは思いますが、10色を作ったのはメーカーのサービスとして必要だと感じます。

インデックスラベルのタイトル作りが簡単

尾澤 ユーザー調査では、ラベルの用途についても調べました。一番多かったのがファイルの背表紙、ファイルの表紙、あとは名前付け、備品・固定資産の管理と続きます。そして五つ目にインデックスが登場します。ベスト5にファイル、ファイル、インデックスが入ったということで、要はファイリングによく使われていることがわかりました。

高畑 そうですね。ファイリングに最もよく使われていると思います

尾澤 そこでファイルラベル機能を充実させることにしました。ファイルラベルのフォーマットはどのメーカーの製品にも搭載していますが、インデックスラベルのフォーマットはあまり搭載していません。インデックスラベルは特大、大、中、小とだいたいサイズが決まっています。インデックスカードも5山、6山、10山、12山ということで、こちらもほぼサイズが決まっています。これらをフォーマットとして搭載したので、ユーザーさんは候補から選ぶだけで簡単にインデックスラベルやインデックスカード用のタイトルラベルが作成できます。
さらにインデックスタイトルはよく使われる索引や月日、曜日などをあらかじめ定型句として内蔵しました。これによってユーザーの方は文字を入力しなくても定型句を選ぶだけでインデックスタイトルのラベルができるようにしました。

高畑 それは便利ですね。よく使う項目をちゃんとわかって先回りしてくれているのはいいですね。

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尾澤 テープ幅は6、9、12、18mmを揃えています。テープの売れ行きを見てみますと、通常のテープに比べて、「ラテコ」は6mmがよく売れています。それはなんでだろうと思ったんですが、インデックスラベルに使われているようです。私たちはインデックスラベルのタイトルを手軽に作っていただこうと思ってインデックスラベルのフォーマットを搭載しましたので、ユーザーさんのニーズと合致したことはうれしいですね。

高畑 それはいいですね。たいがいファイルの背に貼る場合はもう少し幅の広いテープを使いますから、6mmが売れているということはインデックスに使われているのでしょう。

尾澤 「小さいところに手書きするのは大変」「手書きだときれいに書けなくて恥ずかしい」と思っている方が多いようで、小さな文字でもきれいに印刷できるのはラベルライターならではの特徴なので、それが受け入れられていると感じています。

10cmボタンと連番機能がとにかく便利

高畑 「ネームランド」は家庭用というイメージがありましたが、「ラテコ」は主に業務用ですね。オフィス通販のアスクルさんで先行販売していますが、反響はどうですか。

亀田 アスクルさんのレビューでの反響は大きいです。例えばテープの先頭の余白がなくなったことについて、「感動した」という書き込みもあるくらいです。1回使っていただくと、テープの巻き戻し機構のありがたみがすぐに伝わると思います。

高畑 今回はテープにいろいろな工夫がありますね。転写テープがないから、シンプルなロール1個だけで、テープ詰め替えの交換方法が簡単なのに、使い終わったテープは真ん中の紙管しか残らないことに驚きました。しかもディスプレイの横の窓からどのテープを入れたのかを確認できて便利ですね。ただ巻いてあるように見えるけど、ベースに軽く糊付けされていて、勝手にほどけたりしない安心感もとてもいい。
僕もこの前から使っているんですが、キーボードでは最初から「10cm」ボタンが付いているのが大好き。とりあえずこのボタンを押せばいつも同じ長さのテープが作成できる安心感があり、貼ったときには長さが揃ってきれいです。たまたま僕はラベルを10cmに揃えていることもあって、ボタン1発で印刷できるのは助かります。ラベル設定なしで10cmに飛ばすボタンをあえて作るというのが、作り手の思想みたいなものを感じます。
「10cm」ボタンの横には、「定型フォーマット」と「登録データ」のボタンがある。あと「縦書印刷」のボタンも。どういう現場でどのようなボタンが必要かを考えた末、必要なボタンだけを残したんですね。

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亀田 キーボードの大きさを変えずに使いやすくするため、キーの数を減らしてサイズを大きくしました。また、見た目でも使いやすい印象をもってもらうために、入力はローマ字入力のみとし、かな入力には対応しませんでした。

尾澤 実は1個当たりのキーは1.6倍に大きくなっています。ネイルをしている女性は特にキーが小さいと打ちにくいと考えたためです。減らしたキーはアンダーバー(_)や、セミコロン(;)などです。

高畑 あまり使わないキーを無くして、使いやすさを優先させるという割り切りが気持ちいいですね。結局、タイトルを入れたものをプリントするケースが一番多いという実情を考えると、すごくこだわったテープを作るというのではなく、日常使うテープが作成しやすいというところにフォーカスしていているから使いやすいわけですね。
「10cm」ボタン以外では連番機能も便利だと思います。連番機能があるのとないのでは大違いですよ。例えば1月から12月をプリントしたいとき、1月をプリント、次に2月をプリント、というのは手間がかかります。ですが、1月から12月まで定型で用意された連番機能を使うと一気にプリントできるのは便利ですし、時短にもつながります。あいうえおやABCもそうですが、よく使う連番のラベルを自動で作成できるのはとっても楽。
今回、僕的には何がうれしいかって言うと、よく使う定型句を内蔵したこの連番機能ですね。これまであまりなかったような気もしますし。

ちなみに連番は3桁もできますか。

亀田 5桁までできます。

高畑 いいですね。連番機能はあまり知られていないので、「文具のとびら」の読者の方々にはぜひ使ってほしい機能です。

亀田 ぜひよろしくお願いします。

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高畑 ところでパソコンリンク機能はありますか、それともスタンドアローンですか。

亀田 スタンドアローンです。できるだけ簡単に使用できるように機能を絞ったのが「ラテコ」の特徴でもあります。電源を入れたらすぐ入力できますし、ボタンが大きくなって入力しやすくなっています。ATOKの搭載によって漢字変換も一発、入力し終わったら印刷という流れで、ステップがだいぶ簡単になっています。

高畑 オフィスでみんなが使うことを考えたら、アプリのインストールとか接続するまでもなく、ちゃちゃっと使うことが多そうです。この割り切りも会社用の工夫のように思います。

尾澤 もう1つ付け加えたいのが、箱の工夫です。社内の部署同士の貸し借りを考え、貸すときには本体・ACアダプター関係一式をすべて入れてきれいな状態で貸すことができるように、箱の中にしまう方向を印刷しました。こうすることで迷わず収納でき、戻ってきたときの状態もきれいなんです。
また、箱の外側のデザインはシンプルなクラフト調で、テープの幅で「Lateco」とさりげなく入れるなど、ちょっとこだわってみました。

高畑 そこまで考えたんですね。収納まで考えてデザインすることは大事です。収納で手間取るとイラっとしますから。

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まとめ

高畑 いつも思っていることですが、ラベルライターのコンセントを挿して、電源を入れて、ボタンを押して、ラベルを作成するのが面倒くさいんです。だから今度にしようと思って、付箋に手書きしてファイルに貼ったり、それすらせずに、並んでいるファイルの中から汚れ具合や厚みなどで必要なファイルを判断することもあったりします。
なので印刷ボタンを押すまでをいかに短くできるのかが結構大事です。1月から12月までのラベルを印刷するとき、定型から選んで1回押すだけで自動でやってくれるならやってもいいけど、ひと月ずつ入力して印刷するくらいなら手書きを選んでしまうことがあると思います。多分「ラテコ」のライバルは他製品ではなく、面倒くささとの闘いかなと思います。

今回「ラテコ」がいいなと思ったのは、ある種の機能にフォーカスし、あまり使わない機能を省いた点。なので他の機種ではなくこれを買う必然が出てきます。今のデジタル方面の流れにありがちな何でもできるという方向ではなく、スタンドアローンで物理ボタンを持っている強みを活かして戦っているあたりが面白い。カートリッジの作り方、ボタンの作り方など、現物の物理のところが面白いですね。
もはや最終的にでき上がった文字はどのラベルライターで作ったのかわからないくらいのレベルなわけです。そうだとしたら、どこで違いが出るのかというと、もったいないを減らすことやちょっとした面倒くささを減らすことだと思います。
今ラベルライターが必要なのはだれで、どのようなシーンで使用されるのかという現場のことを徹底的に考え、キーを減らしたり、機能を絞りながらも、10cmボタンや連番機能を装備したのが「ラテコ」のいいところ。そういった割り切りが気持ちいいですね。
とにかく10cmボタンがあるのはとっても便利で、知らないと損するのが連番機能。こういう機能はもっと伝わってほしい気がします。


亀田 ありがとうございます。「ラテコ」は今後のラベルライターの軸として育てていきたい商品です。

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高畑 ラベルを貼られたらデザイナーの負けだといつも言っているんですが、要するにラベルライターはそもそも世の中に足りないところを埋める道具なんです。必要な情報を補完する道具であり、現場の切実な要望に応える道具でもあります。本当に伝えなくてはいけないことがあるにも関わらず、それがちゃんとできていないから、多くの人がつまずくところに「段差注意」のラベルが貼られるし、多くの人がそこで頭をぶつけるから「頭上注意」というラベルが貼られるわけです。「高温注意」のラベルを貼らなくてはいけないのは、そこでやけどした人が何人かいるからなんです。そういう切実な情報を補完するための道具がラベルライターです。
今のラベルライターはいくつかのタイプにわかれていると思います。おしゃれにいろいろな情報を伝えたり、ファイルをきれいに見せるための道具としてのラベルライターがある一方で、切実な情報を補完するために現場で何とかするための道具としてのラベルライターもあります。「ラテコ」は一見オシャレに見える外観ですが、どちらかというと後者で、手の込んだきれいなラベルを作るというよりも、読みやすいきちんとした文字でラベリングすることで、だれもが気持ちよくファイルを利用できるようにすることや、デザイナーができなかったところをデザインのことは特に詳しくない現場の人が、今すぐ補完するための道具だと思います。情報が必要十分なら、そこにラベルを貼る必要はないんですが、情報が足りないと現場が気づいたときに現場が穴埋めするわけです。だから、世の中の情報やデザインの穴埋めをするための道具としてラベルライターはずっと使われています。
そう考えると「ラテコ」の方向性は正しくて、かっこいいラベルを作るかどうかの前に、とにかくちゃんとラベルを作るんだという思想があるので、僕はそういうところがいいと思います。
オフィスや街の工務店が仕事でガンガン使う感じのラベルライターであり、ちょっと頼もしい感じもします。こういう道具は使用量が増えることが大事。ユーザーにはどんどん使って欲しいと思います。
本日はありがとうございました。

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